ヴィンテージマンション 魅力
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ヴィンテージマンションとは?人気の理由や魅力、入居時の注意点を解説

執筆者プロフィール

村田愛美
宅地建物取引士

上智大学外を卒業後、不動産調査会社在籍中に宅地建物取引士試験に合格。宅建士として事業用不動産の仲介営業職に従事し、退職後はレンタルオフィスの運営会社で入居者・契約管理をするかたわら、売買・賃貸・住宅ローンを中心とした不動産関連の専門性が高い記事を多数執筆。不動産初心者でもわかりやすい文章に定評がある。

ざっくり要約!

  • ヴィンテージマンションとは、立地・デザイン・管理の良さが魅力で、資産価値が下がりにくい中古マンションのこと
  • ヴィンテージマンションは都心の一等地にあることが多く、高級感があり経年劣化の美しさを楽しめるデザインが人気
  • ヴィンテージマンションは築年数が古いため、入居にあたっては耐震性・修繕計画や修繕積立金・建て替えの計画などを確認しておくことが重要

新築マンションだけが住宅選びの選択肢ではありません。中古でも充分に品格と魅力にあふれた物件がたくさんあるのをご存知でしたか?

「ヴィンテージマンション」と呼ばれる物件は、築年数は経過していても立地や建物の魅力は色あせることがありません。

この記事では、上質で洗練された暮らしを求める人にぴったりの「ヴィンテージマンション」についてご紹介します。ヴィンテージマンションとは一体何か、その魅力や注意点、さらには東京の代表的な物件など、ヴィンテージマンションを理解するための情報が満載です。

都会的で上質な住まいを探している方にとって必見の内容となっていますので、ぜひ最後までごゆっくりご一読ください。

ヴィンテージマンションとは?

ヴィンテージマンションとは、立地やデザイン、管理体制に優れた個性的な中古マンションのことを指します。バブル崩壊後の2000年代初頭、価格の下落が進む中で、一定数の物件が値崩れを免れたことから注目されるようになりました。

価格が下落しなかった理由としては、立地・デザイン・管理体制の良さの3つが挙げられます。ヴィンテージと聞くと古い物件というイメージを持つかもしれませんが、単に古いわけではなく、都心を中心とした人気エリアに美しい状態で現存するマンションをヴィンテージマンションと呼びます。

「ヴィンテージマンション」という言葉に、明確な定義はありません。不動産調査会社「東京カンテイ」では、ヴィンテージマンションの条件として「築10年以上」「平均専有面積90㎡以上」「坪単価300万円以上」が挙げられていますが、メディアや機関によって異なる定義づけがされている場合もあります。

ヴィンテージマンションの魅力

前の章で、ヴィンテージマンションは立地・デザイン性・管理体制が良く、資産価値が高いマンションであることをお伝えしました。ここではヴィンテージマンションの魅力について、もう少し深堀していきます。

立地が良い

ヴィンテージマンションは、都心部の人気エリアに立地しているのが大きな魅力です。

渋谷、表参道、青山、麻布などの一等地に位置し、主要な駅からも徒歩圏内と利便性に優れています。周辺にはスーパーや商業施設、緑豊かな公園なども揃い、生活環境としての利便性が高いのもメリットです。

