ざっくり要約!
- 三隣亡とは、吉凶を表す暦注の一つで、建築関係の凶日とされる日です。
- 1月・4月・7月・10月は亥の日、2月・5月・8月・11月は寅の日、3月・6月・9月・12月は午の日が三隣亡です。
- 三隣亡には、建築儀礼、引越し、建築に関わる契約をしてはいけないとされています。
建築の契約や地鎮祭などの日程を決める際、「三隣亡(さんりんぼう)」という言葉を聞いたことがあるでしょう。縁起がよくない日というイメージはあるものの、具体的にいつを指すのか分からないという方も少なくありません。
この記事では、三隣亡の意味や由来、三隣亡にやってはいけないことを解説します。2024年・2025年の三隣亡にあたる日付も紹介するので、重要な行事を控えている方はぜひ参考にしてください。
記事サマリー
三隣亡(さんりんぼう)とは?
三隣亡とは、仏滅や大安などのように日の吉凶を表す暦注の一つで、土木建築関係の凶日とされる日のことです。
三隣亡の日に建築や引っ越しなどを行うと、自分の家を含む三軒隣まで災いが及ぶと言われています。古くから伝わる言い伝えで、建築業界では今でも気にする人が多いです。
三隣亡の由来
三隣亡の由来には諸説あります。江戸時代の書物では「三輪宝」と書かれ、「天」「地」「人」の三点の中心に宝が位置することを意味していました。「屋立てよし」「蔵立てよし」とも記載され、吉日とされていたのです。
しかし、ある時に「よ」を「あ」と書き間違え、「屋立てあし」「蔵立てあし」となり、意味が逆転したという説があります。「三輪宝」が凶日では都合が悪いことから、「三隣亡」と書き換えられたのではないかと考えられています。
三隣亡はいつ?
三隣亡は毎月特定の日に巡ってきます。具体的には、月ごとに以下の十二支に該当する日が三隣亡となります。
月 | 三隣亡の日 |
---|---|
1月・4月・7月・10月 | 亥の日 |
2月・5月・8月・11月 | 寅の日 |
3月・6月・9月・12月 | 午の日 |
三隣亡にあたる日は毎月2~4日ほどあり、年間では約30日程になります。
2024年・2025年の三隣亡はいつ?
2024年・2025年の三隣亡はいつなのか、以下の表にまとめました。建築関係の行事の日が重なっていないかをチェックしてみてください。
■2024年の三隣亡の日
年月 | 三隣亡の日 | 六曜 |
---|---|---|
2024年1月 | 3日(水) | 友引 |
7日(日) | 赤口 | |
19日(金) | 友引 | |
31日(水) | 友引 | |
2024年2月 | 5日(月) | 先勝 |
17日(土) | 友引 | |
29日(木) | 友引 | |
2024年3月 | 15日(金) | 先勝、一粒万倍日 |
27日(水) | 先勝、一粒万倍日 | |
2024年4月 | 12日(金) | 赤口 |
24日(水) | 赤口 | |
2024年5月 | 11日(土) | 先勝 |
23日(木) | 先勝 | |
2024年6月 | 4日(火) | 先勝 |
7日(金) | 赤口 | |
19日(水) | 赤口 | |
2024年7月 | 1日(月) | 赤口 |
17日(水) | 大安、一粒万倍日 | |
29日(月) | 大安、一粒万倍日 | |
2024年8月 | 15日(木) | 赤口 |
27日(火) | 赤口 | |
2024年9月 | 11日(水) | 仏滅 |
23日(月) | 仏滅 | |
2024年10月 | 5日(土) | 大安 |
9日(水) | 先負、一粒万倍日 | |
21日(月) | 先負、一粒万倍日 | |
2024年11月 | 2日(土) | 大安、一粒万倍日 |
7日(木) | 仏滅 | |
19日(火) | 仏滅 | |
2024年12月 | 1日(日) | 大安 |
16日(月) | 友引 | |
28日(土) | 友引 |
■2025年の三隣亡の日
年月 | 三隣亡の日 | 六曜 |
---|---|---|
2025年1月 | 13日(月) | 先勝 |
25日(土) | 先勝 | |
2025年2月 | 11日(火) | 友引 |
23日(日) | 友引 | |
2025年3月 | 10日(月) | 赤口、一粒万倍日 |
22日(土) | 赤口、一粒万倍日 | |
2025年4月 | 3日(木) | 友引、一粒万倍日 |
7日(月) | 赤口 | |
19日(土) | 赤口 | |
2025年5月 | 1日(木) | 先勝 |
6日(火) | 赤口 | |
18日(日) | 赤口 | |
30日(金) | 友引 | |
2025年6月 | 14日(土) | 大安 |
26日(木) | 先勝 | |
2025年7月 | 12日(土) | 大安、一粒万倍日 |
24日(木) | 大安、一粒万倍日 | |
2025年8月 | 5日(火) | 大安、一粒万倍日 |
10日(日) | 仏滅 | |
22日(金) | 仏滅 | |
2025年9月 | 3日(水) | 赤口 |
18日(木) | 先負 | |
30日(火) | 仏滅 | |
2025年10月 | 16日(木) | 友引、一粒万倍日 |
28日(火) | 仏滅、一粒万倍日 | |
2025年11月 | 14日(金) | 先負 |
26日(水) | 仏滅 | |
2025年12月 | 11日(木) | 先勝 |
23日(火) | 友引 |
上の表のとおり、三隣亡は吉日と言われる「一粒万倍日」や大安と重なっていることもあります。
六曜については、この記事の「大安は吉日? 三隣亡とともにに重んじられる六曜とは」で解説するので、あわせてご確認ください。
三隣亡にやってはいけないこととされるのは?
