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持ち家と賃貸どちらを選ぶ?それぞれのメリット・デメリットや向いている人を解説

「持ち家と賃貸、どちらがいいのだろう」「家賃を払い続けるくらいなら、家を買ったほうがお得なのでは?」と考えている方がいらっしゃるかもしれません。

一生の中でも大きな買い物である家の購入となると、なかなか判断が付かないものです。

持ち家と賃貸はそれぞれにメリット・デメリットがあるため、ライフプランを踏まえて慎重に判断することが大切です。

この記事では、持ち家と賃貸のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。あわせて、それぞれに向いている人の特徴も紹介するのでぜひ参考にしてください。

持ち家のメリット・デメリット

まずは、持ち家のメリット・デメリットについて見てみましょう。それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリットデメリット
家が自分の資産になる簡単に引っ越しできない
好きにリフォームなどができる売却資金だけではローンが完済できないこともある
住宅ローンを完済すれば居住費が下がる
住宅ローン控除などの各種優遇がある

メリット1:家が自分の資産になる

家を購入する最大の魅力が、家という資産が手に入ることです。自分の資産なので、何かあったときに売却や担保にも使えます。

また、将来的には子供や孫といった次の世代に引き渡す財産にもなります。

メリット2:好きにリフォームなどができる

持ち家は自分の財産のため、好きなようにリフォームができます。

賃貸の場合は、壁に画鋲を刺すことすらためらわれるでしょう。

しかし、持ち家であれば使い方は自由です。DIYで棚を設置したり、家族の成長に伴い間取りを大きく変えたりと柔軟に対応できます。

自分と家族の好みや生活のしやすさにあわせて、好きに家を作り変えられるのは大きなメリットです。

メリット3:住宅ローンを完済すれば居住費が下がる

住宅ローンがあるうちは、毎月大きな返済の負担があります。しかし、毎月家賃を払うという点は賃貸も同じです。

持ち家と賃貸とで異なるのは、持ち家は住宅ローンさえ完済すれば毎月の居住費の負担が大幅に下がる点です。

基本的には、住宅ローンの完済後は固定資産税と修繕・維持のための費用くらいで済むので毎月の負担は大きくありません。

例えば、30歳で35年ローンを組んで順調に完済すれば、65歳以降は大幅に居住費の負担が減ります。老後に居住費の負担が抑えられるのは大きなメリットと言えるでしょう。

また、住宅ローンを組む場合は原則として団体信用生命保険に加入します。団体信用生命保険は、契約者が万が一死亡や高度障害になった場合、団体信用生命保険の保険金で住宅ローンの残高を返済する仕組みです。

そのため、契約者に何かあった場合は、その家族は住宅ローンの負担なしで家に住み続けられます。

メリット4:住宅ローン控除などの各種優遇がある

住宅ローンを組む場合、住宅ローン控除を適用できます。

住宅ローン控除とは、10年を超える住宅ローンを組んだ場合、年末時点の住宅ローン残高に応じて所得税や住民税から控除を受けることができる税制上の優遇制度です。

住宅ローン控除を利用することで大幅な所得税の還元を受けられるので、場合によっては金利負担以上の控除効果も見込めます。

また、ほかにも住宅ローンを利用する場合はすまい給付金、マイホームを売却する場合は3,000万円の特別控除の特例などがあります。

デメリット1:簡単に引っ越しできない

持ち家を所有する場合、何かあっても簡単に引っ越しできない点には注意が必要です。

  • 急な転勤で遠方に行かなければならない
  • ご近所とトラブルを起こしてしまった
  • 子供の進学先の都合
  • 周辺環境に不満がある

このような場合でも、簡単には土地を離れられません。とくに、住宅ローンを返済中の場合は賃貸に出すにも金融機関の承諾が必要になる場合があります。

デメリット2:売却資金だけではローンが完済できないこともある

万が一住宅ローン返済中に家を手放す場合、売却するためには住宅ローンの完済が必要です。住宅ローンでは、家に抵当権を設定しローンを組むのが一般的です。

抵当権がある状態では家を売却できないため、住宅ローンを完済し抵当権を抹消する必要があります。

家の売却代金で住宅ローンを完済できるのであれば、問題なく売却できるでしょう。しかし、必ずしも住宅ローン残高以上の売却額になるとは限りません。

むしろ、残高以下での売却となるケースが多いです。残債割れの状態だと、手持ちの資金で差額分を補填する必要があります。手持ち資金がない場合は、競売や任意売却を検討しなくてはなりません。

新しい家に住み替えたい、住宅ローンの返済が苦しいから売却したいという場合、売却額でローン完済できない可能性に注意しましょう。

賃貸のメリット・デメリット

次に、賃貸のメリット・デメリットについて見ていきましょう。

メリットデメリット
引っ越ししやすいリフォームなどが簡単にはできない
収入の増減に合わせて家賃を調整しやすい老後は高齢者であることを理由に入居を断られる可能性がある
修繕費の負担が少ない生涯家賃を支払う必要がある

