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築40年の家を好条件で売るには?リフォームをしなければ売れないのか

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • 築40年の家は「古家付き土地」や「更地」として売るほか、「不動産買取」という選択肢もある
  • リフォームを行う際は、市場動向に詳しい不動産会社に相談してから決めよう

築40年の家は、古くて買い手が見つかりにくいと考えられています。売りやすくするために、リフォームをするべきか悩む方は多いかもしれません。しかし、実際には築40年ならではの魅力も多くあります。

この記事では、築40年の家の価値を高めるコツや、リフォームを行わずに売る方法などを解説します。

築40年の家には資産価値がない?

築40年の家には資産価値がないと言われることがありますが、その原因のひとつは法定耐用年数にあります。法定耐用年数とは、減価償却などの計算に用いられる耐用年数のことで、建物の用途や構造別に定められています。
建物の築年数が、この法定耐用年数を超えると、制度上では資産価値がないとみなされますが、法定耐用年数を超えた建物には住めなくなり活用することができないということはありません。
また、リフォームを実施した場合、法定耐用年数は延長されませんが、建物を実際に使える年数は長くなるでしょう。
築40年の一戸建て、マンション、それぞれについて、実際の場合では以下のようになっています。

築40年の一戸建ての場合

一戸建てに多い木造住宅の場合の法定耐用年数は22年です。そのため、築40年の一戸建ては、制度上では資産価値が0円となり、土地のみの金額で売りに出すケースが多くなります。

ただし、あくまでも税制上で定められた年数であるため、建物の寿命とは関係がなく、実際には築40年以上の一戸建ても十分に活用することができます。

築40年のマンションの場合

マンションに多い鉄筋コンクリート造(RC造)の場合の法定耐用年数は47年です。そのため、築40年となると法定耐用年数の残りは7年となりますが、戸建て住宅と同様、この年数は実際の寿命ではありません。

国土交通省には「鉄筋コンクリート造の建物の物理的寿命は117年」と推定する報告書もあります。適切なメンテナンスを実施すれば、築40年のマンションで暮らすことも問題ないでしょう。

築40年の家が売りにくい理由

古い仕様のキッチン

ただし、実際には価値のある物件でも、築40年の家はさまざまな理由から、売りにくいと感じるケースがあります。

いつまで住めるか不安を感じる

購入を検討する人が、築40年の家を見て不安に感じるのは「いつまで住めるか」ということでしょう。

価格が安いとはいえ、ある程度まとまった資金が必要です。お金をかけて購入したのに、すぐに建て替えることになってしまっては、資金が無駄になると考えるのも無理はありません。

しかし実際は、適切なリフォームを行うことで、築40年の家でも、この先数十年も暮らすことが十分に可能となります。

耐震性に不安がある

建物の耐震性とは、地震に耐える性能のことです。建築基準法において基準が定められており、1981年に大改正があったため、「築40年の家は、改正後の新基準を満たしていないのでは」と不安に感じている方もいるでしょう。

しかし「2023年時点で築40年の家」が建てられたのは、1983年です。そのため、1981年改正後の新基準を満たしている可能性が高いといえるでしょう。

旧耐震基準では震度5程度の地震を基準としているのに対し、新耐震基準では震度6強~7程度を基準としています。

なお、新耐震基準を満たしていない場合、各金融機関の審査により、買主がローンを組めないケースがあるかもしれません。

住宅ローン減税制度(住宅ローン控除)はローン残高に対して控除される制度のため、ローンを組めない場合は、控除も受けられない点は認識しておきましょう。

今の住まいと設備や仕様が大きく異なる

築40年の家は、内外装や設備などの仕様が古く、最近の住宅とは異なります。設備に関しては見た目が古いだけではなく、使い勝手や機能面でも物足りないかもしれません。

また、雨漏りやシロアリの害、床下の土台の腐食などがある場合は、改修に大幅な費用がかかる可能性があります。

ただし、外壁塗装や壁紙の張替え、キッチンなどの設備の入れ替えといったリフォームや、今の生活様式にあった形へ大規模に改修するリノベーションを行っている場合は、築40年であっても十分に良い印象を与えられるでしょう。

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築40年の家の魅力

売りにくいと思われがちな築40年の家ですが、購入を検討する側からすれば、多くの魅力やメリットがあることも事実です。

価格が安い

住宅は年数が経つほど価格が下がっていき、築25年ほどで新築時よりも大幅に安くなります。

築40年ともなれば売買価格はかなり安くなるため、予算を抑えて購入したい人にとっては大きなメリットとなるでしょう。

リフォームなどにお金をかけやすい

売買価格が安く済むので、その分、リフォームなどにお金をかけやすいのもメリットです。外壁塗装に加え設備の入れ替えなども含めた大掛かりなリフォームを行うと、数百万円単位のリフォーム費用がかかります。

それでも建物本体にほぼお金がかからないことを考えると、トータルで費用を抑えやすいといえるでしょう。金額面でお得なだけではなく、自分の好きな内外装にできることもメリットです。

重厚感のある住まいも

築40年の物件はバブル期に建てられているため、豪華絢爛なエントランスのマンションや、重厚感のある住まいが少なくありません。

また、先行者利益ゆえの好立地な物件も多くあります。今では簡単に手に入らないような駅近や人気のエリアでも、築40年を超える家であれば、比較的見つけやすいかもしれません。

築40年の家を売るにはリフォームが必要か?

