マンション査定
更新日:  

【後悔しない売却へ】マンション査定のすべて!シミュレーション査定や損しないための注意点も解説!

執筆者プロフィール

橋本岳子
住まいと地域の評論家/福祉住環境コーディネーター

約20年間、不動産情報サービスの会社に在籍。独立後は、売買・賃貸・管理・投資など、不動産のさまざまな分野での執筆を行っている。また、2018年より東京都内の商店街を毎月取材し、地域の抱える問題点などについてもリサーチを続けている。

ざっくり要約!

  • マンションの査定には、事前準備と相場確認が必要。
  • 査定時は正確な情報提供と欠点の隠蔽禁止が重要。
  • 複数の不動産会社から査定を受け、根拠を確認する。
  • 売却後の住宅ローン残債も確認し、適正な売り出し価格を設定することが成功のカギ。

マンションを売却する前には査定をすることになりますが、ここで算出された金額は、マンションの価値を把握したり、売り出し価格を決めたりする際の目安となります。しかし、査定といっても様々な方法があり、何を基準に査定しているのか分からないという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、マンション査定の仕組みから、査定額を左右するポイントまで、マンション売却を成功させるために知っておくべき基礎知識を詳しく解説します。
また、シミュレーション査定や、それぞれの査定の注意点なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

記事サマリー

マンション査定とは?

所有されているマンションを売却する際、どのくらいで売却できるのか? というのは最も高い関心事と言っても過言ではないでしょう。住み替えをする時、相続で被相続人が所有するマンションを売却して現金化し、相続人で分ける時など、どんなシーンでも「いくらで売却できるのか」という点は、大きなポイントとなります。
マンション査定とは、マンションの市場価値をはかる指標のひとつ。建物・共用部分や専有部分(室内)の状態だけでなく、相場、立地、周辺環境、将来性なども加味し、算定されるものです。不動産には同じものが2つとありませんから、査定はそれぞれの物件で行う必要があります。そして、売却する人はこの算定結果を参考に、売り出し価格を決めていきます。
思い出いっぱいの我が家は、心情的にはより高く売却したいと考えてしまいますが、売り出し価格が相場とかけ離れている場合は、なかなか売却することはできません。例えば、他のスーパーマーケットでは100円で売っている牛乳が500円で売っていたら「高いな」と思って買わないのと同じ。売れなければ、販売期間が長期化し、その後の計画に影響が出てしまうことになります。そうならないためにも、自分のマンションがどのくらいで売却できるのかを把握しておくことは重要で、その目安になるのが査定結果ということになります。

マンション査定でチェックするポイント

立地
交通の利便性、周辺環境(学校、商業施設、公園、公共施設までの距離など)、治安など

建物の状態
築年数、構造、メンテナンスの状態、耐震性能など

室内の状態
広さ、間取り、日当たり、設備、内装の状態、メンテナンス履歴など

管理状況
管理費や修繕積立金の額、管理組合の活動状況、管理会社の評価、廊下やエレベーターなど共用部分の清掃状況など

市場動向
地域の不動産市場のトレンドや最近の取引事例(相場)など

将来性など
周辺環境の将来の開発計画や法的な制約など

また、査定にはいくつかの方法があり、主に下記の3種類に大別されます。

シミュレーション査定

ポータルサイトや不動産会社にあるシミュレーションに必要項目を入力し、査定結果を算出する方法。別名AI査定とも言われており、スピーディーに査定結果が出る点がメリットです。ただし、実際の物件を確認した結果ではないため、大まかな目安として捉えるようにしましょう。

簡易査定(机上査定)

物件を見ずに、書類やデータをもとに不動産会社の担当者が査定する方法。短時間で結果が出ますが、訪問査定に比べてその精度が低い場合があるので、こちらもシミュレーション査定同様、大まかな目安と考えておくのが無難です。

訪問査定

不動産会社の担当者が物件へ足を運び、詳細な状態を確認して算出する方法です。先の2つの方法に比べると精度が高く、より現実的な評価が可能となります。
売り出し価格の設定をする際には、この訪問査定で算出された結果を基にすると、販売がスムーズに進みやすいといっていいでしょう。なお、査定を依頼する際には、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要となります。

