ざっくり要約!
- ディンプルキーとは、鍵山がなく、鍵の表面に複数のくぼみ(ディンプル)がある鍵のことです。
- ディンプルキーのデメリットは、合鍵の作成や鍵を無くした場合の解錠が難しいこと、摩耗により使えなくなる可能性があることです。
- 多めに鍵を作っておいたり、キーケースなどに入れたりすることで、デメリットを解消できます。
近年、防犯対策の一つとして、玄関ドアにディンプルキーを採用している住宅が見られるようになりました。どのような仕組みで防犯性が高くなっているのか、合鍵は作れるのか、などが気になる人もいるかもしれません。
この記事では、ディンプルキーのメリット・デメリットのほか、 デメリットを解消する方法も解説します。
記事サマリー
ディンプルキーとは?
ディンプルキーとは、鍵穴に鍵を差して使うシリンダーキーの一種です。従来の鍵のような鍵山がなく、鍵の表面に複数のくぼみ(ディンプル)がある鍵を指します。内側からは通常の鍵と同様に、つまみ(サムターン)を回して開け閉めします。
ディンプルキーは、近年の戸建て住宅やマンションの玄関ドアに多く採用されている鍵の種類です。
ディンプルキーのメリットは防犯性の高さ
ディンプルキーの一番のメリットは、防犯性の高さです。鍵を開ける仕組みは従来の鍵と同様で、鍵の凹凸とシリンダー内のピンが合致することで解錠できます。
ただし、従来の鍵は上下にしか凹凸が設けられていませんでした。一方、ディンプルキーでは上下だけではなく、左右や斜めなどさまざまな箇所にくぼみがあり、非常に複雑な構造になっています。
その複雑さから、正規の鍵以外で解錠することが難しく、ピッキングされにくいのが特徴です。従来の鍵はピッキングにかかる時間が5分以内であるのに対し、ディンプルキーは10分以上かかります。
解錠に5分以上かかると約7割の泥棒が侵入を諦め、10分以上かかる場合は約9割が諦めるといった研究結果もあります。このデータから、ディンプルキーは空き巣や不法侵入を防ぐ効果が高いと考えられるでしょう。
ディンプルキーのデメリット
ディンプルキーにはデメリットもありますが、その多くは防犯性の高さゆえに生じるものです。どのようなデメリットがあるか見ていきましょう。
一般的な鍵と比べて高い
ディンプルキーは、特別な工具や技術が必要であり、製作に時間を要するため、従来の鍵と比べて高価です。ディンプルキーへのシリンダー交換費用の目安は、以下のとおりです。
項目 | 金額 |
---|---|
シリンダー本体+鍵(標準本数) | 約5,000円~27,000円程度 |
シリンダー交換 | 約11,000円~ |
ディンプルキーにもさまざまなタイプがあり、本体価格は5,000円程度から27,000円程度まで幅広くなっています。
合鍵を作るのが難しい
ディンプルキーは構造が複雑なため、合鍵を作るのが難しいこともデメリットの一つです。
合鍵製作業者に依頼しても技術的に制作不可なケースや、正確に複製できず使えないケースがあります。メーカー純正の合鍵なら品質には問題ありませんが、受注生産のため、製作に約2~4週間かかります。
合鍵の複製費用もシリンダー交換と同様に、従来の鍵より高くなります。金額は種類によって異なりますが、1本あたり約2,000~6,000円が目安です。
鍵を無くしてしまった場合の解錠が難しい
ディンプルキーは防犯性が高いため、鍵を紛失した場合に解錠するのが困難です。プロの鍵屋でもピッキングで開けるのは難しいといわれています。
ピッキングで開かない場合は、ドアスコープから工具を入れ、室内側から鍵を回して開けます。この方法であればディンプルキーでも解錠可能ですが、特殊な道具と技術が必要です。
また、ドアスコープがない場合は鍵を壊して開けます。
どの方法も自身では難しいため、鍵を紛失した場合には鍵屋に依頼しましょう。
摩耗により使えなくなってしまうことも
ディンプルキーは非常に精巧なつくりのため、軽いキズや汚れがあるだけで、シリンダーのピンと合致しなくなってしまいます。中には、わずか0.03mmの摩耗で使えなくなることもあります。
防犯性能が高い分、少しの変化でも解錠できなくなるため、取り扱いには細心の注意を払いましょう。
ディンプルキーのデメリットを解消するには?
ディンプルキーは合鍵を作るのが難しい点や、摩耗によって使えなくなる点がデメリットでしたが、これらのデメリットを解消する方法もあります。あらかじめ確認しておきましょう。
多めに鍵を作っておく
ディンプルキーにシリンダー交換をする時点で、スペアキーを多めに作っておきましょう。
純正の合鍵は制作に2~4週間かかるため、必要になってから依頼しても、すぐには届きません。メーカーに依頼すれば複製費用が安価な場合もあるため、最初に作っておくことをおすすめします。
ただし、防犯上の観点から、あまり多くの本数を作るのはよくありません。必要な本数より1本多く作っておくとよいでしょう。純正キーを使わずに保管しておくことで、急を要するときには、純正キーをもとにスペアキーを作ることもできます。
キーケースなどに入れて持ち運ぶ
ディンプルキーはわずかな摩耗で解錠できなくなるため、キズがつかないよう、キーケースに入れることも有効です。
ケースに入れておけば、万が一落としたときにもキズがつきにくく、カバンの中で擦れることも防げます。
定期的にお手入れする
汚れやサビも解錠ができなくなる要因になるため、定期的にお手入れが必要です。鍵のくぼみをやわらかい歯ブラシで掃除し、雨に濡れたときには水滴をすぐに拭き取りましょう。
鍵だけでなく、シリンダーの鍵穴を掃除することも大切です。エアダスターなどを使って中のほこりを掃除したり、潤滑剤を使って鍵穴の滑りをよくしたりします。
ただし、油分を含む潤滑剤はほこりを吸着してしまうなど、目的に合わないものも存在します。メーカー指定の潤滑剤を使うと安心です。
まとめ
ディンプルキーは、従来の鍵とは異なり、上下左右に多数のくぼみがある鍵です。くぼみの数や配置の複雑さによって、防犯性能を高めています。
その反面、合鍵が作りにくかったり、わずかな摩耗で使えなくなってしまったりといったデメリットもあります。あらかじめ合鍵を作るほか、定期的にメンテナンスを行うことでもデメリットを解消できます。
ディンプルキーに限らず、防犯性能の高い住宅・マンションをお探しの方は、不動産会社に相談し、希望に合う物件を探してもらうとよいでしょう。
・「ディンプルキー」を含む物件一覧はこちらから |
この記事のポイント
- ディンプルキーとは?
鍵山がなく、鍵の表面に複数のくぼみ(ディンプル)がある鍵のことです。
詳しくは「ディンプルキーとは?」をご覧ください。
- ディンプルキーのデメリットは?
価格が高いことや合鍵を作るのが難しいこと、鍵を無くした場合の解錠が難しいこと、摩耗により使えなくなる可能性があることです。
詳しくは「ディンプルキーのデメリット」をご覧ください。
- ディンプルキーのデメリットを解消する方法は?
多めに鍵を作っておくこと、キーケースなどに入れること、定期的にお手入れすることです。
詳しくは「ディンプルキーのデメリットを解消するには?」をご覧ください。
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