マンション 水濡れ
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マンションで水漏れが起こったらどうする?上の階・天井・排水管など様々な原因やトラブル対処法を解説

執筆者プロフィール

狭井八矢日

フリーランスライター&WEBディレクター。「初心者にもわかりやすい記事づくり」をモットーに、不動産投資・金融関係・ライフスタイル・IT関連・著名人インタビューなど、幅広いジャンルでライティングを行う。その他、企業メディア運用のライティング関連の編集・指揮・監修実績多数。

ざっくり要約!

  • マンションでの水漏れが発生した場合は、漏水場所の写真撮影や応急処置、管理会社への連絡を速やかに行いましょう。
  • 水漏れが発生した箇所によって、修理費用を負担する人は異なります。共有部分なら管理組合、専有部分であれば居住者が負担するケースが多いです。
  • マンションの水漏れの修理費用は、火災保険でカバーできる場合もあります。

マンションの水漏れが起こるリスクは、どの住戸にもあります。予期せぬ事態のため、どのように対処すればよいか分からない方も多いでしょう。

この記事では、マンションの水漏れが起こる原因や対処法、未然に防ぐ方法を解説します。修理費用の負担についても説明するので、ぜひ参考にしてください。

マンション・アパートなどの賃貸物件で水漏れトラブル!どう対処すべき?

マンションで生活していると、予期せぬトラブルが発生することがあります。その中でも「水漏れ」は、特に困り果てる問題の一つです。原因としては、配管の老朽化や詰まり、洗濯機のホースが外れたことなどが考えられます。また、自分の部屋だけでなく、上階や隣の部屋からの水漏れが原因で被害を受けるケースもあります。

マンションに住んでいると、「自分の部屋で水漏れが起きた場合、どうすればいいのか」「もし水漏れ被害を受けたら、保険は適用されるのか」といった疑問を持つこともあるでしょう。本記事では、マンションで水漏れが発生した際の対処方法や、責任の所在について詳しく解説します。マンションでの水漏れトラブルについて正しい知識を身につけ、万が一の場合でも冷静に対応できるようにしておきましょう。

マンションで水漏れが起こる原因

マンションで水漏れが起こる原因は多岐にわたります。それぞれの原因に応じて対処法が異なるため、まずは原因を明らかにすることが重要です。

トイレ・キッチンなどの給排水管の詰まり・破損

キッチンは特に水漏れが発生しやすい場所の一つです。キッチンでの水漏れは、主に以下の3つの原因が挙げられます。

まず一つ目は、排水管の詰まりです。キッチンの排水管には、料理中に発生する食べ物のカスや油が流れ込むことが多く、これが原因で詰まりが発生します。この状態でさらに水を流し続けると、排水が逆流して水漏れにつながることがあります。

二つ目は、蛇口の劣化や故障です。長年使用していると、蛇口が劣化してしまい、水漏れを引き起こすことがあります。蛇口をひねる際に異音がする場合や、蛇口の根元から水が滲んでいる場合は、部品が摩耗しているサインです。

最後に、給水管の劣化や故障も原因の一つです。給水管がさびたり、古くなったりすると、水漏れが発生することがあります。特にねじが緩んでいる場合や、接続部に問題がある場合には、漏水のリスクが高まります。

トイレもまた、水漏れの発生が多い箇所です。トイレの水漏れの主な原因は以下の3つとなります。

まず、排水管の詰まりです。トイレの排水管が詰まってしまうと、水が正常に流れなくなり、水があふれてしまうことがあります。これはトイレの最も一般的な水漏れの原因の一つです。

次に、トイレ本体や部品の劣化や故障が挙げられます。トイレ自体の部品が劣化すると、内部のシール部分やゴムパッキンが弱まり、水漏れが起こることがあります。

最後に、給水設備の劣化や故障です。給水設備が古くなっている場合、部品が損傷して水漏れが発生することがあります。特に長期間使用しているトイレの場合は、定期的な点検とメンテナンスが必要です。

これらの原因に早めに気づき、適切な対処を行うことで、大きなトラブルを防ぐことができるでしょう。

給湯器の故障

給湯器に故障や不具合が生じると、水漏れに繋がりやすくなります。

特にメンテナンスをしていない給湯器や、年数が経過している給湯器では、不具合が生じるリスクがあります。

天井・上の階からの水漏れ

天井から水が漏れてくる場合も、マンションではよくあるトラブルの一つです。このようなケースでは、主に以下の2つの原因が考えられます。

まず一つ目は、天井の上にある設備からの水漏れです。マンションでは給排水管や冷暖房設備が天井内に配置されていることが多く、これらが劣化したり故障したりすることで水漏れが発生することがあります。特に配管の接続部が緩んでいたり、老朽化していたりする場合には、そこから水が漏れ出すことがあります。

