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番地とは?住所や地番・番・号との違いと調べる方法を解説

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • 「番地」は住所として使われ、「地番」は不動産登記などで用いられる番号です。
  • 地番は、固定資産税納税通知書や登記事項証明書、法務局などで確認できます。

住宅の購入をする際に、「番地」と「地番」の違いが分からず混乱した経験がある方も多いのではないでしょうか。不動産の契約書や登記事項証明書を確認すると、普段使っている住所とは異なる番号が記載されていることに気づくかもしれません。

この記事では、番地・地番・号の違いを分かりやすく解説します。地番を調べる方法も紹介するので、住宅購入や登記手続きの際の参考にしてください。

番地とは? 住所・地番との違い

「番地」とは、土地の位置を特定するために法務局が割り当てる番号であり、主に土地の登記や管理に使用されます。具体的には、土地一筆ごとに付けられる番号で、登記簿上での土地の管理に利用されます。例えば、「○○町2番地」のように表記されます。

この番号は、土地の分割や統合により順序が前後することがあり、実際の地理的な配置と一致しない場合もあります。

地番とは?

地番は、法務局によって土地一筆ごとに付けられた固有の番号のことです。主に不動産登記や固定資産税の管理などの行政目的や法的な手続きで使用されます。

地番は、土地の所在を特定するための重要な情報であり、登記簿上で扱われる数字です。例えば、「東京都◯◯区◯◯123番4」のような形式で表記されます。

土地の分筆や合筆によって変更されることがあるため、必ずしも地番は連続した番号になっているとは限りません。

住所とは?

「住所」とは、市町村が定める建物の所在地のことで、正式には「住居表示」と呼ばれます。郵便物の配達や日常生活での所在地表示に使用されます。

住居表示は、建物の位置をわかりやすく示すために導入された制度です。町名、街区符号、住居番号で構成され、「◯◯町3番1号」のように表記されます。

地番の順序が複雑化しても、住居表示の制度によって建物の所在地を容易に特定できるようになっています。

地番と住所はなぜ違う?

地番と住所が異なる理由は、それぞれの目的と管理主体が異なるためです。地番は法務局が土地の登記管理のために設定した番号であり、住所は市区町村が生活の便宜のために定めた表記です。

かつては地番をそのまま住所として使用していましたが、都市の発展に伴い、地番だけでは場所の特定が困難になりました。そこで住居表示に関する法律が施行され、多くの自治体で住居表示制度が導入されています。

番地・番・号はどう使い分ける?

住所の表記には、「地番表示」と「住居表示」の2つの制度が存在します。これらの制度により、「番地」「番」「号」の使い分けが生じます。

地番表示と住居表示

「地番表示」は、土地一筆ごとに法務局が割り振る番号で、登記や土地の管理に使用されます。この場合、住所に用いる際は「番地」と表記され、「◯◯町123番地」のように記載されます。

一方、「住居表示」は、住民の利便性を考慮して市町村が定めた制度で、郵便物の配達や緊急時の対応を容易にするために導入されました。この制度では、住所は「丁目」「番」「号」で構成されます。例えば、「◯◯町1丁目2番3号」のように記載されます。

つまり、地番表示では「番地」、住居表示では「番」と「号」が使用されます。住居表示が実施されていない地域では、従来の地番表示が引き続き用いられています。

住所を書くときはどこからどこまでが番地?

地番表示における「番地」は、町名に続く数字部分を指します。例えば、「◯◯町123番地」の「123番地」が番地です。

住居表示においては、「番地」という用語は使用されません。代わりに、「丁目」「番」「号」で構成されます。例えば、「◯◯町1丁目2番3号」の場合、「1丁目」が区域、「2番」が街区、「3号」が建物の番号を示しています。

地域固有のルールも

日本の中には、独自の住所表記を採用している地域も存在します。例えば、京都市では「通り」や「上ル」「下ル」などの表現を用いて、交差点や通りの位置関係を示す独特の住所表記が使われています。

また、大分県別府市では、正式な住所とは別に「通称住所」が広く使われています。歴史的な経緯で使われるようになり、住民にとって馴染み深いものとなっています。しかし、通称住所はデジタル化への対応が困難などの課題があり、市は住居表示の整備を進めている段階です。

地番はいつ・どこで使うの?

