マンションの購入を検討中の方のなかには、いずれ手放す前提でマンションを購入する方もいるでしょう。
しかし、その場合は売却を視野に入れて購入しなければ、手放す際に大きく損する可能性もあるため注意が必要です。
本記事では、売却目的でマンションを購入するメリットや注意点について、わかりやすく解説します。あわせて、マンション売却の流れも解説するので参考にしてください。
記事サマリー
マンションを売るつもりで買うメリット
マンション購入の際、売却を視野に入れてマンションを選ぶことは重要です。
ここでは、マンションを売る前提で買う3つのメリットについてみていきましょう。
- 転勤などの環境の変化に対応できる
- マンションが古くなってからの問題に対応する必要がなくなる
- 資産になる
・「マンション購入 注意点」に関する記事はこちら マンション購入時の注意点は?新築・中古のポイントを紹介 ・「マンション購入 後悔」に関する記事はこちら マンション購入後に後悔しないためのポイントは?後悔している場合の対処法も |
転勤など環境の変化に対応できる
マンション購入後は、購入時の環境がずっと続くわけではありません。
購入直後は大きな変化はなくても、数十年のうちにご自身の転勤や収入の変化、結婚や出産、こどもの成長などさまざまな変化があるでしょう。
環境の変化に伴い、購入時は快適だったマンションでも不便に感じることも少なくありません。
しかし、住み替えるには一度購入したマンションを売却する必要があります。マンションを売却できなければ家を2つ所有することになり、その場合金銭的負担が大きくなります。
また、売却できたとしても、購入時より大幅に低い価格となる可能性もあります。
購入の際に売却までを視野に入れて物件選びをすることで、いざというときにスムーズに売却しやすくなるでしょう。
・「転勤 マンション売却」に関する記事はこちら 転勤時にマンションを売却する手順とは?損しないためのポイント解説 |
マンションが古くなってからの問題に対応する必要がなくなる
マンションは古くなると、次のような問題が発生します。
- 修繕積立金の値上げ
- マンションの建て替えが検討される
マンションは経年劣化による故障や不具合の修繕のために、大規模修繕計画が立てられます。一般的には、10年~15年を目処に大規模な修繕工事が行われます。
そのための費用として修繕積立金が徴収されますが、築年数が古くなるにつれ修繕積立金が高くなるのが一般的です。古いマンションでは修繕個所が増えるため、必要な修繕費用も高くなり、その分積立金も増額します。
また、修繕工事だけでは維持できない場合は建て替えを検討される可能性があり、建て替えとなると高額な費用の支払いが必要になります。それに伴う管理組合への参加などの手間や時間も取られるでしょう。
マンションが古くなる前に手放すことで、これらの問題から解放されます。
・「修繕積立金」に関する記事はこちら 修繕積立金ってどうして必要なの?相場や値上がりする理由も徹底解説 ・「マンション メンテナンス」に関する記事はこちら マンションのメンテナンスが必要になる時期や費用、寿命について解説 |
資産になる
売ることを想定して価値の高い物件を選べば、マンションは自分の資産になります。とくに、築年数が浅いマンションは資産価値も高く、高値での売却も見込めるでしょう。
基本的にマンションは、築年数に応じて資産価値が減少します。
築5年以下の物件は需要が高く高値で売却が期待でき、反対に築20年を超えると資産価値は大きく減少し需要も低くなります。売却を考えて購入する場合は、築年数がひとつの基準となるでしょう。
マンションを売るつもりで買う際のポイント
マンションの売却を視野に入れて買う際に押さえておきたいポイントとして、次の3つがあげられます。
- 資産性の高いエリアを選ぶ
- ローンを完済できないと売却できない
- 5年以内に売却すると税金が高くなる
資産性の高いエリアを選ぶ
マンションを売るつもりで買う際には、資産性の高いエリアを選ぶようにするとよいでしょう。
前述の通り、マンションは基本的に築年数が経つほど資産価値が減少します。しかし、人気があり買い手が見つかりやすいエリアや今後発展が見込める地域であれば、購入時以上の価格で売却できる可能性が高まります。
価値の落ちにくいエリアの特徴は、下記の通りです。
- 交通アクセスが良い
- 周辺の施設が充実している
