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内見チェックリストで失敗しない物件選び!あると便利な持ち物も紹介

執筆者プロフィール

竹内 英二
不動産鑑定士

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、住宅ローンアドバイザー、中小企業診断士の資格を保有。

ざっくり要約!

  • 内見チェックリストの大まかな項目としては「専有部の間取りと設備」「共用部分(マンションの場合)」「周辺環境」がある
  • 内見時にはメジャーを忘れずに持っていき、気になるところの寸法を測っておく

住宅の購入で気に入った物件を見つけたら、不動産会社に問い合わせて内見に行きます。
内見はチラシやインターネット広告では分からない情報を得られる貴重な機会であるため、しっかりと準備して臨みたいところです。

また、新築マンションのように、購入前に実際の物件を内見できない住宅もあります。
新築マンションの場合、モデルルームの部屋と自分が購入したい部屋との違いをイメージしながら内見していくこともポイントです。

この記事では、住宅購入前における「内見のチェックリスト」について解説します。

内見チェックリストに欠かせない3項目

この章では、内見で欠かせない項目について解説します。

内見したい部分は、大きく分けて「専有部の間取りと設備」、「共用部分(マンションの場合)」、「周辺環境」があります。

マンションや一戸建ての購入時にはもちろん、賃貸物件の入居希望者の方も役立つ部分がありますので、参考にして頂けると幸いです。

間取り・設備

間取りや設備の確認したい場所とチェックポイントをまとめると下表の通りです。

箇所チェックポイント
部屋の縦横の寸法大きな家具を配置可能か、どの向きに置けるか等
コンセントの数と位置 コンセントの数が十分か、場所は適切か等
床や壁汚れや凹みがないか
廊下や扉の幅引っ越しで大きな家具を持ち込めるか
各部屋の窓風通しは良いか、日は当たるか、北向きの部屋は暗くないか
収納の場所と量各部屋や廊下にあるか、シューズボックスにブーツや傘立ては入るか、全体の収納量は十分か
キッチン広さは十分か、冷蔵庫や食器棚を置くスペースはあるか、動線は移動しやすいか
バス浴室乾燥機や追い炊き機能はあるか、正常に作動するか
洗面台広さは十分か、洗濯機は置けるか
インターフォンモニター付きか、正常に作動するか
バルコニー眺望や日照、周辺建物からの見合いはどうか、広さは十分か

また、確認できるようであれば、以下のような点も分かる範囲でチェックしておくことが望ましいです。

【追加の確認事項】

  • 音漏れ
  • 壁の薄さ
  • 電気を消した時の明るさ
  • 隣人情報
  • インターネット回線の通信速度や回線速度
  • 嫌な臭いがないか
  • 過去のトラブルの有無

共有部分

共有部分の確認したい場所とチェックポイントをまとめると下表の通りです。

箇所チェックポイント
エレベーター本数は少な過ぎないか、部屋の玄関はエレベーターの目の前を避けているか、ベビーカーや車いすが入るか 
部屋の玄関の位置廊下からの若干の引きがあり、ゆとりがあるか
エントランスオートロックになっているか
集合郵便受け・集合掲示板    不要なチラシがポスティングされていないか、掲示板にはどのような注意喚起がなされているか
宅配ボックス宅配ボックスはあるか、ない場合は置き配が可能か
植栽適切に選定がなされているか、落ち葉やゴミは散乱していないか
自転車置場自転車置場の台数は十分か、出し入れはしやすいか
駐車場入出庫しやすいか、パズル式駐車場の場合、雨の日はどのような状態で入出庫をするのか
ゴミ置場きちんと清掃されているか、汚臭がひどくないか、動線は便利か

