車が好きな人の中には、ガレージハウスに興味のある方もいらっしゃるでしょう。この記事では、ガレージハウスにはどのような特徴があり、購入する上でのチェックポイントには何があるのかを解説します。
記事サマリー
ガレージハウスとは?
ガレージハウスとは住戸内に車庫(ガレージ)が設けられた住宅のことです。戸建ての場合、カーポートのように駐車場を建物の外に設けることがよくあります。
ガレージハウスも戸建てですが、駐車場を建物の中に設けている点が特徴です。
インナーガレージとビルトインガレージの違い
インナーガレージもビルトインガレージも、どちらも住居と車庫が一体化した建物のことです。インナー(inner)には「内部の」、ビルトイン(built in)には「はめ込みの・内蔵の」といった意味があります。
インナーガレージもビルトインガレージも、どちらも同じ意味で使われており、違いはありません。
インターネット上での検索数(Google)としては、インナーガレージが月間約5,000件、ビルトインガレージが月間約18,000件となっており、用語としてはビルトインガレージのほうが浸透しているようです。
ガレージハウスのメリット
ガレージハウスのメリットについて解説します。
車を風雨や盗難から守る
ガレージハウスでは、上下左右を壁に囲まれた空間に車を停めることができるため、車を風雨や盗難から守ることができます。
高価な高級車や希少性のある旧車を持っている人ほど、ガレージハウスの価値は高いです。
狭小地でも駐車場が確保できる
ガレージハウスは、基本的には広めの土地に適した物件です。
しかしながら、狭小地でもガレージハウスにすることで駐車場を確保できるという見方もできます。
都内では、土地価格が高く、戸建てでも敷地内に駐車場を確保できない規模の敷地が多くあります。都内の場合、外部の月極駐車場も高いことから、できれば敷地内に駐車場を確保したいところです。ガレージハウスなら外部の駐車場も借りなくて良いことから、ランニングコストも安くなります。
天候に関わらず車の整備をしやすい
広めの物件でガレージハウスを建てる場合、ガレージ内に作業スペースも確保できます。
作業スペースも確保できるようなガレージハウスであれば、天候に関わらず車の整備をしやすい点がメリットです。
車の乗り入れや荷物の出し入れがラク
建物内で車庫と住居が行き来できるガレージハウスでは、車の乗り入れや荷物の出し入れが楽になります。雨の日や深夜に行う車の乗り降り、お米や水といった重い商品を買ったときの荷物の出し入れは大変便利です。
ただし、十分なスペースの取れない狭小地の物件では、建物内で車庫と住居が行き来できない物件もあり、あてはまらないケースもあります。
ガレージハウスのデメリット
ガレージハウスのデメリットについて解説します。
建築コストが高くなる
ガレージハウスは建築コストが高くなりやすい点がデメリットです。
ガレージ部分は広い空間となり、空間を支えるために太い梁(はり)が必要となることがあります。梁は太くなると建築費が上がる要因となります。
また、ガレージには、シャッターや空調などの設備も必要です。外部に作る平置きのカーポートにはない設備が発生することから、外部に駐車場を設ける戸建てよりも建築費は高くなります。
居住空間が狭くなりがち
ガレージハウスは狭小地でも駐車場を確保できるというメリットがある反面、狭小地にガレージハウスを建てると居住空間が狭くなるというデメリットもあります。
狭小地で居住空間を確保しようとすると、1階をガレージとし、2~3階部分を住居とする設計が多いです。3階建てにすれば居住空間は広くなりますが、階段の上り下りが増えるため、住みにくくなります。
若いうちは問題なくても、高齢になった場合には階段の上り下りは億劫に感じやすいです。3階建てにする場合には、将来のことも踏まえて慎重に検討する必要があります。
造りによっては音や排気が気になる場合も
ガレージハウスは、設計によっては室内で音や排気が気になる場合もあります。音に関しては、ガレージの上に寝室を配置してしまうと、夜間の入出庫時にシャッター音やエンジン音が気になりやすいです。
排気に関しては、換気扇の位置が悪いと排気ガスがなかなか排出されない車庫となってしまいます。
固定資産税が高くなる
インターネット上には、ガレージハウスは固定資産税が安くなるという誤情報が散見されますが、ガレージハウスは固定資産税が安くなることはなく、逆に高くなります。
車庫と住居が一体化した建物は、ガレージ部分も建物の一部であり、固定資産税の課税対象です。建物の外に駐車場を作るよりも課税面積が増えるため、固定資産税は高くなります。
インターネット上に出回っている情報とみると、「固定資産税の課税面積」と「容積率の対象面積」を混同して誤解していることが多いようです。
容積率とは、延床面積の敷地面積に対する割合のことを指します。建物内の車庫は、延床面積の5分の1までであれば容積率に算入しなくても良いという特例があります。そのため、ガレージハウスを建てると一般の住宅よりもやや大きな建物を建てられるというメリットがあります。
ただし、「固定資産税の課税面積」と「容積率の対象面積」は別物です。容積率に算入されない車庫部分も固定資産税の課税対象となるため、ガレージハウスを建てたとしても建物の固定資産税は安くはなりません。
ガレージハウスを建てる・購入する際の4つのチェックポイント
ガレージハウスのチェックポイントについて解説します。
広さ・動線の確保
