中古マンション リノベーション 後悔
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中古マンションのリノベーションで後悔⁈ 後悔ポイント6つと解決策を紹介

執筆者プロフィール

高山みさと
インテリアコーディネーター

CADオペレーター・大手住宅設備メーカー勤務を経て、住宅ライターとして開業。インテリアコーディネーター資格保有。元キッチンスペシャリスト。家づくりやリフォームにおける難しい知識を分かりやすく伝えている。プライベートでは築20年の戸建て住まい。リフォームやDIYで家づくりを楽しんでいる。

ざっくり要約!

  • リノベーションによる後悔は、希望通りの工事ができなかった、費用やスケジュールが予想以上にかかったなどが挙げられる
  • 後悔しないためには、事前の情報収集や段取りが大切。予算とスケジュールは念入りに計画を

中古マンションのリノベーションは、費用を抑えながらも個性的でおしゃれな住まいを実現できる方法です。
しかし、「後悔した」「やめたほうがいい」といった声を聞くことも。この記事では、中古マンションのリノベーションで後悔したポイントを6つ挙げながら、解決策もご紹介します。中古マンションのリノベーションに興味はあるけれど、不安を感じている方はぜひ参考にしてください。

1.イメージ通りのリノベーションにならなかった

物件価格を抑えられるリノベーションは、デザインに費用をかけることができます。それがイメージ通りにならなければ後悔してもしきれません。

また、リノベーションは理想とするイメージを上手く伝え、形にすることが重要です。そのためには、不動産会社や施工会社とのコミュニケーションの取りやすさもポイントになります。

物件選びとリノベーションのプランニングを同時に進めよう

リノベーションのデザインは、SNSなどを活用してイメージをある程度決めておきましょう。イメージ通りのリノベーションを実現するには、物件選びが重要です。プランニングと実現可能な物件探しを同時に進めてくれる会社を選ぶことをおすすめします。

また、リノベーションは自分の要望やイメージを汲み取ってくれる会社を選ぶことも大切です。コミュニケーションを取りやすい、イメージに近い施工事例がある、3Dパースなどを駆使して分かりやすく伝えてくれる……このような会社を選ぶと良いでしょう。

2.希望のリノベーションができなかった

中古マンションのリノベーションでは、壁を取り払ったり、LDKの中心にアイランドキッチンをレイアウトしたりといった大胆なプランも多く見られます。
しかし、マンションによっては希望通りのリノベーションができないことも少なくありません。

物件選びの段階でできること・できないことを確認

望通りのリノベーションをするには、事前に管理規約とマンションの構造について確認することが重要です。

管理規約によって、水まわりの位置変更が禁止されていたり、床仕上げ材は一定の防音性が求められていたりします。プランニングに制限が出る場合があるので、管理規約は必ず確認しておきましょう。

また、マンションの構造には「ラーメン構造」と「壁式構造」があります。ラーメン構造は、柱と梁で建物を支える構造のため、部屋を仕切る間仕切り壁は変更しやすい構造です。一方、壁式構造は、壁が耐力壁となって建物を支える構造のため、壁を取り払うようなリノベーションはできません。

間取り変更や水まわりの位置変更は、物件を見て初めて考えることも多いものですが、実現できるかは事前に必ず確認しましょう。

3.修繕にお金がかかってしまった

中古マンションは、築年数が古くなるほど修繕に費用がかかります。見える場所の劣化は分かりやすいですが、床下の配管や天井裏の排気ダクトなど、注意を払うべき場所は多岐に渡ります。

また、入居後に影響するのが「大規模修繕」です。修繕履歴を不動産会社に調べてもらい、定期的に適切な修繕が行われているか確認しておきましょう。

購入時のホームインスペクションを検討

ホームインスペクションとは、建物検査を指し、目視で確認できる範囲で建物の状況を診断するものです。ホームインスペクターが、第三者の立場から物件を調査します。
インスペクションを行うことで、中古物件の売買を安心して取引できるようになります。

建物を診断することによって、表面的には見えない躯体や断熱の状況、床下配管や排気ダクトの劣化状況を把握することが可能です。
今必要な修繕の確認と、将来的に必要な修繕を予測することができるので、メンテナンス計画を立てる上で非常に役立ちます。

・「ホームインスペクション」に関する記事はこちら
インスペクションとは?メリットや費用、注意点、自治体の補助金を解説

4.入居まで時間がかかってしまった

入居までには、今住んでいる物件の引き渡しや引っ越し業者とのスケジュール調整、入学や転校手続きなどがあり、時期がずれるとさまざまな支障をきたします。
新築物件の購入と比較して、リノベーションは予想外のトラブルが発生しやすく、スケジュール管理には注意が必要です。

