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登録免許税の計算方法と支払時期を解説!軽減措置や事例もあわせて紹介

登録免許税は、主に土地や建物など新たに取得した不動産の所有権を法務局に登録するために納める税金です。

この記事では、不動産の取得に絞った登録免許税について、その制度や計算方法と軽減措置の内容などを解説します。

納めるタイミングや、不動産購入時の登録免許税の計算シミュレーションなど、具体的な内容もあわせてお伝えしますので、ぜひご覧ください。

登録免許税とは?

土地や建物を買ったり、譲ってもらったりした際には、法務局にその所有者とどのように取得したのかを記録して公示する「登記」という手続きをしなければいけません。その際に法務局に納める税金を登録免許税といいます。

この登録免許税は、不動産を取得した場合に必ず支払うべき費用のうちの一つです。

不動産を仲介してくれた不動産会社へ支払う仲介手数料や、住宅ローンを組む際の銀行へのローン手数料や保証料、不動産にかける火災保険料などと同様、マイホームを購入する際の必要経費です。

納めるタイミング

登録免許税は、不動産の所有者変更や不動産が住宅ローンの担保になった経緯などを法務局へ登録するタイミングで納付します。具体的には、必要事項を記入した登記申請書に、登記印紙を貼付して行います。

この登記手続きは、司法書士に報酬を支払って依頼するのが一般的で、書類の取得から登記、税金の納付までのすべて任せることができます。

司法書士は、売主や買主、銀行、役所から登記手続きに必要な書類を集めて、それらを作成した登記申請書に添えて決済当日に法務局へ申請し、同時に納税もします。

登録免許税の計算方法

登録免許税の税額は、不動産の固定資産税評価額に税率をかけて計算しますが、この税率は不動産の種類(土地、建物)やその不動産を取得した理由(保存、売買、相続、贈与など)によって異なります。

この固定資産税評価額とは、役所が固定資産税を計算する際に用いる数値で、実際に不動産を購入した金額など一般の流通価格とは異なります。

登録免許税の計算は、一戸建てもマンションも、土地と建物の税額を別々に計算してから合算します。

登録免許税の軽減措置とは

登録免許税の軽減措置は、税率を時限的に軽減するものです。

実際に適用される登録免許税の税率は、基本の税率よりも低く設定され、金銭的な負担を大幅に軽減してくれます。

軽減税率は、2023年2月現在、主に以下の条件が適用対象になります。

土地・2023年3月31日までに登記を受ける場合
建物新築 ・ 2024年3月31日までに取得する場合
・登記簿の床面積が50㎡以上あるもの
建物中古 ・2024年3月31日までに取得する場合
・登記簿の床面積が50㎡以上あるもの
・昭和57年1月1日以後に建築された家屋
・中古マンションは築25年以内
・一定の耐震基準に適合している家屋
抵当権・2024年3月31日までに登記する場合
(住宅ローンで家を購入される方)

適用条件は例外や変更される場合がありますので、登記する時点で詳しく確認してください。

軽減措置による登録免許税率の違い

登録免許税の基本になる税率と軽減税率を比較して解説します。

土地の登記について

登記の種類基本税率軽減税率
移転登記(売買)2.0%1.5%(※)
移転登記(相続)0.4%1.5%
移転登記(贈与)2.0%1.5%

(※)売買による取得の場合は、2023年3月31日まで軽減税率を適用します。

建物の登記について

新築

登記の種類基本税率軽減税率(特例の種類で分類)
保存登記
(注文住宅)
0.4%マイホームの特例0.15%
優良住宅の特例0.1%
低炭素住宅の特例0.1%
移転登記
(建築済み)
2.0%マイホームの特例
優良住宅の特例0.1%(一戸建て0.2%)
低炭素住宅の特例0.1%

中古

登記の種類基本税率軽減税率(特例の種類で分類)
移転登記2.0% -0.3%(※)

(※)中古マイホーム軽減措置の要件は以下のとおりです。

  • 自分が居住する住宅である
  • 取得後1年以内に登記する
  • 登記された床面積が50平米以上である
  • 木造は築20年以内、マンションは築25年以内である