ガレージハウスは、まず広さが大切です。ガレージハウスの購入目的にもよりますが、大型輸入車を停めるために購入する人は、最低でも大型輸入車が駐車できるスペースが必要となります。大型輸入車の場合、車庫の広さだけでなく、出入口の寸法や車庫内の高さも確認することがポイントです。
また、ガレージハウス内で車の整備や架装、洗車などの作業を行いたい人は、作業スペースの余裕があるかを確認する必要もあります。洗車を行いたい場合には、蛇口や車庫内に排水勾配等も確保されているか、確認することもポイントです。
さらに、車庫と住居の動線もチェックポイントとなります。基本的には、車庫と住居が内部で行き来できるものが便利です。車庫から一旦出て住居に入るような動線の場合、雨の日など不便となります。
なお、住居と車庫を内部で行き来できる仕様とする場合には、住居と車庫との間に網戸を設置することをおすすめします。
ガレージの入口は大きく、夜中に車を入出庫することもあるため、ガレージ内には虫が入り込んでくることも多いです。ガレージ内の虫を住居内に入り込ませないために、網戸でシャットアウトできるような仕様にしておきます。
部屋の配置
ガレージの真上には寝室は設けないことが無難です。ガレージの真上に寝室があると、夜中や早朝に入出庫をする際、エンジン音やシャッター音によって睡眠が妨害されてしまいます。
狭い敷地にガレージハウスを建てる場合には、部屋の配置を十分に検討することがポイントです。
設備
ガレージ内の設備もチェックポイントです。ガレージのシャッターは、できればリモコン操作できるタイプのものが望ましいといえます。リモコン操作できるものであれば、帰宅時に車を降りずにシャッターを開けることができることから、便利です。
シャッターは開閉音がうるさいため、夜間や早朝に車の出し入れが多いと近所からクレームがくることがあります。夜間や早朝の入出庫が多い人は、静音タイプのシャッターを選ぶことをおすすめします。
また、ガレージ内で車の整備や架装、洗車等の作業を行いたい人は、収納もチェックポイントです。壁面収納があり、自分が使用する工具が収まるかどうかを確認する必要があります。
ガレージ内で作業を行いたい人は、空調も設置したほうが望ましいです。真夏や真冬など、空調がないとガレージ内で作業が大変になります。整備や架装、洗車等の作業では、ガレージ内に相応の時間滞在するため、快適に過ごせる空間にしておく設備を整えておきましょう。
ガレージ内の設備としては、換気扇の位置を確認することもポイントです。排ガスが充満しないように、換気扇は排気口(マフラー)側に設置されていることが適切となります。バックで入庫しマフラーがガレージの奥側に向く場合には、換気扇も奥側にあることが適切です。
照明に関しては、人感センサー付きのLED照明にしておくと、消し忘れ防止にもなり、節電ができます。電源も確保しておけば、電気自動車の充電もしやすいです。
車道への出入りのしやすさ
車道への出入りのしやすさも重要です。ガレージの入口の幅が広いほうが車をぶつける可能性が低く、入出庫はしやすいです。入出庫に関しては、敷地の広さや前面道路も影響します。
例えば、道路と車庫との間に一定のスペースがあり、敷地に頭から入って切り返してバックで入庫できるような物件は入出庫しやすいです。
また、敷地内に切り返しスペースがなく、道路から直接入庫しなければならない場合でも、前面道路にほとんど交通量がなければ入出庫はしやすいといえます。
前面道路の車の交通量が多く、敷地内に切り返しスペースもない物件は、入出庫の難易度が高くなります。
こんな方にガレージハウスがおすすめ
最後に、どのような方にガレージハウスがおすすめできるかを紹介します。
愛車をしっかり守りたい・鑑賞したい
ガレージハウスは、車をしっかり守りたい、または鑑賞したい人におすすめです。趣味で今では製造されていない旧車を持っている方などには、特に価値があるといえます。
愛車を常に鑑賞したい場合、住居と車庫との間の壁をガラス張りにして、車庫をギャラリー仕様にするとガレージハウス生活をより楽しめます。生活の中で常に愛車を見たい場合には、例えばリビングの隣にガレージを併設するのもアイデアの一つです。
狭小地でも敷地内に駐車場を作りたい
ガレージハウスは、狭小地でも敷地内に駐車場を作りたい人にも向いています。外部に月極駐車場を借りなくて済むことから、維持費を抑えることができます。ただし、先述の狭小地におけるデメリットについては注意をする必要があります。
アウトドア用品の倉庫としても活用したい
ガレージハウスは、アウトドア用品の倉庫としても活用したい人にもおすすめです。広めの車庫であれば、スキーやスノーボード、サーフィンの板や、スキューバーダイビングの道具、キャンプグッズなどを置く倉庫としても活用でき、車庫と倉庫が一体化していることからアウトドア用品の出し入れが楽になります。
この記事のポイント
- ガレージハウスの固定資産税はどうなる?
ガレージハウスは、ガレージ部分も建物の一部であり、固定資産税の課税対象です。建物の外に駐車場を作るよりも課税面積が増えるため、固定資産税は高くなります。
詳しくは、「固定資産税が高くなる」をご覧ください。
- ガレージハウスを検討する際のポイントは?
大きく分けて、「広さ・導線の確保」「部屋の配置」「設備」「車道への出入りのしやすさ」の4つがあります。
詳しくは、「ガレージハウスを建てる・購入する際の4つのチェックポイント」をご覧ください。
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