リロケーション
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リロケーションとは?転勤時の空き家活用で検討したい賃貸方法をご紹介

執筆者プロフィール

狭井八矢日

フリーランスライター&WEBディレクター。「初心者にもわかりやすい記事づくり」をモットーに、不動産投資・金融関係・ライフスタイル・IT関連・著名人インタビューなど、幅広いジャンルでライティングを行う。その他、企業メディア運用のライティング関連の編集・指揮・監修実績多数。

ざっくり要約!

  • リロケーションは、転貸型かつ定期借家契約で家を貸し出すのが一般的
  • リロケーションのメリットは、空き家を有効活用できるうえで防犯・防災にもなり、所有者がまた住むことも可能なこと
  • 賃貸仲介会社だからといってリロケーションの実績が豊富とは限らない

リロケーションとは、長期不在で空き家となる自宅一定期間のみ貸し出し、賃料収入を得ることを指します。空き家を有効活用できる方法として、転勤や海外赴任する方に多く選ばれています。ただし、リロケーションは「一時的」に貸し出すという点において一般的な賃貸経営とは異なるため、契約の内容や流れをよく理解しておくことが大切です。

本記事では、リロケーションの仕組みやメリット・デメリット、契約の流れなどを解説します。

リロケーションとは何?

リロケーションとは、海外赴任や転勤、長期出張などで家が留守になる場合に、不在になる一定期間だけ自宅を貸し出して有効活用することです。賃貸借を行う場合、多くは貸主と借主との間で「普通賃貸借契約(普通借家契約)」が結ばれますが、リロケーションの場合には、「定期賃貸借契約(定期借家契約)」という契約を締結します。

普通借家契約と定期借家契約

賃貸借契約は、次の2つに大別されます。

  • 普通借家契約
  • 定期借家契約

前者の普通借家契約は、更新を前提とした契約のことで、貸主からの解約は正当事由が必要あるため、難しいとされています。

一方、定期賃貸借契約は契約期間の満了後、再契約をしない限り借主は退去する必要があるため、貸主側の都合に合わせて貸し出す期間を限定することが可能です。ただし、貸主と借主が合意して再契約を行えば、契約期間が満了した後であっても借主は住み続けることができます。

たとえば、転勤による一時的な赴任がその目的であれば、帰任すること自体が解約の正当な理由と認められます。また、この契約における解約予告期間は他の賃貸借契約に比べて短期間であり、最短で申し出から3か月後には解約が可能です。

この契約形式は、将来的にその物件に再び住む可能性がある人にとって、大きな安心材料となります。帰任後に自己の物件にすぐに戻ることが可能であるため、転勤中も安心して自宅を他人に貸すことができるのです。

転勤時に多く利用される

定期借家契約は、期間を決めて貸し出せるため、転勤や海外赴任の際に多く利用される方法です。普通賃貸借契約は、更新を前提とした契約のことで、貸主からの解約は正当事由が必要であるため、基本的に貸主の都合で借主を退去させることは難しいとされています。一方で、定期賃貸借契約は契約期間の満了後、再契約をしない限り借主は退去する必要があるため、貸主側の都合に合わせて貸し出す期間を限定することが可能です。期間満了で契約終了となれば、転勤から戻ってきたときには再度、住むことができます。

リロケーションの運用方法

リロケーションの運用方法は「転貸借」と「管理委託」の2つに大別されます。

転貸借

転貸借

リロケーションを行う場合、多くは転勤や海外赴任などで貸主が賃貸物件の近くに住んでいないことから、「転貸借」という形態の運用方法を取ることがあります。

転貸借とは、貸主が不動産会社をはじめとした借主に物件を貸し出し、借主がさらに転貸人としその物件を第三者である転借人(入居者)へし出方法です。る借主(転貸人)は、必ずしも不動産会社である必要はありませんが、ここでは不動産会社を借主(転人)とて説明しま

転貸借の場合、転借人と契約を結んでいるのは不動産会社になるので、転借人にトラブルが起こっても不動産会社が対応します。海外や遠方にいるため、急なトラブルや手続きが起こった場合に管理会社と連絡が取りにくい方は、転貸借方式がおすすめです。

