ざっくり要約!
- 100坪の広さは、25mプールやバレーボールコート2面分に例えられる
- 100坪の土地活用には、駐車場やアパート経営などがあるが、建物を建てたほうが節税効果が高い
100坪の土地と聞いて、どのくらいの広さがあるのかイメージするのはなかなか難しいものです。また、100坪の土地があったとしても、敷地いっぱいに建物を建てられる訳ではなく、建ぺい率や容積率によって面積は制限されます。
この記事では、100坪の広さの例えや土地活用、固定資産税について解説。100坪の土地を取得予定がある方は参考にしてください。
記事サマリー
100坪は約330㎡・約200畳!広さを例えるなら?
1坪は約3.3㎡で、畳2枚分の広さになります。100坪では、約330㎡もの広さになり、畳に換算すると約200枚の広さです。とはいえ、200畳ではイメージしづらいので、分かりやすいものに広さを例えてみましょう。
- 6レーンの25mプールとほぼ同じ大きさ
- ダブルスのテニスコートよりひと回り大きい広さ
- バレーボールのコート2面分
身近なものに例えてみると、100坪は一戸建てを建てるにはかなり余裕のある広さと分かります。
100坪の土地に建てられる建物の面積は?
100坪の土地があったとしても、敷地いっぱいに建物を建てられる訳ではありません。建築基準法では、土地に対して建てられる建物の面積を制限しています。
また、建物の用途は、用途地域によって指定されます。
建ぺい率
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のことです。建築面積は、建物を真上から見た時の外周を指します。基本的には1階の面積になりますが、真上から見て2階に張り出しがあれば、その面積も含みます。
建ぺい率が設定されている理由は、住宅の密集を防ぎ、採光や通風の確保、景観維持、火災発生時の延焼防止などの目的があります。
容積率
容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積の割合のことです。延べ床面積は、各階の床面積を合計した建物全体の床面積を指します。
建ぺい率は、建物の広さを規制しますが、容積率は高さを規制するものです。建物の高さを制限することで、人口をコントロールし、都市計画を効率的に行うことができます。
建ぺい率と容積率を仮定し、100坪の土地に建てられる建物をシミュレーションしてみましょう。
例えば、100坪の土地で建ぺい率が50%の場合は、建築面積は50坪まで。容積率が60%の場合は、延べ床面積60坪までの建物を建てられます。
2階建ての場合は、1階30坪2階30坪、1階40坪2階20坪のように、1階と2階の床面積の合計が60坪までの家を建築可能です。2階がない平屋の場合は、建築面積は最大で50坪になります。
・「建ぺい率・容積率」に関する記事はこちら 「建蔽率(建ぺい率)」と「容積率」って何?建築前に知っておきたい基礎知識を紹介 |
用途地域
用途地域とは、都市計画を円滑に行うために、住居系、商業系、工業系など、用途を13地域に分類したものです。
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
- 第一種中高層住居専用地域
- 第二種中高層住居専用地域
- 第一種住居地域
- 第二種住居地域
- 準住居地域
- 田園住居地域
- 近隣商業地域
- 商業地域
- 準工業地域
- 工業地域
- 工業専用地域
用途地域では、建築物の用途を制限するとともに、建ぺい率と容積率も制限しており、建てられる建物の面積に影響を与えます。
用途地域は、自治体のホームページや窓口で確認できるので、土地活用を検討する前に確認しておきましょう。
100坪の土地の活用イメージ
100坪の広さがあると、住居以外にも駐車場やアパート経営といった活用法も考えられます。ただし、収益を得ていくためには、立地やニーズに合った活用法を見極めることが大切です。
・「土地活用」に関する記事はこちら 土地活用は儲かる?ケース別の土地活用方法10選! 土地を持つメリットとは?おすすめの活用方法5つ |
平置きの駐車場なら14台程度
初期投資を抑えながら収益を上げられる駐車場。100坪の土地の活用法として思い浮かべる方も多いでしょう。
国土交通省の指針で、1台の駐車に必要なスペースは、普通乗用車の場合で幅員2.5m、長さ6m程が必要とされています。坪に換算すると約4.5坪となりますが、他に車路や歩行者用の通路も整備しなくてはなりません。
それを考慮すると、平置きの駐車場の場合は14台程度が目安となります。ただし、精算機を設置する場合や、その他の条件によっては、駐車台数が前後する場合もあります。
一戸建てなら2〜3棟
2022年における、注文住宅の住宅面積平均は122.8㎡、建売住宅の住宅面積平均は101.9㎡です。坪に換算すると、一戸建ての平均的な住宅面積は約30.87~37.21坪です。
この結果を踏まえると、100坪の土地は一戸建てを2〜3棟建てられる広さになります。1棟を自宅として、他の棟は賃貸に出すことで家賃収入を得ることが可能です。
出典:2022年度 フラット35利用者調査(住宅金融支援機構)
アパートなら2〜7戸
集合住宅を建てられる容積率があれば、アパートを建てて賃貸経営をすることも可能です。
土地の利便性が良い場合や大学が近い場合は単身者向けアパート、幼稚園や小中学校が近い立地ならファミリー向けのアパートが適しています。
戸数は間取りにもよりますが、単身者向けのワンルームでは7戸程度、ファミリー向けの間取りなら2戸程度が目安になります。
100坪の土地の固定資産税はどれくらい?