加えて、集合掲示板の注意喚起事項を見ると、現在マンションで起きている問題を把握できる場合もあります。

周辺環境

周辺環境の確認したい場所とチェックポイントをまとめると下表の通りです。

箇所チェックポイント
駅までの距離駅までの時間はどの程度か、信号待ち等の時間も含めて実際に体感する
生活利便施設の有無食品スーパーはあるか、品揃えは十分か、値段は適正か
公園の有無ファミリー世帯の場合、子供を遊ばせる公園が近くにあるか
騒音・振動・排ガス   前面道路の交通量は多過ぎないか、騒音や振動、排気ガスはひどくないか 
駅から物件までの動線繁華街でいかがわしい店舗がないか、子供やベビーカーは安全に通れるか
月極駐車場物件に車が置けない場合、近くに月極駐車場はあるか、駐車代はいくらか
周辺教育機関小さな子供がいる場合、将来通う可能性のある小学校・中学校の場所が遠すぎないか、通学ルートに危険などはないか

内見チェックリストと併せて活用できる持ち物

内見チェックリストと併せて活用できる持ち物について解説します。

メジャー

内見時に忘れずに持っていきたい最重要アイテムは、メジャーです。
メジャーを持参し、気になるところの寸法は内見時に全て測っておきます。

内見に行く際は、まず今の住戸で保有している大きな家具の寸法を測っておくことがポイントです。ベッドや洋服ダンス、書棚、机等の大型家具、カーテンレール、窓の高さやの横幅と縦幅を図っておきましょう。

ベッド等の大型家具は、引っ越しの際、搬入できないリスクもあります。
内見時は、部屋の扉を普通に開けた状態で、家具を搬入できるかを確認することが望ましいです。

ドアノブの出っ張りが邪魔して家具が通過できない場合がありますので、ドアノブが出ている一番狭い場所の寸法を測っておきます。

家具が搬入できない場合には、扉を取り外して搬入するか、もしくは家具を一度解体して搬入するかといった選択になります。
家具の解体が難しい場合には扉を取り外すことになりますが、その扉は外せるのか、外したら搬入できるのか等を確認することが適切です。

また、各部屋に関しても、大型家具の配置が可能かどうかも確認します。
特に広い家から狭い家に引っ越す場合、大型家具を置くことで他の家具が置けなくなってしまうこともあります。

大型家具を配置した場合、どれだけ部屋を占有し、残りの部分がどの程度の広さになるかを確認しておくことも必要となります。メジャーによっては天井高も確認できるので調べておくと良いでしょう。

なお、以下に紹介するメジャー以外の持参物に関しては、スマートフォンで代替できるものばかりです。
メジャー以外のもので忘れてはならないものは、最近では「スマートフォン」ということなります。

筆記用具

内見時は、メジャーで図った寸法をメモするために、筆記用具を持参することもおすすめします。
寸法だけでなく、気になる点があればメモしておくことが望ましいです。

あらかじめ保有している家具の寸法もメモに残しておくと、現地での照合がしやすくなります。
仮に筆記用具を忘れてしまった場合、スマートフォンのメモ機能が活用できます。

方位磁石

内見では、方位磁石もあった方が望ましいです。
一般的にチラシにはバルコニーの向きが記載されています。
ただし、南向きと記載されていたとしても、真南であることは少なく、南南西または南南東向きであることも多いです。

方位磁石で実際のバルコニーや窓の方位を測っておくことで、日中の日当たりを推測することができます。
例えば、南西向きと記載されているにも関わらず、思ったよりも西南西である場合には、夕方に強い西日が差し込んでくるかもしれません。

なお、方位磁石に関しても、スマートフォンに方位磁石機能があります。
方位磁石を忘れてしまった場合には、スマートフォンの機能を使って確かめることをおすすめします。

懐中電灯

懐中電灯も持参していった方が良いものです。
空き家の状態で売りに出されている物件の中には、照明器具が全て取り外されている物件もあります。
夕方に内見に行く場合、照明のない部屋は室内が暗くて見えないことも多いです。

