北向きの部屋 メリット デメリット
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北向きの部屋は避けるべき?メリット・デメリットと向いている人の条件 デメリットの解消方法も解説

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • 北向きの部屋のメリットは、価格の安さや夏場の涼しさ、景色が鮮明に見えることです。
  • 高気密・高断熱の物件や角部屋、高層階を選ぶことで北向きのデメリットを軽減できます。
  • 北向きの部屋は、暑さが苦手な人や日中を外で過ごす人、高層階を検討している人に向いています。

物件選びの際、北向きの部屋は敬遠される傾向にありますが、実は多くのメリットが存在します。また、北向きの部屋の寒さや日当たりの悪さといった問題は、適切な対策を講じることで軽減することが可能です。

この記事では、北向きの部屋のメリット・デメリットや、他の方角の部屋の特徴を解説します。さらに、北向きの部屋に向いている人や、デメリットの解消方法も紹介するので、物件選びの参考にしてください。

北向きの部屋のメリット

北向きの部屋は、価格の面でメリットがあるほか、快適性に優れている一面もあります。詳しく見ていきましょう。

販売価格・賃料が比較的安い

マンションでは、日当たりがよい南向きの物件に人気が集まるため、北向きの部屋は販売価格や賃料が比較的安い傾向があります。同じ予算であれば、より広い部屋や設備が充実した物件を選ぶことができるでしょう。

また、家賃を抑えて生活費や貯蓄に充てることもでき、家計に余裕を持って生活することが可能です。

夏は涼しく過ごせる

北向きの部屋には、窓からの直射日光がほぼ入りません。そのため、室内温度が上昇しにくく、夏場でも比較的涼しい状態を維持できます。エアコンの稼働を減らすことができ、光熱費の節約にもつながります。

また、熱中症のリスクを低減できるため、高齢者や小さな子ども、ペットなどがいる家庭でも安心して暮らしやすいでしょう。

景色が鮮明に見える

北向きの部屋では、景色がきれいに見えることもメリットです。これは、窓から見える街並みに当たる光が、逆光ではなく順光になることに起因します。建物や樹木に直接光が当たるため、色鮮やかに映ります。

また、南向きの部屋とは異なり、直射日光による眩しさもありません。眩しいと、人間は目に取り込む光の量を抑えるため、視界が暗くなったり、見えにくくなったりします。北向きなら、そのような現象がなく景色が鮮明に見えます。

特に高層マンションで周囲に遮るものがない場合は、遠くの景色までクリアに見えるでしょう。

北向きの部屋のデメリット

メリットとともにデメリットも把握しておきましょう。北向きの部屋には、直射日光が当たらないことに起因するデメリットがあります。

寒い

北向きの部屋は直射日光が入らないことから、室温が上がりにくく、冬場に寒く感じることがあります。太陽光が直接当たらないため、輻射熱によって暖まる効果も得られません。

そのため、他の方角の部屋よりも暖房を多く稼働し、光熱費が増えるケースもあります。

日当たりが悪い

北向きの部屋は、日当たりの悪さもデメリットのひとつです。太陽の光が直接入らないことから、他の方角の部屋と比べると暗く感じられる場合があります。

また、朝日を浴びることができない点をデメリットと感じる人もいるでしょう。

湿気が溜まりやすい

日当たりが悪いことから、湿気が溜まりやすいという問題もあります。

カビやダニの発生リスクにもつながるため、梅雨時や湿度が高い季節には湿気対策を行うことが推奨されます。定期的な換気や除湿機の使用などで対処しましょう。

北向き以外の方角の部屋のメリット・デメリットは?

ここまでは、北向きの部屋の特徴を紹介しましたが、他の方角にもメリット・デメリットがあります。それぞれの特徴を押さえておきましょう。

南向きのメリット・デメリット

南向きの部屋は自然光が入るため室内が明るく、暖かさも感じやすいです。冬場の暖房費の節約につながるほか、洗濯物も乾きやすくなります。日当たりのよさに、心地よさを感じる人もいるでしょう。

一方で、夏場は日差しが強く室温が高くなる傾向があり、冷房費がかさむ可能性があります。また、家具・カーテンなどの日焼けや色あせが生じる場合があります。

東向きのメリット・デメリット

東向きの部屋には朝日が入り、自然光で目覚められます。朝早くから活動している人には、特に適しています。

一方、午後からは日が当たらないため、冬場は室内が寒く感じられるかもしれません。また、夜型の生活を送っている場合は、朝日が差し込まないよう遮光カーテンを使うなどの対策が必要です。

