ざっくり要約!
- 電気温水器とは、電気でお湯を沸かす電気給湯器の一種
- 電気温水器は消費電力が大きく、ランニングコストが高い傾向にある
快適に暮らすうえで欠かせないエネルギーの問題。家庭で消費するエネルギーの中でも、給湯が占める割合は約3割となっており、給湯器は光熱費削減と密接な関係にあります。
この記事では、分かりにくい電気温水器とエコキュートの違いとともに、電気温水器のメリット・デメリット、ガス給湯器との違いを解説します。
記事サマリー
電気温水器とは?ガス給湯器との違い
電気温水器とは
電気温水器とは、電気でお湯を沸かす電気給湯器の一種です。安い深夜料金でお湯を沸かして貯湯し、日中に使うことができます。
単身者からファミリー世帯までの給湯を賄える大型の電気温水器から、会社給湯室の流し台に置ける小型の製品まで、電気温水器にはさまざまな種類があります。
ガス給湯器とは
ガス給湯器とは、ガスの燃焼によって湯を沸かす給湯器のことです。電気給湯器は時間をかけて湯を沸かし貯湯する仕組みですが、ガス給湯器は瞬間的に湯を沸かすことができます。
貯湯式の電気給湯器は湯切れを起こすリスクがありますが、ガス給湯器は都度沸かすため、湯切れは起こりません。
他にも給湯器には、電気給湯器の湯切れのリスクをガスで補う「ハイブリット給湯器」もあります。
電気温水器とエコキュートの違いは?
電気温水器もエコキュートも、電気給湯器に大別されますが、その仕組みやコストについては大きな違いがあります。
電気温水器とエコキュートの熱をつくり出す仕組みの違い
電気温水器は、貯湯タンク内の電熱ヒーターを熱することによってお湯をつくります。原理は電気ポットと同じです。
一方、エコキュートは大気中の熱を汲み上げ、自然冷媒であるCO₂に移して圧縮。その熱エネルギーを水に伝えてお湯をつくる仕組みです。この仕組みはヒートポンプと呼ばれ、少ない電力で大きな熱エネルギーを生み出します。
エコキュートは、地球温暖化の原因と言われるCO₂を上手く活用した、エコロジーな給湯システムです。
電気温水器とエコキュートの導入コストの違い
電気温水器とエコキュートは、導入コストで比較すると2倍くらいの差が出ます。
3~4人用(370L)で比較した場合、電気温水器の本体価格が税別で50~60万円に対し、エコキュートの本体価格は税別で約100万円から。上位機種になると、120万円以上にもなります。
エコキュートの初期費用は非常に高額ですが、省エネ性能の高さから、国や自治体から補助金が出ることも少なくありません。タイミングにもよりますが、エコキュートを導入する場合は、補助金の有無を確認しましょう。
電気温水器とエコキュートのランニングコストの違い
導入コストが安いのは電気温水器ですが、ランニングコストはエコキュートの方がお得です。
給湯エネルギーを電気だけで賄う電気温水器に対し、エコキュートは空気の熱を給湯エネルギーとして活用します。そのため、エコキュートの電気代は電気温水器と比較すると、1/3程度と言われています。
以前は、深夜料金で安くお湯を沸かせたので、電気温水器のランニングコストは安いと言うこともできました。しかし、近年では電気料金の値上げや深夜料金の新規契約ができないケースが増えています。
費用については、電気料金がどのように変わっていくか不透明な部分も多く、導入コストやランニングコスト、補助金制度の活用等、総合的な判断が必要です。
電気温水器のメリット
電気温水器のメリットは、同じ電気給湯器であるエコキュートと共通する点も多くありますが、電気温水器にしかないメリットも一部あります。
すぐにお湯が出る
電気温水器は、お湯をタンクに貯める「貯湯式」のため、すぐに暖かいお湯を使えることがメリットです。
また、断水が起きた際には、貯湯された湯を生活用水として使うことができます(飲用にはできません)。一定の生活用水を確保できるのは、非常時には大きな安心につながるでしょう。
コンパクトな容量もある
電気温水器にしかない特徴として、1Lや6Lといった小型の製品もあることが挙げられます。もう少し大きな12L、25Lの容量もあり、置きたい場所や用途に合わせてタンク容量を選ぶことができます。
コンパクトな電気温水器は、流し台や洗面台の下、トイレの手洗い等にも設置が可能です。特に、給湯管がないことの多いトイレに設置すれば、お湯で手を洗えるようになります。
