ざっくり要約!
- マンションの2階は、安価で外出や避難がしやすい点がメリット
- 防犯性の低さや眺望・通風・採光が悪い点、騒音の聞こえやすさはデメリット
- 同じ2階でも、マンションと戸建てでは、管理規則による制限や共用施設の有無、隣人トラブルのリスクなどに違いがある
マンションを選ぶ際、価格や利便性、防犯面など考慮すべきポイントが多く「どの階に住むべきか」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、マンション2階のメリット・デメリットを解説するとともに、2階建ての戸建て住宅との違いもご紹介します。住まい選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
記事サマリー
マンションの2階に住むメリット
マンションの2階には、価格や安全性の高さといったメリットがあります。1つずつ詳しく解説します。
高層階より安価な物件が多い
マンションの2階は、高層階と比べて販売価格や賃料が安い傾向にあります。一般的にマンションは高層階の人気が高く、同じ物件内でも数百万円の差が出ることがあります。予算に限りがある方にとって、2階は手が届きやすいと言えるでしょう。
2018年以降に新築された高さ60mを超えるタワーマンションは、階数が上がるごとに固定資産税・都市計画税が高くなります。タワーマンションの2階の住戸は高層階と比べて、固定資産税・都市計画税も抑えられます。
マンション外に出やすい
マンションの2階は、外出時の移動が楽な点も大きなメリットです。エントランスまでの距離が近いため、ちょっとした買い出しやゴミ出しの時などに気軽に外出できます。
特に通勤時間帯はエレベーターが混雑しがちですが、2階なら階段を使わずにマンションの外に出られるため、混雑に巻き込まれることが少ない点も魅力です。エレベーターがメンテナンス中でも階段を使えるため、高層階に比べて移動に困る場面が少ない傾向にあります。
災害時も安心
マンションは厳しい耐震基準に基づいて建てられているものの、高層階であるほど揺れやすい傾向にあります。特にタワーマンションの高層階は、大規模地震時に長く大きく揺れる長周期地震動も感じやすいと言われています。2階なら安心ということはありませんが、揺れ幅や揺れる時間が短ければ恐怖心は抑えられるでしょう。
また、マンションの外に出やすいという側面は、災害時の避難のしやすさにもつながります。大地震でエレベーターが停止しても、階段で1フロア分下りるだけで外に出られます。災害後に水や食料などを運ぶ際も、高層階と比べて負担が少なく、在宅避難時も安心です。
・「地震」に関する記事はこちら
地震発生時のマンションの倒壊リスクは?地震のトイレ問題や住宅ローンも解説
マンションの2階のデメリット
マンションの2階には上記のような魅力がある一方で、防犯性や採光、通風、騒音といった面では高層階に劣ります。ここからは、マンション2階特有のデメリットを3つに分けて詳しく解説します。
防犯性が低い
マンションの2階は、防犯面で注意が必要です。特に防犯対策が不十分なマンションの場合、外部から侵入されるリスクがあります。1階よりは侵入しにくいものの、フェンスや樹木を登って侵入されてしまう可能性もあることから、2階でも安全とは言い切れません。特に大通りに面していないマンションや人目につきにくい位置にある部屋は、侵入リスクが高まります。
・「防犯」に関する記事はこちら
プロに聞いた!防犯を考慮した家選びのコツ~空き巣や強盗対策~
眺望・通風・採光が悪い
マンションの2階は、立地や周辺環境によって日当たりや風通しが悪くなるケースがあります。特に都心部など周囲に高い建物が多いエリアでは、日光が遮られやすく、日中でも部屋が暗くなることがあります。そのため、洗濯物が乾きにくく、昼間でも照明が必要になることがあるでしょう。
また、2階は地面からの湿気を受けやすい位置にあり、湿度が高くなりやすい傾向があるため、収納の中や北側の部屋ではカビや結露が発生するリスクもあります。
騒音が聞こえやすい
マンション2階の部屋は高層階と比べて、外部の音が聞こえやすい傾向があります。特に道路や線路に面した部屋では、車や電車の音、通行人の話し声などが気になることもあるでしょう。
騒音の聞こえやすさは、部屋の位置によっても異なります。静かな環境を求めている場合は、時間帯や曜日を変えて複数回、内見することをおすすめします。
・「内見」に関する記事はこちら
内見とは?内覧との違いや持ち物・流れ・確認することを解説
内見チェックリストで失敗しない物件選び!あると便利な持ち物も紹介
マンションの2階と2階建ての戸建ては何が違う?