また、大使館や美術館など、上質で洗練された施設に近接しているケースも多く、質の高いライフスタイルを求める人にも人気です。

クラシカルで重厚感のあるデザイン

ヴィンテージマンションは、時代を感じさせるクラシックなデザインと重厚な作りも魅力的です。

大理石の広い廊下、木製の重厚なドア、アールヌーボー調のエントランスなど、細部へのこだわりを感じるデザインは、おしゃれで飽きのこない個性を放っています。

レアな海外の建材を用いた物件もあり、質の高い仕上げも目を引きます。経年とともに増す味わいは、ヴィンテージマンションならではの醍醐味と言えるでしょう。

資産価値が落ちにくい

築年数が経過しても資産価値が下がりにくいことも、ヴィンテージマンションの大きな特徴として挙げられます。

立地の良さと建物の品格が高く評価され、むしろ購入時よりも価格が上昇することも少なくありません。

新築マンションは一定年数が経つと価値が下がっていきますが、ヴィンテージマンションは需要の高さから資産価値が維持されます。

中長期的に見れば、安定した資産形成が可能な優れた投資対象とも言えるでしょう。

ヴィンテージマンションに住んで後悔?注意したいポイント

立地の良さや見た目の美しさ、資産価値の高さから多くの人を魅了するヴィンテージマンションですが、購入したり賃貸する場合には、注意したいポイントもあります。

耐震性

ヴィンテージマンションは築年数が古いため、耐震性が不安視されがちです。特に1981年以前の旧耐震基準で建てられた物件は、大規模地震に対する安全性が懸念されます。

ただし、旧耐震基準の時期に建てられた物件でも、身体基準と同等の耐震性を持つヴィンテージマンションもあります。入居前に耐震診断を行い、十分な耐震性がある建物かを確認しましょう。

構造・設備の劣化

築年数の経過による、建物の構造や設備の劣化は避けられません。

入居前には室内の状態を確認し、修繕が必要な箇所と概算費用を把握しておきましょう。大規模な修繕が必要な場合、多額の費用が発生する可能性もあるため、慎重に資金計画を立てることが重要です。

また、ヴィンテージマンションは共用部も老朽化が進んでいる場合があります。新築マンションのように、何不自由なく快適に暮らすことは難しいということは認識しておく必要があるでしょう。

修繕計画・修繕積立金

ヴィンテージマンションの場合、築年数が古く老朽化している箇所が多い分、多くの修繕積立金が必要になる可能性があります。

そのため、ヴィンテージマンションに入居する前には、修繕計画と修繕積立金の残高を確認し、修繕積立金が不足しそうな場合は、将来的な大規模修繕に備えた資金計画の見直しを行いましょう。

建て替えの計画

いくら経年劣化の美しさを味わえるヴィンテージマンションと言えど、永久に存続することは不可能です。老朽化が著しく、建物の安全性が確保できない場合には、入居中に建て替えの話が出る可能性も否定できません。

建て替えとなれば、一時的に別の住居に引越さなければならないだけでなく、建築基準法が改定されている影響で、建て替え前と同じ規模のお部屋に住むことが難しくなることも考えられます。

入居前に建て替え計画の有無を確認し、あった場合にどのような影響があるか考えておきましょう。

東京の代表的なヴィンテージマンション3選

ヴィンテージマンションの魅力を詳しく見てきたところで、「実際のヴィンテージマンションにはどんな物件があるの?」と気になってきた方も多いのではないでしょうか。

そこでここからは東京にあるヴィンテージマンションの中でも、特に知名度が高い3件をご紹介します。

1.広尾ガーデンヒルズ

広尾ガーデンヒルズ

広尾ガーデンヒルズは、1983年〜1987年に竣工した大規模ヴィンテージマンションで、広尾駅すぐ近くの約57,000㎡という破格の敷地が特徴です。

敷地内には見上げるほど高いケヤキ並木をはじめ、クスノキ、ツツジ、ツバキなどの草木が広がります。圧倒的なボリュームの緑は、「広尾の森」と呼ばれる程の心地のいい空間です。