マンションシミュレーション査定の特徴と注意点

マンションシミュレーション査定は別名AI査定ともいい、条件が近しい物件の売却実績を基に査定結果を出してくれるツールです。

マンションシミュレーション査定の特徴

膨大な取引実績から算出しますが、なんといっても算出がスピーディーという点が特徴となります。また、登録から査定までがネットで完結するので、例えば電車での移動中や何かをしながらでも査定額を簡単に確認することが可能。時間や場所に縛られずに査定ができる点がメリットと言えるでしょう。

マンションシミュレーション査定の注意点

これまでの取引価格から査定額が算出されますが、これはあくまでも類似物件の傾向という点は忘れないようにしないといけません。マンションシミュレーション査定は、実際に売却するマンションを見て算出したわけではないので、個々の物件の特徴は加味されていません。よって、この査定額はあくまでも目安とし、本格的にマンションを売却する際には訪問査定を受けて、より現実的な価格を把握するようにしましょう。

マンション簡易査定(机上査定)の特徴と注意点

簡易査定とは、物件の面積や築年数などの基本情報に加えて、似たような条件を持つマンションの取引価格や「公示価格」などをもとに査定額を算出する方法です。不動産会社によっては、賃貸に出した場合の賃料、不動産会社が直接買い取った場合の価格など、様々なケースを提示してもらえます。

マンション簡易査定(机上査定)の特徴

インターネットやメール、電話で依頼でき、短時間で結果が出る点が特徴です。マンションシミュレーション査定は、高度なアルゴリズムと大量のデータを用いるのに対し、簡易査定は基本的に過去の取引事例に基づいています。マンションシミュレーション査定同様、詳細な物件の状態や周辺環境などを考慮しないため、大まかな価格の目安としては利用できますが、訪問査定に比べると精度は低めです。

マンション簡易査定(机上査定)の注意点

現地ではなく机上で算出された結果なので、実際の状況が加味されていない部分があります。よって、訪問査定と簡易査定(机上査定)の結果は大きく変わることがあります。簡易査定(机上査定)は目安の査定額であるという認識を持っておくことが重要です。
マンション簡易査定(机上査定)は1社に絞らず、複数の不動産会社に査定を依頼し、査定額や対応を比較することで、より正確な価格が把握できます。また、査定額だけを比較するのではなく、その根拠などもヒアリングして、納得するようにしましょう。そうすることで傾向などが見えてきて、不動産会社選びの判断基準がご自身なりに考えられるようになります。

マンション訪問査定の特徴と注意点

マンション訪問査定とは不動産会社の担当者が、マンションへ足を運んで行う査定方法のことです。シミュレーション査定や簡易査定(机上査定)と異なり、実物を見ての査定となるので、事前に準備できることは行い、できる限り印象を良くしておくことやスムーズに査定作業が行えるようにしておくことが重要です。

マンション訪問査定の特徴

実際の物件を確認することになるマンションの訪問査定。リアルな情報が反映されるので、より現実的な金額が算出される査定方法となります。現場をチェックするため、例えば隣同士で同じ広さの部屋でも、メンテナンスの状況や住み方によっては、多少の差が出ることも。シミュレーション査定や簡易査定(机上査定)では確認できなかったことも、マンション訪問査定では幅広く確認できるので、個々の物件の特徴が査定額に反映されやすいと言えます。