西向きのメリット・デメリット

西向きの部屋は、美しい夕日を楽しむことができます。夕方を家で過ごす人にとっては魅力的な物件といえるでしょう。また、夕方まで日が入ることから、冬場は暖かく感じられることが多いです。

しかし、西日が差し込み、夏場は暑くなりやすいというデメリットがあります。冷房を強めに稼働させることで、光熱費が高くなる可能性もあるでしょう。西日は家具などの色褪せの原因にもなるため、カーテンなどで対策することが推奨されます。

北向きの部屋のデメリットを解消する方法

北向きの部屋 デメリット 解消

北向きの部屋にはデメリットがあるものの、適切な対策を取ることで軽減できます。物件選びの段階でポイントを知っておくと、対処しやすくなるでしょう。

角部屋・高層階を選ぶ

角部屋や高層階の物件を選ぶことで、北向きのデメリットを解消することが可能です。

角部屋は、2つ以上の異なる方角に面しているため、北向き以外の窓からも太陽光が差し込みます。また、高層階では周囲に遮るものがほぼないため、より多くの光を取り込むことができ、明るい室内環境を維持しやすくなります。

乾燥機で衣類を乾かす

湿気が溜まりやすく衣類が乾きにくいという問題を解決するには、乾燥機を使用するのが効果的です。湿度が高い室内でも、衣類を乾かすことが可能です。

梅雨時期や冬場には、室内干しによる湿気対策としても乾燥機が有効で、カビの発生を防ぐ効果も見込めます。

高気密・高断熱の物件を選ぶ

北向きの部屋の寒さを解消するためには、高気密・高断熱の物件を選ぶことが重要です。

高気密とは、外壁や窓まわりなどに隙間が少ないことを意味します。外気の侵入を防ぎ、冷暖房が効いた室内の空気を外に逃がしにくくなります。

また、室内外の温度が伝わりにくいのが、高断熱です。高断熱の物件では、室温が外気温に影響されにくくなり、エネルギー効率の良い冷暖房で快適な室温を保つことが可能になります。

北向きの部屋に向いているのはどんな人?

北向きの部屋は敬遠される傾向にありますが、ライフスタイルによっては、他の方角より北向きが向いている人もいます。ここまでの内容を踏まえると、以下のような人には北向きの部屋がおすすめです。

暑さが苦手な人

北向きの部屋は直射日光が入りにくいため、夏場でも比較的涼しく、暑さが苦手な人にとっては快適に過ごしやすい環境です。

特に夏に暑くなりやすい地域の場合、北向きの部屋はよい選択といえるでしょう。

日中家にいることが少ない人

北向きの部屋は日当たりがよくないため、日中あまり家にいない人に適しています。

昼間の日差しを重視しない場合、販売価格や家賃が比較的安い北向きの物件を選ぶことで、予算を抑えることが可能です。

高層階に住む人

高層階の場合、周囲に遮るものが少なく、北向きでも十分な光が入る可能性があります。さらに、高層階は低層階に比べて風通しが良く、効率的に換気を行えます。北向きの部屋でも快適な環境を維持しやすいでしょう。

また、都市部での居住を考えている場合、眺望の観点からも北向きの高層階は魅力的な選択肢となります。

まとめ

北向きの部屋は販売価格や賃料が安い傾向にあり、経済面で大きなメリットを得られます。また、夏場は他の方角より比較的涼しく、冷房費を抑えることも可能です。

一方で、冬場の寒さや湿気の溜まりやすさが、デメリットとして挙げられます。これらを解消するには、高気密・高断熱の物件を選ぶことが重要です。さらに、角部屋や高層階を選べば光を取り込みやすく、換気も効率的に行えます。

物件選びで希望の方角がある場合、まずは不動産会社に相談してみるとよいでしょう。

この記事のポイント

北向きの部屋のメリットは?

北向きの部屋は、価格の面でメリットがあるほか、快適性に優れている一面もあります。

詳しくは「北向きの部屋のメリット」をご覧ください。

北向きの部屋のデメリットは?

北向きの部屋には、直射日光が当たらないことに起因するデメリットがあります。

詳しくは「北向きの部屋のデメリット」をご覧ください。

北向きの部屋に向いている人は?

ライフスタイルによっては、他の方角より北向きが向いている人もいます。

詳しくは「北向きの部屋に向いている人はどんな人?」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

北向きの部屋にはデメリットがあるものの、適切な物件選びと工夫次第で、快適に過ごすことができます。特に高層階を検討している方や、日中の時間を外で過ごす方にとって、北向きの部屋は良い選択肢となるでしょう。

物件選びの際は、価格面でのメリットや暮らしやすさなど、全体のバランスを見て決めることが重要です。自身のライフスタイルや好みのほか、季節による変化も考慮しましょう。

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