賃貸保証会社 家賃保証会社 とは
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賃貸保証会社(家賃保証会社)とは?料金や役割、仕組みを解説

執筆者プロフィール

村田愛美
宅地建物取引士

上智大学外を卒業後、不動産調査会社在籍中に宅地建物取引士試験に合格。宅建士として事業用不動産の仲介営業職に従事し、退職後はレンタルオフィスの運営会社で入居者・契約管理をするかたわら、売買・賃貸・住宅ローンを中心とした不動産関連の専門性が高い記事を多数執筆。不動産初心者でもわかりやすい文章に定評がある。

ざっくり要約!

  • 賃貸保証会社は、借主の家賃滞納時に立て替え払いをすることで、家主のリスクを軽減しています。
  • 賃貸保証会社を利用する借主のメリットは、審査に通りやすくなることや、連帯保証人が不要になることですが、一方で家賃を滞納した場合も支払い義務は免除されず、滞納が続くと信用情報に傷がつくリスクもあります。
  • 審査基準は保証会社によって異なるため、通らない場合は保証会社不要の物件を探し、連帯保証人を立てる、家賃の前払いを提案するなどの対処法を検討することが大切です。

親族に連帯保証人を頼みづらい人が増えている今、賃貸保証会社利用の重要性がより注目されるようになっています。

しかし、これから家を借りようと思っている方の中には、賃貸保証会社の仕組みやメリット・デメリットについて、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、賃貸保証会社について基本的な情報や、利用する際の注意点について解説します。審査に通らない・利用したくない場合の対処法についてもお伝えします。

賃貸物件を借りる予定のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

賃貸保証会社(家賃保証会社)とは?

まずは賃貸保証会社とはどういうものなのか、その仕組みについて知っておきましょう。

賃貸保証会社の役割

家賃保証会社は、賃貸借契約における連帯保証人の代替として利用され、家主のリスクを軽減する重要な役割を担っています。

従来、賃貸物件を借りる際は、借主が家賃を滞納した場合に備え、「連帯保証人」を立てるのが一般的でした。連帯保証人は、借主の債務を連帯で保証する立場の人です。 借主が家賃の支払いを行わなかった場合のほか、設備を破損してしまうなど、何らかの問題が起こった際には、代わって滞納した家賃や修理費を支払う義務を負う重要な存在です。

しかし近年、核家族化や高齢化などの社会情勢の変化により、親族に連帯保証人を頼むことが難しいケースが増えてきました。そこで登場したのが、賃貸保証会社です。

保証会社は、一定の手数料を受け取る代わりに、契約時に必要な連帯保証人を代行する会社となります。これにより、連帯保証人を見つけることが難しい人でも、賃貸物件を借りやすくなりました。

今や多くの賃貸物件で利用されるようになった家賃保証会社は、借主と家主双方にとって欠かせない存在となっていると言えます。

家賃保証の仕組み

それでは、家賃保証会社はどのような仕組みで成り立っており、借主とオーナーに対してどのような動きをするのでしょうか。

借主がオーナーに対して家賃を滞納した場合、入居者に代わって家賃を立て替え、その後、立て替えた金額を借主に請求するというのが、家賃保証会社の大きな役割です。

万が一、入居者が家賃の支払いを滞納した場合でも、オーナーが保証会社に滞納が発生したことを報告すれば家賃を立て替えてもらえるため、オーナーは安定した収入を得ることができます。

その後、保証会社は立て替えた家賃を借主に請求(求償)します。つまり、最終的な支払い責任は借主にあるということです。

保証料はどれくらい?

