ざっくり要約!
- クーラー以外で部屋を涼しくするには、窓を開けたり、打ち水をしたりする方法がある。遮熱カーテンをつけると、室温上昇を防ぐのに効果的
- ジメジメした暑さには、除湿機の使用がおすすめ。ペットボトルで除湿する方法もある
夏に向けてエアコンを設置したくても、室外機を置く場所やコンセントの確保など、設置条件が揃わないと、エアコンは設置することができません。
また、電気料金は年々高騰を続けています。エアコンだけに頼らずに涼しく過ごせる方法は、生活の知恵として知っておくと便利です。
この記事では、クーラー以外で部屋を涼しくする方法10選を紹介。節電やエアコンのない部屋でお困りの方は、ぜひご覧ください。
記事サマリー
1.窓を開ける
電気代がかからず、最も手軽に室温を下げられる方法は、窓を開けることです。
部屋の対角線上の窓を2か所開けると、停滞した暑い空気が外気と入れ替わります。窓が1か所しかない場合は、扇風機で空気の流れを作りましょう。
シンプルな方法ですが、同時に換気もできるので、窓を開けることは湿気やカビ対策としても有効です。
2.扇風機・サーキュレーターを回す
クーラー以外に手軽に涼をとれるのが、扇風機やサーキュレーターです。しかし、扇風機やサーキュレーター自体は、涼しい風を起こせる訳ではありません。
涼しく感じる理由は、体温によって暖められた周囲の空気を風で吹き飛ばすからです。お風呂上りのように皮膚が濡れている時は、気化熱によりさらに涼しさを感じることができます。
ただし、気温が37、38℃……と体温よりも高くなった場合は、扇風機で涼しさを感じることは難しくなります。
3.除湿機を使う
部屋が暑く感じる理由は、湿度も関係しています。快適に過ごせる湿度の目安は、40〜60%と言われ、日本の夏が不快なのは、湿度の高さも理由のひとつです。
梅雨の蒸し暑さは、部屋の湿度を下げるだけで不快が軽減することも。除湿機があれば、積極的に使ってみましょう。
除湿機がない場合は、水を入れて凍らせたペットボトルで除湿する方法も。凍らせたペットボトルに扇風機の風を当てると、涼しさも感じられます。
・「湿度」に関する記事はこちら 部屋の湿度を下げる方法は?適正な湿度にコントロールして一年中快適に過ごすには |
4.打ち水をする
昔ながらの方法ですが、打ち水で涼をとる方法もあります。地面に打ち水をすると、水がだんだんと蒸発していきますが、水が気体に変わる際に地面から熱を奪います。これが、打ち水が涼しく感じられる理由です。
打ち水は、水がすぐに蒸発しないように日陰にまくことがポイント。日中に打ち水をすると、蒸し暑さにつながる場合もあるので、朝や夕方に行いましょう。
5.保冷剤や氷枕を使用する
冷たさが持続する保冷剤や氷枕は、エアコンのない部屋で寝る場合に便利なアイテムです。首や脇の下を冷やすと、血液の巡りによって体全体を冷やすことができます。保冷剤や氷枕は、冷えすぎないようタオルで巻いて使いましょう。
また、起きている時には、外出時に使うネッククーラー(クールリング)が便利です。動作時でも涼をとることができるので、室内でも重宝します。
6.接触冷感の素材を取り入れる
夏が近づくと、接触冷感の素材を取り入れた商品が多く出回ります。接触冷感とは、熱伝導率の高い繊維を用いて、上昇した体温を繊維側に移すものです。体温を奪われることによって、涼しさを感じられます。
接触冷感は、シーツや枕カバー、衣類などに幅広く使われており、適材適所に取り入れることで快適に過ごしやすくなります。
7.天然素材を取り入れる
涼しさを感じられる素材には、接触冷感以外にも「天然素材」があります。
衣類であれば、リネン(麻)やガーゼ素材がおすすめです。汗を吸いやすい、乾きやすい、肌触りが良いなどのメリットがあり、夏のパジャマに取り入れると快適に過ごせるでしょう。
シーツにはリネン素材もありますが、通気性が良く蒸れにくい「竹シーツ」もあります。ひんやりとした肌触りで、竹は天然の接触冷感とも言える素材です。
8.LED電球に替える
部屋の電球が白熱電球なら、LED電球に変えるだけで発生する熱が少なくなり、室温が下がる可能性があります。