マンション訪問査定の注意点

当日は、空気の入れ替えをし、整理整頓して迎えるようにしましょう。壁の汚れや傷、収納などもチェックするので、できるだけ不動産会社の営業担当が見やすいように整えておくとスムーズに査定が進みます。
また、質問されたことには包み隠さずに答えることが重要。物件の欠点(例えば、壁のひび割れ、水漏れなど)や、どの部分をいつ修繕したか、リフォームした場合の内容などを正確に伝えられるようにしておくことが大事です。特に欠点については、話ことで査定額がマイナスになってしまうのではないか…という点が気になって言わない方もいるようですが、販売活動が始まり、内見者が来た時、もしくは売買契約の時点で発覚するほうがマイナスの印象を与えてしまうことになります。結果的にも、想定した金額より売却金額を下げられてしまい、その後の計画が大きく崩れてしまうことにもなりかねません。後から問題が発覚すると信頼を失ってしまうことにもなりますので、この点は特に注意するようにしましょう。
また、質問を受けるだけではなく、査定当日は売主様からも様々な質問ができるチャンスです。一般の人にとって、不動産売却は一生に一度あるかないかの大きなイベント。市場の状況、売却までの流れ、売却に有利なポイントなど、聞きたい内容を事前に考えておくだけではなく、忘れないように書き出しておくと聞き逃しがなくなるため安心です。
不動産会社の特徴については、査定結果や対応のほか、ホームページなどでも比較することができます。売却取引の実績数、支店の数(ネットワーク)、利用者の声などをチェックし、安心して任せられる不動産会社を選びましょう。

マンション査定の流れ

マンション査定は以下のように進んでいきます。事前に内容を把握しておくと安心です。
<マンション査定の流れ>

①簡易査定を依頼

まずはインターネットなどでいくつかの不動産会社をピックアップし、電話やお問い合わせフォームなどを通じて簡易査定を依頼します。簡易査定とは、机上査定とも言われており、現地を見て算出するのではなく、物件情報や過去の取引情報、公示価格などを基に算出する方法です。

②簡易査定

それぞれ出してくる査定額は異なりますが、相場よりも高すぎる会社は結果的にその価格では売却できず、売却期間が長期化してしまう可能性があるので、注意が必要です。なお、相場については、売却する予定のマンションと条件が近い物件を検索してみると簡易的に把握しやすいです。ある程度の基準が分かっていないと、高すぎるのかどうかが判断できないので、ご自身で調べておくといいでしょう。

➂訪問査定を依頼

簡易査定の結果から不動産会社を選び、次は訪問査定を依頼します。訪問査定は、実際の物件を見ながら査定する方法なので、日程の調整なども必要になってきます。物件の広さ、部屋数の多さなどにもよりますが、1~2時間はかかると考えておきましょう。また、訪問査定時は、不動産会社の担当者に質問をしたり疑問を確認したりする機会にもなります。確認もれがないよう、事前に質問事項などをまとめておくといいでしょう。

④訪問査定

訪問査定の前にはできるだけ整理整頓し、すっきりとした空間にしておくようにしましょう。先にも述べましたが、当日は不動産会社の担当者が目視するだけではなく、修繕履歴やキズなどの欠点などについても確認をしてきます。見て分かるものであればその場でチェックできますが、隠れていて分からないような瑕疵については、売主様の口から伝えるようにしましょう。欠点を把握しておきながら伝えていないと、契約締結後にトラブルへ発展してしまうことがあります。大きなお金が動く取引なので、その点は慎重に対応してください。

➄媒介契約

訪問査定を終えて、お願いする不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。この締結をもって、不動産会社は販売活動を行えるようになります。媒介契約には、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約といった3種類があり、契約内容が異なります。それぞれの違いを表にまとめたので、ぜひ覚えておいてください。

 複数業者との契約自分が発見した相手との取引レインズへの登録義務報告義務
専属専任媒介契約××5営業日以内1回以上/1週間
専任媒介契約×7営業日以内1回以上/2週間
一般媒介契約義務なし義務なし

⑥売り出し

査定額から売り出し価格を決めたら、いよいよ売り出しです。インターネット、SNS、新聞の折り込みチラシなどを活用しながら、不動産会社主導で販売活動が進んでいきます。購入希望者から反響が入ったら、次は内覧です。購入希望者がマンションを見学しにくるので、当日は隅々まで掃除をして気持ちよく迎えるようにしましょう。また、質問にしっかり答えるのはもちろんのこと、住民だからこそ分かるメリットやデメリットを伝えてあげると、購入の判断基準として有効となるためよろこばれます。積極的にマンションのPRをして、しっかり検討してもらえるようにしましょう。