もう一つの原因は、上の階からの水漏れです。上の階で発生した水漏れが、天井を伝って下の階にまで達することがあります。この場合、上階でのキッチンやバスルーム、洗濯機のトラブルが原因となっていることが考えられます。上の階での配管の破損や、設備の故障が引き金となっている可能性が高いです。

天井からの水漏れが発生した場合、マンションの共用設備によるものなのか、それとも上階の住戸によるものなのか、すぐに判断できないことも多くあります。

そのため、原因が分からない場合は、まず管理会社に連絡して調査を依頼するのが適切です。専門家による確認を通じて、どこに問題があるのかを特定し、早めに対処することで被害の拡大を防ぐことができます。

バルコニーの水漏れ

バルコニーは、マンションの中でも水漏れが発生しやすい場所の一つです。ここで起こる水漏れの主な原因は次の2つが考えられます。

一つ目は、排水口の詰まりです。バルコニーには、雨水を排水するための排水口が設置されています。しかし、この排水口が落ち葉やゴミ、ほこりで詰まってしまうと、雨水がうまく流れず、溜まった水が原因で水漏れが発生することがあります。定期的に掃除をして、排水口を清潔に保つことが重要です。

もう一つは、劣化による床面のひび割れです。バルコニーの床面は、長年の使用や風雨にさらされることで、ひび割れが生じることがあります。このひび割れから雨水が染み込み、下の階に水漏れを引き起こすことがあります。特に築年数が経過したマンションでは、バルコニーの床面の状態に注意を払うことが大切です。

バルコニーでの水漏れを防ぐためには、普段からのメンテナンスが欠かせません。さらに、マンションによっては防水加工がされていないバルコニーもあります。そのような場合、バルコニーで水を使用した掃除を行うと、水漏れを引き起こす可能性があります。水を使用した掃除が禁止されているマンションもあるため、掃除をする際には、事前にマンションの規則を確認してから行うようにしましょう。

居住者の過失

居住者の過失による水漏れも珍しくありません。

たとえば、洗濯機の給水ホースが外れたり、蛇口を閉め忘れたりといったことが原因となるケースがあります。日々の生活の中で、注意を怠らないことが大切です。

マンション・アパートなどの水漏れトラブルを放置するとどんな影響がある?

水漏れを放置すると、思わぬ被害が広がることがあります。

まず、水漏れが続くとカビやダニが発生しやすくなります。これによって家財が汚れるだけでなく、室内の空気が汚染され、シックハウス症候群やアレルギー症状を引き起こすことがあります。特に湿気の多い場所では、カビの発生が早く、住環境が悪化してしまいます。

さらに、水漏れが建物に直接影響を与えることもあります。例えば、床材や壁紙が剥がれる、建物の構造部分が劣化するなど、住まい自体に大きなダメージを与えます。長期間放置した場合、建物全体の耐久性が低下し、災害時に大きな被害を招く可能性も考えられます。

また、放置することで被害が広がれば、その分の損害賠償や修繕費用も大きくなります。たとえば、水漏れによる損害が他の部屋や共用部分にまで及んだ場合、被害を受けた他の住人や管理会社から高額な賠償請求を受けることもあります。また、漏水の原因が長期間の放置により大きなトラブルに発展してしまうと、水道代の負担も増えることがあるでしょう。

マンションでの水漏れは、自分だけの問題ではなく、周囲にも迷惑をかける可能性があります。水漏れを発見した際には、すぐに対応することが重要です。時間をかけずに対処することで、被害の拡大を防ぎ、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。

マンションで漏水が起きたときの対処法

前の章で説明した原因を踏まえ、マンションで水漏れが発生した際は、すぐに対処することが重要です。早期に対応することで、被害を最小限に留めることが可能となります。

応急処置をする

マンションで漏水が発生した際は、応急処置を行います。

まず漏れている水を止めるために、可能であれば主水栓を閉めてください。次に、漏水部分を特定し、バケツやタオルで水を受け止め、さらなる被害の拡大を防ぎます。

電気機器やコンセント付近での漏水なら、安全のために電源を切断しましょう。

管理会社や管理組合に連絡する

水漏れが発生した際には、速やかに管理会社や管理組合に連絡することが重要です。水漏れの原因が、自分の部屋の問題だけではなく、共用部分にある可能性も考えられますし、被害が広がる前に迅速に対処する必要があります。また、原因がどこにあるか分からない場合でも、被害状況の確認は欠かせません。

