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アルコーブとは?マンションの玄関前や屋内に見られる「くぼみ」の使い方

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • アルコーブとは、マンションの玄関前や部屋の一角にある、くぼんだスペースのことです。
  • アルコーブと玄関ポーチとの違いは、門扉の有無や、専用使用権の有無です。

物件探しのなかで「アルコーブ」という言葉を目にするものの、その定義がわからない方もいるのではないでしょうか。アルコーブとは、壁の一部をくぼませて作ったスペースのことです。

この記事では、アルコーブと玄関ポーチとの違い、アルコーブを設けるメリット、室内のアルコーブの活用方法を解説します。

アルコーブとは?

アルコーブとは、部屋や廊下にある壁面の一部を後退させて作った、くぼみのことを言います。マンションにおいて、玄関の壁面を共用廊下よりも後退させてスペースを作るのが、アルコーブの一例です。また、屋内の部屋の一角をくぼませたアルコーブもあります。

アルコーブは、もともとはバロック様式の建築で用いられており、ヨーロッパの住宅でよく見られた形式です。17世紀のフランスでは、お客様をもてなすための空間として、アルコーブが設計されていました。

マンションのアルコーブと玄関ポーチとの違い

マンションには、アルコーブではなく玄関ポーチが設けられているケースもあります。どちらも玄関前の空間であることには変わりありませんが、両者の違いを押さえておきましょう。

マンションの玄関ポーチには門扉がある

マンションの玄関ポーチには門扉が設置されていることが、アルコーブとの違いです。「各住戸の玄関ドアから門扉までの空間」を玄関ポーチと考えるとわかりやすいでしょう。

アルコーブであっても玄関ポーチであっても、広さに変わりはありません。門扉の有無によって玄関ポーチかどうかを判断します。

なお、玄関ポーチはどの住戸にもあるとは限らず、同じマンション内でも一番奥の住戸のみに設けられているケースなど、さまざまです。

専用使用権の有無

アルコーブと玄関ポーチで、見た目以外に異なるのが専用使用権の有無です。

専有使用権とは、マンションの共用部分として一定の制限は受けるものの、専有部分に準じた扱いが認められており、独占的に使用できる権利のことを指します。管理規約の範囲内であれば私物を置くことも可能です。

玄関ポーチもアルコーブも、どちらも共用部分であることに変わりはありませんが、玄関ポーチのほうが、自由度が高いといえるでしょう。

アルコーブも多くの場合、室外機を置くことは可能

アルコーブには専有使用権がありませんが、エアコンの室外機を置くことが可能なケースが多くなっています。共用廊下側に配管の穴が開いているかどうかを見ておきましょう。

ただし、マンションによってはアルコーブへの室外機設置を禁止している場合もあります。エアコンを設置する際は、管理組合に規約を確認してください。

マンションのアルコーブのメリット

アルコーブがあると、共用廊下からの視線を遮ることができる点がメリットです。

通常の形状の場合、玄関ドアを開閉する際に部屋の中が見えてしまうケースがあります。その点、アルコーブは凹んでいるため共用廊下から見えにくくなり、プライバシーを保つことが可能です。防犯上も安心できるでしょう。

また、共用廊下より壁面が後退しているため、ドアを開けたときに通行人にぶつかる心配もありません。

室内のアルコーブとは?どんな用途がある?

アルコーブは玄関前だけではなく、室内に設けられるケースもあります。くぼみをデッドスペースとするのではなく有効活用することで、より暮らしやすくなります。どのような使い方があるか見ていきましょう。

テレワークや学習スペースにぴったり

リビングや寝室の一角にできた凹みにデスクを設けると、ワークスペースとして使用できます。デスク周りが壁で囲まれているため、視線が遮られ、集中しやすくなるでしょう。テレワークや学習を行う場所として重宝します。

また、リビングの中であれば子供たちの気配や声を感じながら作業ができるため、子育て中の世帯にも向いています。

キッズスペースにも

リビングダイニングのアルコーブは、キッズスペースとしても活用ができます。三方が壁に囲まれた少し閉鎖的な空間は、秘密基地のような雰囲気もあり、お子さまも楽しく遊べるでしょう。

また、リビングよりも凹んでいるため、おもちゃがリビング内に溢れず、部屋をすっきりさせることができます。

床の間のような使い方も

アルコーブは、和室の床の間のような使い方もできます。

季節の飾り物のほか、生花や掛け軸、間接照明などを置いて、インテリアとして楽しみましょう。子どもの作品を飾る場所として活用するケースも見られます。

まとめ

アルコーブとは、マンションの玄関前や部屋の一角にある、くぼんだスペースのことです。門扉がない点や、専用使用権が認められない点が、玄関ポーチとの違いです。

アルコーブがあると、玄関ドアの開閉時に共用廊下から住戸の中が見えにくくなり、プライバシーを保つことが可能です。

アルコーブがあるマンションをお探しの方は、不動産会社へ物件探しを相談してみるとよいでしょう。

この記事のポイント

アルコーブとは何?

部屋や廊下にある壁面の一部を後退させて作った、くぼみのことです。マンションの玄関前や部屋の一角にあります。

詳しくは「アルコーブとは?」をご覧ください。

マンションのアルコーブと玄関ポーチとの違いは?

玄関ポーチには門扉があり、専用使用権がある点がアルコーブとの違いです。

詳しくは「マンションのアルコーブと玄関ポーチとの違い」をご覧ください。

マンションのアルコーブのメリットは?

共用廊下からの視線を遮りプライバシーを保てることや、玄関ドアの開閉時に通行の妨げにならないことです。

詳しくは「マンションのアルコーブのメリット」をご覧ください。

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