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賃貸の退去連絡はいつまで?解約時に必要な手続きまとめ

執筆者プロフィール

桜木 理恵
資格情報: Webライター、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。その他信託銀行にて不動産事務として勤務経験あり。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。「宅地建物取引士」「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」「管理業務主任者」所持。

ざっくり要約!

  • 賃貸物件の退去の連絡は「1カ月前まで」に済ませるのが一般的
  • 賃貸の退去連絡時には引っ越し先の家賃発生のタイミングなども併せて確認しておく

賃貸物件を退去する場合、いつまでにどこへ連絡したらよいのでしょうか。

一般的には1ヶ月前に退去の連絡を行う必要がありますが、物件によっては2~3ヶ月前としているケースもあるので注意が必要です。

この記事では、退去連絡の仕方や引っ越しまでの流れ、また解約手続きについて紹介します。

原状回復のルールや、退去連絡にまつわるよくある質問をQ&A形式で解説しますので、これから退去を予定している方はぜひ参考にしてください。

賃貸の退去連絡はいつまで誰にすべき?

賃貸の退去連絡はいつまでに、また誰に対して行えばよいのでしょうか。引っ越しを検討する場合は、事前に退去の手続き方法も確認しておきましょう。

まず退去の連絡をするタイミングや、手続き方法を紹介します。

基本的に退去日から1カ月前までに伝える

賃貸物件の退去の連絡は、「1カ月前まで」としている契約が一般的です。新居へ引っ越しするタイミングを考えて、不動産会社や大家さんへ連絡しましょう。

しかし退去連絡を2~3カ月前としているケースもあるため、早めに確認しておくことをおすすめします。

賃貸契約ごとに解約を申し入れる期日や解約方法は異なると心得て、まずは賃貸契約書を確認しましょう。

ちなみに1カ月前に退去を申し出るか、1カ月分の賃料を支払うことによって契約を終了できると定めていることも多く、その場合は賃料を1カ月分支払うことで即時解約も可能です。

連絡方法は原則として電話

新居への引っ越しが決まったら、まず不動産会社や管理会社へ、電話で退去する旨と解約希望日を伝えます。連絡先がわからない場合は、賃貸借契約書など契約時の書類を確認しましょう。大家さんへ直接連絡するケースもあります。

基本的には電話で連絡した日を「退去を申し入れた日」として受け付けてもらえますが、不動産会社や賃貸物件によっては、解約通知書などの書面が必要になることもあります。実際の手続きは不動産会社等へ確認してください。

賃貸の退去連絡が遅れたらどうなる?

賃貸物件の退去連絡が遅れた場合、その遅れた日数分の家賃を負担しなければなりません。

たとえば1カ月前に退去連絡をするケースでは、5/1に退去する場合は、4/1までに連絡します。もし4/15に退去の連絡した場合は、5/1に退去する場合でも、5/15までは賃料が発生します。

もし解約月の精算が日割精算できる場合は、5/15までの賃料を支払うことになりますが、月割りで清算する場合は、5/31まで賃料を支払わなければなりません。解約月の賃料を、日割精算できるのかも確認しておきましょう。

賃貸の退去連絡から引っ越しまでの流れと手続き

実際に退去連絡をしてから引越しまでの流れや、手続きを紹介します。

1.退去連絡をする

まず、不動産会社や管理会社に退去する旨を、まず電話で連絡します。解約通知書など、書面での届出が必要になるか確認しましょう。

賃貸契約時にメールやLINEでやり取りしている場合でも、基本的には電話で連絡することをおすすめします。まれにアドレスが変わるなどして、解約の連絡が届かないケースがあるからです。

賃貸借契約時に受け取った書類の中に、あらかじめ解約通知書が含まれていることもあります。契約時の書類を確認し、手元にない場合はメールやFAXなどで送ってもらいましょう。

