ざっくり要約!
- 家の売却相場は購入価格と築年数から調べる、売りたい家と条件の近い成約事例から調べるなどの方法から参考値を出すことができる
- 家の売却相場は立地や築年数によって大きく変わり、適した売り出し方もそれぞれ違う
家の売却を成功させるためには、事前に売却相場を把握することが重要です。売出し価格は高すぎてもいけませんし、安すぎても損をしてしまいます。
この記事では家の売却を検討している方向けに、売却相場の調べ方を紹介します。不動産のプロでなくても、ある程度売却相場を想定できる方法です。
後半では、築年数ごとに一戸建てとマンションの売却相場を紹介します。築年数が、どのように売却価格に影響するのかイメージすることができます。これから売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
記事サマリー
家の売却相場と築年数の相関性
家の築年数は、売却相場と密接に関わっています。とはいえ、築年数だけで不動産の価値が決まるわけではありません。
基本的に経年につれて売却相場は落ちていく
家は、基本的に築年数を重ねるごとに資産価値が落ちていきます。やはり建物には寿命があり、長年住んでいれば使用感や劣化、傷、汚れが見られるようになるためです。しかし「1年に2%」など同じ低下率で価値が落ちていくわけではありません。物価や金利、市況は常に変動しているため、築年数だけで売却相場を判断することはできません。
建物の価値はいずれゼロになるのか
建物の価値は、いずれゼロになります。これは、マンションも一戸建ても同じです。しかし、マンションは土地と建物を分けて考えることが難しいため、建物の価値がゼロになったタイミングを判別することも容易ではありません。一方、一戸建ては基本的に建物と土地を分けて評価するため、建物の価値がゼロになるタイミングが判別しやすいという特徴があります。
下記のグラフは、国土交通省が示す中古住宅の価格査定の例です。便宜的にほぼ毎年定率の価値が損なわれていますが、実際にはここのような綺麗な直線を描くわけではありません。
オレンジの線の木造戸建て住宅の価格査定例を見てみると、築20〜25年程度を境に価値がほぼ落ちなくなっていることがわかります。これが、建物の価値がゼロになるタイミングです。土地の価値は変動しないわけではありませんが、経年によって価値を落としていくものではないため、築20〜25年を過ぎると一戸建ての相場価格はほぼ一定になります。
ただ、近年は資材価格や人件費が高騰しており、戸建てを建てるための用地も不足していることから、築20〜25年程度であっても家屋が評価されるケースも増えています。
築年数だけではない!不動産会社はどう査定するの?
不動産の査定方法は次の3つに大別されます。
- 取引事例比較法
- 原価法
- 収益還元法
取引事例比較法とは、主にマンションや土地の査定に用いられる方法で、条件が類似している物件の取引事例を参考に査定していく方法です。
原価法は、主に戸建ての建物部分の査定に用いられます。建築にかかった原価から、築年数による減価を考慮して査定します。
収益還元法は、物件の持つ収益性から査定する方法です。主に収益物件の査定方法に用いられます。
・「不動産の査定方法」に関する記事はこちら 不動産査定の流れや査定方法、事前に用意しておく必要書類をまとめて解説! |
中古マンションの築年数ごとの最新相場動向と売却のコツ
ここからは、首都圏で2024年4〜6月に成約した中古住宅のデータを基に、築年数ごとの最新相場動向を見ていきましょう。築年数にあった売却のコツも併せてご紹介します。
まずは、中古マンションの築年数ごとの最新相場動向を見ていきます。
東日本不動産流通機構のデータを基に筆者作成
築5年未満のマンション
エリア | 平米単価 | 前期比 |
---|---|---|
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) | 133.4万円 | +18.6% |
東京都区部 | 180.4万円 | +23.3% |
東京多摩 | 84.4万円 | +5.9% |
横浜・川崎 | 102.5万円 | +4.6% |
上記以外の神奈川県 | 79.7万円 | +6.3% |
千葉県 | 76.0万円 | +1.5% |
埼玉県 | 84.1万円 | +12.7% |
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建て住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年04〜06月】」
築5年以下の物件の流通量は少なく、新築時に購入できなかった人がどうしても欲しいというような場合は、新築時とそう変わらない価格で成約することもあります。近年は新築マンション価格が高騰し、供給数が減少傾向にあることから、新築時より高額で取り引きされるマンションも見られます。競合物件が少ないことから、やや強気の価格設定をして様子を見るというのも一案です。
築6〜10年のマンション
エリア | 平米単価 | 前期比 |
---|---|---|
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) | 110.6万円 | +8.4% |
東京都区部 | 145.6万円 | +12.9% |
東京多摩 | 76.5万円 | +6.0% |
横浜・川崎 | 91.1万円 | +8.8% |
上記以外の神奈川県 | 69.6万円 | +18.3% |
千葉県 | 64.1万円 | +2.5% |
埼玉県 | 67.4万円 | +6.1% |
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建て住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年04〜06月】」