マンション査定を受ける際の注意点

マンションを正確に査定してもらうためには、間取りなどが分かる書類や周辺地域の情報などが必要です。ここでは、マンション査定を受ける前に準備しておきたいことを解説します。

事前に済ませたい対策

まずは、査定額のジャッジがある程度できるように、相場を把握しておくようにしましょう。相場を確認するには、不動産のポータルサイトや不動産会社の公式サイトで、売却するマンションとの類似物件を検索します。検索結果を見て、どのくらいの価格で販売されているのかを確認することで、おおよその相場が分かります。他にも、国土交通省が運営する「土地総合情報システム」、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営する不動産取引情報提供サイト「レインズ・マーケット・インフォメーション」を確認する方法があります。

査定を受ける前には、固定資産税納税通知書、登記簿謄本、修繕履歴、管理費・修繕積立金の明細書などを用意しておくとスムーズです。なお、これらついては、用意しておいて欲しい書類として事前に不動産会社から説明がありますので、数日前には準備を終えておくようにしてください。また、不足がある場合は早めに伝えること。情報を共有しておくことで、不動産会社も対応や進め方が明確になります。

マンション内部については、査定がスムーズに進められるように清掃を済ませておくこと。住んでいるマンションを売却するのであれば引っ越しも控えていると思いますので、荷物の整理を同時に行うというのもいいかもしれません。

査定時のNG行動

繰り返しになりますが、欠点を隠すことはしないようにしてください。欠点が分かることで査定額への影響が心配になるかもしれませんが、後から発覚すると大きなトラブルに発展してしまう可能性が高まります。信用問題にも関係してきますので、この点は注意するようにしましょう。

マンション査定を受けた後の注意点

マンション査定を受けた後は、いくつか注意しておきたいポイントがあります。

査定額を算出した根拠をヒアリングして把握する

査定額は不動産会社によって異なります。査定額が高いとそちらに目が向いてしまいますが、「査定額=売却できる金額」では必ずしもないという点は認識しておきましょう。まずは、各社に査定額を算出した根拠を聞いて答えてもらい、そこで、はっきりと根拠が言えない会社は避けるほうが無難です。単に査定額を高くして、媒介契約をとりたいだけというケースもあるからです。

住宅ローンの残債を確認する

マンションを売却する際は、残債を完済する必要があります。よって、住宅ローン返済中にマンションを売却する場合は、査定額が住宅ローンの残債を超えているか超えていないかを確認します。
必ずしも査定額で売却できるわけではありませんが、正しく算出された査定額は、それが相場と考えられます。つまり、このぐらいで販売できるだろうという目安としてはかけ離れた金額ではありません。もし査定額が残債よりも低い場合は、「オーバーローン」となり、預貯金やその他の財産と合わせて完済しなくてはなりません。しかし、残債に満たない分が用意できない場合は、売却できない可能性もあります。それでもどうしても売却して現金化したい場合は、不動産会社が直接買い取ってくれる「買取」や任意売却という方法があります。

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売り出し価格は適切に

少しでも高く売却したいと思う気持ちは理解できますが、相場よりも高い価格で売り出した場合は、なかなか売却できない可能性がある点は認識しておきましょう。特に、「早めに売却したい」、「○月までに売却して次の住まいの購入資金に充てたい」など、期限を決めて売却する場合は、売り出し価格を相場より高めに設定するのは不向き。中には希少性の高いマンションが相場以上で売却できたということもありますが、そのような事例はレアケースです。
よって、きちんとした根拠を基に算出された査定額を売り出し価格にするというのがおすすめです。反響や内覧の申し込みも適度に入ってくるでしょう。