100坪の土地を所有した場合、気になるのが固定資産税です。毎年1月1日時点で土地や建物を所有している人に宛てて、4~5月頃に自治体から固定資産税納税通知書が届きます。
固定資産税の計算方法
固定資産税は、固定資産税評価額を基準に計算されます。
固定資産税=固定資産税評価額×税率
税率は、1.4%の場合が多い傾向にありますが、自治体によって税率が異なる場合もあるので注意が必要です。
土地の固定資産税評価額は、公示地価の70%程度とされることが一般的です。公示地価は、国土交通省土地鑑定委員会が公示する標準地の価格のことで、毎年1月1日に1㎡あたりの価格を判定しています。
また、土地だけの場合と建物がある場合では評価額は異なりますが、土地だけの場合の計算方法は以下の通りです。固定資産税評価額は70%とし、1坪は10万円、税率は1.4%として計算しています。
【公示価格】100坪×10万円=1000万円
【固定資産税評価額】1000万円×70%=700万円
【固定資産税】700万円×1.4%=9万8000円
・「固定資産税」に関する記事はこちら 固定資産税評価額の目安は実勢価格や公示地価から計算できる! 計算方法を解説 |
住宅用地の特例
住宅が建てられた土地は「住宅用地特例」として、固定資産税の減額措置があります。そのため、更地よりも住宅のある土地のほうが節税効果が高くなります。
小規模住宅用地 (200㎡以下の部分) | 一般住宅用地 (200㎡を超える部分) | |
固定資産税の課税標準 | 1/6に減額 | 1/3に減額 |
100坪の土地は、メートル法に換算すると約330㎡です。そのうち、200㎡は小規模住宅用地として1/6に減額。残りの130㎡は、一般住宅用地として1/3に減額となります。
また、住宅が建てられていたとしても、空き家の場合は注意が必要です。適切な管理が行われていない空き家の場合は、特定空き家に対する措置として、住宅用地特例の適用対象から除外される場合があります。
出典:固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置(国土交通省)
まとめ
100坪の広さは、25mプールやバレーボールコート2面分に例えられます。平置きの駐車場なら14台程度、一戸建てなら2~3棟、アパートなら2〜7戸を建てられる広さです。
固定資産税には、住宅用地特例の減額措置があります。ただし、更地の場合や自治体から勧告を受けた特定空き家の場合には、住宅用地特例は適用できないため注意が必要です。
この記事のポイント
- 100坪とはどのくらいの広さですか?
100坪では、約330㎡もの広さになり、畳に換算すると約200枚の広さです。
詳しくは「100坪は約330㎡・約200畳!広さを例えるなら?」をご覧ください。
- 100坪の土地はどう活用できますか?
住居以外にも駐車場やアパート経営といった活用法も考えられます。
詳しくは「100坪の土地の活用イメージ」をご覧ください。
- 100坪の固定資産税はいくらですか?
固定資産税は、固定資産税評価額を基準に計算されます。
計算方法など、詳しくは「100坪の土地の固定資産税はどれくらい?」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
土地や空き家は放置していると、固定資産税やトラブルを生むマイナスの資産となりかねません。活用方法が決まらないようであれば、売却も視野に検討しましょう。
100坪の土地活用は、駐車場やアパート運営など収益を見込める可能性もありますが、立地に合わせたニーズや集客方法を知ることが大切です。売却も土地活用も、不動産の専門家に相談することをおすすめします。
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