- 治安が良い
特に都心の場合には、乗り入れの比較的多い駅から徒歩10分以内にある物件を選ぶのがおすすめです。
徒歩10分超になると資産価値が落ちやすいことに加え、不動産情報サイトで物件を探す際には「駅から徒歩10分以内」などで絞られるケースが多いためです。
・「マンション 売却 相場」に関する記事はこちら マンションの売却相場ってどのくらい?地域別の相場と調べ方を解説 |
ローンを完済できないと売却できない
マンション購入の際にローンを組んだ場合、売却時にはローンを完済している必要があります。
住宅ローンを組む場合、マンションに抵当権が設定されます。
抵当権とは、万が一、ローンの返済が難しくなった場合、金融機関がマンションを売却してローンを回収する権利のことです。
この抵当権がついたままの物件は売却が極めて難しいため、売却までに抵当権を抹消する必要があります。
ローン返済中のマンションであっても、売却額でローンを完済できるのであれば、問題なく売却が可能です。また、売却額では完済できない場合でも、手持ち資金で完済できれば売却できます。
ローンが完済できない場合、基本的にはマンションの売却はできません。
ローン返済中のマンションの売却を検討する場合は、「ローン残債」と、不動産会社で査定を受けて「売却額」を事前に把握したうえで判断することが大切です。
・「抵当権抹消」に関する記事はこちら 抵当権抹消とは?抹消が必要になるケースや費用、手続きの方法を解説 ・「ローン中の家を売る」に関する記事はこちら ローン中の家を売る場合の注意点とは?オーバーローンの場合の対処法など解説 |
5年以内に売却すると税金が高くなる
マンションを売却した利益は、譲渡所得と呼ばれ譲渡所得税の対象となります。譲渡所得税は、利益に対し譲渡所得税の税率を乗じて算出するものです。この税率はマンションの所有期間によって異なります。
税率は、次のとおりです。
所有期間 | 所得税 | 住民税 | 合計税率 | |
---|---|---|---|---|
短期譲渡所得 | 5年以下 | 30.63% | 9% | 39.63% |
長期譲渡所得 | 5年超 | 15.315% | 5% | 20.315% |
このように、所有期間が5年以下か5年超かで税率が大きく異なるため、注意が必要です。
ただし、マイホームの売却の場合、「3,000万円特別控除の特例」が適用できるため、そもそも課税対象とならない場合があります。適用には一定の条件があるので、事前に条件や税金について調べたうえで検討しましょう。
・「長期譲渡所得」に関する記事はこちら 長期譲渡所得とは?短期との違いや計算方法、特別控除、軽減税率などをわかりやすく解説! ・「3,000万円控除」に関する記事はこちら 3,000万円控除とは?制度の概要、適用条件や具体的な計算方法も解説! |
購入したマンションを売却する流れ
ここでは、購入したマンションを売却する流れを紹介します。
大まかなマンション売却の流れは次のとおりです。
- マンションの査定~媒介契約
- 売却活動
- 売買契約~引き渡し
マンションの査定~媒介契約
まず、マンション査定を受けます。マンション査定では、不動産会社に査定依頼し売却額を見積もってもらいます。
査定基準は不動産会社により異なるため、いくつかの不動産会社に査定依頼すると良いでしょう。複数の見積もりを比較することで、おおよそのマンションの相場もみえてきます。
査定額に納得したら、不動産会社と媒介契約を結びます。
媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があるので、ご自身の目的に合わせて契約内容を判断しましょう。
それぞれの契約内容の違いは以下のとおりです。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
複数業者との契約 | 〇 | × | × |
自分で買主を見つける | 〇 | 〇 | × |
指定流通機構への登録義務 | なし | 7営業日以内 | 5営業日以内 |
販売状況の報告義務 | なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
一般媒介契約の場合、複数の不動産会社と契約できご自身でも買主を見つけられます。そのため、多くの方の目に物件がとまりやすく、買い手を見つけられる可能性も高くなるでしょう。
