ペニンシュラキッチンとは
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ペニンシュラキッチンとは?アイランド・I型・対面との違いやメリット・デメリットを解説

執筆者プロフィール

高山みさと
インテリアコーディネーター

CADオペレーター・大手住宅設備メーカー勤務を経て、住宅ライターとして開業。インテリアコーディネーター資格保有。元キッチンスペシャリスト。家づくりやリフォームにおける難しい知識を分かりやすく伝えている。プライベートでは築20年の戸建て住まい。リフォームやDIYで家づくりを楽しんでいる。

ざっくり要約!

  • ペニンシュラキッチンとは、コンロ側面だけが壁に接し、3方向から囲めるオープンスタイルのキッチンのこと
  • アイランドキッチンとの違いは、キッチン周囲を回遊できるか否かだが、ペニンシュラキッチンでも、間取りを工夫すれば回遊性を取り入れられる

大きなフラットカウンターが魅力的な「ペニンシュラキッチン」。アイランドキッチンと使い勝手やデザインも近く、迷われている方もいるのではないでしょうか。

また、ペニンシュラキッチンを検討する上で分かりづらいのが、キッチンの種類の多さとその違いです。この記事では、ペニンシュラキッチンのメリット・デメリットを解説するとともに、混同されやすいキッチンの違いについて解説します。

ペニンシュラキッチンとは?

ペニンシュラキッチンとは、コンロ側面だけが壁に接し、3方向から囲めるオープンスタイルのキッチンを指します。広さのあるカウンターでは、食事をすることも可能です。

アイランドキッチンと見た目は似ていますが、片側に壁があることによって、動線や使い勝手に大きな違いがあります。

また、キッチンレイアウトにはさまざまな呼び名があり、同じキッチンであるにも関わらず、複数の呼び方があることも。以下からは、混同しやすいペニンシュラキッチンと他のキッチンの違いについて解説します。

アイランドキッチンとの違い

アイランドキッチンとペニンシュラキッチンの違いは、コンロ側面が壁に接しているか否かです。壁に接していればペニンシュラキッチン、壁に接していなければアイランドキッチンとなります。

アイランドキッチンとペニンシュラキッチンは、見た目には類似したキッチンです。
しかし、アイランドキッチンは周囲を回遊できるのに対し、ペニンシュラキッチンは壁があるため、キッチン単体では回遊動線をつくれません。
ペニンシュラキッチンで回遊性を必要とする場合は、間取りによる工夫が必要です。

I型キッチンとの違い

I型キッチンとは、英字の「I」のように真っ直ぐな形状のキッチンを指します。
ペニンシュラキッチンとI型キッチンは、カウンターの奥行きが異なり、ペニンシュラキッチンが奥行き100cm前後であるのに対し、I型キッチンは65cm、または60cmです。

また、ペニンシュラキッチンは対面レイアウトに限定されますが、I型キッチンは、クローズドキッチンや外壁面への設置、腰壁で囲めば対面式のキッチンにできるなど、さまざまなレイアウトに対応できることも特徴です。

対面キッチンとの違い

「対面キッチン」の呼び方は、非常に大きな分類であるため、アイランドキッチンやペニンシュラキッチンが含まれる場合もあります。また、「カウンターキッチン」も同様に大きな分類です。

対面キッチンとカウンターキッチンは、キッチンとダイニングの間に対面カウンターのあるキッチン全てと言って良いでしょう。

セミオープンキッチンとの違い

本来、壁付けにレイアウトするI型キッチンを、対面キッチンとして使えるようにレイアウトしたものを「セミオープンキッチン」と呼びます。

アイランドキッチンやペニンシュラキッチンは、対面側もキッチンと同じ扉材にすることができますが、セミオープンキッチンの場合は、腰壁を造作するため対面側の色を統一することはできません。

ただし、造作である分自由度が高く、対面側を造り付け収納にしたり、リモコンニッチを造ったりと、アイデア次第でインテリアの楽しみ方が広がるキッチンです。

ペニンシュラキッチンのさまざまな種類

ペニンシュラキッチンのカウンタートップの下は、キッチン間口と同等の幅があるので、工夫次第で有効に使える空間です。

収納タイプ

ペニンシュラキッチンは、基本的に吊戸棚を設置しないため、収納が不足しやすい点があります。ペニンシュラキッチンの収納不足を補えるのが収納タイプです。

収納タイプは、カウンタートップ下の空間を活かして収納を設置します。ダイニング側から使うため、キッチンで使う物よりもダイニングで使う物を収納するのに適しています。

収納タイプは、キッチン扉と同じ扉材で収納を備えられるので、キッチンとダイニングのインテリアに一体感が生まれることも魅力です。

テーブルタイプ

テーブルタイプは、ペニンシュラキッチンを食事用のテーブルとして使えるタイプです。ダイニングテーブルよりも高さがあるのでハイチェアを使う必要がありますが、調理してそのまま配膳できる手軽さが魅力です。