管理委託

管理委託

転貸借以外で、賃貸運営を不動産会社にサポートしてもらう方法として「管理委託」があります。管理委託とは、貸主と借主が直接賃貸借契約を結び、貸主が不動産会社に賃貸管理業務を委託する方法です。

管理委託は転貸借に比べると、不動産会社へ支払う手数料が少し安い傾向にあります。ただし、設備の不具合が起きた場合に修繕工事の内容を確認・実施判断するなど、入居者の生活のために貸主のタイムリーな対応が必要になります。そのため、連絡が取りにくい貸主の場合にはあまりおすすめできません。

リロケーションにかかる費用

リロケーションにかかる管理委託料は、賃料の7〜10%程度が相場といわれています。委託料は、依頼する管理プランによって異なります。また、別途、次のような費用がかかることがあります。

  • 契約登録手数料
  • 運営事務手数料
  • 入居前設備点検費用・写真撮影代
  • 送金事務手数料
  • 修繕費
  • 再契約の場合、再契約登録手数料

また、次の費用は貸主が負担しなければならない費用です。

  • 固定資産税・都市計画税
  • マンションの管理費・修繕積立金
  • 住宅ローンの利子
  • 火災保険料
  • 不動産会社への手数料
  • 不動産所得にかかる所得税・住民税

リロケーションの5つのメリット

リロケーションのメリットは、一定期間空き家となる自宅を有効活用できるとともに、転勤や海外赴任から帰ってきたらまた自身や家族が住むことができる点にあります。

1.空き家を有効活用できる

リロケーション中にもかかる固定資産税や管理費、修繕積立金などの費用は、空き家のままであってもかかるものです。家を空ける間に賃料収入が得られれば、支出補填ができます。転貸物件として貸し出せば、転勤中の手間や不安もありません。

2.転勤から戻ったら再び住むことができる

転勤から戻ってきたときに再び持ち家に住めることも、リロケーションのメリットです。普通賃貸借契約は、更新を前提とした契約のことで、貸主からの解約は正当事由が必要であるため、基本的に貸主の都合で借主を退去させることは難しいとされています。

定期借家契約なら、転勤から戻ってくるタイミングに合わせて期間を設定することで、借主の退去を待つことなく、再び持ち家に住むことができます。

3.防犯・防災になる

人が住まない空き家は、犯罪や災害に遭うリスクが上がります。居住者がいれば、空き巣や火などの被害を受けにくいため、リロケーションが防犯・防災にもつながります。

4.家賃収入を得られる

リロケーションを利用して自宅を貸し出す際最大の利点の一つは、定期的な家賃収入を得られることです。たとえ転勤などで家を空ける必要があったとしても、固定資産税やその他の住宅維持費は支払いを停止することができません。こうした経費に対して家賃収入を活用することで、経済的な負担を軽減できるだけでなく、収入の余剰部分を貯蓄に回すことが可能です。

5.人が住むことで家の劣化を抑えられる

もし自宅が長期間空き家となる予定であれば、リロケーションにより家を貸し出すことで、家の劣化を効果的に抑えることができます。住居が使用されていない場合、換気不足や掃除の不行き届きからホコリや湿気が蓄積しやすくなり、結果としてカビの発生や害虫の増加を招きやすくなります。さらに、気温や湿度の変化により、建物の木部の腐食や給排水設備の劣化が進みやすくなります。

住人がいれば、これらの問題を大幅に抑制することができます。住人の日常の活動が自然と空気の入れ替えを促し、また、小さな修繕が必要な場合には早期に発見・対応することが可能になるため、長期的には家全体の保全につながります。住居の物理的な状態を維持することは、将来的に自宅に戻る場合や物件を売却する際にも大きな価値を持ちます。

リロケーションの流れ

転貸型のリロケーションの流れは、次のとおりです。

1.賃料査定

まず、賃料を査定します。賃貸募集をかける時期や契約期間は査定額にも影響するため、リロケーション会社には、わかる範囲で転勤の予定を伝えておきましょう。

2.賃貸借契約・賃貸業務委託契約の締結

続いて、リロケーション会社と賃貸借契約と賃貸業務委託契約を締結します。先のとおり、貸主は、実際に住むことになる転貸人とは賃貸借契約を交わしません。

3.入居者募集

不動産ポータルサイトやチラシ、顧客への紹介などにより、リロケーション会社が入居者を募集します。内覧対応や審査などは、すべてリロケーション会社が対応します。

4.転貸借契約の締結・入居

入居者が決まった後は、リロケーション会社と借主が転貸借契約を交わします。借主から徴収される家賃は、管理委託料を差し引いて貸主の口座に入金されます。入居中のトラブル対応は基本的にリロケーション会社がしてくれますが、設備や建具が故障した際の修繕費を負担してもらえるかどうかはリロケーション会社との契約次第です。

