ざっくり要約!
- 砂壁のリフォーム費用は、方法によって異なるものの6帖の部屋で6〜19万円前後
- 砂壁のリフォームは砂壁を塗り直す、珪藻土に塗り替える、漆喰に塗り替えるなどの方法がある
クロス貼りの壁と違い、砂壁はリフォームが難しいイメージがあるかもしれません。もし触れていないのに砂壁の表面の砂が落ちていたとしたら、それは経年による劣化が原因です。また調湿効果が低下しカビが繁殖している可能性もあるので、なるべく早くリフォームを検討しましょう。
この記事では砂壁のリフォーム方法とその費用の相場や、砂壁のメリットとデメリットを解説します。
DIYで砂壁をリフォームするコツも紹介しますので、これを機会に挑戦したいと思っている人はぜひ参考にしてみてください。
記事サマリー
砂壁のリフォーム方法と費用の相場
砂壁をリフォームする方法として、ここでは以下の6つの方法を紹介します。
砂壁の劣化具合によっては下地処理の手間が変わってくるため、工事費用の相場は参考としてお考え下さい。下地処理の手間だけでなく、漆喰や珪藻土、クロスといった選ぶ材料のグレード、床の間の有無や窓の大きさによっても費用が変わってくる可能性もあります。
基本的には砂壁を砂壁に塗り替える方法、またはペンキで塗る方法が、他の工事と比べて安価でしょう。
リフォーム方法 | 6帖の部屋をリフォームする 場合の費用相場 | 一般的な工期 |
---|---|---|
砂壁を塗り直す | 6~10万円 | 2~4日 |
珪藻土に塗り替える | 12~19万円 | 2~4日 |
漆喰に塗り替える | 12~19万円 | 2~4日 |
クロス(壁紙)を貼る | 8~15万円 | 1~2日 |
ベニヤ板を貼った上にクロスを貼る | 10~16万円 | 2~4日 |
ペンキを塗る | 6~10万円 | 2~4日 |
砂壁を塗り直す
砂壁の表面の劣化は気になるけれど、砂壁自体は気に入っていて素材を変える必要がないと感じている場合は、砂壁の重ね塗りをおすすめします。他のリフォーム方法よりも比較的安価で工事できます。
砂壁には調湿作用があり、湿気が多い日本に適した壁です。湿度が高い時は吸湿し、湿度が低い時は放湿してくれるため、夏だけでなく冬も快適に過ごすことができます。
湿度だけでなくホルムアルデヒドなどの有害物質も吸着してくれるため、シックハウス対策も期待できます。また砂自体が不燃性物質であるため、耐火性にも優れているという特徴があります。
表面にひび割れが多少ある場合は、パテなどで補修してから重ね塗りします。ただし、表面の劣化が進んでいる場合は表面をある程度剥がし、下地を整えてから上塗りする必要があります。カビが生えている場合も同様です。
直に重ね塗りできるのかどうかの判断は、砂壁の状態だけでなく上塗りする仕上げ材によっても異なります。工事方法については判断が難しいため、リフォーム会社などの専門家に相談してみましょう。
珪藻土 に塗り替える
砂壁に珪藻土を上塗りして、リフォームすることも可能です。珪藻土とは、珪藻という植物性プランクトンが死んだあと、その遺骸が海や湖に堆積して化石になったものです。二酸化ケイ素が主成分で耐火性に優れていることから、七輪の材料としても使われています。
また多孔質であるため砂壁よりも調湿性が高く、カビが生えにくい特徴があります。バスマットの材料としても重宝されていることからもわかるでしょう。
珪藻土にはカラーバリエーションがあり、塗り方によっては模様をつけることができます。その独特の質感や風合いは人気があり、意匠性を求める人にはとくにおすすめです。
珪藻土だけでは固まらないため糊などを混ぜて使いますが、珪藻土の含有度が高ければ高いほど調湿効果も高くなります。
珪藻土を上塗りしてリフォームする場合、その材料費と手間から砂壁を塗り直すよりはコストがかかります。
漆喰 に塗り替える
砂壁に漆喰を上塗りして、リフォームすることも可能です。漆喰は消石灰(水酸化カルシウム)に糊やスサを混ぜて水で練ったものです。