さらに、自分が水漏れの加害者である場合も、被害者である場合も、他の部屋の居住者と適切にやり取りをする必要があります。この際、自分で直接相手の部屋に訪問して説明しようとすることは避けましょう。直接対話を試みると、誤解や感情的なトラブルに発展する可能性が高くなります。そのため、管理会社や管理組合などの第三者を通して対応するのが安全で、円滑な解決につながります。

多くの管理会社では、夜間や緊急時にも対応できる連絡先が用意されています。水漏れなどの突発的なトラブルはいつ発生するかわかりませんので、事前に緊急連絡先を確認しておくことが大切です。

管理会社や管理組合に連絡を入れると、修理の手配やその後の対応について指示を受けますので、その指示に従い、早急に適切な行動を取るようにしましょう。

漏水している場所を写真に収める

漏水箇所の写真撮影は、後の対応において非常に重要です。漏水の程度や被害状況を正確に記録することで、管理会社や修理業者への状況報告が正確になり、迅速な修理や保険申請の際に必要な証拠となります。

また、将来的に漏水に関するトラブルが生じた際の証拠資料としても有効です。被害状況をできるだけ詳細に捉えるために、複数の角度から写真を撮ることをおすすめします。

保険会社に連絡する

マンションで水漏れが発生した場合、保険が適用されるケースもあります。応急処置や管理会社への連絡を終え、状況が落ち着いたら、次に保険会社へ連絡することを忘れないようにしましょう。

水漏れの際に適用される保険は、加害者か被害者かによって異なります。

もし自分が加害者である場合は、個人賠償責任保険が利用できることが多いです。一方、被害者である場合は、火災保険の水漏れ補償が適用されることがあります。また、個人賠償責任保険は、自動車保険やクレジットカードに付帯している場合もありますので、契約内容を確認しておくとよいでしょう。

まずは、自身の保険加入状況を確認し、該当する保険会社に水漏れの発生を報告してください。保険が適用される場合、修理費用や損害賠償金を補償してもらえる可能性があるため、手続きは早めに進めましょう。

さらに、共用部分からの水漏れである場合は、管理組合の責任となるケースもあります。この場合、管理組合が加入している施設賠償責任補償特約が適用される可能性があるため、管理組合を通じて対処してもらいましょう。

マンションの漏水の修理費用は誰が負担する?賠償する責任の所在はどうなる?

マンションの漏水の修理費用を負担する人は、漏水が発生した箇所によって異なります。入居者が負担するケースもあるので、あらかじめ把握しておきましょう。

共用部の詰まり・破損の場合は管理組合

たとえば、廊下や外壁、屋上といったマンションの共用部分で発生した漏水問題に関する修理費用は、基本的に管理組合の負担になります。

共用部分のメンテナンスと修理は、管理組合の責任範囲内にあり、修理費用はマンションの管理費や修繕積立金を用いて賄われることが一般的です。

専有部で発生した場合は居住者

自宅の水まわりからの漏水など、マンションの専有部分で漏水が発生した場合、修理費用は原則として居住者の負担となります。

専有部分の管理は個々の居住者の責任になるため、賃貸と分譲のどちらであっても、居住者が負担します。

上層階からの水漏れは上層階の居住者

上層階からの水漏れが下層階に被害を与えた場合、その原因が上層階の専有部分にあると判断されれば、修理費用は上層階の居住者が負担します。

この場合、漏水の原因究明や責任の所在を巡ってトラブルになることもあります。

修理費用は火災保険でカバーできることも

漏水による修理費用は、火災保険に含まれる補償でカバーできる場合があります。保険適用の条件や補償範囲は保険会社や契約内容によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

また、保険請求の際には漏水の証拠となる写真や、修理に関する見積書が必要となることもあります。

水漏れの水道代は水道局の判断で減額になることも

水漏れに気づくのが遅れ、大量の水が漏れてしまうと、その分の水道メーターが回り、通常の検針通りに請求されると水道代が高額になってしまうことがあります。しかし、状況によっては水道代を減額してもらえるケースもあるため、覚えておきましょう。

たとえば、水漏れの発生場所が目視できない場所で発見が遅れた場合や、自然災害が原因で配管に不具合が生じた場合などは、水道代の減額が認められることが多いです。特に、床下や壁内のように、日常的に確認できない場所での水漏れが原因であれば、自己の過失とは判断されず、対応してもらえる可能性が高まります。

減額される条件や基準は各自治体によって異なりますので、まずは管轄の水道局に連絡し、状況を説明したうえで確認してみると良いでしょう。

マンション・アパートなどの水漏れが発生した場合の修理費用の相場はいくら?