抵当権設定登記について

登記の種類基本税率軽減税率
抵当権設定(ローン利用)0.4%0.1%

住宅ローンでマイホームを購入すれば、必ず抵当権を設定します。

表の記載内容にかかわらず、要件や適用税率などは、登記実施時期に不動産会社、税理士などに確認してください。

軽減措置の特例を受けるための必要書類

登録免許税の軽減措置を受けるための書類入手先

書類書類の内容入手先
家屋未使用証明書直前所有者か仲介会社が、その建物が未使用であることを証明役所が配布する書式に
左記の者が記名押印
認定住宅証明書長期優良住宅や低炭素住宅の基準を満たす建物である証明建築会社、専門検査機関
適合証明書耐震性、省エネ性、耐久性など、いずれかが基準に適合している証明適合証明検査機関

書類により入手先が異なりますが、ご自身で取得に動く前に専門的な知識と経験のある不動産会社や司法書士や建築会社に依頼して、代わりに取得してもらいましょう。

不動産購入時の登録免許税の計算シミュレーション

実際に住宅ローンで借り入れをしてマイホームを購入した場合の登録免許税を計算してみましょう。

新築一戸建て、新築マンション、中古マンションに分けて、また軽減措置の有無による負担税額の差も解説します。

新築一戸建て

事例1:新築一戸建て、住宅ローン5,000万円、土地評価額1,300万円、建物評価額2,200万円、認定住宅の場合の登録免許税額を計算します。

・所有権移転登記申請分
土地:1,300万円 × 1.5% = 195,000円
建物:2,200万円 × 0.2% = 44,000円

・抵当権設定登記申請分
5,000万円 × 0.1% = 50,000円

軽減税率の登録免許税額 = 289,000円
基本税率の登録免許税額 = 900,000円その差 611,000円の負担が軽減されました。

新築マンション

事例2:新築マンション、住宅ローン5,000万円、土地評価額1,800万円、建物評価額1,700万円の場合の登録免許税額を計算します。

・所有権移転登記申請分
土地:1,800万円 × 1.5% = 270,000円
建物:1,700万円 × 0.3% = 51,000円

・抵当権設定登記申請分
5,000万円 × 0.1% = 50,000円

軽減税率の登録免許税額 = 371,000円
基本税率の登録免許税額 = 900,000円  その差 529,000円の負担が軽減されました。

中古マンション

事例3:中古マンション、住宅ローン3,500万円、土地評価額1,800万円、建物評価額700万円、築10年の場合の登録免許税額を計算します。

・所有権移転登記申請分
土地:1,800万円 × 1.5% = 270,000円
建物:700万円  × 0.3% = 21,000円

・抵当権設定登記申請分
3,500万円 × 0.1% = 35,000円

軽減税率の登録免許税額 = 326,000円
基本税率の登録免許税額 = 640,000円  その差 314,000円の負担が軽減されました。

まとめ

登録免許税は不動産の購入時に必要な費用であり、軽減措置の適用を受けることでその費用の負担を少なくすることができます。

ただし、軽減措置には期限があり、さらに軽減率や条件も変更される場合があるため、土地や建物を購入する際には、必ず確認をしてください。

また、軽減措置の手続きに必要な書類が変更されることもあり、万が一書類が間違っていることがあれば、登記手続き自体ができなくなるかもしれません。自分で判断せずに不動産会社や税理士などの詳しい方へ必ず相談するようにしましょう。

また書類の取得、登記手続き、納税はすべて司法書士に任せるのが一般的です。安全確実に手続きを完了させるためにも、司法書士へ依頼されることをおすすめします。

この記事のポイント

登録免許税の計算方法とは?

登録免許税は、「固定資産税評価額×税率」と計算しますが、種類や取得経緯など条件によって金額が異なる為、土地と建物を別々に計算する必要があります。

詳しくは「不動産購入時の登録免許税の計算シミュレーション」をご確認ください。

登録免許税の支払い時期とは?

登録免許税は、不動産が住宅ローンの担保になった経緯を法務局へ登録するタイミングで納付します。

詳しくは「納めるタイミング」をご確認ください。

この記事の監修

柴田 敏雄
資格情報: 宅地建物取引士、管理業務主任者

不動産関連の記事を執筆するフリーライター。司法書士事務所に2年、大手不動産管理会社に5年、個人顧客を対象とした不動産賃貸売買営業に7年間従事、また外資系金融機関に2年間従事し個人顧客へ金融資産の維持保全や相続税の節税アドバイスなど、幅広く不動産や金融の経験を積んでいる。

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