マンション査定で高く査定されるポイント

ここからはマンション査定で高く査定されるポイントを見ていきましょう。大まかな概要を項目ごとにまとめた一覧表を作成したので、チェックしてみてください。

 項目高く査定されるポイント
①  立地条件駅、商業施設が近いなど利便性の高さ
②  方角・階数南向き、階数、採光・眺望がよいなど
③  広さ・間取りターゲットに適した広さ、間取りかどうか。間取りは、部屋数だけでなく、個性的ではない一般的な間取りが評価されやすい
④  築年数・構造より新しい建物の評価が高い傾向。構造は新耐震基準で建てられたものか
⑤  設備・内装後付けできない設備が付いているか。リフォーム前提の場合、汚れなどはあまり関係ない
⑥  共用部分掃除が行き届いているか、設備やセキュリティ面の充実度の高さ
⑦  管理状態管理がしっかりされている、管理人が常駐しているなど
⑧  修繕の状況計画通りに修繕が行われていて、長期修繕計画が立てられているか
⑨  駐車場戸数に対しての割合が見合っているか
⑩  売主・施工会社  大手ゼネコンが施工したマンション、大手デベロッパーのマンションブランドの場合、査定価格が高め(下がりにくい)の傾向がある

1.立地条件

最も重視されるのは、駅からの距離です。近ければ近いほどその資産価値が高いとみなされるため、駅近物件は、査定額が高めになります。また、駅から近い物件は、経年による値下がり幅も大きくないと考えていいでしょう。
不動産会社は、公益財団法人不動産流通推進センターの「価格査定マニュアル」を参考にしていることが多いのですが、ここの基準によると、駅から徒歩7分を超えるとマイナス評価とされています。
他にも、商業施設や病院が周辺にあるか、小学校や中学校への距離など、暮らしやすさに直結する周辺環境かどうかも査定では加味されます。

2.方角・階数

マンションでいう方角は、バルコニーがある面のこと。一般的には、南、東西、北の順で評価が下がっていきます。2カ所から採光がとれる南東角部屋や南西角部屋の評価は、南向きだけに比べて高い傾向です。
また、同じマンション、同じ広さ、同じ方角であっても、下層階より上層階の資産価値が高くなるのが一般的です。

3.広さ・間取り

査定額のベースとなっているのが広さ。㎡単価に専有面積をかけて算出した価格を基に、他の条件を踏まえて最終的な査定額が算出されるのが一般的です。よって、広ければ広いほどベースとなる査定額がアップすることになります。ただし、広いほど単価が低くなるため、広さに乗じて等倍で増えていくということではないので注意しましょう。
間取りについては、個性的ではなく、一般的な間取りのほうが高い評価が得られる傾向です。また、LDKがあったり収納が豊富だったりすると、プラスの要素として評価されます。他にも、そのエリアのニーズに合った間取かどうかという点も査定額が左右されるポイントとなります。例えば、DINKSが多いエリアでは4LDKは広すぎるため、ニーズが低く、査定額も下がってしまう可能性があります。反対に、ファミリー層が多いエリアであれば、子ども部屋も確保できる4LDKは理想的な間取りとなるので、査定額が高くなるケースが考えられます。

4.築年数・構造

築年数に関しては、古いより新しいほうが高く見積もられます。しかし、物件の価格は築年数が経れば単純に落ちていくというわけではありません。最寄り駅周辺の開発が一通り終わっているところなどは、新築がなかなか出てこないので、中古物件でも販売時より高く売却できることがあります。また、市況に左右されることもある点は認識しておきましょう。
そして、構造については、旧耐震か新耐震かどうかがネックになってきます。
建築基準法の改正によって、1981年5月31日までに確認申請を受けた建物は旧耐震、1981年6月1日以降に確認申請を受けた建物は新耐震と呼ばれています。旧耐震は、「震度5程度の中地震で大きな損傷を受けない建物であること」、新耐震は「中地震ではひび割れ程度の損傷にとどめられること。震度6程度の大規模地震で建物の倒壊や損傷を受けないこと」という基準になっています。ここからも分かるように、旧耐震の建物は、震度6程度の大規模地震は想定されておらず、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、こういった建物が大きな損害を受けてしまいました。よって、安全性の観点から、1981年5月31日までに申請を受けた建物は、査定額が比較的低く見積もられます。

5.設備・内装

シンクに備え付けるディスポーザーなど、後から付けられない便利な設備があるとプラスに評価されるのが一般的です。設備の充実度や内装の汚れなどについては、買主様がリフォームをして住むことを前提として販売するのであれば、査定額にはあまり響きません。