マンションやアパートで水漏れが発生した場合、その修理費用は被害の程度や原因によって大きく変動します。たとえば、配管の不具合が原因で水漏れが発生した場合、配管の修理費用は一般的に1メートルあたり5,000円から10,000円程度が相場となります。

さらに、階をまたぐような深刻な水漏れが発生すると、被害は水漏れを起こした部屋だけでなく、下の階の天井や内装にも及ぶ可能性があります。このような場合には、水漏れの原因となった部屋の修理だけでなく、下の階の修繕や原状回復にかかる費用も賠償する必要が出てきます。天井の補修や内装の張り替えなどが必要になることも多く、工事が複雑化するため、費用が高額になることが避けられません。

そのため、場合によっては修理費用の総額が100万円を超えるケースも珍しくありません。これだけの高額な修理費用は、個人で簡単に負担できるものではなく、予想外の出費に困ることもあります。

万が一の事態に備えて、火災保険や個人賠償責任保険などに加入しておくことが非常に重要です。保険に加入していれば、修理費用や賠償金の負担を大幅に軽減できるため、安心して生活を送ることができます。

マンションの水漏れを未然に防ぐには?

マンションの水漏れを未然に防ぐには

マンションの水漏れを未然に防ぐためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。管理状態が良好な物件を選ぶことも方法のひとつです。

マンション一斉の排水管清掃には必ず応じる

マンションで定期的に実施される排水管清掃には、必ず応じましょう。

日々の生活の中で油や食品カス、髪の毛などが排水管に流れ込み、詰まりの原因となることがあります。排水管清掃を定期的に行うことで、詰まりによる水漏れを未然に防げます。

給排水設備をメンテナンスをする

給排水設備のメンテナンスも水漏れ防止に有効です。給排水管の部品は永久に使えるわけではなく、経年劣化することがあります。早期の交換や修理によって、大きな水漏れを防げるでしょう。

ただし、入居者自身で行うことはできないため、管理組合に呼びかけるなどの対応が必要です。

築浅や管理状態が良好なマンションを選ぶ

マンションの漏水は、経年劣化やメンテナンス不足によるものが多く見られます。そのため、築年数が浅く、管理状態が良好な物件を選ぶことが重要です。

新しいマンションは、水漏れなどのトラブルが起こりにくい傾向にあります。また、定期的なメンテナンスが行われているマンションでは、問題が小さなうちに対処できるため、大きなトラブルを防ぎやすくなります。

まとめ

マンションでの水漏れは、誰にでも起こり得る問題です。発生した場合は、漏水場所の写真撮影や応急処置、管理会社への連絡を速やかに行いましょう。

共有部分で漏水した場合は、管理組合が修理費用を負担し、専有部分であれば発生した箇所の居住者が負担するケースが多いです。ただし、火災保険でカバーできる場合もあります。

築浅の物件や管理状態が良好なマンションへの入居を考えている場合は、不動産会社に物件選びの相談をするのがおすすめです。

この記事のポイント

マンションで水漏れが起こる原因は何?

給排水管の詰まり・破損や給湯器の故障、上階からの水漏れ、居住者の過失などが挙げられます。

詳しくは「マンションで水漏れが起こる原因」をご覧ください。

マンションで漏水が起きたときの対処法は?

応急処置を施し、管理会社に連絡することのほか、漏水している場所を写真に収めることも挙げられます。

詳しくは「マンションで漏水が起きたときの対処法」をご覧ください。

マンションの漏水の修理費用は誰が負担する?

共用部の詰まり・破損の場合は管理組合、専有部で発生した場合は居住者、上層階からの水漏れは上層階の居住者が負担します。

詳しくは「マンションの漏水の修理費用は誰が負担する?賠償する責任の所在はどうなる?」をご覧ください。

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