また、照明のない押入れ等を確認するためにも、懐中電灯はあると便利といえます。

なお、懐中電灯についても、スマートフォンに懐中電灯機能が備わっていることが通常です。

カメラ

カメラも持参していくと便利です。
ただし、売主が住みながら売っている物件等、一部の物件では写真撮影がNGな場合もあります。

写真を撮る際は、売主や不動産会社の営業担当者に撮って良いかを確認することが適切です。
また、カメラもスマートフォンの機能で十分といえます。

地図アプリ

スマートフォンを持っている人は、地図アプリをインストールしている人も多いと思います。
地図アプリがあると、周辺環境を確認しやすいです。

間取り図

物件を見に行く際は、インターネット広告やチラシ等で事前に間取り図を見ている状況が多いと思います。

内見の際は、情報をメモするためにも広告の間取り図も持参していった方が望ましいです。

ただし、営業担当者が立ち会いをする内見では、間取り図は不動産会社の営業担当が持参することがほとんどです。
仮に間取り図を忘れてしまっても、大きな問題はないといえます。

一方で、最近はスマートロックを活用した無人内覧も増えています。
スマートロックとは、インターネットを介して遠方から鍵の開錠・施錠を制御できるキーのことです。
無人内覧の物件は、深夜や不動産会社が休日のときでも見ることができます。

無人内覧の際は、営業担当者の立ち会いはないため、間取り図は忘れずに持参していくことが望ましいです。

内見チェックリストにまつわる注意点

内見に行く際の注意点について解説します。

気になった点は必ず不動産会社に確認

内見時に気になった点や疑問に感じた点があったら、必ず不動産会社に確認しましょう。

「ほんの少しの違和感だから」として見過ごしてしまった部分が、購入後の大きな後悔につながることもあります。

特に、新築マンションのように購入前に実際の物件を内見できない住宅では、各箇所をしっかりチェックすることはもちろん、モデルルームと自分が購入を考えている部屋の違いを具体的にイメージしなければなりません。

内見時に気になる点があったら、そこをしっかりとクリアにした上で購入について判断するようにしましょう。

オンライン内見で確認する方法も

近年は、営業担当者がWebカメラを使い、現地から遠方の内見希望者に視聴してもらうオンライン内見も増えてきています。

オンライン内見は、遠方の物件も確認できてとても便利です。
ただし、オンライン内見は自分で行くことができないため、あらかじめ質問事項を準備し、不動産会社に確認していくようにすると望ましいといえます。

オンライン内見で聞くべきことは、主に以下のような内容です。

  • 部屋の寸法
  • 室内の設備の有無と動作確認
  • コンセントの位置と数
  • 収納スペースの広さ
  • バルコニーからの眺望
  • 柱の場所と大きさ
  • 天井の梁(柱と柱を繋ぐ横架材)の位置

オンライン内見では、カメラをゆっくり回してもらい、360°見せてもらうことがポイントです。

物件によっては、天井の梁が変な位置に飛び出しており、照明が届きにくく部屋が暗くなっているような物件もあります。
オンライン内見だと現地で感じ取れるような違和感を覚えることができないため、あせらずゆっくりと見ることが適切です。

この記事のポイント

内見チェックリストに欠かせない3項目とは?

内見したい部分としては、大きく分けて「専有部の間取りと設備」、「共用部分(マンションの場合)」、「周辺環境」があります。

各箇所のチェックすべき部分を把握しておき、確認漏れのないようにしましょう。

詳しくは「内見チェックリストに欠かせない3項目」をご覧ください。

内見チェックリストと併せて活用できる持ち物は?

内見時に忘れずに持っていきたい最重要アイテムは、メジャーです。

内見時に気になるところの寸法を全て測っておき、部屋の扉を普通に開けた状態で、搬入予定の家具が通れるかどうか確認するようにしましょう。

詳しくは「内見チェックリストと併せて活用できる持ち物」をご覧ください。

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