隣人トラブル
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隣人トラブルが起きたらどうする?事例や相談先を解説

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • 隣人トラブルを避けるには、事前の現地確認や、日頃からのコミュニケーションが大切です。
  • 隣人トラブルが発生した場合は、管理組合・自治会・自治体などに相談できます。

住宅やマンションの購入、引っ越しをした際、隣人トラブルに巻き込まれる人は少なくありません。しかし、予防策や対処法を知っておくことで回避できたり、解決できたりする可能性があります。

この記事では、戸建て住宅・マンションでよくある隣人トラブルの事例から、未然に防ぐ方法、相談先まで解説します。トラブルなく理想の生活を送れるよう、ぜひ参考にしてください。

よくある隣人トラブル事例

よくある隣人トラブル 騒音

隣人トラブルは、誰でも突然巻き込まれる可能性があるもので、決して珍しいものではありません。ここでは、実際にどのようなトラブルが頻発しているのか、一般的な隣人トラブルの例を見ていきましょう。

1.騒音トラブル

隣人トラブルの中で、もっとも多いとも言われているのは、騒音トラブルです。

パーティーでの話し声や楽器の音色のように大きな音だけではなく、子供の走り回る足音や赤ちゃんの泣き声など、日常生活において避けられないものが原因となる場合もあります。また、洗濯機や掃除機の作動音、テレビの音などでトラブルになることも珍しくありません。

通常の生活音であっても、一度気になるとストレスを感じやすくなるため、気を付けていてもトラブルに発展してしまう場合があります。

2.越境トラブル

戸建て住宅に特有のトラブルとして、隣家との境界線を巡る越境トラブルがあります。越境とは、境界線を超えていることを意味します。たとえば、塀が隣家の庭にはみ出している状態が越境の一例です。

そのほか、古くから受け継がれている土地では、境界線自体が曖昧になっているために、問題へ発展するケースも見られます。

なお、民法234条では、建物を建てる際に境界線から50cm以上の距離をあけるように定められています。

第二百三十四条 建物を築造するには、境界線から五十センチメートル以上の距離を保たなければならない。
2 前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から一年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。
出典:民法 | e-Gov法令検索

3.ゴミ捨てトラブル

ゴミの捨て方から、トラブルに発展することもあります。たとえば自治体の有料指定袋を使用しないケースや、ゴミ出しの時間や曜日を守らないといった、基本的なルールを守らないことがその原因のひとつです。

ルールに則っていないゴミは自治体に回収されないため、ゴミ捨て場に残ってしまい、トラブルになる場合があります。

4.臭いによるトラブル

臭いによるトラブルも頻発しています。原因は、ペットの糞尿や放置されたゴミによる悪臭といった、明らかに問題のある臭いだけではありません。

たとえば、タバコの臭いによるトラブルがあります。室内をきれいに保つためや家族の事情によって、バルコニーに出て喫煙する人も中にはいるでしょう。しかし、洗濯物に臭いがつくといった理由で、近隣からのクレームに繋がることがあります。

5.人間関係トラブル

勘違いや被害妄想などから、人間関係のトラブルになる例があります。

無視をされたり、嫌がらせをされたりしているといった被害妄想から、不信感が募り、嫌がらせや犯罪にまで発展してしまうケースも見られます。いたずら電話や、壁・ドアへの落書きなどがそのひとつです。

6.駐車トラブル

駐車に関するトラブルは、マンション・戸建て住宅に関わらず多くなっています。たとえば、住民の知人など契約者以外が無断で駐車するケースや、ラインをはみ出して駐車することによる問題が見られます。

また、駐車している車にぶつかり、傷をつけてしまうケースもあるでしょう。特に子どもがいる世帯では、ドアの開閉時に隣の車にぶつかってしまったり、駐車場で遊んでいるときに傷をつけてしまったりする可能性があります。

近隣トラブルを避けるには

近隣トラブルは、できることなら未然に防ぎたいものです。ここではトラブルを避けるためのコツや、事前にチェックするべきポイントを紹介します。

事前に遮音性・境界・隣家との距離を確認する

建物の遮音性は、騒音トラブルを避ける上で重要なポイントです。物件選びの段階で確認しておきましょう。建物の構造上、木造や鉄骨造よりも鉄筋コンクリート造(RC造)のほうが遮音性は高くなります。

ただし同じ構造でも、壁や床の厚さ、使っている内装材、水まわりの位置などによって音の響き方は異なります。可能であれば曜日や時間帯を変えて、何度か内見に行きましょう。