築6~10年のマンションは、まだまだ「築浅」の部類に入る築年帯です。とはいえ、〜築5年までの物件と比べて価格の下落率も大きいため人気があります。築10年までというと、2010年代に購入したマンションであるはずです。今のマンション価格の高騰は2013年頃から始まったため、購入時より高く売れる可能性もあるでしょう。
築11〜15年のマンション
エリア | 平米単価 | 前期比 |
---|---|---|
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) | 100.4万円 | +12.7% |
東京都区部 | 132.6万円 | +13.3% |
東京多摩 | 74.0万円 | +18.2% |
横浜・川崎 | 78.6万円 | +8.8% |
上記以外の神奈川県 | 57.4万円 | -0.8% |
千葉県 | 58.3万円 | +11.5% |
埼玉県 | 63.3万円 | +2.8% |
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建て住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年04〜06月】」
築11~15年ともなると、一度目の大規模修繕が実施される時期です。大規模修繕は築12〜15年頃に行われるのが一般的なため、大規模修繕の実施の有無が価格や売れやすさに影響する可能性があります。
大規模修繕を終えたマンションは、見た目も良く、適切なタイミングで大規模修繕を実施したこと自体がプラス評価となるため人気があります。大規模修繕が実施されていない場合は、修繕計画などを買主側に示すと良いでしょう。
築16〜20年のマンション
エリア | 平米単価 | 前期比 |
---|---|---|
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) | 85.5万円 | +9.1% |
東京都区部 | 118.5万円 | +8.8% |
東京多摩 | 57.6万円 | +5.5% |
横浜・川崎 | 77.6万円 | +9.3% |
上記以外の神奈川県 | 56.4万円 | +8.3% |
千葉県 | 48.5万円 | +11.5% |
埼玉県 | 49.1万円 | +1.0% |
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建て住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年04〜06月】」
築16~20年頃になると、専有部の劣化や使用感も気になり始めるタイミングです。設備によっては、故障が見られる可能性もあります。ただ、最近では「リフォーム・リノベーションを自分でやりたい」と考える買主も多いため、売却前に必ず改修が必要というわけではありません。少なくとも、不動産会社に相談する前に独断で修繕したり、リフォームしたりすることは避けましょう。手つかずのほうが需要が高いという可能性もあります。
築21〜25年のマンション
エリア | 平米単価 | 前期比 |
---|---|---|
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) | 75.5万円 | +8.2% |
東京都区部 | 103.9万円 | +4.1% |
東京多摩 | 54.7万円 | +5.8% |
横浜・川崎 | 63.9万円 | +9.1% |
上記以外の神奈川県 | 46.8万円 | +14.5% |
千葉県 | 45.5万円 | +15.9% |
埼玉県 | 50.0万円 | +14.8% |
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建て住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年04〜06月】」
築21〜25年というと「古さ」も感じ始められますが、中古マンションの平均築年数は25年前後です。古さを気にする築年帯ではありません。築21〜25年のマンションは、2000年代頃に分譲されたマンションです。この頃のマンションは、24時間喚起システムや床暖房など近代的な設備が導入されている物件も多く、間取りも今のマンションと変わらないタイプも少なくありません。価格も新築時の6〜7割まで落ちていることもあり、取得のしやすさから人気があります。
築26〜30年のマンション
エリア | 平米単価 | 前期比 |
---|---|---|
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) | 61.7万円 | +16.0% |
東京都区部 | 93.8万円 | +7.1% |
東京多摩 | 48.3万円 | +10.2% |
横浜・川崎 | 53.7万円 | +11.9% |
上記以外の神奈川県 | 41.4万円 | +19.4% |
千葉県 | 31.8万円 | +6.7% |
埼玉県 | 40.6万円 | +13.5% |
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建て住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年04〜06月】」
「マンションは築30年頃にほぼ底値になる」といわれていた時代もありますが、今の築30年程度の物件は新耐震基準で建てられており、リフォーム歴がある物件も多いことから立地によっては高い需要があります。
ただ、リフォーム歴がないマンションや郊外のマンションは、高い需要には期待できません。場合によっては、売却手段として「買取」も視野に入れることをおすすめします。
・「マンションの買取」関する記事はこちら マンションの買取とは?買取向きの物件と詳しい売却方法を徹底解説 |
築30年以上のマンション
エリア | 平米単価 | 前期比 |
---|---|---|