6.共用部分

マンションは、住戸の室内だけでなく、エントランス、外壁などの共用部分も査定の対象になります。エントランスや外壁のグレードは査定の際に見られるポイントで、重厚感があるような高い建築資材を使っている場合はプラスとなります。エントランスについては、広いほど評価が高くなります。
また、防犯カメラ、オートロックなどセキュリティシステムの充実度も査定額に関わってきます。集合住宅は、一戸建てに比べると多くの人が出入りするため、どうしてもこの部分が重要になってくるわけです。
他にも、共用部分にある施設の充実度は査定の対象となります。キッズルーム、パーティールーム、ワークスペース、フィットネス、ラウンジ、ゲストルームなどがある場合は、その分加算されていきます。
ここは、査定に直結する部分ではありませんが、それぞれ掃除が行き届いているか、住民が廊下などに余計な荷物を置いていないかなど、印象的な部分も買主様は見ています。もし、マンションを売却する際に気になるのであれば、管理会社などに連絡し、改善を求めてみましょう。

7.管理状態

有人管理か否か、有人の場合は日勤なのか24時間体制なのかなど、条件の違いで管理状態の評価は変わってきます。なお、公益財団法人不動産流通推進センターの「価格査定マニュアル」によると、24時間体制の場合はプラス、管理人がいない場合はマイナスの評価となっています。
最近は、都心のタワーマンションのフロントにコンシェルジュが常駐しているケースがあります。コンシェルジュとは、マンションの住民が快適・便利に暮らせるようにサポートする専任スタッフのこと。提供サービスはマンションによって異なりますが、一般的には、宅配物や郵便物の受け取り、共用施設の使用受付、困りごとのサポートなどです。また、提供されているサービスではありませんが、エントランスにコンシェルジュがいることは、防犯効果も期待できます。こういったメリットから、コンシェルジュがいるマンションの評価はプラスになることが考えられます。

8.修繕の状況

マンションの住環境が安全で快適であるためには、長期修繕計画を立て、その通りに実行することが重要です。公益財団法人不動産流通推進センターの「価格査定マニュアル」では、長期修繕計画の有無について評価する項目があって、計画がない場合には評価がマイナスなると記載されています。この修繕を行うために、毎月修繕積立金を支払うことになりますが、この金額も評価の対象です。周辺にある同じような条件のマンションと比較して、それらよりも修繕積立金が高い場合は、マイナスの評価となります。

9.駐車場

駐車場の有無は、公益財団法人不動産流通推進センターの「価格査定マニュアル」において査定の対象にはなっていません。しかし、郊外型のマンションなどは、住戸数に対して敷地内に100%以上の駐車場がないと快適性に欠けてしまうことになりますので、そういった面で査定に影響する場合があるようです。自走式や機械式など、形式の違いが影響するケースも中にはあります。

10.売主・施工会社

大手ゼネコンが施工したマンション、大手デベロッパーが展開しているマンションなどは、そのクオリティの高さや安心感から、評価が高い傾向にあります。なお、マンション名をブランド化して展開している大手デベロッパーが多いため、マンション名から会社名を知ることができます。

・「マンション査定額」に関する記事はこちら
マンションの査定額を上げるには?査定額アップのポイントを徹底解説

実際にマンション売却する際、不動産の選ぶポイント

マンション査定終了後は、売却を依頼する不動産会社と媒介契約を結び、販売活動をしてもらうことになります。実はこの不動産会社選びも、マンション売却においては重要なポイントです。ここでは、不動産会社の選定基準や選ぶ際の注意点などを解説していきましょう。

査定額と相場との乖離がないか

複数の不動産会社に査定を依頼した場合、査定額に差が出るのは仕方のないことです。しかし、その額が相場よりもかなり高い場合は、注意が必要です。あまりに現実離れしている査定額を提示された場合は、なぜその価格になったのかを確認するようにしましょう。そこであまり明確な説明をされない場合、その不動産会社は避けたほうが無難です。
売主様としては、少しでも高い価格で売却したいと考えるのは当然のことですが、査定額は必ずしも販売価格ではありません。さらに、今はまずはインターネットで物件を検索するのが物件探しの初動となる時代。相場よりも高い場合は、検索結果にも表示されず、反響も入りにくくなってしまいます。結果、販売期間が長期化することとなり、価格の見直しを求められてしまうこともあります。