地番,いつ,使う

一般の方にはあまり馴染みがない地番ですが、具体的にどのような場面で使うかを見ていきましょう。

主に不動産登記で使用される

地番は、不動産登記において、土地を特定するための重要な情報として使用されます。

登記簿謄本(登記事項証明書)を取得する際や、不動産の権利関係を確認する際にも、地番が必要となります。

・「登記簿謄本」に関する記事はこちら
登記簿謄本の取得方法 オンラインでの方法についても解説

所有者・地目・建築条件などを調べる

地番は、特定の土地に関する詳細情報を調べる際にも使用されます。

例えば、隣接地の所有者を確認したい場合や、購入を検討している土地の過去の利用状況を知りたい場合に、地番を使って登記情報を取得します。

また、その土地が宅地なのか農地なのかといった地目を確認する際にも地番が必要です。法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)を取得することで確認できます。

分筆・合筆した場合は新たな地番が決まる

土地の分筆(一つの土地を複数に分ける)や合筆(複数の土地を一つにまとめる)を行った場合、新たな地番が付与されます。

例えば、広い土地を分割して売却する場合や、隣接する複数の土地を一つにまとめて利用する場合などが該当します。この手続きは法務局で行われ、新しい地番は法務局によって決定されます。

地番を調べる方法

ここでは、地番を調べるための主な方法をご紹介します。

固定資産税納税通知書で確認する

固定資産税納税通知書は、毎年4~5月頃に市区町村(東京23区内の場合は都税事務所)から送付される書類です。

通知書には、所有する不動産の詳細情報が記載されており、その中に地番も含まれています。通常、納税通知書の明細書や課税明細書のページに、土地の地番や建物の家屋番号が記載されています。

固定資産税納税通知書は、不動産を所有している場合、原則として市区町村から送付されるため、費用がかかりません。すでに不動産を所有している方にとっては、手軽な方法といえます。

登記事項証明書・登記識別情報通知・権利証で確認する

登記関連書類も地番を確認する有効な手段です。

登記事項証明書(以前の登記簿謄本)、登記識別情報通知、登記済証(権利証)には、不動産の表示として地番が記載されています。これらの書類は、不動産を購入した際や相続した際に取得していることが多いです。

特に、登記識別情報通知や権利証は、所有者が保管している重要書類なので、まずはこれらを確認することをおすすめします。

法務局で確認する

法務局を直接訪問して、備え付けられている地図を閲覧することで、地番を確認できます。

法務局には、ブルーマップと呼ばれる住所と地番を重ねて表示した特殊な地図が備え付けられている場合があります。ただし、すべての地域でブルーマップが作成されているわけではありません。都市部など比較的詳細な地図情報が必要とされる地域で作成されることが多いです。

また、地番図や公図を閲覧することでも地番を確認できます。

インターネットで確認することも可能

オンラインで地番を調べる方法もあります。「登記情報提供サービス」内の「地番検索サービス」を利用すると、住所から地番を検索可能です。

地番検索サービスには、以下の手順でアクセスできます。

  1. 登記情報提供サービスにログイン
  2. 「不動産請求」を選択
  3. 「地番・家屋番号」を選択
  4. 「地番検索サービス」を選択

サービスを利用するには事前の会員登録が必要ですが、地番の検索自体は無料で行えます。

参考:登記情報提供サービス|「地番検索サービス」を初めて利用される方へ
参考:登記情報提供サービス|地番検索サービスはどこからアクセスしますか

まとめ

番地とは、住所として使用される番号であり、郵便物の配送や住民登録に必要な情報です。

一方、地番は法務局によって土地ごとに付与された番号で、不動産登記に使用されます。住所表記においては、「番地」「番」「号」の使い分けが重要で、地域によって異なるルールが適用される場合があります。

住宅購入や新築を予定している方は、正確な地番や住所を把握し、契約前後のトラブルを防ぎましょう。

この記事のポイント

「番地」とはどのようなものですか?

「番地」とは、土地の位置を特定するために法務局が割り当てる番号であり、主に土地の登記や管理に使用されます。

詳しくは「番地とは? 住所・地番との違い」をご覧ください。

番地、番、号はどのように使い分けるのでしょうか?

住所の表記には、「地番表示」と「住居表示」の2つの制度が存在します。これらの制度により、「番地」「番」「号」の使い分けが生じます。

詳しくは「番地・番・号はどう使い分ける?」をご覧ください。

地番は使うことがあるのでしょうか?

一般の方にはあまり馴染みがない地番ですが、不動産登記の際に使われます。

詳しくは「地番はいつ・どこで使うの?」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

住宅の購入や土地の売買では、地番がわからないために手続きの遅れが生じることがあります。例えば、住宅ローンの申し込み時に地番の記入を求められることがありますが、地番は普段使用する住所とは異なるため、急いで調べるケースもあるでしょう。
事前に地番を確認しておけばスムーズに進めることができます。不動産取引では、正確な情報をもとに準備を進めることが大切です。複雑な手続きに不安がある場合は、一人で対応しようとせず、不動産会社に相談するのもひとつの方法です。

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