家賃保証会社を利用する際、借主は保証会社に対して保証料という費用を支払う必要があります。保証料は契約時に賃料・管理費等の0.5ヶ月~1ヶ月分、月額保証料は賃料・管理費等の1~2%が一般的な目安です。これらの料金は保証会社によって異なるため、契約前に確認しましょう。

賃貸保証会社を利用するメリット

オーナー側のメリットばかりが注目されがちな賃貸保証会社ですが、部屋を借りる人にとっても大きなメリットがあります。

審査に通りやすくなる

賃貸保証会社を利用することで、収入が安定していない人でも部屋を借りやすくなるというのが1つ目のメリットです。

非正規雇用や自営業など、収入が不安定な人は、一般的に入居審査に通過しにくい傾向にあります。しかし、賃貸保証会社と契約していれば、保証会社が家賃の支払いを保証してくれるため、オーナー側にとっても安心材料となります。

その結果、収入面で不安がある場合でも、入居審査に通る可能性が上がります。ただし、保証会社の審査に通過することが必要です。

連帯保証人が不要

賃貸保証会社を利用するもう1つのメリットは、保証料さえ支払えば、連帯保証人を立てずに部屋を借りられることです。

以前まで部屋を借りる際には、連帯保証人を立てるのが通常でした。しかし、滞納時に家賃を肩代わりする義務が発生する連帯保証人の役割を引き受けてくれる人を探すのは難しいもの。

賃貸保証会社と契約すれば、賃貸保証会社自体が連帯保証人の役割を担ってくれるため、連帯保証人を探す必要がなくなります。

ただし、物件によっては連帯保証人と賃貸保証会社の両方が必要な場合もあるため、物件選びの際には必ず確認しましょう。

賃貸保証会社を利用するときの注意点

賃貸保証会社 注意点

借主とオーナーの双方にとって多くのメリットがある賃貸保証会社ですが、利用する際には注意すべきポイントもあります。

賃料の支払いが免除されるわけではない

家賃の支払いが滞った場合、賃貸保証会社が立て替えてくれますが、家賃の支払い事態が免除されるということではありません。

賃貸保証会社が家賃を立て替えたとしても、その分は借主が後で返済する必要があります。賃貸保証会社はあくまでも立て替えてくれているだけなので、銀行口座の残高不足などで滞納してしまったら、すぐに保証会社に返済することが求められます。

一定期間の家賃滞納で信用情報に傷がつく

賃貸保証会社を利用していると、万が一家賃を滞納してしまった場合でも、保証会社が立て替え払いをしてくれるため、すぐに部屋を追い出されるようなことはありません。しかし、これは決して安心してよい状況ではないのです。

一定期間家賃滞納が続くと、個人の信用情報機関に金融事故情報として記録されます。この信用情報機関は、個人の借入状況や返済状況、過去の滞納歴などが記録されているデータベースです。

信用情報に傷がつくと、今後賃貸物件に入居しようとする際に、「家賃を滞納する可能性が高い人」とみなされ、審査で落とされる恐れがあります。つまり、新しい部屋を借りることが難しくなってしまうのです。

賃貸保証会社は、借主にとって万が一の際の安全網ではありますが、むやみに頼るべきものではないということは認識しておきましょう。

保証会社によって審査内容は異なる

賃貸保証会社にはさまざまな種類があり、保証会社によって審査内容が異なることを理解しておく必要があります。

信販会社系の家賃債務保証会社は、過去のクレジットカードの延滞などの履歴を重視して審査を行うため、比較的厳しい基準となっています。

一方、一般社団法人全国賃貸保証協会(LICC)に加盟している保証会社は、この団体で共有されているデータベースを元に審査を行います。LICCに属していない独立系の保証会社は、独自の基準で審査を実施しています。

このように、保証会社ごとに審査方法や基準が異なるため、ある会社では審査に落ちたのに、別の会社では通過するというケースも少なくありません。

審査落ちの理由は基本的には開示されないため、審査を通過する確率を高めるためには、複数の会社に申し込むというのも1つの方法です。ただし、物件によっては利用する保証会社が指定されているケースもあるため注意しましょう。

賃貸保証会社の審査が通らない・入りたくないときの対処法

賃貸保証会社の利用が必須の物件が増えている中、どうしても審査に通らない人や、賃貸保証会社を利用したくない人がいるのも事実です。そうした場合には、以下3つのいずれかの選択肢を検討する必要があります。