販売戦略を具体的に示してくれるか

売主様にとっては、インターネットや新聞の折り込みチラシなど、どのようなツールを使って販売活動が行われるのかは気になるポイントではないでしょうか。例えば、他県からの移住者が見込まれる地域であれば、近隣に配布される新聞の折り込み広告だけでは足りません。インターネットに広告を出すのであれば、掲載写真の質にも配慮して欲しいものです。
販売戦略については、目的、どんな層をターゲットにしているのか、どのくらいの販売期間を経て売買契約を締結するつもりで販売戦略の計画を立てているのか、どんな媒体を使うのかを聞き、納得した説明をしてくれた不動産会社を選ぶようにしてください。なお、媒介契約は締結しても任せきりではなく、売主は自分という点を忘れないようにすることがポイントです。

販売実績数が潤沢にあるか

マンション売却が成功するかしないかは、経験値による部分が多分にあります。世の中にはたくさんの不動産会社がありますが、売却を検討した際には、過去の実績数にも注力してみるといいでしょう。経験値の高さによって、対応も変わってきますし、不測の事態が発生した場合も、上手に回避してもらえることが期待できます。

ユーザーの評価はどうか

最近は口コミでの評価が、様々なサービス選びの基準となっています。不動産会社のサイトを見て、積極的にユーザーの声や体験談などを掲載している会社かどうかを確認するのも、今どきの会社選びのポイントです。なお、いくら誠実に対応しても満足度が100%というのは難しいもの。厳しい意見も掲載しつつ、その対策を示しているのであれば、誠実で信頼できる会社と評価できます。

担当者の対応は誠実か

マンションを売却する機会は、人生に何度とあるわけではありません。大きなお金が動くにも関わらず、初めての経験でどう進めていいのか、本当に売却できるのかなど不安をお持ちの方がほとんどだと思います。分からないぶん、質問や疑問が多く出てくるのは仕方ありませんが、それらに対して誠実に答えてくれる担当者かどうかも、会社選びとしては重要なポイントです。マンションの売却は、単にマンションを売るだけでなく、売却の理由、住宅ローンの残債金額など、あまり明らかにしたくないことを伝える必要があります。そのようなシーンで、担当者に信頼を寄せられなければ、ストレスがたまる一方です。売主様の立場に立って、誠実に対応してくれるかどうかもしっかり見極めるようにしましょう。

東急リバブルのマンション査定についての相談事例

ここでは、東急リバブルに寄せられた実際の相談事例を紹介します。

仲介で売却するのと買取をしてもらうのと、どちらがいいでしょうか

A 仲介と買取について、一概に仲介の方が利益があるとか、売却価格が高くなるというのは難しいです。どうしても物件によります。
一般的に買取の場合は、通常相手は不動産会社になります。また売却までの期間は仲介に比べると短いです。その分、早い現金化ができるメリットはあります。 ただ、どうしても仲介に比べて売却価格が安くなる傾向はあります。
また、不動産会社が買取る場合には、売主の契約不適合責任を免責する条項を入れてくれる場合もありますし、売却後のトラブルも少ないといったメリットがあります。

マンション管理会社の違いにより、査定額に差は出ますか?

Q マンションを売却もしくは売りに出すときに、そのマンションがどこの管理会社によって運営されているかで査定価値、資産価値に影響はあるものですか?今マンション内で管理会社を他社に変えようという動きがあるので、近い将来売りに出そうと思っている為お聞きしたいです。

A 通常はありません。もちろんおもいきり安い管理会社にかえ、管理がずさんになってしまって資産価値が落ちるということはあり得ますが、管理会社の変更による資産価値の減少は考えなくてもよいのではないでしょうか。もちろん知名度で、買い手に与えるイメージはあるかもしれませんが、それは買い手それぞれで異なるもので、資産価値として置き換えられるものではございません。

鑑定評価と査定額の違いは?

