ガルバリウム 屋根 外壁
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屋根や外壁にガルバリウム鋼板を使うメリット・デメリット! 適切なメンテナンス方法は?

執筆者プロフィール

椙原あやめ
椙原あやめ
一級建築士

大手組織設計事務所や住宅専門の設計事務所で、公共建築物や店舗設計、個人住宅まで建築設計業務を足かけ15年行い、現在は建築記事の編集やライティングを行っている。

ざっくり要約!

  • ガルバリウム鋼板は錆びにくく耐久性が高いため、屋根や外壁に採用されている
  • 比較的メンテナンスは楽ですが、定期的な水洗いと塗装の塗り替えが必要
  • 自分でできるお手入れとメンテナンス方法を知って採用を

ガルバリウム鋼板は、耐久性・耐食性(腐食・錆に強い)などに優れているため、建築物の屋根や外壁などの建材として用いられることがあります。クールな印象を与える見た目も、人気な理由のひとつです。

本記事では、ガルバリウム鋼板の特徴とメリットやデメリット、長く綺麗に保つための注意点などについて解説します。

屋根や外壁に使われるガルバリウム鋼板とは?

「ガルバリウム鋼板」とは、米国のベスレヘム・スチール社が開発した、アルミニウム・亜鉛の合金メッキ鋼板のことです。

ガルバリウム鋼板は、従来から建材として使用されているトタン(亜鉛メッキ鋼板)に比べて、耐久性に優れた鋼板です。コストに対して耐用年数が長く、スタイリッシュな外観を演出できることもあり、建物の屋根や外壁に多く採用されています。

ガルバリウム鋼板のメリット

ガルバリウム鋼板のメリットは、以下のとおりです。

軽い

屋根材は、軽い方が建物の耐震面において有利です。ガルバリウム鋼板屋根の重量は、瓦屋根の約7分の1、スレート屋根の約3分の1です。

ただし、屋根が軽いだけでは一概に耐震性が高いとはいえないため、建物の耐震性は全体のバランスを考えながら設計する必要があります。

錆びにくい

ガルバリウム鋼板は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%で構成された鋼板です。アルミニウムは耐食性が高く、傷で鋼板が露出してもメッキ中の亜鉛が溶けだして腐食を抑止するため、ガルバリウム鋼板は錆びにくい建材です。

耐久性が高い

ガルバリウム鋼板のメーカー保証期間は、塗膜の変色・褪色は10~20年、赤錆・穴あきは10~25年です。(商品によって異なります)適切にメンテナンスすれば、実際にはさらに長く使用できます。

スタイリッシュ

好みが分かれるものの、ガルバリウム鋼板の質感や見た目はスタイリッシュな暮らしにマッチします。木の温かみとガルバリウム鋼板のクールさをミックスして、印象的な外観にすることも可能です。

ガルバリウム鋼板のデメリット

ガルバリウム デメリット

メリットの多いガルバリウム鋼板ですが、やはりデメリットもあります。採用する際にはデメリットも把握しておきましょう。

断熱性が低い

ガルバリウム鋼板は金属の板なので、熱を伝えやすく、断熱性は低いといえます。しかし、近年は、メーカー各社からガルバリウム鋼板と断熱材を一体成型した屋根材・外壁材が開発されています。建材を適切に選定し、施工すれば、断熱性の問題は少ないといえるでしょう

へこみやすい

ガルバリウム鋼板は薄い金属の板なので、衝撃を受けるとへこみやすいというデメリットがあります。庭でボール遊びをして壁に当たってしまったり、自転車やバイクを倒してしまったりなどの衝撃を受けると、外壁がへこんでしまう可能性があります。

画一的な見た目になりやすい

外壁に採用されるガルバリウム鋼板のカラーは、ブラックやシルバー、ホワイト、ネイビーブルーなど限定的です。倉庫や工場をイメージする無機質さが魅力でもありますが、見方によっては画一的な外観になりやすいといえるでしょう。

ただ最近では、ガルバリウム鋼板にも、レンガ柄やタイル柄などプリントが施されたラインアップが増えています。

ガルバリウム鋼板の適切なメンテナンス方法

外壁や屋根をガルバリウム鋼板を採用して後悔しないためにも、適切なメンテナンス方法を知っておきましょう。

錆びにくいものの赤錆や白錆に注意

ガルバリウム鋼板は錆びにくいですが、全く錆びないというわけではありません。屋根や壁、海に近い地域に使う場合は、赤錆や白錆に気をつけましょう。塩害地域では、メーカー保証を受けられないことがあります。

  • 赤錆:ガルバリウム鋼板の表面(塗装や被膜)に傷がつき、鋼板が露出して空気に触れ、酸化してできる赤茶色のサビ
  • 白錆:ガルバリウム鋼板の合金メッキである、アルミニウムや亜鉛に発生する白っぽいサビ

定期的な洗浄が推奨されている

錆を防ぐためには、定期的なメンテナンスが効果的です。赤錆、白錆のほか、道路上に存在する鉄粉が車が通ることで舞い上がり外壁や屋根について錆びる「もらい錆」を引き起こす可能性もあるため、定期的に水で洗い流しましょう。

洗浄の頻度は、1年に1度が目安です。ただし、海に近い場合は1~2ヵ月に1度程度は真水で洗浄しましょう。高圧洗浄機は水圧が高く塗膜が傷む可能性があるため、使用を避けてください。また、ガルバリウム鋼板の屋根洗浄は高所作業になるため、専門業者に依頼することをおすすめします。

10年前後ごとに塗装が必要

ガルバリウム鋼板は、約10年ごとに再塗装が必要です。屋根や外壁は、雨や紫外線に常にさらされていて、塗膜が少しずつはがれていくためです。

10年が経過していなくても、外壁に錆やチョーキング(表面が粉をふいている状態)、色あせが見られる場合は早めに再塗装しましょう。

まとめ

スタイリッシュな見た目も人気なガルバリウム鋼板は、耐久性が高く、コストパフォーマンスに優れる建材です。メンテナンス方法も比較的シンプルで、美しい外観と機能を維持しやすいといえるでしょう。

とはいえ、快適に住みつづけ、美しい外観を長もちさせるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。施工やメンテナンスは、ガルバリウム鋼板の施工実績豊富な施工会社に依頼することをおすすめします。

この記事のポイント

ガルバリウムにするメリットはありますか?

ガルバリウム鋼板には「軽い」「錆びにくい」「耐久性が高い」等のメリットがあります。

詳しくは「ガルバリウム鋼板のメリット」をご覧ください。

ガルバリウムにするデメリットはありますか?

メリットの多いガルバリウム鋼板ですが、やはりデメリットもあります。採用する際にはデメリットも把握しておきましょう。

詳しくは「ガルバリウム鋼板のデメリット」をご覧ください。

ガルバリウムのメンテナンスはどうすれば良いですか?

外壁や屋根をガルバリウム鋼板を採用して後悔しないためにも、適切なメンテナンス方法を知っておきましょう。

詳しくは「ガルバリウム鋼板の適切なメンテナンス方法」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

椙原あやめ

シンプルで無機質ゆえに、好みが分かれるガルバリウム鋼板。定期的なメンテナンスは必要なものの、これは他の外壁材・屋根材を選んでも同じことです。見た目だけでなく、メンテナンスの頻度やコストなどを知った上で建材を選ぶことで、納得のいく住まいづくりができるのではないでしょうか。

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