また、戸建て住宅や土地を購入する前には、隣家との距離や境界線を確認します。現地に境界石があるか、登記資料(地積測量図)通りの寸法になっているかなどをチェックしましょう。建物や塀、庭木、給湯器やエアコンの室外機などが越境していないかもあわせて確認します。

ルール・マナーを守って生活する

近隣トラブルを防ぐには、まず自分自身がルール・マナーを守ることが大切です。

共用スペースや駐車場の使い方、ゴミの出し方のマナーを守るのはもちろんのこと、生活音にも気を配りましょう。深夜・早朝に家電を使う音が響かないようにするといった配慮も必要です。

日頃からコミュニケーションを取っておく

トラブルを避けるには、日頃からコミュニケーションを取り、良好な関係を築いておくことが重要です。よく知らない相手には、不信感を感じやすくなるものです。

また、お互いの家庭の事情を知っていたり、家族ぐるみの付き合いがあったりすれば、足音や赤ちゃんの鳴き声なども、気になりにくくなります。

引っ越した際には挨拶まわりを行い、普段も廊下やエレベーターで顔を合わせたら挨拶すると良いでしょう。

近隣トラブルが発生してしまったらどこに相談すればいい?

事前に対策を施していても、トラブルが発生してしまうことはあります。万が一、近隣トラブルが発生した場合に、どこに相談すればいいかを紹介します。

管理組合・自治会に相談する

マンションに住んでいる場合は管理組合、戸建て住宅の場合は自治会や町内会へまずは相談しましょう。

管理組合では、張り紙や投函物などによって、マンション全体へ注意喚起をしてもらえます。自治会も同様に回覧物で注意喚起を行うほか、自治会長から注意をしてもらえる場合があります。

また、ゴミの出し方や駐車場の問題など、共用スペースにおけるトラブルの場合は、管理組合・自治会ともに積極的に動いてくれるケースも珍しくありません。

自治体に相談する

生活に関連する近隣トラブルについては、役所の生活課で相談できます。騒音やごみ出し、駐車に関する問題などは、行政が介入できる場合があるので、相談してみましょう。

一方で、人間関係に起因するトラブルについては、アドバイスのみとなり、直接的な解決は難しいでしょう。その場合は、他の専門家を紹介してもらえることもあります。

必要に応じて警察や弁護士に相談する

管理組合や自治会・自治体へ相談しても解決しない場合、弁護士や警察に相談することも一つの手段です。

弁護士は費用がかかりますが、証拠収集から法的手続きまで全面的に任せることができます。十分な証拠が揃った場合、内容証明の送付や、管理会社を通じて強制退去の勧告を行うことができるほか、訴訟を起こして損害賠償を求めることも可能です。

反対に、証拠が不十分な場合は法的手続きが難しくなり、問題が解決しないまま、費用だけが発生するというリスクも存在します。

また、状況によっては警察も対応してくれる場合があります。たとえば、犯罪や深刻な嫌がらせを受けている場合は、相談してみましょう。

事故や事件ではなく緊急性のない相談については、警察署の専用窓口へ行くか、警察相談専用電話「#9110」に連絡します。

まとめ

近隣トラブルでは、騒音やゴミ、臭い、人間関係、駐車、越境などの問題が発生することがあります。

もしトラブルが生じた場合は、管理組合や自治体に相談しながら、問題解決に努めましょう。それでも解決しない場合には、警察や弁護士に相談することが可能です。

これらのトラブルを未然に防ぐためには、建物の特性や生活マナーに注意し、日頃からコミュニケーションを取ることが重要です。また、引っ越し前には、曜日や時間帯を変えて何度も内見することが大切です。気になる物件がある場合は、管理会社に相談してみましょう。

この記事のポイント

隣人トラブルによくある事例は?

騒音やゴミ捨て、臭い、人間関係、駐車、越境に関するトラブルが多いです。

詳しくは「よくある隣人トラブル事例」をご覧ください。

近隣トラブルを避けるには、どうすればいい?

遮音性・境界・隣家との距離を事前に確認すること、ルール・マナーを守って生活すること、日頃からコミュニケーションを取っておくことが大切です。

詳しくは「近隣トラブルを避けるには」をご覧ください。

近隣トラブルが発生してしまったらどこに相談すればいい?

管理組合・自治会・自治体のほか、必要に応じて警察や弁護士に相談します。

詳しくは「近隣トラブルが発生してしまったらどこに相談すればいい?」をご覧ください。

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