消石灰は石灰石を焼いて水を加えたものですが、石灰石のルーツはサンゴ礁です。消石灰は二酸化炭素を吸収するため、漆喰で仕上げた壁を「呼吸する壁」と表現することもあります。
調湿効果や防火性に優れていることから、古くからお城の壁や塀などに活用されてきた素材です。
また珪藻土と同じようにホルムアルデヒドを吸着する特性を持っていることから、シックハウス症候群対策も期待できます。
漆喰は基本的に白色ですが、塗り方によってその見た目や表情を変えることができます。漆喰も既存の砂壁の状態や仕上がりによってコストは異なりますが、大体珪藻土と同じぐらいだとお考え下さい。
クロス(壁紙)を貼る
既存の砂壁に直接クロス(壁紙)を貼ってリフォームする方法があります。ポロポロ落ちてくる砂に悩んでいる人にはクロス貼りがおすすめです。
砂壁の表面をある程度剥がし、水性シーラーを塗って固めてからひび割れや凹凸をパテで埋めて処理します。このとき、下地の処理が重要になります。
クロスにはカラーや柄が豊富にあるため、部屋の雰囲気をガラッと変えることもできるでしょう。また工期が1~2日と短いのもメリットです。
クロス自体に防カビや抗菌、防水などの機能をあわせ持っているタイプもあります。砂壁本来の特性は活かせなくなりますが、クロスの機能によって調湿作用などを補うことも可能です。
ベニヤ板を貼る
砂壁にベニヤを貼ってからクロス(壁紙)で仕上げる方法があります。砂壁の状態が悪いときは、ベニヤを貼ってからクロスを貼った方が仕上がりもきれいです。
パテ処理には手間と時間がかかるため、工事としてはベニヤを貼る方が簡単な作業になるでしょう。
砂壁に直接クロスを貼るよりも、ベニヤを貼る工程と材料費が増えますので費用は余分にかかる可能性がありますが、下地処理の手間は少なくなります。実際の工事費の違いは砂壁の状態や使う材料によっても異なります。詳しくはリフォーム会社にご相談ください。
また乾燥させる工程が不要のため、珪藻土の重ね張りよりも工期が短く、6畳程度であれば1~2日程度でリフォームできます。
ペンキを塗る
砂壁に直接ペンキを塗ってリフォームする方法があります。ただし、砂壁の状態が悪いとしっかりと塗料が乗らないことがあるので、事前の下地処理や塗料の選択が重要になるでしょう。
塗料は砂壁専用の塗料やジョリパッドを使用しますが、既存の砂壁の自然素材の風合いはなくなります。
手っ取り早く、安価でリフォームしたい時には便利なリフォーム方法です。またカラーも豊富な中から選ぶことができるので、部屋の雰囲気を変えるには十分かもしれません。
乾燥させる必要があるため、6畳程度の場合の工期は2~4日を想定しましょう。
砂壁をリフォームするメリット
砂壁のリフォームをするメリットはいくつか考えられますが、ここでは代表的な2つのメリットを紹介します。
砂や粉が落ちてくるのを防げる
「表面の砂が落ちてくるのが悩み」という話はよく聞きます。リフォームによって、掃除しても翌日にはまた砂が落ちているという状態を改善できることが一番のメリットでしょう。
しかし砂壁にしても珪藻土にしても、自然素材を利用したリフォームは、将来的に砂や粉などが落ちてくる可能性はあります。定期的な手入れは必要になるでしょう。
部屋の雰囲気を変えることができる
部屋の中で壁は大きな割合を占め、常に視野に入ってくる部分でもあります。
リフォームによって壁のカラーや質感を変えることによって、簡単に部屋のイメージを変えることができ、リフレッシュ効果が高いともいえるでしょう。
砂壁をリフォームするデメリット
砂壁をリフォームするデメリットを紹介します。あらかじめ想定しておきましょう。
リフォーム費用が高い
砂壁の場合、下地処理の手間や材料費がかかるため、ほかの壁に比べてリフォーム費用が高い傾向があります。
例えば、クロス張りの壁のクロス(壁紙)を貼り替える場合、リフォーム費用の相場は6帖で5~7万円ですが、砂壁をリフォームする場合は6帖で最低でも6万円、方法によっては10万円以上かかります。
リフォーム期間は使えない
当然ながらリフォーム工事中はその部屋を使えなくなり、長い場合は4日程度かかります。
