ざっくり要約!
- ピットリビングとは、床下空間を活用し、周囲よりも床を低く設けたリビングを指す
- ピットリビングは個性的な空間をつくれる反面、デメリットも多く、慎重に検討する必要がある
居間と食堂を分けることが多かった住まいも、ライフスタイルの変化に伴い、LDKを一体空間としてつくることが増えました。一方で、リビングに個性を出したい、ひと味違う空間が欲しいと思う方から注目されているのが「ピットリビング」です。
この記事では、ピットリビングのメリット・デメリットを解説するとともに、おしゃれに見せるインテリアや間取り例まで紹介します。
記事サマリー
ピットリビングとは?
ピットリビングとは、床下空間を活用し、周囲よりも床を低く設けたリビングを指します。
床に段差があることによって、壁で仕切らなくてもリビングの独立性を高められることが特徴です。ピットリビングは、「ダウンフロア」や「ダウンリビング」とも呼ばれます。
スキップフロアとの違い
スキップフロアとは、各階層の中間に異なる高さのフロアを設けた間取りのことです。
階段でフロアをつなぎ、高低差を出す点はピットリビングと類似していますが、スキップフロアは床面積を増やせることが特徴となっています。
・「スキップフロア」に関する記事はこちら スキップフロアとは?スキップフロアが向いているケースや注意点も紹介 |
ピットリビングのメリット
ピットリビングのメリットは、床の一部を下げるだけにも関わらず、落ち着きのある独立性の高い空間をつくれることです。
空間を仕切れる
ピットリビングに壁はなく床に段差があるだけの空間ですが、高低差によってリビングが区画された印象になります。
また、LDKに一体感を求める場合でも、食事とくつろぎの場を分けたいと思うことは少なくありません。ピットリビングは、そのような要望に応えられる間取りです。
開放感が高まる
ピットリビングは、周囲よりも20~40cm程度、床を下げてつくる空間です。その分天井が高くなり、低座で過ごすピットリビングの開放感を高めます。
さらに、吹き抜けや高窓を組み合わせると、リビングから高い空を望める気持ちのいい空間になるでしょう。
落ち着く空間になる
周囲の空間より、床が下がったピットリビングは、独特の「こもり感」や包まれているような「安心感」があることが特徴です。
あえて開放感は求めず、天井を下げて落ち着きのある空間をつくれることも、ピットリビングの魅力と言えます。
多様な活用方法がある
ピットリビングは、じゅうたんや畳を敷いて寝転がれる空間にしたり、キッズマットを敷いてキッズスペースとして使ったりするのが定番の活用法です。
また、段差には大人数が腰掛けられるので、来客の多いご家庭ではベンチとして重宝します。他にも、段差内部をリビング収納として活用するなど、アイデア次第で活用方法が広がります。
ピットリビングのデメリット
ピットリビングは、段差があることによって思わぬデメリットがあることも。住んでから気付くことも多く、後悔しないためにもデメリットを事前に確認しておきましょう。
ロボット掃除機が使えない
床に段差のあるピットリビングは、お掃除ロボットを使うことができません。
ピットリビング周辺の掃除を任せることはできますが、ピットリビング内の掃除機掛けは自分で行う必要があります。
つまずいたり転倒したりする危険性がある
段差のある空間は、つまずき・転倒・転落のリスクがあり、バリアフリーとは言えない構造です。赤ちゃんや子ども、高齢者にとって危険なことも少なくありません。
ご家庭によっては慎重な判断が必要になります。
冬は寒い
冬の冷気は低い場所にたまりやすく、室内で最も低い場所になるピットリビングは「寒い」とよく言われます。
ピットリビングには何らかの寒さ対策が必要ですが、床下空間を活用するピットリビングには、床暖房を設置できないケースもあります。ハウスメーカーによって対応が異なるため、事前に確認が必要です。
床暖房以外の寒さ対策としては、全館空調やシーリングファンの設置などが挙げられます。
・「天井ファン」に関する記事はこちら 天井ファン(シーリングファン)の効果とは? 上手に使って冷暖房効率アップ! |
床下が狭くなる
ピットリビングを設けると床下が狭くなりますが、床下空間は、配管のメンテナンスやシロアリの薬品散布などの際に、人が出入りする場所です。
床下は、家の維持管理に必要不可欠な空間であり、床下点検口から各所の床下へ移動できるような構造になっていなくてはなりません。床下を点検できるか否かは、長期優良住宅の認定に影響する場合もあるので注意が必要です。
ピットリビングをもっとおしゃれに快適にするインテリア・間取り例
ピットリビングがあるだけで、個性的で目を引く空間になりますが、もっとおしゃれに便利にするためのアイデアを紹介します。
ローソファと相性抜群
ピットリビングをおしゃれに見せるポイントになるのが「ソファ」です。脚のないローソファなら、ピットリビング内にスッキリと納めることができます。また、大型のソファでもロータイプなら圧迫感がありません。
脚のあるソファも、もちろん設置可能です。その場合には、ソファの座面とダイニング側の床高さを合わせると、双方に座る人の目線高さを合わせやすくなります。
スキップフロア併設でより空間を広く見せる
ピットリビングがあるだけでも広さを感じることはできますが、スキップフロアを併設すると、開放感がより強調された間取りをつくることができます。
反対に、スキップフロアの階下にダウンフロアをつくることによって、開放感ではなく「こもり感」のある空間にするのもユニークです。秘密基地のような空間は、キッズスペースとして人気があります。
段差内部はオープンスペースが便利
ピットリビングの段差に収納を造作すると便利ですが、造作家具はコストアップになることが難点です。収納は造り付けにせず、段差内部をオープンスペースにしたほうがコストを抑えつつ、フレキシブルに活用できます。
市販の収納ボックスを納める使い方がスタンダードですが、キッズチェアを置いて段差を子ども用のデスクにする方法もおすすめです。
ピットリビングの段差を収納や家具のように活用することで、家具のいらないスッキリとしたリビングを実現することができます。
ピットリビングは内装でおしゃれに!
ピットリビングは、内装を部分的に変えやすくインテリアコーディネートを楽しめる場所です。
テレビ設置面の壁にアクセントクロスを採用したり、ピットリビングの床がアクセントになるように床材を変えたりすると、より際立つ空間になります。
反対に、ピットリビングの床と天井を同じ材質でコーディネートすれば、統一感と落ち着きのある空間を演出することもできます。
ピットリビングはデメリットを十分理解した上で導入を
ピットリビングは床を下げただけの空間ですが、自然とリビングが区画され、和室のようにくつろげる居心地のよいスペースになります。
しかし、段差が生活上の不便につながることも多く、問題が起きないか事前に検討することが大切です。デメリットを十分理解した上で、導入することをおすすめします。
この記事のポイント
- ピットリビングとは?
ピットリビングとは、床下空間を活用し、周囲よりも床を低く設けたリビングを指します。
詳しくは「ピットリビングとは?」をご覧ください。
- ピットリビングのある家は後悔する?
ピットリビングにはデメリットも多く、デメリットを理解せずに導入すると失敗や後悔につながる可能性があります。
詳しくは「ピットリビングのデメリット」をご覧ください。
- ピットリビングをおしゃれに見せるには?
ピットリビングをおしゃれに見せるには「ソファ」がポイントです。他にも、間取りやインテリアで工夫できることがあります。
詳しくは「ピットリビングをもっとおしゃれに快適にするインテリア・間取り例」をご覧ください。
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