リノベーションにかかる期間も見積もることが大事

リノベーションは、一般的なリフォームよりも工事期間が長くかかります。住まい全体のデザインや間取りの検討に時間がかかるためです。

他にも、住宅設備や建材の納期が長引いたり、解体して初めて分かるトラブルが発生したりなど、予想外の事態が起こることも少なくありません。いずれも解消しなければ、工事が中断してしまいます。

リノベーションにかかる期間を事前に見積もってもらい、ある程度の余裕をもってスケジュールを組むことが大切です。

5.予想以上に費用がかかってしまった

中古マンション リノベーション 注意

理想のデザインを叶えるための追加費用、予定外の工事の発生など、リノベーションには予想以上の費用がかかることも少なくありません。

予算オーバーを防ぐためには、総予算を考えておくことが大切です。諸費用についても忘れずに把握しておきましょう。

予算は取得費・工事費・諸費用を含めて考える

リノベーションにかかる費用は、物件取得費、工事費、諸費用からなります。加えて、想定外の工事に備えて、予備費もあると安心です。

住宅購入には取得費以外にも、仲介手数料、不動産取得税、住宅ローン手数料などの諸費用が多くかかります。あらかじめ、どのような諸費用がかかるのか確認しておくことが大切です。

また、工事費の予算オーバーを防ぐためには、実現したい間取りや内装などの優先順位をつけておくこともポイントです。さらに予備費も準備しておけると、後から不具合や老朽化が発見された場合にも予算を確保しやすくなります。

6.金利が高いローンしか組めなかった

中古マンションを購入してリノベーションする場合、物件取得費には「住宅ローン」、リノベーション費には「リフォームローン」と2つのローンを組むことになります。

住宅ローンは、取得した不動産を担保にすることから金利が低く、リフォームローンは無担保型が多いため、金利が高いことが特徴です。そのため、住宅ローンだけで借入を行う場合と比較して、総支払額が多くなる傾向にあります。

リノベーション費用を住宅ローンに組み込むには?

金利の高いリフォームローンを利用せず、住宅ローンに一本化すれば、総支払額を抑えることができます。リノベーション費用を住宅ローンに組み込めるのが「リフォーム(リノベーション)一体型ローン」です。

一体型ローンは、住宅ローン同様に最長35年の借入が可能になります。金利は1%台からあり、リフォームローンの金利2~5%と比較すると低く設定されています。

注意点としては、住宅ローン同様に抵当権の設定が必要です。
さらに、一体型ローンを申し込む段階で、見積書や図面など工事計画の提出が必要になります。物件購入・プランニング・ローンの申し込みを並行して行わなければならず、スピーディーな対応が求められます。

まとめ

中古マンションのリノベーションは、物件購入にかかる費用を抑えながらも、オリジナリティの高い住まいを実現できる方法です。

リノベーションは、事前の情報収集や段取りが成功の秘訣。後悔しないためにも、予算とスケジュールは余裕を持って計画することをおすすめします。

また、住み心地を左右する物件選びも重要な要素です。見えない場所に老朽化や不具合はないか、希望のリノベーションを実現できる物件か、判断が難しい内容は、不動産会社やホームインスペクターといったプロに診断してもらうと良いでしょう。

この記事のポイント

イメージ通りのリノベーションができるかどうか不安です。

理想のイメージを詳しく伝え、不動産会社や施工会社とコミュニケーションをとることが重要です。

詳しくは「イメージ通りのリノベーションにならなかった」をご覧ください。

修繕にお金がかかってしまいそうで不安です。

中古マンションは、築年数が古くなるほど修繕に費用がかかり、注意を払うべき場所は多岐に渡ります。

詳しくは「修繕にお金がかかってしまった」をご覧ください。

リノベーションの場合、金利の高いローンしか組めないのでしょうか?

中古マンションを購入してリノベーションする場合、物件取得費には「住宅ローン」、リノベーション費には「リフォームローン」と2つのローンを組むことになります。

詳しくは「金利が高いローンしか組めなかった」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

マンションの住み心地や資産価値を左右するのが、管理状態や修繕計画です。中古マンションの購入を検討する際には、修繕履歴と長期修繕計画は必ず確認しておきましょう。これらの情報は、不動産会社の営業担当者に調べてもらうことが可能です。
また、修繕積立金は築年数が古くなるにつれて上がる傾向にあります。修繕積立金の積み立て状況や増額予定の有無なども確認できると安心です。
適切な管理や大規模修繕が行われていないマンションは、後に修繕積立金が増額されたり、一時金の負担が発生したりする可能性があるので注意しましょう。

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