その間は家財も移動しなくてならないため、準備期間も必要になるでしょう。重くて運べないような家具は、汚れないようにシートなどで覆って置いておくことができる可能性もありますが、まずはリフォーム会社に相談することをおすすめします。
リフォーム期間中、気疲れしてしまうことがある
リフォームする部屋の配置によっては職人さんが廊下などを利用するため、それが連日続くことで気疲れしてしまう可能性があります。これは砂壁のリフォームに限った話ではありませんが、居住しながらのリフォームではよくある話です。とくに小さい子どもがいる場合は、苦労するかもしれません。
リフォーム期間中、職人さんにお茶などを差し入れしなくてはならないと思っている方もいますが、必須ではありません。かえってお互い気を使ってしまう可能性もありますので、差し入れなどをする場合は負担にならない程度にしておきましょう。
DIYで砂壁をリフォームする際のコツ
最近では自宅の砂壁などをDIYでリフォームする人が増えています。材料費だけでリフォームすることができるため、費用を安く抑えることができますが、慣れていないと失敗する可能性があります。
ここでは、DIYでリフォームする際のコツを紹介します。挑戦してみようと思う方はぜひ参考にしてください。
ペンキで塗装する場合
ペンキを塗る前に、窓枠など塗りたくない部分はマスキングテープなどを貼っておきましょう。そして塗料が乾く前に剥がしてください。塗料が乾いてしまうと塗料が一緒に剝がれてしまう可能性があります。
また、砂壁には意外とカビやホコリが付着しています。ペンキを塗る前に浮いている砂と汚れをしっかり取り除いておくことが重要です。その場合ブラシなどが便利でしょう。
手順としては下地用のシーラーをローラーなどで塗って、乾いてからペンキを塗ります。シーラーの種類にもよりますが、水性タイプなら3~4時間程度は乾燥させましょう。
使用するペンキは砂壁用の塗料やジョリパッドがおすすめです。
漆喰や珪藻土で塗り替える場合
漆喰や珪藻土を塗る前に、窓枠やコンセントなどを養生しておきましょう。漆喰や珪藻土は厚みが出るため、2ⅿⅿ程度は離して養生します。
漆喰や珪藻土はのちにひび割れする可能性がありますが、ほとんどの要因は施工時の水分不足です。水を指定の配分で混ぜて、なるべく乾いてしまう前に手際よく作業しましょう。また、下地のズレがひび割れの原因になることもあるので、下地の処理も大切です。
壁紙を貼り付ける場合
クロスを選ぶ際は、なるべく厚みがあるタイプを選びましょう。厚みがあれば下地を拾いにくいので、比較的きれいに仕上がります。
壁紙を貼る前に下地の処理をしますが、ひび割れはパテで埋めて、必要に応じてサンドペーパーで平らにします。壁紙に柄がある場合、なるべく左右の柄が揃うように施工します。細かいように思えますが、仕上がりが違ってきます。
最後に糊をしっかり拭き取るようにしましょう。拭き残しがあると、後々シミになってしまうことがあります。
余裕があればコンセントプレートを一緒に交換しましょう。意外と変色していることが多いので、そのままにしておくとリフォーム後に悪目立ちすることがあります。
この記事のポイント
- 砂壁をリフォームするメリットは?
リフォームによって、掃除しても翌日にはまた砂が落ちているという状態を改善できることが一番のメリットでしょう。
また、部屋の雰囲気を変えることができるのもメリットです。
詳しくは「砂壁のリフォームのメリット」をご覧ください。
- DIYで砂壁をリフォームする際のコツは?
ペンキで塗装する場合は、ペンキを塗る前に窓枠など塗りたくない部分はマスキングテープなどを貼っておきましょう。そして塗料が乾く前に剥がしてください。塗料が乾いてしまうと塗料が一緒に剝がれてしまう可能性があります。
その他にもさまざまなコツがあります。
詳しくは「DIYで砂壁をリフォームする際のコツ」をご覧ください。
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