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) | 41.9万円 | +2.5% |
東京都区部 | 71.8万円 | +7.1% |
東京多摩 | 30.6万円 | -2.7% |
横浜・川崎 | 35.1万円 | -0.6% |
上記以外の神奈川県 | 25.7万円 | +11.8% |
千葉県 | 20.4万円 | +2.4% |
埼玉県 | 20.4万円 | +2.3% |
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建て住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年04〜06月】」
築30年を超えても、2024年の時点で築42〜43年程度までのマンションは新耐震基準で建てられているため、耐震性としては買主に安心してもらいやすい物件です。ただこれを超えると、耐震工事の有無や大規模修繕歴などが価格や売りやすさに大きく影響してくると考えられます。
旧耐震基準の物件も、都市部や駅近であれば需要は決して低くありません。一方、旧耐震基準かつ郊外のマンションは、どうしても高い需要には期待できないでしょう。ただ、築古物件の買取を得意としている買取業者などであれば買い取ってくれる可能性があります。売却に手間や時間がかかる可能性は否めませんが、今後ますます売れにくくなる可能性が高いことから、早期売却を目指しましょう。
中古戸建ての築年数ごとの最新相場動向と売却のコツ
続いては、中古戸建ての築年数ごとの最新相場動向を見ていきましょう。
東日本不動産流通機構のデータを基に筆者作成
築5年未満の戸建て
エリア | 成約価格 | 前期比 |
---|---|---|
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) | 5,236万円 | +6.6% |
東京都区部 | 7,665万円 | +6.4% |
東京多摩 | 5,133万円 | +2.4% |
横浜・川崎 | 5,226万円 | +10.1% |
上記以外の神奈川県 | 4,420万円 | +4.8% |
千葉県 | 4,363万円 | +12.6% |
埼玉県 | 3,407万円 | -13.4% |
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建て住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年04〜06月】」
戸建てはマンション以上に長く住むことを前提に取得する人が多いため、築5年以下の中古戸建ては非常に希少性が高いといえます。
とくに近年は資材価格や人件費の高騰に加え用地不足も見られることから、条件によっては購入時の価格とそう変わらない金額で取り引きされるケースもあります。築1年と築5年では大きく異なりますが、おおむね購入時から5~10%減が売却相場といえます。
築6〜10年の戸建て
エリア | 成約価格 | 前期比 |
---|---|---|
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) | 5,067万円 | +8.7% |
東京都区部 | 7,753万円 | +16.0% |
東京多摩 | 4,314万円 | -6.8% |
横浜・川崎 | 4,599万円 | -4.5% |
上記以外の神奈川県 | 5,067万円 | +14.3% |
千葉県 | 3,691万円 | -0.5% |
埼玉県 | 3,584万円 | +2.3% |
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建て住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年04〜06月】」
一戸建ては「築10年で建物の価値が半分になる」と言われることもありますが、データを見る限り、半分どころか〜築5年とほぼ変わらない金額で成約しているエリアもあります。先述のとおり、近年はインフレや用地不足などもあって新築戸建てを取得したくても取得できない人が、築10年程度までの築浅物件に流れてきているものと推測されます。
築5〜10年というと外壁や内装に大きな劣化が見られない築年帯ですが、新築時の防蟻処理の効果が落ち始めている時期です。インスペクションなどを実施して見えない部分の安全性も買主に感じてもらうことで、より好条件で売れる可能性が高まる築年帯といえるでしょう。
・「インスペクション」に関する記事はこちら インスペクションとは?メリットや費用、注意点、自治体の補助金を解説 |
築11〜15年の戸建て
エリア | 成約価格 | 前期比 |
---|---|---|
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) | 4,678万円 | -0.3% |
東京都区部 | 6,574万円 | -8.3% |
東京多摩 | 4,361万円 | +1.4% |
横浜・川崎 | 4,996万円 | -1.4% |
上記以外の神奈川県 | 4,130万円 | +7.4% |
千葉県 | 3,737万円 | +16.2% |
埼玉県 | 3,283万円 | +1.5% |
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建て住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年04〜06月】」
一戸建ての場合、築11~15年ともなると、外壁や屋根、屋上やバルコニーの防水加工の塗装が必要になる時期です。築古とはいえない築年帯ですが、メンテナンス状況次第で価格や売れやすさが変わってくる可能性があります。
平均価格は、購入時からの1~2割減程度です。まだまだ高い需要に期待できる築年帯だからこそ、インスペクションによる状況把握やメンテナンスをしたうえで売却することをおすすめします。