マンションの2階と2階建ての戸建てには、それぞれ異なる魅力と特徴があります。管理規約や設備、生活スタイルの違いを比較し、自分に合った住まいを選びましょう。
管理規約・使用細則がある
マンションの2階と2階建ての戸建てでは、住む際のルールや決まりごとに大きな違いがあります。マンションでは、全ての住人が気持ちよく暮らせるように、管理規約や使用細則が設けられています。
たとえば、共用部分の使い方、リフォームの範囲、ペットの飼育条件、そして騒音を出さない工夫などがその例です。これらのルールがあることで、住人同士のトラブルを防ぎ、快適な住環境を保つ仕組みが整っています。
一方、戸建て住宅では、こうした決まりがない代わりに自由度が高くなります。しかし、その分、ご近所との付き合いやマナーは個人の配慮が重要になります。マンションに住む場合は、事前に管理規約や使用細則を確認し、自分の生活スタイルに合っているかどうかをチェックしておくと安心です。
共用施設
マンションの大きな特徴の1つが、全ての住人が利用できる「共用施設」があることです。キッチンやバスルーム、トイレなどの水回り設備にはマンションと戸建てで大きな違いはありませんが、マンションには共有して使える便利な施設が設けられている場合があります。
たとえば、ネットショッピングを利用する際に便利な「宅配ボックス」や、小さなお子さんが遊べる「キッズルーム」、住人同士がリラックスできる「ラウンジ」などが挙げられます。さらに、フィットネスルームやゲストルームが設置されているマンションもあり、暮らしをより快適にする工夫がされている点は魅力と言えるでしょう。
・「共用施設」に関する記事はこちら
マンションのゲストルームとは? 利用方法や注意点を解説
セキュリティ
戸建てとマンションでは、セキュリティ面に違いがあります。戸建ての場合、玄関や窓など外に直接面した部分が多いため、防犯対策が必要な箇所が増えます。補助錠や防犯カメラの設置、防犯ガラスの利用など、自分でしっかりと対策を行うことが求められます。
一方、マンションの多くはエントランスにはオートロックが設置されており、居住者以外の出入りが制限されています。さらに、駐車場やエレベーターには防犯カメラがあることも多く、管理員や警備員が常駐している物件もあります。
・「オートロック」に関する記事はこちら
オートロック付きマンションは安全?入り方や内見時のチェックポイントを解説
隣人トラブルのリスク
戸建てとマンションでは、隣人トラブルのリスクに違いがあります。戸建て住宅は建物が独立しているため、隣近所に足音やテレビの音などの生活音が伝わりにくいと言えます。一定の配慮は必要なものの、戸建ては音に関する隣人トラブルが少なく、とくにお子さんがいる家庭では、家の中でのびのび遊ばせたり走り回らせたりできる点が魅力です。
一方、マンションは隣接する住戸に生活音が伝わってしまいやすい構造です。例えば、足音や家具を動かす音、子どもの声が壁や天井を通じて伝わることもあるため、場合によっては隣人トラブルにつながることもあります。また、自分たちが出す生活音にも注意が必要で、周囲への配慮が求められる点はマンションならではの特徴です。
ただ、最近のマンションは遮音性が高い構造が採用されていることも多く、生活音が伝わりにくい設計になっている物件も増えています。入居前に遮音性能を確認しておくと、安心して暮らせるでしょう。
・「騒音トラブル」に関する記事はこちら
マンションの騒音トラブル回避策!苦情を言われたらどう対応する?
バリアフリー
2階建ての戸建て住宅は階段の上り下りが必要で、玄関も多くの場合、道路から一段高くなっています。一方、マンションは段差が少なく、エレベーターが設置されていることが多いため、高齢者や身体に不自由がある方にとって住みやすい環境と言えます。特に駅近のマンションは交通の利便性が高く、日常生活での移動が楽になる点も魅力です。
ただし、1990年代以前のマンションは、洗面室やトイレなどの水回りが一段高くなっている物件も少なくありません。段差を解消するリノベーションが可能な場合もありますが、床を上げて段差を解消するとなると、天井高が低くなってしまうため注意が必要です。
まとめ
マンションの2階には、高層階と比べると総じて安価で、外出や避難がしやすいといったメリットがあります。一方で、防犯性や採光・通風といった面では高層階に劣る場合があります。とはいえ、部屋の位置や周辺環境によっては、これらのデメリットを感じさせない物件もあります。
また、理想のライフスタイルや生活環境によっては、マンションよりも戸建て住宅を選択したほうが良い場合もあります。それぞれの特徴を比較し、自分や家族に合った住まいを選びましょう。
この記事のポイント
- マンションの2階に住むメリットはなんですか?
マンションの2階には、大きく分けて「価格」「外出のしやすさ」「災害時の安全性」という3つのメリットがあります。
詳しくは「マンションの2階のメリット」をご覧ください。
- マンションの2階に住むデメリットはありますか?
マンションの2階には、価格や利便性といった魅力がある一方で、防犯性や採光、騒音の面で注意が必要なデメリットもあります。
詳しくは「マンションの2階のデメリット」をご覧ください。
- マンションの2階と戸建ての2階とは何が違いますか?
マンションの2階と2階建ての戸建てには、それぞれ異なる魅力と特徴があります。
詳しくは「マンションの2階と2階建ての戸建ては何が違う?」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
マンションを選ぶ際、階数は重要なポイントですが、それ以外にも確認すべき点があります。例えば、管理体制は住み心地や将来の資産価値にも影響します。また、周辺の環境や交通アクセス、買い物の利便性も重要です。さらに、ペットの飼育可否や防犯対策など、自分のライフスタイルに合った条件を事前に確認しておきましょう。階数だけにこだわらず、総合的な視点で判断することが失敗しないマンション選びの鍵です。

物件探しや売却がもっと便利に。
無料登録で最新物件情報をお届けいたします。
Myリバブルのサービス詳細はこちら