原本を提出が必要になる場合は、郵送もしくは不動産会社へ直接提出します。近年では不動産会社のWebページ上で手続きできる場合もあります。

ちなみに解約通知書には、氏名や連絡先のほか、転居先や解約理由などを記載します。

2.引っ越しの準備をする

退去日が決まったら、早めに引っ越しの準備をします。粗大ごみの回収を依頼する場合、回収までに時間がかかるケースがあります。退去日になって慌てることがないように、計画的に進めましょう。

不要品を部屋に残したまま退去することはできません。不動産会社に処分を依頼できた場合でも、処分費用が発生します。どうしても間に合わない場合は、不用品回収業者などの利用をおすすめします。

また引っ越し業者を利用する場合は、時期によっては混みあう可能性がありますので、早めに相談することをおすすめします。

っ越しの準備と並行して、電気や水道、ガスの解約手続きをします。とくにガスは解約時に立会いが必要になるケースがあるので、どのような手続きが必要になるのか確認しておきましょう。

主な手続きについては、後半の「賃貸の退去連絡にまつわるQ&A」で詳しく紹介します。

3.退去の立ち会いをする

退去の立ち会いは基本的に退去日当日に行いますが、退去日より前でも可能です。不動産会社へその旨を伝えて、立ち会いの日程を決めておきます。

室内の家具や荷物がなくなった状態で、不動産会の担当者や大家さん立ち会いのもと、室内の状態を確認してもらいます。鍵を返却する日になりますので、合鍵も含めて返すことができるように準備しておきましょう。

設備の故障や、目立つ傷などがないか確認し、もし修理や補修するのであれば貸主・借主どちらが負担するのか判断することになります。

借主の故意や過失による汚れや損耗の修復は、借主の費用負担になりますが、経年による劣化や故障の修理は貸主の負担になります。詳しくは、このあとの「原状回復のルール」で解説します。

賃貸の退去連絡時に確認しておきたいポイント

賃貸の退去連絡時に、確認しておきたいポイントを紹介します。

引っ越し先の家賃発生のタイミング

引っ越しをする場合、新居を決めてから退去の連絡をする方が多く、その際は1カ月程度二重に家賃を支払うことになります(1カ月前に退去連絡が必要な場合)。

二重家賃を避けるために、とりあえず解約の連絡をしてしまう方法もあります。しかし退去期日までに希望する新居が見つからない可能性もあり、あまりおすすめできません。

二重家賃となる期間をなるべく短くするために、新居の家賃発生のタイミングをなるべく後ろ倒しにできないか相談してみる方法があります。またフリーレント期間(家賃が発生しない期間)を設けている物件もありますので、まずは不動産会社に相談してみましょう。

原状回復のルール

賃貸物件を退去する際は原状回復しなければならず、多額の費用がかかるのではないかと不安に感じる人は少なくありません。しかし原状回復は厳密にいうと、入居時のようなきれいな状態に戻すことではありません。

なお、原状回復の費用負担について、貸主・借主間でトラブルになるケースが多いため、国土交通省が原状回復に関するガイドラインを公表しています。

そのガイドラインによれば、経年劣化や通常の損耗を修復する費用は貸主の負担とし、借主の故意や過失によって故障や劣化した場合の修復費用は、原則借主の負担するものとしています。

借主が原状回復費用を負担する場合は通常、敷金から差し引かれ、足りない場合は別途請求されます。

敷金から原状回復費用を差し引いても残った分は、指定する口座に後日返金されます。

出典:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン (再改訂版)|国土交通省住宅局

大家側が負担する原状回復費用の例

一般的な経年劣化や通常損耗とされ、大家側(貸主)の負担となるのは以下のようなケースです。

  • カレンダーやポスターを掲示したためにできた、画鋲の穴やクロスの変色
  • 家具を長期間置いたことによりできたジュータンや畳のへこみ
  • 経年劣化による給湯器やエアコンなど設備の故障
  • 冷蔵庫やテレビを置いたことでできた、クロスの黒ずみ(電気ヤケ)
  • 紫外線によるフローリングや畳の色あせ

借主側が負担する原状回復費用の例

借主側の負担となる可能性がある損耗や劣化は、以下のようなケースです。

  • ペット飼育禁止にもかかわらず、ペット飼育した際に生じた汚れやニオイ
  • 結露によって濡れた床を拭かず、長期間放置したことによる床の変色
  • 喫煙を禁止しているのにもかかわらず、タバコを喫煙したことによるクロスの黄ばみ
  • 子どもの落書きや、引っ越しのときにできた壁や床の傷
  • 清掃を怠ったことにより故障したエアコン

賃貸の退去連絡にまつわるQ&A

賃貸の退去連絡にまつわる、よくある質問にお答えします。

賃貸の退去連絡後、退去のキャンセルはできる?