連帯保証人を立てることで了承してもらう

賃貸保証会社の審査になかなか通らない場合は、家賃滞納時に代わりに支払ってくれる「連帯保証人」を付けることで、保証会社への加入なしで入居が認められる可能性があります。

連帯保証人には、基本的に三親等以内の身内が望ましいとされています。具体的には、親、兄弟、おじ・おば、祖父母などが該当します。ただし、連帯保証人として認められるには、定職に就いていて安定した収入があることが条件となります。

また、固定電話を持っていない人、現住所での居住期間が極端に短い人、非正規雇用の人、70歳以上の高齢者などは、連帯保証人としての信頼性が若干低いと見なされる傾向にあります。

交渉をより有利に進めるためには、連帯保証人を2人以上用意することも効果的です。実際に、一部の物件では、一定の条件を満たす連帯保証人が2人以上いれば、賃貸保証会社への加入を免除しているケースもあるため、相談してみると良いでしょう。

保証会社不要の物件を探す

賃貸保証会社の審査自体を受けたくない場合は、保証会社不要の物件を探すのも1つの対処法です。

保証会社への加入が任意である物件は、図面などに「保証会社利用可」「利用の場合は保証料借主負担」といった記載があります。このような物件では、保証会社の利用は必須ではないため、連帯保証人を立てることで承諾してもらえる可能性が比較的高いと言えるでしょう。

ただし、賃貸保証会社の利用必須の物件が増えている昨今では、賃貸情報サイトで「保証会社利用可」の物件を探し出すのが難しくなってきています。希望条件に当てはまる物件に出会えるまで、手間と時間がかかるということは覚悟しておきましょう。

賃料の前払いなどの条件を出して交渉する

連帯保証人を立てることが難しい状況で、賃貸保証会社を利用せずに部屋を借りるには、家賃の前払いを条件に交渉するのも1つの方法です。

家賃を先に支払ってしまえば、借主が家賃を滞納するリスクがなくなります。そのため、賃貸保証会社を外してもらえる可能性が高くなるのです。

ただし、この方法が適用できるのは、全ての物件ではありません。また、交渉の土台に乗せるためには、最低でも2年分以上の家賃を先払いする必要があるということは知っておきましょう。

まとめ

賃貸保証会社は、借主が家賃を滞納した際に代わりに立て替え払いをする役割を担っており、利用することで審査に通りやすくなる・連帯保証人が不要になるなどのメリットがあります。

一方で、家賃滞納が続くと信用情報に傷がつくリスクもあるため注意が必要です。審査に通らない、あるいは利用したくない場合は、連帯保証人を立てる、保証会社不要の物件を探す、家賃の前払いを提案するなどの対処法があります。

賃貸物件を借りる際は、不動産会社と相談しながら、自分に合った条件で契約できるように慎重に進めましょう。

この記事のポイント

賃貸保証会社(家賃保証会社)とはどのような会社ですか?

家賃保証会社は、賃貸借契約における連帯保証人の代替として利用され、家主のリスクを軽減する重要な役割を担っています。

詳しくは「賃貸保証会社(家賃保証会社)とは?」をご覧ください。

賃貸保証会社を利用する際の注意点は何かありますか?

借主とオーナーの双方にとって多くのメリットがある賃貸保証会社ですが、利用する際には注意すべきポイントもあります。

詳しくは「賃貸保証会社を利用するときの注意点」をご覧ください。

もし審査が通らない、入りたくない場合はどうしたら良いですか?

賃貸保証会社の利用が必須の物件が増えている中、どうしても審査に通らない人や、賃貸保証会社を利用したくない人もいます。

詳しくは「賃貸保証会社の審査が通らない・入りたくないときの対処法」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

賃貸保証会社の審査に通らなくても、諦める前に不動産会社にしっかり相談することをおすすめします。特に大手の不動産会社であれば、複数の保証会社と提携していることが多いためです。
ただし、必ず希望通りになるとは限らないので、複数の物件や不動産会社に当たることも大切です。物件探しは労力がかかるものですが、諦めずに自分に合った条件の物件を探し続けることが、賃貸契約を円滑に進めるコツと言えるでしょう。

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