築16〜20年の戸建て
エリア | 成約価格 | 前期比 |
---|---|---|
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) | 4,429万円 | +5.2% |
東京都区部 | 7,130万円 | -0.0% |
東京多摩 | 4,108万円 | -6.3% |
横浜・川崎 | 4,449万円 | -6.6% |
上記以外の神奈川県 | 3,568万円 | +2.8% |
千葉県 | 3,018万円 | +5.3% |
埼玉県 | 3,009万円 | +7.9% |
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建て住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年04〜06月】」
「一戸建ては築20年で建物の価値がゼロになる」と言われることもありますが、実際には新築時の2~3割減程度で売却することができているようです。この築年帯の一戸建ては「2000年基準」で建築されていることもあって、耐震性の高さも買主にアピールできます。
ただ、住み方やメンテナンス状況によって状態に差が出てくる築年帯でもあります。必要に応じてリフォームしたり、リフォームプランを付けたりすることも視野に入れて、売却方法を検討していきましょう。
築21〜25年の戸建て
エリア | 成約価格 | 前期比 |
---|---|---|
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) | 4,232万円 | +13.3% |
東京都区部 | 8,146万円 | +29.1% |
東京多摩 | 3,784万円 | +4.7% |
横浜・川崎 | 4,604万円 | +7.1% |
上記以外の神奈川県 | 3,134万円 | -9.9% |
千葉県 | 2,591万円 | -3.1% |
埼玉県 | 2,644万円 | -5.7% |
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建て住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年04〜06月】」
築20年を超えてくると「古い」と感じる方もいるでしょう。ただ、近年の中古戸建ての成約状況を見ると、築年数の平均は22〜23年程度です。したがって「古いから売れない」とは考えにくい築年帯です。とはいえ、郊外や駅から歩けないエリアでは、需要が低減してくる築年帯であることは確かです。エリアや家屋の状態によっては「買取」も視野に入れて売却方法を検討しましょう。
築26〜30年の戸建て
エリア | 成約価格 | 前期比 |
---|---|---|
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) | 3,421万円 | -2.3% |
東京都区部 | 5,991万円 | -8.0% |
東京多摩 | 3,491万円 | +4.7% |
横浜・川崎 | 5,098万円 | +5.0% |
上記以外の神奈川県 | 3,221万円 | -2.4% |
千葉県 | 2,200万円 | +3.9% |
埼玉県 | 2,001万円 | -4.3% |
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建て住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年04〜06月】」
築26〜30年になると、平均成約価格が大きく落ちます。これは、建物が評価されない物件が増えてくることによるものと考えられます。とはいえ、必ずしも建物に価値がつかないというわけではありません。ハウスメーカーによる施工の一戸建てやメンテナンスが行き届いている一戸建ては、建物も評価してもらえる可能性が高いと考えられます。
エリアによっても、価格に大きな差が出る築年帯です。東京都区部や横浜・川崎などの都市部では高額売却も目指せますが、郊外の一戸建てはインスペクションの実施、瑕疵保険の付保、買取、リフォームの実施など、売り方を検討する必要があるでしょう。
・「瑕疵保険」に関する記事はこちら 住宅の瑕疵保険とは?新築・中古・リフォームの保険内容の違いを解説 |
築30年以上の戸建て
エリア | 成約価格 | 前期比 |
---|---|---|
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) | 2,572万円 | +6.2% |
東京都区部 | 5,231万円 | +21.7% |
東京多摩 | 2,874万円 | -0.6% |
横浜・川崎 | 4,011万円 | +5.0% |
上記以外の神奈川県 | 2,665万円 | -3.0% |
千葉県 | 1,451万円 | -1.2% |
埼玉県 | 1,439万円 | +2.8% |
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建て住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年04〜06月】」
築30年を超えてくると、家屋に価値がつかず、ほぼ土地値となる一戸建てが増えてきます。土地として売る場合も、家屋を解体せずに「古家付き土地」として販売することも可能です。また、売却前に家屋を解体してしまうと「住宅用地の特例」の適用が除外され、固定資産税や都市計画税が跳ね上がってしまうため「更地渡し」という引き渡し方法も検討しましょう。
更地渡しとは、売買契約後に家屋を解体し、更地の状態で物件を引き渡す方法です。引き渡し直前に家屋を解体するため、売却活動中は固定資産税や都市計画税が実質的に増税することはありません。
家の売却相場は築年数だけでは決まらない! 適切な調べ方は?