5.契約期間満了・退去

定期借家契約の場合、期間満了を持って借主は退去します。更新はできません。ただし、貸主と借主が合意すれば新たな契約条件で再契約すこと可能です。退去に伴う損傷の確認や立ち会い、敷金計算なども、基本的にはリロケーション会社が対応してくれます。

リロケーションの注意点

リロケーションを進める前に、どのような問題やトラブルが起こり得るのかを把握しておくことは重要です。事前に理解しておくことで、適切な対策を講じることができます。以下に主な注意点と懸念事項を挙げます。

維持費の負担が継続する

住宅を貸し出している間も、固定資産税、修繕積立金、管理費といった維持費用は引き続き発生します。リロケーションを行う際の経費は管理委託費だけではないため、この点を見落とさないよう注意が必要です。

借主が見つかりにくいケースがある

定期賃貸借契約を採用する場合、物件を借りられる期間があらかじめ決まっているため、長期間住むことを希望する借主には不向きとされる場合があります。その結果、借主が見つかりにくくなる可能性がある点を理解しておきましょう。

賃料が相場より低くなる傾向

契約期間が短い場合、需要が限られるため、賃料を周辺相場よりも1~2割ほど低めに設定する必要が生じる場合があります。ただし、空室期間が長引くよりも、早く入居者を確保することで全体の収益を安定させる方が得策となる場合があります。

一方で、物件の条件が良い場合(立地が優れている、契約期間が長いなど)は、相場に見合う賃料でも借主が見つかる可能性があります。不動産会社と相談しながら適切な賃料を設定することが大切です。

空室期間中の費用負担

借主が見つかるまでの間も、住宅ローンや修繕積立金、管理費などの支払いは発生し続けます。これらの費用を考慮し、賃料を適切に設定することが求められます。「どのように収益を確保するか」を十分に検討し、少し賃料を抑えてでも早く入居者を迎えることが経済的に有利になる場合もあります。

リロケーションを成功させるためには、上記の点を踏まえた戦略的な計画が欠かせません。不動産会社や専門家と連携し、物件の特性や市場の状況に応じた最適な方法を選ぶことが重要です。

室内や設備が傷つく可能性がある

賃貸物件を貸し出す際、入居者の使用によって室内設備が傷つく可能性があります。具体的には、家具や壁、床、設備類に通常使用に伴う摩耗や、故意または過失によるダメージが含まれます。通常の使用による損耗は貸主の負担になりますが、入居者の故意や過失による損害は借主が負担することが一般的です。

このようなトラブルを未然に防ぐためには、入居前に明確なルールを設定し、契約時にそれらを重要事項説明書に記載することが重要です。例えば、ペットの飼育禁止や室内禁煙など、物件の状態を保つためのルールを設けることが効果的です。さらに、不動産会社による入居者の厳格な審査を実施して、リスクを低減します。

また、多くの不動産会社では、入居中に発生する可能性のある修繕についてサポートサービスを提供しています。これを利用することで、万が一の修繕が必要になった際の費用負担を軽減できるため、契約前にその内容を詳しく確認し、どのようなサポートが得られるのかを理解しておくことが望ましいです。

このような準備と対策を事前に行うことで、物件の質を保ちつつ、安心して賃貸経営を進めることができます。

リロケーションがおすすめの人

ここまでのとおり、リロケーションは一般的な賃貸とは運用方法や家賃、契約内容が異なります。万人に向いているわけではなく、次のような方におすすめの賃貸方法だといえるでしょう。