築40年の家を売る際に、リフォームをするべきか悩む人は多いでしょう。売却する際にリフォームをすることで、建物の魅力を高め、価値を向上させる事ができる一方で、購入者が自由にリフォームをすることができるというメリットを失うことになってしまいます。
売却する際にリフォームをすることは選択肢のひとつではありますが、実は、築40年の家を売る方法として、先にリフォームを行うことは、必ずしも良い選択肢ではありません。
築40年の家を売る方法について、他にどのような方法があるのかを見ていきましょう。

不動産会社への相談なしにリフォーム・修繕するのはNG

中古住宅を売却する場合、リフォームをした方が高く売れると考える人もいるかもしれませんが、実際には、多額の資金をかけてリフォームしても、その分に見合った額が売買価格に上乗せされないケースがほとんどです。
また、築40年の家を購入する人は、建物代金を安く抑えて、自分好みにリノベーションしたいと考える人が多く、リフォームをすることによって、かえって売りにくくなる場合もあります。
全てのケースにおいて、リフォームをしない方が良いということではありませんが、売却をする際に、リフォームをするべきかどうか悩んでいる場合は、周辺相場や顧客のニーズなどに詳しい不動産会社に、まずは相談してから決断しましょう。

戸建は古家付き土地として売却も可能

築40年の戸建住宅の場合、「古家付き土地」として売却することもできます。中古住宅として売るのではなく、土地として売りに出すということです。そうすることによって、中古住宅ではなく土地を探している人の目に留まりやすくなります。

通常の土地との違いは、買主は土地を購入後に古家を解体する必要があるという点です。解体費用がかかる分、値引き交渉をされるケースもあるでしょう。

戸建を解体して売る方法も

戸建住宅の場合は、家を解体して更地(土地のみ)を売るという選択肢もあります。「古家付き土地」との違いは、売りに出す時点で家を解体しているかどうかという点です。

更地にすることで、家を新築するための土地を探している人も購入を検討しやすくなります。ただし、その分の解体費用は売主負担となります。更地として需要のあるエリアかどうかなど、不動産会社に相談してから判断するのがおすすめです。

不動産買取という選択肢

物件を不動産会社に買い取りしてもらうという方法もあります。

通常の売買では、不動産会社は間に入って仲介するだけであり、買主は一般の個人となります。一方、買取では不動産会社が買主です。

そのため買主を探す必要がなく、売れるのがメリットです。一般的な仲介とは異なり、売れるかどうかわからないまま、時間だけが過ぎていくということはありません。

ただし、買い取るか否かは不動産会社が判断するため、状況によっては買取されない場合もあります。

また、買取の場合、不動産会社が購入後にリフォームを行うため、売買価格が相場の7割程度になるケースが多いです。安くてもいいので早く売りたい人に向いている方法です。

転勤やお子様の進学など、引っ越しを急いでいる場合には選択肢のひとつとなります。

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築40年の家を売るときのコツ

築40年の家を売るには、買主の懸念材料をなくすことが、物件の価値を高めるポイントになります。

インスペクションを実施する

インスペクションとは、第三者の専門家が家の状態を調べ、劣化の状況や欠陥の有無を診断することです。築40年の家の安全性を懸念している人には、大きなアピール材料となります。

5~8万円程度の費用はかかりますが、早期に売却が決まれば、実施する価値は十分にあるでしょう。

瑕疵担保保険に加入する

瑕疵(かし)担保保険に加入することも、購入者にとっては安心材料となります。

瑕疵担保保険とは、隠れた欠陥によって損害が発生した場合に、保険金が支払われるものです。たとえば、構造躯体に不具合があったことが原因で雨漏りが発生した場合などは、保険金支払いの対象となります。

瑕疵担保保険に入る際は、一定条件を満たしたうえで住宅を検査する必要があります。検査の結果、瑕疵担保保険に加入できないケースもあるのでご注意ください。

リフォームプランを併せて提案する

買主に対しリフォームプランを提案するのも、好条件で売るためには効果的です。築40年の家を購入する人の多くは、購入時にリフォームすることを検討しています。リフォームプランを併せて提案することで、買主は「リフォーム後」を想像しやすくなるため、購入の後押しになることが期待できます。

東急リバブルでは、売却不動産を魅力的に演出するため「CGリフォームイメージ」を作成するサービスも提供しています。室内写真の代わりにホームページに掲載することで、アクセス数や内覧申し込みの増加に期待できます。

まとめ

築40年の家には資産価値がなく、売りにくいと言われることがあります。しかし、その一方で築40年ならではのメリットが多いのも事実です。

物件の魅力を活かしつつ、インスペクションの実施などで買主の不安を払拭することで、築40年の家を売ることは十分に可能でしょう。

また、解体して更地として売るのもよいですが、リフォームプランを活用するのも選択肢のひとつです。リフォームからコーディネート、販売活動まで不動産会社に任せることで、買い手が見つかりやすくなるかもしれません。

この記事のポイント

築40年の家には資産価値がない?

法定耐用年数を超えていることが理由で資産価値がないと言われますが、実際の建物の寿命とは関係なく、築40年の家も十分活用できます。

詳しくは「築40年の家には資産価値がない?」をご覧ください。

築40年の家を売るにはリフォームが必要?

リフォーム費用をかけた分、売買価格に上乗せできるとは限らないため、市場に詳しい不動産会社に相談して決めることをおすすめします。

詳しくは「築40年の家を売るにはリフォームが必要か?」をご覧ください。

築40年の家を売るときのコツは?

インスペクションや瑕疵担保保険によって物件の価値を高める方法や、リフォームプランを活用して買い手を見つけやすくする方法があります

詳しくは「築40年の家を売るときのコツ」をご覧ください。

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