退去を申し出た段階で、不動産会社や大家さんは原状回復工事を工務店などに発注し、入居者の募集も開始します。

したがって退去連絡後に退去のキャンセルや、退去日の変更は原則できません。退去を申し出るときは、よく考えてから連絡しましょう。

やむをえない場合などに相談することはできますが、原則キャンセルはできないと心得ましょう。

賃貸の退去連絡と併せて確認しておきたい手続きは?

退去や引っ越しに際して、必要になる主な手続きは以下の通りです。リストアップするなどしてチェックし、忘れないようにしましょう。

電気・水道・ガスの解約

電気や水道、ガスなどのインフラの解約手続きを、電話やインターネットを利用して行います。賃貸物件によっては、ガスの解約に立ち会いが必要になることもあります。

住民票の転出届

転居に際して、住民票を異動する必要があります。役所へ転出届を提出し、「転出証明書」を取得しておきます。転居先で転入届を提出する際に必要になる書類です。

郵便物の転送届

郵便局へ転送届を提出し、郵便物を新居へ転送してもらう手続きをします。郵便局の窓口のほか、インターネットでも手続き可能です。

届出の日から1年間、無料で転送してもらうことができます。

火災保険の解約

賃貸借契約をする場合は通常、火災保険に加入しますが、賃貸借契約を解約するタイミング(残りの契約期間)によっては保険料の一部が返金されます。

賃貸物件を解約しても、自動的に解約にはなりません。忘れないように解約の手続きを行いましょう。

運転免許証やクレジットカードなどの住所変更

運転免許証やクレジットカードなどの住所変更が必要です。たとえば運転免許証の住所変更は、新居の住所を管轄する警察署や運転免許更新センターなどで「運転免許証記載事項変更届」を提出して行います。

クレジットカードの住所変更手続きはカード会社によって多少異なりますが、電話やWeb上で変更することができます。

固定電話やインターネットの引っ越し手続き

NTTの固定電話を利用している場合は116に連絡するか、インターネットから引っ越し手続きが可能です。インターネットのプロバイダーの引っ越し手続きも忘れないようにしましょう。

賃貸を短期で退去すると違約金が求められることがある?

賃貸借契約は契約期間を2年間としているケースが一般的ですが、借主は事前に退去の連絡をすれば、期間満了前に解約することは可能です。

しかし一定期間賃料が無料となる特約付きの物件(フリーレント物件)は、契約期間満了前に解約すると違約金が発生することがあります。

フリーレント物件以外でも、特約を定めているケースがあります。退去を検討する場合は、事前に賃貸借契約書や特約、解約方法などを確認するようにしましょう。

この記事のポイント

賃貸の退去連絡時に確認しておきたいポイントは?

賃貸の退去連絡時には、引っ越し先の家賃発生のタイミングを確認しておきましょう。場合によっては、住んでいた物件と引っ越し先に一定期間、二重に家賃を支払うことになります。

加えて原状回復のルールも確認しておきましょう。厳密にいうと、原状回復とは入居時のようなきれいな状態に戻すことではありません。

詳しくは「賃貸の退去連絡時に確認しておきたいポイント」をご覧ください。

賃貸の退去連絡後、退去のキャンセルはできる?

退去を申し出た段階で、不動産会社や大家さんは原状回復工事を工務店などに発注し、入居者の募集も開始します。

したがって退去連絡後に退去のキャンセルや、退去日の変更は原則できません。

詳しくは「賃貸の退去連絡にまつわるQ&A」をご覧ください。

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