また、LED電球は消費電力が減ることから、電気料金を抑えることも可能です。さらに、寿命にも違いがあります。白熱電球の寿命は約1000時間と言われる一方、LED電球の寿命は約4万時間。LED電球は、白熱電球の約40倍長持ちすると言えます。
出典:白熱電球からLED電球へ交換するポイント!違いと注意点を詳しく解説 |Panasonic
9.遮熱カーテンをつける
住まいの中で、熱の出入りが一番多いのは「窓」と言われています。そのため、カーテンを遮熱効果のあるものにすると、熱の侵入を抑え、室温上昇を防ぐのに効果的です。
遮熱カーテンは、夏に威力を発揮しますが、断熱性を備えた遮熱カーテンもあり、冬も継続して使用できる商品も多く見られます。
また、熱を遮るために、生地が厚手で遮光性を備えているものもありますが、部屋が暗く感じてしまうことも。部屋を明るくしたい場合には、窓に貼る「遮熱フィルム」で遮熱対策をすると良いでしょう。
10.工事不要のエアコンを使う
クーラー以外で部屋を涼しくするには、工事不要の「窓用エアコン(ウィンドクーラー)」を使う方法もあります。窓用エアコンは、開口した窓にはめ込むタイプのエアコンで、適合サイズの窓とコンセントがあれば、設置可能です。
窓用エアコンは、冷房能力に限りがあるので記載の畳数を確認し、設置条件をクリアできるか否かも、事前に確認しましょう。
また、窓用エアコンは室内機と室外機が一体となった構造です。排熱の都合上、窓用エアコン使用時は窓を閉められないため、防犯上の注意が必要になります。
【番外編】高断熱・高気密の家は夏も涼しい
エアコンのある部屋もない部屋も、夏は室内に熱気がこもりやすく、夜になっても涼しくならないことが悩みではないでしょうか。
そういった悩みを解消できるのが、高断熱・高気密の住まいです。外気温の影響を受けにくく、夏はもちろん、一年中快適に過ごすことができます。
冷暖房にかかる費用の削減や、ヒートショックの危険性を減らすなど、高断熱・高気密の家は、快適性以外にもメリットがたくさん。
住まいの居住性にお悩みなら、高断熱・高気密の家を検討してみてはいかがでしょうか。
・「断熱」に関する記事はこちら 断熱リフォームの効果は?工事内容や補助金も解説 |
まとめ
クーラー以外で部屋を涼しくするには、窓を開けたり、打ち水をしたり、ほとんどお金のかからない方法もあります。暑さを和らげるには、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させたり、除湿機で湿度を下げたり、室内環境を変えることも大切です。
寝具には、接触冷感や天然素材を取り入れることで、寝苦しい夜も快適に過ごしやすくなります。
しかし、気温も湿度も高い日本の夏は、熱中症の危険と常に隣り合わせです。夜間でも安心はできません。無理はせずに、必要に応じてエアコンの使用も検討しましょう。
この記事のポイント
- クーラー以外に涼しくする方法はある?
今すぐできる手軽な方法としては、窓を開けたり打ち水をしたりする方法が挙げられます。
詳しくは「1.窓を開ける」「4.打ち水をする」をご覧ください。
- 夏を涼しく過ごすコツはありますか?
遮熱カーテンを取り入れたり、電球をLEDに変えたりすることで家を涼しくする効果に期待できます。
詳しくは「8.LED電球に替える」「9.遮熱カーテンをつける」をご覧ください。
- 「涼しい家」にするにはどうすればいいですか?
高断熱・高気密の住まいは、外気温の影響を受けにくく、夏はもちろん一年中快適に過ごすことができます。
詳しくは「【番外編】高断熱・高気密の家は夏も涼しい」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
工事不要のエアコンは、窓用エアコンを紹介しましたが、さらに小型の「ポータブルクーラー」もあります。ポータブルクーラーは、キャスター付きで移動が可能。除湿機能を備えたタイプも多いので、衣類乾燥に使うこともできます。
窓用エアコンと同様に、ポータブルクーラーも快適に使うためには「排熱」がポイントになります。排気ダクトで熱を室外に逃がさないと、室温が上昇する恐れも。室内機と室外機が一体型のクーラーを導入する場合は、排熱方法をよく確認する必要があります。
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