ただし、不動産会社にとっては優先度が低くなり、販売活動に力を入れてもらえない可能性もあります。
それに対し、専任媒介契約、専属専任媒介契約では、1社のみとしか契約できません。その分、指定流通機構への物件登録義務や売主への販売状況の報告義務があるなどのルールが設けられています。
・「媒介」に関する記事はこちら 媒介とは?意味や仲介との違いをわかりやすく解説 ・「一般媒介契約」に関する記事はこちら 一般媒介契約とは?メリットと知っておくべき注意点をわかりやすく解説 ・「専属専任媒介契約」に関する記事はこちら 専属専任媒介契約とは?専任媒介・一般媒介との違いやメリットを解説 |
売却活動
契約後、不動産会社によって、インターネットやチラシなどでの情報発信や、問い合わせ、内覧対応などの売却活動を進めていきます。
売却活動では、マンションに住みながら売却活動をする方法と、空き家にしてから売却活動をする方法があります。
住みながら売却活動する場合、内覧時の内覧対応が必要になります。内覧は買い手が購入を決める重要なポイントでもあるので、事前にマンション内の掃除や片づけをして、少しでも印象良くできるようにしましょう。
空き家にして売却活動する場合、内覧対応は必要ありません。また、購入希望者が現れてもすぐに売却できるというメリットもあります。
ただし、空き家と新しい住居の2つの費用負担が発生します。
・「マンション 買換え」に関する記事はこちら マンション買換えでローンはどうなる?買い先行、売り先行のメリットも解説 ・「内覧」に関する記事はこちら 内見とは?内覧との違いや持ち物・流れ・確認することを解説 ・「家 売却 内覧」に関する記事はこちら 家を売るときに内覧希望者を迎えるポイント!早期売却への道を徹底ガイド ・東急リバブルの売却活動はこちらから |
売買契約~引き渡し
買主が見つかり購入が決定したら、売買契約と引き渡しに移ります。
売買契約では、買主と売主が売買契約書の内容の確認後に署名捺印して契約を締結します。
売買契約時には買主から手付金を受け取ります。買主側は、売買契約後に住宅ローンの本審査を受けるのが一般的です。
ローン審査に通れば問題なく引き渡しに進めますが、万が一、審査に通らなければ契約が白紙に戻り、最初からやり直しになるケースもあるため注意しましょう。
買主がローン審査に通れば、決済と物件の引き渡しです。決済、引き渡しでは売主も必要書類の準備をしなければなりません。書類の不備があるとその日の決済ができなくなるので、事前の確認を入念にしましょう。
決済後に物件の鍵を引き渡し、売買契約は完了です。
物件売却の翌年には確定申告が必要になるため、忘れずに申告、納税しましょう。確定申告が不安な場合は、税理士に相談しながら進めることをおすすめします。
・「マンション売却 流れ」に関する記事はこちら マンション売却から引き渡しまでの流れとは?必要な書類も紹介 ・東急リバブルの「マンション売却・査定」はこちらから |
マンション購入時には将来の売却も想定しておくのがおすすめ!
マンションを売るつもりで購入するメリットや注意点、売却方法をお伝えしました。
マンションを売るつもりで買うことには、急な環境の変化に対応しやすくなるなどさまざまなメリットがあります。
実際に売却しない場合でも、意識して物件を選ぶことで、将来もし売却することになっても対応しやすくなります。ただし、マンション売却にはローンの完済が必須であることや、税金が課せられる点に留意しましょう。
この記事のポイント
- マンションを売却するつもりで購入するメリットとは?
マンションを購入する際は、売却を視野に入れてマンションを選ぶことが重要です。
売却前提でマンションを買うメリットは以下の通りです。- 転勤などの環境の変化に対応できる
- マンションが古くなってからの問題に対応する必要がなくなる
- 資産になる
詳しくは「マンションを売るつもりで買うメリット」をご確認ください。
- マンションを売るつもりで購入するポイントとは?
マンションの売却を視野に入れて購入する際のポイントは以下の通りです。
- 資産性の高いエリアを選ぶ
- ローンを完済できないと売却できない
- 5年以内に売却すると税金が高くなる
詳しくは「マンションを売るつもりで買う際のポイント」をご確認ください。
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