メリット1:引っ越ししやすい

賃貸の大きな魅力の一つが、引っ越ししやすいという点です。急な転勤や家族が増えた場合も、その時々の状況にあわせて物件を住み替えられます。

また、ご近所トラブルなどの地域付き合いの問題も、引っ越してしまえば解決できます。何かあった場合にずっと住み続ける必要がないというのは、精神的にも負担が少ないと言えるでしょう。

メリット2:収入の増減に合わせて家賃を調整しやすい

引っ越ししやすいため、収入に合わせた家賃の物件を選べるという利点もあります。収入が減る場合は、家賃の少ない賃貸に引っ越すことで居住費を削減できるでしょう。

ずっと一定額の支出がある住宅ローンとは異なり、収入に合わせて調整することで生活費の負担を減らせるのも賃貸の特徴です。

メリット3:修繕費の負担が少ない

賃貸の場合は、基本的な設備や建物のメンテナンスは大家さんが行うため、入居者には大きな負担はありません。

万が一、設備が壊れた場合でも、大きな過失がなければ大家さんの負担で修繕できるでしょう。

毎月の修繕費や管理費といった負担はありますが、万が一大きな修繕が必要な際に出費が不要というのは大きなメリットと言えます。

デメリット1:リフォームなどが簡単にはできない

賃貸の場合、リフォームなどは大家さんの許可が必要です。

設備の故障など大家さんが対応すべきことを除いて、生活で何か不便がある場合でも、そのままの状態で住み続けなければなりません。

相談すれば改善してもらえる可能性はありますが、持ち家に比べると自由度は少ないでしょう。

デメリット2:老後は高齢者であることを理由に入居を断られる可能性がある

賃貸の場合、高齢になると支払い能力の低下や孤独死のリスクを理由に、入居を断られる可能性があります。

高齢者向け賃貸なども増えていますが、まだ一部であり家賃も高額な傾向にあります。

高齢になり、足腰が不安などの健康上の理由で住み替えしようにも、選択肢がかなり狭くなる可能性があるので注意しましょう。

デメリット3:生涯家賃を支払う必要がある

賃貸は、いくら家賃を支払っても物件は自分の物になりません。そのため、住んでいる限りは家賃を支払い続ける必要があります。

とくに高齢になると、年金などの収入だけでは家賃の負担が大きくなる可能性もあります。老後の資金に不安がある人は、賃貸での家賃負担についても考慮しておかなければなりません。

持ち家が向いている人と賃貸が向いている人の特徴

ここでは、持ち家と賃貸それぞれに向いている人の特徴を解説します。

持ち家が向いている人の特徴

持ち家が向いている人には、次のような特徴があります。

  • ライフプランが定まっている人
  • 経済的に余裕がある人

持ち家の場合は住宅ローンの返済が必要ですが、着実に返済できればいずれ支払いは終わります。

すでに結婚している・子供がいる・転職や転勤の可能性が少ない、など今後のライフプランに大きな変化がないのであれば、返済の見通しも立てやすいでしょう。

また、住宅ローンを計画通り返済できるだけの経済的な余裕も必要です。

賃貸が向いている人の特徴

賃貸が向いている人には、次のような特徴があります。

  • 引越しの多い職業の人
  • まだライフプランが定まっていない人

賃貸のメリットは引っ越しのしやすさです。そのため、転勤などが多い仕事の場合は賃貸のほうが自由に住み替えられます。

また、まだ結婚していない、今後転職するかもしれないなど、今後のライフプランに大きな変更余地がある場合は、賃貸のほうが負担は少ないでしょう。

持ち家と賃貸はメリット・デメリットをふまえて検討することが大切

持ち家と賃貸のメリット・デメリットや、それぞれ向いている人の特徴についてお伝えしました。

持ち家は、家を自分の資産にできる反面、簡単には引っ越しできないなどのデメリットがあります。

一方、賃貸は引っ越ししやすく収入に合わせて家賃を調整できますが、どれだけ家賃を支払っても物件を自分のものにすることはできません。

それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらがいいかはライフスタイルや今後のライフプランによって異なります。

持ち家・賃貸のメリット・デメリットを把握したうえで、その時々のライフスタイルなどに合わせて判断するようにしましょう。

この記事のポイント

持ち家のメリットとは?

持ち家には以下のようなメリットがあります。

  • 家が自分の資産になる
  • 好きにリフォームなどができる
  • 住宅ローンを完済すれば住居費が下がる
  • 住宅ローン控除などの各種優遇がある

詳しくは「持ち家のメリット・デメリット」をご確認ください。

賃貸のメリットとは?

賃貸には以下のようなメリットがあります。

  • 引っ越ししやすい
  • 収入の増減に合わせて家賃を調整しやすい
  • 修繕費の負担が少ない

詳しくは「賃貸のメリット・デメリット」をご確認ください。

この記事の監修

逆瀬川 勇造
資格情報: 宅地建物取引士、FP2級技能士(AFP)

明治学院大学卒。地方銀行勤務後、転職した住宅会社では営業部長としてお客様の住宅新築や土地仕入れ、広告運用など幅広く従事。
2018年より独立し、不動産に特化したライターとして活動している。

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