リビング レイアウト
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リビングはどうレイアウトすればいい?広さや形状に合わせたレイアウト方法を解説

執筆者プロフィール

高山みさと
インテリアコーディネーター

CADオペレーター・大手住宅設備メーカー勤務を経て、住宅ライターとして開業。インテリアコーディネーター資格保有。元キッチンスペシャリスト。家づくりやリフォームにおける難しい知識を分かりやすく伝えている。プライベートでは築20年の戸建て住まい。リフォームやDIYで家づくりを楽しんでいる。

ざっくり要約!

  • リビングのレイアウトを決めるには、部屋の寸法を測る、コンセントの位置を確認するなどの下準備が大切
  • 家具の配置だけでなく、通路幅や動線、動作空間を意識してレイアウトするのが快適なリビングをつくるポイント

客間を設ける住まいが減少し、リビングはキッチンやダイニングと一体空間であることが一般的です。また、リビングは広さも重要ですが、間取りの形状によってもレイアウトが左右されます。

この記事では、リビングのレイアウトを形状別や広さ別で解説。リビングのレイアウトにお悩みの方は、ぜひご覧ください。

リビングのレイアウトを考える前の下準備

何も置かれていないリビングを眺めていると、自由にレイアウトできるようにも感じますが、動線の確保やコンセントの位置を考慮すると制約も多いものです。リビングのレイアウトを考える前の下準備について解説します。

部屋の寸法を測る

リビングに限りませんが、部屋のレイアウトは寸法を測ることから始まります。新築物件で図面がある場合もありますが、正確な寸法は実測するのが一番です。

マンションの場合は、梁や下がり天井があるケースも多いため、高さ方向も忘れずに測っておきましょう。腰高窓の下に家具を配置したい場合も同様です。

コンセント・テレビ端子の位置を確認する

次に確認すべきことは、コンセントやテレビ端子の位置です。テレビのレイアウトやコンセントの位置関係によって、リビングのレイアウトは大きく左右されます。

リビングに置く家電製品は、暖房器具、加湿器、サーキュレーター、オーディオ機器などさまざまです。季節によって使う家電製品も変わるため、家での過ごし方をイメージしながら、レイアウトを検討しましょう。

置きたい家具の優先順位を決めておく

家具一式を買い揃える場合も、手持ちの家具をレイアウトする場合も、置きたい家具は優先順位を決めておくことが大切です。

新しい家具と手持ちの家具を一緒にレイアウトする場合は、色や素材、奥行き寸法をできるだけ揃えると統一感が出ます。

また、必要以上に奥行きや高さのある家具は、実際にレイアウトすると圧迫感につながることも少なくありません。収納物に合わせた家具を選びましょう。

リビングレイアウトの基礎知識

リビングの印象は、カラーコーディネートで大きく変わります。また、リビングの快適性は、動線や動作空間の確保、テレビのレイアウトを考慮することが大切です。

リビングのカラーコーディネート

リビングのカラーコーディネートを考える際には、空間の大部分を占める床や壁、天井といった内装の色を意識します。これらの色は「ベースカラー」と呼ばれ、空間の約70%を占めると言われています。

特に、床と家具の色の相性は大切です。例えば、ダークブラウン色の床に濃色の家具を配置すると、リビングの印象が暗くなってしまうことも。適度に明るい色を取り入れることがポイントです。

家具やソファ、カーテンなどは「アソートカラー」と呼ばれ、空間の25%程を占めます。残りの5%は「アクセントカラー」と呼ばれ、差し色として用いる色です。観葉植物やクッションといった小物が該当します。

ベースカラー、アソートカラー、アクセントカラーのバランスでインテリアの印象は決まります。

通路・動線・動作空間を考慮する

人の行き来が頻繁なリビングは、十分な通路幅や動線を確保することが重要です。すれ違う場合の通路幅は、90~120cm程度を目安に確保しましょう。

また、家具使用時の動作空間を考慮することも大切です。椅子を引いて座る、扉や引き出しを開ける、ドアを開けるなど、必要な動作空間はそれぞれ異なります。

動作空間を確保できていないと、すれ違いがしにくかったり、人と物がぶつかったり、日常的に不便が生じるので注意が必要です。

テレビをレイアウトするポイント

テレビに日光が当たって反射すると見えにくくなるため、テレビのレイアウトは窓との位置関係が重要です。

基本的には、窓に対してテレビを直角に配置すると、日光の影響を受けにくくなります。間取りの都合上、上手くレイアウトできない場合は、遮光カーテンを使うなどして対策しましょう。

また、アンテナ端子の位置関係で、テレビのレイアウトが希望通りにならない場合は、フリーレイアウトに対応したテレビもおすすめです。モニターとチューナー部が分離しており、モニターを好きな位置に移動できます。

形状別!リビングのレイアウトのポイント

間取りによってLDKの形状はさまざまですが、キッチンとダイニングの位置関係が近くなるように配置するのが基本です。リビングはゆったりくつろげるようにレイアウトしましょう。