三隣亡は建築関係の事柄を避けるべきと言われていますが、なかでも特に「やってはいけない」とされているのは、次の3つです。
- 建築儀礼
- 引越し
- 建築に関わる契約
ひとつずつ解説していきます。
建築儀礼
三隣亡の日には、地鎮祭や上棟式などの建築儀礼を避けることが重要です。これらは建築予定地の神様に挨拶し、工事の安全を祈る大切な儀式です。
しかし、三隣亡の日に行うと、逆効果になる可能性があるとされています。建築会社も三隣亡の日を避けて調整することが一般的になっています。
引越し
引っ越しも三隣亡の日には避けるべき行為の一つです。三隣亡の日の引越しは、近隣に災いをもたらすと考えられています。特に、暦を重視する人が近所にいる場合、非常識だと思われる可能性もあります。
新しい生活をスムーズに始めるためにも、三隣亡の日の引越しは避けた方が良いでしょう。さらに、引越しの挨拶も同様に避けることが推奨されます。
建築に関わる契約
家の購入や建築工事の契約も、三隣亡の日は避けたほうが無難です。契約は家を建てる最初の一歩であり、良い日を選ぶことが望ましいとされています。
ただし、三隣亡の日に契約することを気にしない建築会社もあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
大安は吉日? 三隣亡とともに重んじられる六曜とは
建築関係の儀礼で重視されるものとして、三隣亡のほかに六曜があります。六曜とは、大安や仏滅などをはじめとする以下のものを指します。
- 先勝
- 友引
- 先負
- 仏滅
- 大安
- 赤口
それぞれ見ていきましょう。
先勝
先勝は「先んずれば勝つ」という意味で、午前中が吉とされています。この日は早い行動が吉といわれており、建築の契約や地鎮祭、上棟式などの重要な行事を午前中に行うことが推奨されます。
一方、午後2時~6時は凶とされています。大事な契約や作業を午後に行うのは避けましょう。
友引
友引は、もともと「勝負事をしても共に引き分ける」ことを意味していましたが、現代では「友を引き込む」という意味に変化しています。良いことも悪いことも友を引き込むため、吉にも凶にもなるのが友引です。
時間帯としては朝夕が吉、昼の11時~13時頃が凶とされています。建築関係では、朝や夕方に重要な作業や打ち合わせを行うのが良いでしょう。
先負
先負は「先んずれば負ける」という意味です。午前中は凶とされているため、慎重に行動し、重要な判断は避けた方が良いでしょう。
午後は吉のため、建築の契約や重要な行事は午後に行うのが良いとされています。
仏滅
仏滅は「仏も滅する」という意味があり、六曜の中で最も凶とされる日です。この日は何をしても不吉とされ、特に建築の契約や上棟式などの重要な行事は、仏滅の日を避けることが一般的です。
ただし、古いものを取り壊したり、不要なものを処分したりするのには適しているとも言われています。
大安
大安は「大いに安し」という意味で、六曜の中で最も吉の日とされています。
この日は一日中、吉とされており契約や着工、上棟式、引き渡しなどの節目となる行事を行うのに最適な日です。大安の日に行事や重要な決定を行うことで、工事の安全や成功につながると考えられています。
ただし、大安でも三隣亡と重なる場合がある点には注意しましょう。
赤口
赤口は、六曜の中で仏滅の次に縁起が悪い日です。「赤舌日」という大凶の日に由来し、火災やケガに注意が必要と言われています。建築関係では、特に火気を使う作業や危険を伴う作業は避けるべきとされています。
ただし、午前11時~午後1時は鬼神が休む時間であることから、吉とされています。そのほかの時間帯は凶になるため、建築の契約や重要な作業は、午前11時~午後1時に行うのが良いでしょう。
まとめ
三隣亡とは、日の吉凶を表す暦注の一つで、建築関係の凶日とされる日です。この日に重要な行事を行うと、自分の家を含む三軒隣まで災いが及ぶと言われています。
地鎮祭や上棟式などの建築儀礼、契約、引っ越しなどを三隣亡の日に行うのは避けるのが無難です。ただし、三隣亡を気にしない不動産会社もあるため、日程を決める際はあらかじめ認識をあわせておくと良いでしょう。
この記事のポイント
- 三隣亡とはなんですか?
三隣亡とは、仏滅や大安などのように日の吉凶を表す暦注の一つで、土木建築関係の凶日とされる日のことです。
詳しくは「三隣亡(さんりんぼう)とは?」をご覧ください。
- 2024年と2025年の三隣亡はいつですか?
2024年と2025年の三隣亡を一覧にしています。
詳しくは「2024年・2025年の三隣亡はいつ?」をご覧ください。
- 三隣亡で具体的に何をしてはいけないのでしょうか?
三隣亡は建築関係の事柄を避けるべきと言われています。特に避けるべき事柄について「三隣亡にやってはいけないこととされるのは?」にて詳しく解説しています。
ライターからのワンポイントアドバイス
建築儀礼や引っ越し、契約などは可能な限り、三隣亡の日を避けることをおすすめします。
地鎮祭や上棟式などにおいて三隣亡を避けることで、関係者も安心して工事を進められるでしょう。
ただし、諸事情で三隣亡の日に行わなければならない場合もあるかもしれません。近年では三隣亡を気にしすぎない考え方もあります。最終的には、ご自身の状況に応じて判断することが重要です。
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