火災のリスクを低減できる
燃焼式のガス給湯器とは異なり、電気温水器は火を使わない給湯器です。安全性が高く、火災のリスクを低減できます。
また、ガスのにおいや一酸化炭素中毒のリスクがないことも、電気温水器のメリットです。
寿命が長い傾向にある
電気温水器は、ヒーターで水を温めるというシンプルな構造です。エコキュートよりも寿命が長いと言われています。
日頃のお手入れやメンテナンスを行うことで、15年程使えるケースもあるようです。
音が静か
電気温水器は燃焼音がなく、静かにお湯を沸かすことができます。
エコキュートの場合は、深夜にヒートポンプユニットから低周波音が出るため、不快や不眠を訴える方もいます。エコキュート設置の際には、隣家への配慮が必要です。
非常時にもお湯や水が使える
電気給湯器は、断水時もタンク内の水を生活用水として利用できます。また、ある程度、まとめてお湯を作る仕組みのため、貯湯ユニットにお湯が残っていれば停電後も一定の間は暖かい状態を保ちます。
電気温水器のデメリット
電気温水器は、消費電力が大きくランニングコストが高くなる傾向にあります。また、エコキュートのように補助金が出ない点にも注意が必要です。
消費電力が大きい
電気温水器は、エネルギーを電気だけで賄う仕組みのため、消費電力が大きいというデメリットがあります。
安い電気料金プランを使えないと割高になることも。電気料金が変動し続ける今、ランニングコストが急に上がる可能性も否定できません。
ガス給湯器に比べて導入コストが高い
お手頃なガス給湯器は、16~20万円程で導入することができます。その金額と比較すると、電気温水器の導入コストは50~60万円程度と高額です。
また、電気のみで稼働する電気温水器は、ランニングコストが上がる可能性も否定できません。導入コストをかけるのであれば、ランニングコストを抑えられ、補助金が出ることの多いエコキュートを選んだほうが現実的という見方もあります。
設置場所は一定の広さが必要
電気温水器の貯湯タンクは大きく、置き型です。壁掛けで設置できるガス給湯器とは設置条件が大きく異なります。貯湯タンクは満水になると400kg以上の荷重がかかるため、基礎コンクリートの整備も欠かせません。
また、設置に一定の広さが必要なだけでなく、搬入経路やメンテナンスのためのスペースを確保する必要があります。
お湯切れを起こす可能性がある
お湯を使う度に沸かすガス給湯器と異なり、電気温水器はお湯切れを起こす可能性があります。その場合には、再度沸かすまでに時間とコストがかかり不便です。
ただし、最新型の電気温水器やエコキュートは「学習機能」を搭載しており、湯切れによる沸き増しや湯量余りがあったことを記憶。最新機種を選べば湯切れの心配はほとんどなく、自動で最適な湯量に調整してくれます。
まとめ
電気温水器は、夜間でも静かにお湯を沸かせ、シンプルな構造で壊れにくく、寿命が長いことがメリットです。
しかし、電気温水器の熱源は電気のみであり、ランニングコストは電気料金プランによって大きく左右されます。導入コストの高さや補助金が出ないこともデメリットです。
また、賃貸物件で古い電気温水器が使われている場合は、湯量のコントロールが難しく、湯切れを起こしたり、電気料金が高くなったりすることも。給湯が電気温水器の物件を選ぶ場合は、注意が必要です。
この記事のポイント
- 電気温水器とは?ガス給湯器との違いは何?
電気温水器とは、電気でお湯を沸かす電気給湯器の一種です。一方、ガス給湯器はガスを熱源に瞬間的にお湯を沸かす給湯器を指します。
詳しくは「電気温水器とは?ガス給湯器との違い」をご覧ください。
- 電気温水器とエコキュートの違いは何?
電気温水器もエコキュートも、大きくは電気給湯器として分類されますが、仕組みが大きく異なります。
詳しくは「電気温水器とエコキュートの違いは?」をご覧ください。
- 電気温水器とエコキュートはどっちがお得?
導入コストは電気温水器が安く、ランニングコストはエコキュートがお得になります。ただし、コストについては補助金の有無や耐用年数など、総合的に判断する必要があります。
詳しくは「導入コスト」と「ランニングコスト」をご覧ください。
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