一時的に自宅を貸し出したい人

リロケーションは、外赴任や転勤、長期出張などで不在になる一定期間だけ自宅を貸し出したい人に向いている賃貸方法です。

自宅を空き家にしたくない人

空き家になると室内の通風がなくなり、湿気や埃がたまりやすくなることから、急速に建物の劣化が進みます。人に貸し出せば日常的に換気や掃除がされるため、傷みを抑えられることが期待できます。不具合があった場合も入居者に気づいてもらいやすくなるため、深刻な状況になる前に修繕やメンテナンスができるでしょう。

留守中に家賃収入を得たい人

たとえ空き家であったとしても、固定資産税やマンション管理費、修繕積立金など住まいの維持費はかかり続けます。転勤先などでも住居費や生活費はかかるため、留守中の自宅を活用し、収入を得ることができれば維持費の負担軽減きまです。

リロケーションがおすすめできない人

転勤や海外赴任によって家を空ける方であっても、その期間が1年未満であったり、逆に長期に及んだりする場合はリロケーションに向いていません。また、リロケーション後は自宅に戻ることが想定されるため「他人に住んでほしくない」と考える人もリロケーションには不向きだと考えられます。

転勤が1年以内の人

定期借家契約の場合「1年未満」の契約期間も有効ですが、現実的に数ヶ月や半年間という期限が決まっている定期借家に住みたいと考える方は非常に少ないと考えられます。

1年以内という短期間の借家に需要がないわけではありませんが、借り手として想定されるのは、家を建て替えている人や新居を探している人など限定的です。このような人にはマンスリーマンションなどの選択肢もあるため、期間が決まっていて、なおかつ1年未満という短期間しか住むことのできない物件の需要は極めて低いといえるでしょう。

転勤先に長く住む予定の人

逆に、転勤先に長く住む予定のある方、あるいは戻ってくる予定がない方も、リロケーションには不向きです。このような場合はリロケーションではなく、普通借家契約で貸し出すが良いでしょう

他人に住んでほしくない人

一時的とはいえ、人に貸し出せば多少の使用感は出てしまうものです。丁寧に住んでもらえる可能性を高めるため、入居審査を厳しくすることもできます。しかし、ただでさえ一般的な賃貸住宅と比べて需要が高くないことから、借主の属性などを絞りすぎると「借り手がつかない」「家賃を下げざるをえない」といった別の課題がでてくる可能性があります。

リロケーション会社選びのポイント

リロケーションを成功させるには、適切な不動産会社を選ぶことが欠かせません。リロケーションでは多岐にわたる管理業務が発生し、それに伴うトラブルのリスクもあるため、専門知識と実績のある信頼できる会社に依頼することが重要です。

特に、リロケーションでは借主が見つかりにくいケースもあります。そのため、経験豊富で評判の良い不動産会社に仲介や管理を依頼することで、適切な借主を迅速に見つけられる可能性が高まります。また、リロケーションに特化した提案やノウハウを持つ不動産会社を選ぶことで、より効果的な運営が期待できます。

さらに、不動産会社によって得意とするエリアや物件タイプには違いがあります。そのため、自分が貸し出そうとしている物件の特性に合い、集客力のある会社を選ぶことが成功のカギとなります。こうした視点を持って不動産会社を選ぶことで、リロケーションをスムーズに進めることができるでしょう。

まとめ

リロケーションは、不在となる一定期間だけ自宅を貸し出すことで、収入を得る方法です。空き家を有効活用できることに加え、防犯・防災対策にもなり、転勤や海外赴任などから戻ってきたら再び住むことができるなどのメリットがあります。一方、転貸型かつ定期借家契約で貸し出すことの多いリロケーションは、一般的な賃貸住宅と比較して家賃が安くなるなどの注意点も。リロケーションは賃貸形態の1つですので、普通借家契約や管理委託なども併せて検討してみましょう。

この記事のポイント

リロケーションとはどういう意味ですか?

リロケーションとは、海外赴任や転勤、長期出張などで家が留守になる場合に、不在になる一定期間だけ自宅を貸し出して有効活用することです。

詳しくは「リロケーションとは何?」をご覧ください。

リロケーションのメリットは?

空き家を有効活用でき、転勤などから帰ってきたときに再び住むことができる点にあります。
詳しくは「リロケーションの5つのメリット」をご覧ください。

リロケーションの相場はいくら?

リロケーションにかかる費用は、賃料の10%程度が相場といわれています。
詳しくは「リロケーションにかかる費用」をご覧ください。

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