A 『価格査定』とは、売主(依頼者)が売出し価格を決める際に、不動産業者が宅地建物取引業法第34条の2の第2項に基き“意見”として、根拠を基に売主に提示するものです。不動産業者のサービスの一環であり、無料で行なわれています。※あくまでも参考価格であり、関係当事者間のみに通用するものです。
これに対し、『鑑定評価』は、不動産鑑定士が鑑定評価基準に基き、多角的な視点で適正な価格を判定するものであり、評価報酬が発生します。

※『鑑定評価』は信頼性が高く、関係当事者間だけではなく第三者や公的機関にも通用します。

マンション査定でよくある質問

ここでは、マンションを査定する際によく寄せられる質問とその回答を掲載していきます。

Q マンション査定をしてもらうときは何を聞かれますか?

A
・物件の基本情報:所在地、マンション名、築年、構造、規模(総戸数)、エレベーターの有無など
・物件の詳細:専有面積、間取り、階数、バルコニー面積、方角など
・設備、管理など:リフォーム歴、大規模修繕について、管理状況、共用施設、駐車場、防犯設備など
・費用:管理費、修繕積立金、駐車場代など
・周辺環境
・売主様の情報:売却の理由やいつまでに売却したいかなど

Q マンションの「見積もり」と「査定」の違いはなんですか?

A マンションの「見積もり」と「査定」は、いずれも価値を評価するためのプロセスですが、目的や内容に違いがあります。

●見積もり
一般的には特定のサービスや工事にかかる費用を予測し、提示することを意味します。マンションに関連する見積もりとしては以下のようなものがあります。
・リフォーム見積もり
・修繕見積もり
・引っ越し見積もり

●査定
売却を考えている場合や資産価値を知りたい場合に実施する行為です。査定には、主にシミュレーション査定(AI査定)、簡易査定(机上査定)、訪問査定があり、シーンによって使い分ける必要があります。おおよその目安を知りたい場合は、シミュレーション査定(AI査定)や簡易査定(机上査定)、売り出し価格を決める際の参考にしたい場合は、訪問査定という感じです。

Q 4,000万で買った家の5年後の価値はいくらですか?

A 市況やマンションの立地によっても変わってくるため、詳細が分からないとはっきりとお答えすることはできません。経年によって、マンションの価値がどんどん下がるかと言えば一概に言い切ることはできず、管理状態がよく、駅から近い立地のマンションは値下がりしにくい傾向にあります。また、新築時になかった商業施設や駅が近くにできた場合は、4,000万円より評価が高くなることもあります。

Q マンション査定に必要な書類を教えてください

A 固定資産税納税通知書、登記簿謄本、修繕履歴、管理費・修繕積立金の明細書、管理組合の細則、販売当時のパンフレットなどを用意しておくといいでしょう。なお、不動産会社によって必要書類は変わってきますので、事前に担当者に質問しておくと安心です。

マンション査定は、様々な角度からのチェックが重要

マンション査定を依頼する際は、まず、インターネットなどで相場を調べたうえで、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。異なる会社からの査定結果を比較することで、より正確な市場価値を把握できます。各社の査定方法や評価基準が異なるため、それぞれの根拠を確認して、ご自身なりに納得するようにしましょう。なお、物件の詳細情報を正確に提供することも重要。専有面積、間取り、築年数、リフォーム歴などの基本情報だけでなく、管理費や修繕積立金、共有施設の有無、瑕疵などについても包み隠さず伝えるようにしましょう。
さらに、査定額が高すぎる場合には注意が必要です。不動産会社が媒介契約を取りたいがために高めの査定額を提示することもあります。そういった点で惑わされないためにも、市場価格に対して適正な価格かどうかを見極めるために、地域の相場や最近の取引事例を参考にしましょう。
最後に、査定を依頼する際には売却のタイミングも考慮に入れることが重要です。市場の動向や季節によって物件の売れやすさが変わるため、売却するタイミングについても不動産会社に確認をしてみてください。
いずれにしても、信頼できる不動産会社を選ぶことがキーとなってきますので、今回ご紹介した不動産会社を選ぶポイントを参考に選定していってください。

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