縦長リビング

縦長リビングの場合は、キッチンの対面(または背面)にダイニングテーブルをレイアウトし、窓に面した奥の空間をリビングとしてレイアウトします。

縦長リビングは壁面が多い傾向にあり、家具を配置しやすいことがメリットです。ダイニングテーブルやソファの幅などに注意して、通路はしっかり確保しましょう。

必然的に、キッチンやダイニングは窓から離れるため、明るさが不足することも。照明でしっかり補う必要があります。

横長リビング

横長リビング

横長リビングは、LDK全体が窓に面しているので、明るく開放感があることが魅力です。一方で壁面が少なく、家具の配置に工夫が必要になります。

基本的には、ダイニングとリビングの間に通路を確保して、家具をレイアウトします。キッチンやダイニングからもテレビが見えるようにするためには、通路に沿ってソファを配置するのが一般的です。

ただし、赤ちゃんや幼児のいるご家庭では、通路沿いに置かれたソファで目が届きにくくなることも。ソファを置かない、テレビのレイアウトを変えるといった選択も検討しましょう。

正方形リビング

正方形リビング

正方形リビングは、レイアウトが難しいと言われる間取りです。広さによってはリビングとダイニングを区分けしにくい、ダイニングセットとソファを両方配置できないといったデメリットがあります。

このような場合は、ソファダイニングを置いて、リビング・ダイニングを兼用した空間にするのがおすすめです。

リビング・ダイニングの空間を区分けしたい場合は、コンパクトなダイニングセットを選んだり、キッチンのカウンターテーブルで食事をとったりする方法もあります。

変形リビング

変形リビング

変形リビングにはいくつか種類がありますが、上から見た時にL字型になっているタイプは、リビングとダイニングを区分けしやすいという特徴があります。
ただし、リビングとダイニングが分断される場合もあるので、コミュニケーションを意識してレイアウトしましょう。

他に、部屋の角が直角でない、壁が斜めになった変形リビングも見られます。ユニークで個性的な空間をつくれますが、通路を確保した上で家具をレイアウトするのがポイントです。

広さ別!リビングの基本的なレイアウト

リビング レイアウト 6畳 10畳 12畳 18畳

リビングの広さは、キッチンを含む場合とキッチンの広さが別に表記されている場合があり、間取り図を見る際には注意が必要です。

6畳の基本的なレイアウト

6畳のリビングは、ダイニングキッチンが隣接し、リビング単体の空間になっていることが多いのが特徴です。

リビング単体の空間は、動線を気にすることなく、ソファやテレビをゆったりとレイアウトできます。スライディングウォール(可動式間仕切り)で仕切られていれば、開放してダイニングキッチンと空間をつなげることも可能です。

10畳の基本的なレイアウト

10畳のLDは、2人暮らしで過ごしやすい広さです。ただし、2人掛けのダイニングテーブル、2人掛けのソファを配置すると、通路や動線にあまりゆとりはありません。
通路や動線をしっかり確保するためには、ソファは窓沿いや壁沿いに設置するのも選択肢のひとつです。

空間そのものにゆとりが欲しい場合は、ソファダイニングやビーズクッションを配置して、ソファを置かないという選択もあります。

12畳の基本的なレイアウト

LDKが12畳あると、2人暮らしから小さな子どもとの3人暮らしまで快適に過ごせる広さです。ただし、コンパクトなダイニングセットやソファを選び、動線を確保することをおすすめします。

LDだけで12畳あれば、4人掛けのダイニングセットやソファを配置でき、4人家族でも暮らしやすいレイアウトが可能です。

18畳の基本的なレイアウト

18畳のLDKは、4人掛けのダイニングテーブルとソファを置いてもゆとりがあり、4人家族がゆったりと暮らせる広さです。

LDだけで18畳ある場合は、5人暮らしにも対応できる広さになります。家族全員が座れる大型ソファやオットマンの配置なども可能です。

空間にゆとりがあるので、パーテーションで仕切り、ワークスペースや家事コーナーをつくるのもおすすめです。

まとめ

リビングのレイアウトは、広さや形状を考慮することも大切ですが、コンセントやテレビ端子の位置、動線や動作空間の確保も重要です。

ソファやカーテンなど、インテリアの主役になる家具は、内装の色とのバランスを考慮して選びましょう。アクセントとなるクッションや小物類は、季節ごとに変えると気分が変わり、選ぶ楽しみも増えます。

この記事のポイント

リビングのレイアウトを考える前にした方が良いことはありますか?

何も置かれていないリビングを眺めていると、自由にレイアウトできるようにも感じますが、動線の確保やコンセントの位置を考慮すると実は制約も多いのです。

詳しくは「リビングのレイアウトを考える前の下準備」をご覧ください。

リビングの形状でレイアウトは変わりますか?

間取りによってLDKの形状はさまざまですが、キッチンとダイニングの位置関係が近くなるように配置するのが基本です。リビングはゆったりくつろげるようにレイアウトしましょう。

詳しくは「形状別!リビングのレイアウトのポイント」をご覧ください。

広さ別のレイアウト例は?

リビングの広さは、キッチンを含む場合とキッチンの広さが別に表記されている場合があり、間取り図を見る際には注意が必要です。

詳しくは「広さ別!リビングの基本的なレイアウト」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

家族の人数が増えるほど、通路幅や動線の確保は重要になります。扉や引き出しを開ける際の動作空間も踏まえてレイアウトすることが大切です。十分な広さを確保できない場合は、引き戸式の収納をおすすめします。
収納家具を並べて配置する場合は、奥行きを統一するとスッキリ見えます。必要以上に大きな収納家具は避け、収納物に合わせたサイズを選ぶこともポイントです。
リビングのレイアウトは、家族が心地よく過ごせるよう、ゆとりを持って計画しましょう。

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