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テレビを壁掛けにするメリット・デメリットとは? 後悔せずにテレビを設置するために考えるべきこと

執筆者プロフィール

高山みさと
インテリアコーディネーター

CADオペレーター・大手住宅設備メーカー勤務を経て、住宅ライターとして開業。インテリアコーディネーター資格保有。元キッチンスペシャリスト。家づくりやリフォームにおける難しい知識を分かりやすく伝えている。プライベートでは築20年の戸建て住まい。リフォームやDIYで家づくりを楽しんでいる。

ざっくり要約!

  • 壁掛けテレビは省スペースにテレビを設置できる反面、テレビの位置を変えにくいなどのデメリットも多い
  • 後悔しないためには、テレビの設置高さやコンセントの数、収納計画など、長期的な視点をもって計画することが大切

「テレビは壁掛けと置き型、どっちがいいのだろう?」場所を取らず、スマートに設置できる壁掛けテレビは魅力的ですが、テレビの位置を変えにくいといったデメリットも気になるところです。

この記事では、壁掛けテレビのメリット・デメリットを解説するとともに、壁掛けテレビを導入する前に考えておきたいことや、壁掛け以外の設置方法までご紹介します。

テレビを壁掛けにするメリット

壁掛けテレビは、省スペースにテレビを設置でき、部屋が広くおしゃれに見えるというメリットがあります。

省スペースになる

テレビを置き型にする場合は、リビングの一角がテレビに専有されてしまいますが、壁掛け式にすることで、省スペースにテレビを設置することができます。

また、テレビの周囲に物がないのでスッキリと見え、部屋を広く使えることもメリットです。

おしゃれな印象になる

壁掛けテレビは、リビングをおしゃれに見せるアイテムとしても人気です。

壁掛けテレビを設置する壁面に、エコカラットやアクセントクロスを貼ると、テレビが華やかに際立ち、印象的なリビングを演出できます。

見やすい高さに設置できる

テレビを置き型にする場合は、テレビボードの高さとテレビのサイズで、視聴高さが決まります。

一方、壁掛けテレビは、壁下地のある範囲内で自由に視聴高さを決めることができます。アーム式の金具で取り付ければ、角度の調整も可能です。

掃除が楽

テレビの裏側は、さまざまな配線が密集しやすく、ホコリがたまりやすい場所です。コンセントにホコリがたまれば、火災を引き起こす危険もあります。

壁掛けテレビは、壁内に配線を納められるので、テレビ周辺にホコリがたまりにくく、掃除の手間が最小限になります。

地震で倒れる心配がない

地震で倒れることの多いテレビ。壁に強固に固定した壁掛けテレビであれば、地震で倒れる心配はほとんどありません。

ただし、壁にテレビを支える強度があることが前提です。設置時には、十分な下地補強を行い、定期的に金具のゆるみがないか確認するようにしましょう。

テレビを壁掛けにするデメリット

テレビを壁掛けにすると、壁に穴が開いたり、テレビ買い替えの際に負担がかかったりするなど、さまざまなデメリットがあります。

壁に穴が開く

壁掛けテレビは、壁に固定金具を取り付けるため、壁に穴が開くことは避けられません。壁掛けテレビの位置を変えたい場合や、テレビの壁掛けをやめたい場合には、壁に取付穴が残ってしまいます。

取付穴はパテでふさげる場合もありますが、目立つ場合には壁紙の貼り替えや壁材の補修が必要です。

模様替えしにくい

置き型のテレビの場合は、ケーブルの届く範囲でテレビの配置を変えられるので、部屋の模様替えを気軽にできます。

一方、壁掛け式のテレビは、壁下地と取付金具がないと設置できないため、模様替えをするためには、新たに壁の補強工事と取付金具の設置を行わなくてはなりません。

また、元々テレビを取り付けていた壁の穴をふさぐ必要もあり、模様替えは大掛かりな作業になります。

配線が目立つ

壁掛けテレビは、テレビからアンテナ端子までの距離が離れていると、接続ケーブルが目立ってしまいます。

配線はモールで隠す方法もありますが、壁内に隠ぺいしたほうが美しく見えます。計画段階から、アンテナ端子やコンセントの位置、配線の処理ついて検討しておくことが大切です。

テレビ買い換え時の負担が大きい

置き型テレビと比較して、壁掛けテレビには買い替え時に2つの負担が生じます。

1つ目は、壁掛けテレビ買い替えに伴い、取付金具の買い替えも必要になるケースが多いことです。特に、大きなサイズのテレビに買い替える場合には、耐荷重も変わるので買い替えになるケースが多いでしょう。

2つ目は、配線のつなぎ直しの手間がかかることです。壁掛けテレビは、壁内に配線を隠ぺいしたり、モールで配線を隠したりするケースが多く、設置時と同様の作業を買い替え時にも行う必要があります。

別途工事費用がかかることも

壁掛けテレビを施工するには、壁の下地補強と取付金具が必要です。さらに、配線が見えないように壁の中に隠ぺいするためには、壁裏に配線を通す空配管や空間を確保する必要があります。

取付金具の設置や壁掛けテレビの設置は、DIYで行うことも可能ですが、壁の下地補強や壁裏の空配管があることが前提です。これらは業者に依頼して設置してもらう必要があります。