テーブルとして使う範囲は、キッチン扉と同じ化粧パネルで仕上げることができます。一部をテーブルとして使い、部分的に収納を設置することも可能です。

壁ありのタイプ

メーカー品のペニンシュラキッチンは、壁はコンロ側面に接するだけで、コンロ正面に壁は造作しません。

ただし、コンロまわりを見せたくない場合や壁付けのレンジフードを使いたい場合には、コンロ正面を「壁あり」で納めることも可能です。

その場合には、カウンタートップやキャビネットの加工が必要になる場合もあり、費用が上がる可能性もあります。

ペニンシュラキッチンのメリット

ペニンシュラキッチン メリット

ペニンシュラキッチンは、リビングまで見通せる開放感と、家族の様子が見える安心感が大きなメリットです。

家族の様子を見ながら調理できる

ペニンシュラキッチンを含む対面式のキッチンは、家族の様子を見守りつつ料理できることがメリットです。

料理の合間に宿題を確認したり、今日の出来事を話し合ったり、ペニンシュラキッチンは、親と子の絆を深めるコミュニケーションの場としても役立ちます。

開放感がある

対面キッチンには、セミオープンキッチンのように吊戸棚が設置されたキッチンもありますが、ペニンシュラキッチンは基本的に吊戸棚を設置しません。

対面キッチンの中でも、ペニンシュラキッチンやアイランドキッチンは、最も開放感を得られるキッチンと言えます。

アイランドキッチンより場所を取らない

アイランドキッチンは周囲を回遊できることが大きなメリットですが、4方向に通路を確保する必要があるため、面積が必要なレイアウトです。

広さの都合上、アイランドキッチンの設置が難しい場合は、ペニンシュラキッチンでも間取りの工夫によって回遊動線を取り入れられる場合があります。

例えば、ペニンシュラキッチン横に洗面所につながる引き戸があれば、キッチンと洗面所の行き来がスムーズに。調理中だけでなく、家全体の生活動線が向上するのは大きなメリットです。

ペニンシュラキッチンのデメリット

ペニンシュラキッチンのデメリットは、LDKの一体感や開放感と引き換えになるものです。避けられないデメリットもあり、後悔する可能性もあるため慎重に検討しましょう。

水・油はねが気になりやすい

ペニンシュラキッチンは、水はねや油はねが飛び散りやすく、周囲の汚れが気になります。コンロ前にガラスパネル、シンク前にもパネルを立てることによって、飛び散りを防ぐことは可能です。

ただし、開放感が薄れる、デザイン性を損ねるといった意見もあり、採用されないケースも見られます。

煙やにおいが広がりやすい

ペニンシュラキッチンに限らず、対面式のキッチンは煙やにおいが広がりやすいことがデメリットです。

ペニンシュラキッチンの場合は、コンロ側面だけでなく正面にも壁を造作することで、煙やにおいの広がりをある程度、抑えることができます。

周りから手元が見えやすい

周囲に視線を遮るものがないペニンシュラキッチンは、カウンター上やシンク内、手元が必然的に見えやすくなります。

常に整理整頓されたキッチンを維持するのは簡単なことではなく、キッチンを見せることに抵抗がある方は、ペニンシュラキッチンを選ぶと後悔するかもしれません。

ペニンシュラキッチンは間取りを工夫して便利に使う!

ペニンシュラキッチンはアイランドキッチンと比較して、設置に必要な面積と費用を抑えられることが魅力です。ペニンシュラキッチン単体では回遊性はないものの、間取りを工夫すれば、回遊動線を取り入れることもできます。

後悔しないためには、デメリットによる不便を許容できるか、事前によく検討することが大切です。

この記事のポイント

ペニンシュラキッチンとは?

ペニンシュラキッチンとは、コンロ側面だけが壁に接し、3方向から囲めるオープンスタイルのキッチンを指します。

詳しくは「ペニンシュラキッチンとは?」をご覧ください。

ペニンシュラキッチンとアイランドキッチンの違いは?

両者の違いは、コンロ側面が壁に接しているか否かです。アイランドキッチンは壁がなく、周囲を回遊することができます。

詳しくは「アイランドキッチンとの違い」をご覧ください。

ペニンシュラキッチンにはどんな種類がある?

ペニンシュラキッチンには、対面側に収納があるタイプ、テーブルとして使えるタイプ、コンロ前に壁があるタイプがあります。

詳しくは「ペニンシュラキッチンのさまざまな種類」をご覧ください。

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