不動産投資を始めるにあたり、比較的少ない資金で始められるワンルーム不動産投資から検討される方は多いでしょう。
その際に、「ワンルーム不動産投資は失敗しやすい」と耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
実際ワンルーム不動産投資は、投資する物件を間違えると失敗する可能性が高く、注意が必要です。
一方で、メリットも多くあるため、特徴をしっかり把握したうえで投資を検討することが大切です。
本記事では、ワンルーム不動産投資のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
記事サマリー
ワンルーム不動産投資はマンションの1室を購入する投資
ワンルーム不動産投資とは、ワンルームマンションの1室を購入して入居者に貸し出すことで、家賃収入を得る投資方法のことを言います。
マンション投資の一種で、投資対象は「1K・1R・1DK」といった独身の社会人や学生などの単身者向けの物件です。
アパート一棟を購入するような不動産投資に比べて少ない投資額で始められ、管理自体は管理会社に任せられるため、初心者にも人気のある投資方法です。
少額から不動産投資をスタートしたい方や、忙しくて管理の時間がとれないサラリーマンでも始めやすい投資ともいえるでしょう。
ワンルーム不動産投資のメリット
ワンルーム不動産投資には、次のようなメリットがあります。
- 少ない資金でも始めやすい
- 立地が良い物件が多く長期的な収入を期待できる
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
少ない資金でも始めやすい
ワンルーム不動産投資の大きなメリットは、少ない資金でも始めやすい点です。戸建住宅やアパート一棟買い・区分マンションなど不動産投資にはさまざまな投資対象があります。
しかし、その多くは数千万や億を超える高額な資金が必要です。
ワンルーム不動産であれば、比較的安価な物件が多く、少ない資金でも良い物件を見つけやすいという特徴があります。
不動産投資では基本的に不動産投資ローンを利用して物件を購入します。借入金を使い手持ち資金以上の投資ができる点はメリットですが、借入れの際にはある程度の頭金が必要です。
ワンルーム不動産投資の場合は借入金額が少なくなるので、必要な自己資金も低くなる傾向があります。
また、借入金額が少ないため審査の際に高い年収を求められるケースも少ないです。そのため、不動産投資を行うハードルが比較的低いといえるでしょう。
立地が良い物件が多く長期的な収入を期待できる
ワンルーム不動産は立地が良い物件が多く、自己資金が少ない場合でも好条件の物件に投資できる可能性が高くなります。
また、ワンルームは一人暮らしの学生や独身の社会人などが借り手です。そのような単身層は購入よりも賃貸で住居を探すことが多く、ファミリー向けよりも入居者の需要が高い傾向があります。
そのため、空室リスクを抑えて賃貸経営できる可能性が高く、長期的な収入が期待できます。
ワンルーム不動産投資のデメリット
ワンルーム不動産投資には次のようなデメリットもあるため、慎重に判断する必要があります。
- 年間収支がマイナスになる可能性がある
- 1室しかないためリスクが大きい
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
年間収支がマイナスになる可能性がある
ワンルーム不動産投資では、家賃収入から支出を差し引いた額が利益となります。差引く支出には次のようなものがあります。
- ローンの返済、支払い利息
- 各種税金
- 管理費、修繕積立金
- 保険料
- 減価償却
支払う経費はローンの返済以外にもさまざまなものがあり、意外と運用費が掛かります。
また、修繕が必要なとき、1室のみの場合は安くしづらく経費も割高になりやすいです。
収支のバランスを考慮してきちんと収支計画を立てなければ、マイナスになる可能性もある点には注意が必要です。
1室しかないためリスクが大きい
ワンルーム不動産投資は、1室分の家賃収入だけが自身の収入となるので、その1室に入居者がいなければ収入はありません。入居者がいる場合でも、家賃を滞納されると収入はありません。
人気のない物件やエリアを選んでしまうと、家賃収入を得られない可能性が高くなります。
また、周辺相場の下落などから賃料を下げなくてはならない場合もあるでしょう。その場合も、1室のみに頼る投資のため、賃料を下げた損失が大きくのしかかるので注意が必要です。
対策としては、複数の部屋を買い増ししてリスクヘッジをする方法があります。
ワンルーム不動産投資には災害によるリスクもありますが、地震や風水害といった自然災害や事故などが起きた場合も、複数物件を持っていれば相互補完が可能です。
ワンルーム不動産投資の節税対策
ワンルーム不動産投資は節税対策にもなります。以下、具体的な節税の内容について見ていきましょう。
サラリーマンは所得税や住民税の還付を受けられる
ワンルーム不動産投資に限らず、不動産投資では、所得税や住民税の節税効果を得ることができます。
先述のように投資を行うなかで年間収支がマイナスになるリスクがありますが、赤字となった場合は給与所得などのほかの所得との損益通算が可能です。損益通算とは、赤字の所得を黒字の所得で相殺して申告できる制度のことを言います。
例えば、給与所得が400万円ある場合でも、不動産所得で300万円の赤字があれば、相殺した100万円として申告できます。損益通算することで所得を低く申告でき、所得税や住民税の還付が受けられます。
また、個人事業主としてワンルーム不動産投資をする場合は、計上できる経費の幅が広がります。収益から差し引ける必要経費の額が増えると、納める税金の額も少なくなります。
不動産投資の中では節税効果が低くなりやすい
ただし、ワンルーム不動産投資は不動産投資の中では節税効果が低くなりやすい点に注意しなければなりません。
先述した所得税や住民税の還付を受けるためには、赤字で経費計上する必要があります。そして、この赤字で経費計上するために重要になるのが「減価償却」です。
減価償却費は、購入した際に支払った金額を法定耐用年数で案分した金額を計上します。
法定耐用年数は物件の目的や構造によって異なり、法律で次のように定められています。
構造 | 耐用年数 |
---|---|
木造 | 22年 |
軽量鉄骨造(骨格材肉厚が3mm以下の場合) | 19年 |
重量鉄骨造 | 34年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
一般的なマンションは鉄筋コンクリート造りのため耐用年数が長く、1年で計上できる減価償却額も少なくなります。とくにワンルーム不動産では購入額も少ないため、ほかの不動産投資に比べて計上できる額が少ない場合が多いです。
節税効果を狙う場合は、効果が出にくい可能性があるので注意しましょう。
ワンルーム不動産投資はメリット・デメリットを理解して検討しよう
ワンルーム不動産投資は、少ない自己資金でも始めやすくサラリーマンの副業として人気があります。
ワンルーム不動産投資にはメリットもありますが、1室のみに投資するためリスク分散ができず、デメリットもあります。
ワンルームに投資するリスクや減価償却などを理解したうえで投資を検討することが大切です。
この記事のポイント
- ワンルーム不動産投資とは?
ワンルーム不動産投資はワンルームマンションの1室を購入し入居者に貸し出すことで家賃収入を得る投資方法となります。
詳しくは「ワンルーム不動産投資はマンションの1室を購入する投資」をご確認ください。- ワンルーム不動産投資のメリットとは?
ワンルーム不動産投資には以下のようなメリットがあります。
- 少ない資金でも始めやすい
- 立地がいい物件が多く長期的な収入を期待できる
詳しくは「ワンルーム不動産投資のメリット」をご確認ください。
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