広尾ガーデンヒルズの敷地は5つの「ヒル」に区分されており、それぞれ統一されたコンセプトの下で、異なる個性的な建物デザインが採用されています。

イーストヒルのシンボルは雁行形に配置された洗練された住居棟、サウスヒルは豪華で高級感あふれるホテルライクなエントランスロビーが目を引きます。

敷地内にはカフェ、スーパー、クリニックなど生活に必要な施設が揃っているほか、建物の美観維持や植栽管理、防犯・防災対策などが計画的に行われているのも特徴。

このような手厚い管理が、広尾ガーデンヒルズの高い資産価値を支えています。

2.ドムス南麻布

ドムス南麻布

1993年に竣工したドムス南麻布は、高級ブランド「ドムスシリーズ」の最上位に位置する、最高級ヴィンテージマンションです。

南麻布三丁目の高台に建つこの物件では、住棟・住戸プランから内装の部材、調度品に至るまで、高級素材と職人技が惜しみなく注ぎ込まれています。ロビーにはバカラのシャンデリアが輝き、ラグジュアリーなリビングセットが置かれ、まるで別世界に迷い込んだかのような空間美です。

竣工から四半世紀が経った今でも、ドムス南麻布の雄大な佇まいと内装の美しさは色あせることがありません。これは、管理会社による徹底した維持管理体制があってこそ実現できています。細部まで徹底したメンテナンスのため、管理会社の最高責任者「管理課長」が常駐するほどです。

最高級の建材や調度品を使用している分、年月の経過による劣化リスクも高いはずですが、そうした懸念をしっかりと払拭する、管理の質の高さが際立っていると言えるでしょう。

3.目黒ハウス

目黒ハウス

目黒ハウスは、目黒駅から徒歩10分ほどの距離にある、目黒区三田に立地するヴィンテージマンションです。

周辺は高級マンションが建ち並ぶ閑静な高級住宅街で、目黒川を一望できる高台に位置しています。古くから目黒区の名門エリアとされる三田は、豊かな緑に囲まれた環境と、プライバシーが確保された立地条件に恵まれています。

広尾ガーデンヒルズなどの設計で知られる圓堂建築設計事務所が手掛けた目黒ハウスは、モダンでシックな建築美が魅力です。どっしりとした存在感と、グレーを基調としたモダンな外観デザインが調和し、重厚な雰囲気を醸し出しています。

目黒ハウスには67㎡から240㎡を超える広々とした大型住戸が多数用意されており、日当たり・通風に優れた住環境も特徴です。

高台にあるため、特に上層階からは開放的な眺望を楽しめるのも、目黒ハウスが人気を集める理由の1つと言えます。

まとめ

抜群の立地と美しい外観、丁寧な管理によって維持される資産価値の高さが特徴のヴィンテージマンションの魅力は、少しでも伝わったでしょうか?

築年数が古いため、入居する際にはいくつか注意したいポイントはありますが、今回お伝えした項目を押さえれば、ほかの人とは違う特別な暮らしが手に入ります。

都心の一等地でおしゃれな暮らしがしたいという方は、ヴィンテージマンションへの入居を検討してはいかがでしょうか。

この記事のポイント

ヴィンテージマンションとはどのようなマンションですか?

ヴィンテージマンションとは、立地やデザイン、管理体制に優れた個性的な中古マンションのことを指します。

詳しくは「ヴィンテージマンションとは?」をご覧ください。

ヴィンテージマンションはどのようなところに魅力がありますか?

ヴィンテージマンションは立地・デザイン性・管理体制が良く、資産価値が高いマンションであることが魅力です。

詳しくは「ヴィンテージマンションの魅力」をご覧ください。

ヴィンテージマンションに住む際に気をつけることは?

立地の良さや見た目の美しさ、資産価値の高さから人気のヴィンテージマンションですが、購入したり賃貸する場合には、注意したいポイントもあります。

詳しくは「ヴィンテージマンションに住んで後悔?注意したいポイント」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

ヴィンテージマンションは数自体が少ないうえ人気も高いため、物件情報がなかなか出回りにくい傾向にあります。ヴィンテージマンションを多く取り扱っているサイトをブックマークして、常に最新情報をチェックするよう心がけましょう。また、希望する条件の物件情報が出ても、複数の申し込みが入り必ずしも入居できるとは限りません。入居先が決まるまで、数年単位の期間を要することもあります。ぜひゆったりと構えて、長い気持ちで物件探しをするようにしましょう。

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