テレビを壁掛けにする上で考えるべきこと

テレビを壁掛けにする上で考えるべきこと

壁掛けテレビの導入に際して考えるべきことは多岐に渡ります。後悔しないためには、長期的な視点から考えることもポイントです。

壁の耐久性

壁掛けテレビは、地震の際に倒れにくいとはいえ、壁に耐久性がなければテレビが落下する危険性があります。

壁掛けテレビの設置に際しては、テレビの重量に耐えられるよう、壁の下地補強を行うことが重要です。

コンセントの位置・数

コンセントの位置は、テレビ背面に隠れるように計画する必要がありますが、テレビ端子やHDMIの接続位置まで考慮すると、後々配線しやすくなります。取付金具とコンセントの位置干渉にも注意しましょう。

また、テレビ周りはコンセントの数が足りずに後悔することも少なくありません。周辺機器が増えることを見越して、コンセントの数は余裕をもって計画しておくと安心です。

断熱材の種類・施工場所

壁掛けテレビの設置場所として、おすすめできない壁が「外壁面」です。

戸建て住宅では、外壁の内部に断熱材を入れる「充填断熱」が主流となっています。壁掛けテレビを設置する壁面には、配線を通すための空配管を設けますが、その部分には断熱材を入れることができません。

断熱が欠損した状態は内部結露を引き起こし、カビやダニの発生、柱などの構造躯体が腐る原因になることもあります。壁掛けテレビは、外壁面を避けて設置しましょう。

プランの都合上、外壁面を避けられない場合は、外壁の内側に壁掛けテレビ用の腰壁を立てる方法があります。腰壁の裏側を収納スペースとしても使えるので、収納が必要な方にもおすすめの方法です。

設置する場所・高さ

テレビは、人の動線上に配置すると、落ち着いて視聴することができません。壁掛けテレビの設置場所は、できるだけ生活動線から外れた場所を選びましょう。

また、壁掛けテレビの設置高さは、テレビの中心部が目線から10~15cm程度下になるように設置します。目線が上向きになると、疲れやすくなるので注意が必要です。

また、床に座って見る場合、ソファーやダイニングチェアから見る場合、キッチンから立って見る場合など、シチュエーションによって目線の高さは変わります。一番多いシチュエーションに合わせて設置高さを決めましょう。

アーム式で可動できるようにする

壁掛けテレビの取付金具には、壁との隙間がなくスッキリ見える「固定式」もありますが、画面を動かせない、配線の抜き差しがしにくいというデメリットがあります。

「アーム式」で可動できるようにすれば、画面が反射する際には角度を変え、反射を避けて視聴することが可能です。配線を抜き差しする際にも、テレビ画面を前に出して、作業する空間を確保できます。

DVDやゲーム機器を置く収納

壁掛けテレビは、テレビボードがなくても設置できるので収納がありません。ゲームソフトやゲーム端末、DVDなどを多く所有している場合は、別に収納を用意する必要があります。

収納は、置き型のテレビボードがスタンダードですが、壁付けにしたフロートタイプのテレビボードも人気です。どちらのタイプも、テレビから収納までの壁内に空配管を設け、配線を隠せるように計画しておきましょう。

壁掛け以外のテレビの設置方法

壁掛けテレビのデメリットに抵抗のある方や賃貸物件にお住まいの方は、壁掛け以外の設置方法も検討してみましょう。

テレビボードに置く

シンプルにテレビボードに置く方法は、壁に穴が開く心配もなく、ケーブルが届く範囲で模様替えも自由です。

置き型のテレビボードであれば、収納量も十分に確保できます。周辺機器やDVD、ゲームソフトなどを多く所有する方は、テレビボードに置く方法を検討してみましょう。

スタンドで「壁寄せ」にする

壁掛け以外の方法で、テレビをスッキリと見せたいのなら、壁寄せできる「テレビスタンド」がおすすめです。

テレビスタンドは、ベースと支柱で構成されており、支柱裏に配線を隠すことができます。スタンドで荷重を支えるため、壁の補強は必要なく、壁に穴が開くこともありません。

テレビスタンドは、壁掛けテレビのようなスマートな見た目が魅力ですが、画面の高さ調節ができるという、壁掛け式にはないメリットもあります。

まとめ

壁掛けテレビは、スマートにテレビを設置でき、部屋を広くおしゃれに見せてくれます。
その一方で、壁の強度確保やコンセントの位置計画など、前準備に手間がかかることがデメリットです。

また、壁掛けテレビをやめたい場合には、復旧工事が必要になるケースもあるので、十分に検討した上で導入しましょう。

この記事のポイント

テレビを壁掛けにするメリットはなんですか?

壁掛けテレビは、省スペースにテレビを設置でき、部屋が広くおしゃれに見えるというメリットがあります。

詳しくは「テレビを壁掛けにするメリット」をご覧ください。

テレビを壁掛けにするデメリットはなんですか?

テレビを壁掛けにすると、壁に穴が開いたり、テレビ買い替えの際に負担がかかったりするなど、さまざまなデメリットがあります。

詳しくは「テレビを壁掛けにするデメリット」をご覧ください。

テレビを壁掛けにする際、注意することはありますか?

壁掛けテレビの導入に際して考えるべきことは多岐に渡ります。後悔しないためには、長期的な視点から考えることもポイントです。

詳しくは「テレビを壁掛けにする上で考えるべきこと」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

テレビの設置方法や視聴方法には、新しい方法が次々と登場しています。チューナーからモニターに映像を無線伝送する仕組みの「ウォールフィットテレビ」や「レイアウトフリーテレビ」は、モニターの自由なレイアウトを実現しました。また、テレビを設置せず、プロジェクターで視聴するご家庭も増えているようです。将来的なテレビの視聴方法も予測した上で検討すると、後悔のない選択ができるのではないでしょうか。

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