不動産会社が家の査定するときは、公示価格や路線価、固定資産税評価額、類似物件の成約事例など、あらゆるデータをもとに査定額を算出しています。
また、売却相場は需要や供給も大きく影響するため、競合する物件の動向も見逃せません。
ここでは、ある程度簡単に調べられる方法を紹介します。最終的には不動産会社による訪問査定を依頼して、売却相場を確認しましょう。
売りたい家と条件の近い物件情報から調べる
最も簡単な相場の確認方法は、実際に売り出されている物件の中から、売りたい家に近い条件の家を探し、条件などを比較する方法です。売り物件は不動産ポータルサイトや不動産情報誌、チラシなどを使って探します。平米数がまったく同じでなくても、売出し価格を平米数で割れば、平米単価が算出できます。
- 物件A:60㎡・3,000万円
- 物件B:70㎡・3,450万円
- 物件C:65㎡・3,200万円
たとえば、類似している平米数と売り出し価格が上記のようであれば、平米単価は50万円程度が相場と判断できます。
ある程度売り物件の情報が集まれば、この家より「築年数が新しい」や「立地がよい」などの違いを踏まえた比較ができるようになります。類似する物件情報が少ない場合は、同じ沿線などエリアを広げて探してみましょう。
売りたい家と条件の近い成約事例から調べる
類似物件の売り出し価格は相場を推測する際の参考になるものの、売り出し価格と成約価格は必ずしも一致しないという点には注意が必要です。たとえば、3,000万円で売り出している物件が、成約時に2,900万円になるということは往々にして起こります。
したがって、相場を推測するにあたっては、類似物件の売り出し価格ではなく成約価格を参考にしたほうが精度が高くなります。成約価格は、「レインズマーケットインフォメーション」や「不動産情報ライブラリ」というサイトで確認できます。
レインズマーケットインフォメーションでは、マンションと戸建ての成約事例を検索できます。まず、都道府県と地域を入力し、詳細条件を入力するページに飛びます。そして沿線や最寄り駅、面積などを選んで追加検索をかけることによって、売りたい家と条件の近い物件の成約価格や、成約時期などを調べることができます。似ている物件の条件と比べることによって、おおよその売却相場を想定することが可能です。間取りや築年数など、かなり詳細な条件で検索できるので、条件の近い成約事例を探しやすいのが特徴です。
一方、不動産情報ライブラリでは、地図から土地や戸建て、マンションの取引事例を検索できます。取引事例に加え、地価公示や地形情報、防災情報なども確認できます。
不動産会社に査定依頼する
不動産会社に査定を依頼する方法には、大きく2種類の方法があります。実際に家を見せることなく、一定の情報を提供するだけで査定依頼できる「机上査定」と、不動産会社の担当者が、実際に家を現地調査して査定する「訪問査定」です。
ちなみに机上査定はその手軽さから「簡易査定」ともいわれます。時間帯や曜日を気にせず、オンライン上から査定依頼できます。入力にかかる時間も1分程度です。自分で売却相場を調べる必要がありませんので、忙しい人も安心です。
家の売却を検討しているのであれば、まずは机上査定を利用して、売却相場を確認してみましょう。机上査定は家の状態や環境などを考慮しないため、概算価格になります。実際に売却する場合は、必ず訪問査定が必要になります。
まとめ
家の築年数は売却相場に大きく影響します。しかし、築年数だけが相場に影響するわけではありません。立地や市況なども影響するため、相場を確認する際には類似物件の売り出し価格や成約価格も参考にするようにしましょう。
この記事のポイント
- 築5年未満の家の売却相場は?
一戸建ての場合は、おおむね購入時から5~10%減が売却相場といえます。
一戸建てに比べると、マンションは比較的価格の下落率が低く、購入時から5~10%減程度の価格で成約に至るケースが多いでしょう。
詳しくは「築5年未満の家の売却相場」をご覧ください。
- 築21~25年の家の売却相場は?
築21年から25年になると建物の評価はほとんどなくなり、土地値になることもあります。一戸建ての場合、売却相場は新築時の3割~4割減程度となるケースもあります。
なお、築21年から25年のマンションは、リノベーションを検討している人にとって、価格的に手ごろになってくるため、比較的人気があります。売却相場は、新築時の3~4割減程度といえます。
詳しくは「築21~25年の家の売却相場」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
不動産の築年数は売却相場に大きく影響しますが、近年はリフォーム市場が拡大していることもあり「築20年で木造住宅の価値はなくなる」「築40年以上のマンションは古い」といったイメージはなくなりつつあります。
とはいえ、築古物件は築年数以外の部分で価値を見出せなければ、希望する金額や期間では売れない可能性があります。築古物件は、リフォームプランを付けたり、インスペクションを実施したりするなど、古さを補うような施策を講じてみましょう。
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