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内覧会で役立つ持ち物は?戸建て・マンション別のチェックリストを紹介

執筆者プロフィール

桜木 理恵
資格情報: Webライター、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。その他信託銀行にて不動産事務として勤務経験あり。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。「宅地建物取引士」「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」「管理業務主任者」所持。

ざっくり要約!

  • 内覧会では建物が図面通り完成しているか、また傷や汚れがないか確認し、気になる点があったら指摘する
  • 内覧会では確認すべき基本事項を事前にリストアップしておき、効率よくチェックできるようにしておく

内覧会とは、新築マンションや新築戸建て住宅の購入者を対象にした、竣工検査を兼ねたいわばお披露目会です。新築物件は建物が完成する前に購入することが多く、通常は内覧会で初めて完成後の状態を確認することになります。

この記事では、内覧会で確認すべき基本事項と、持参すべき持ち物について解説します。またマンションと戸建て別にチェックすべき項目も紹介しますので、内覧会へ行く際はぜひ参考にしてください。

内覧会とは

内覧会とは、新築物件の購入者を対象とした、引渡し前の竣工検査です。また引っ越し後に備えて室内を確認できる貴重な機会でもあるため、当日に備えて準備しておきたいものです。

まずは内覧会の意味と重要性、当日確認すべき基本事項について解説します。

内覧会の意味と重要性

内覧会は、新築マンションや新築戸建て住宅が完成して、初めて内覧できる機会になります。

建物が図面通り完成しているか、また傷や汚れがないか確認し、気になる点は内覧会で指摘するようにします。

不具合などがあれば、引渡しまでに補修するなど対応してもらうことができます。入居後でも基本的には不具合を補修してもらうことは可能ですが、傷や汚れが引渡し前にできたものであると証明することは難しいものです。

したがって、なるべく内覧会でチェックするのが望ましいでしょう。

内覧会で確認すべき基本事項

内覧会は建物の種別や規模によっても異なりますが、2~4時間かかるのが一般的です。
長いようにも感じますが、建物の外部も確認するとなると、効率よくチェックしないと時間が足りなくなることもあります。

内覧会で確認すべき基本事項をリストアップしておき、当日は効率よくチェックできるようにします。また想定よりも時間がかかる可能性があります。内覧会の後に予定は入れないようにし、余裕をもって出掛けるようにしましょう。

内覧会で確認すべき基本事項は下記のとおりです。

  • 設計図通り完成しているか
  • ドアや窓、扉などの開閉に問題がないか
  • 床が水平であるかどうか(床鳴りするか)
  • 給湯器やレンジフードなどの設備機器がきちんと作動するか
  • 水圧が弱すぎないか・水漏れしていないか
  • 気になる傷や汚れがないか
  • オプションで依頼したものが施工・設置されているか
  • 大きな家具を搬入・設置できるか(有効間口や寸法を測っておく)

内覧会で役立つ持ち物9つ

内覧会で建物を確認する際は、以下のものを持参することをおすすめします。不動産会社や売主が用意していることもありますが、スムーズに進めるためにも事前に準備しておくと安心です。

間取り図・設計図

設計図通りに施工されているか確認しながら、傷や汚れが気になる箇所があれば、後日チェックできるように書き込んでおくと便利です。また、家具を置くために測った寸法を記入しておきましょう。

スケール(メジャー)

大きな家具を置く場合は、置く予定の場所に収まるか確認するためにも、スケールを持参して測っておきましょう。

裁縫用のメジャーではなく、金属製のスケールだと測りやすいのでおすすめです。

また室内だけでなく、搬入経路の有効間口も採寸しておきましょう。

デジタルカメラ・スマートフォン

現地で実際に見て確認したとしても、意外と忘れてしまうものです。

できれば「引き」と「寄り」の写真を撮っておき、後で見返せるようにしましょう。

また内覧の様子を、ビデオで撮っておくのもおすすめです。

筆記用具・メモ

間取図に書き込んだり、気になることをメモしたりするために、筆記用具とメモ用紙を持参しましょう。また設備の仕様方法など、聞き取りしたことも箇条書きでよいのでメモしておきます。

方位磁石(コンパス)

間取図に方位が記されていることが多いですが、実際の方位と合っているか確認するために方位磁石を持参しましょう。方位磁石は100円ショップなどでも入手できますが、スマートフォンのアプリにもあります。必要に応じて、ダウンロードしておきましょう。

水平器

床が水平かどうか確認したい場合は、水平器を用意しましょう。
部屋の中心と隅の床が水平かどうか確認することで、欠陥や施工不良の有無をチェックできます。

水平器はホームセンターなどで入手できますが、スマートフォンのアプリにもあります。

懐中電灯

内覧会は基本的に昼間の明るい時間帯に行いますが、電気が使えないこともあります。
床下や天井裏を確認するときは、懐中電灯があると便利です。

スマートフォンにも電灯の機能が備わっていることがありますが、充電切れしないように注意しましょう。

マスキングテープ・付箋

気になる傷や汚れの箇所を示すために、マスキングテープや付箋があると便利です。不動産会社や売主が用意していることもありますが、もし準備できるようであれば持参しましょう。気兼ねなく印すことができ、スムーズに竣工検査を進めることができます。

スリッパ・靴下

内覧会には通常スリッパが用意されていますが、衛生上使い捨てタイプのスリッパであることも多く、歩きにくいことがあります。また薄手のスリッパの場合は、冬場は寒く感じることもあるでしょう。心配な方は自分でスリッパを用意し、足元が汚れることもあるため、靴下を用意しておくのもおすすめです。

【マンション・戸建て別】内覧会で使えるチェックリスト

マンションと戸建てで、チェックすべきポイントが多少異なります。内覧会を効率よく進めるためにも、事前にチェックリストを作成して確認するようにしましょう。

マンション・戸建て購入者向け共通のチェックリスト

まずマンションと戸建てに共通する、おもな確認すべきポイントは次の通りです。

  • 設計図通りに施工されているか
  • ドアや窓、扉が問題なく開閉できるか
  • 床が水平である・床鳴りしないか
  • 設備機器が問題なく作動するか(異音がしない)
  • 水圧が適度である・水漏れがないか
  • 気になる傷や汚れがないか
  • オプションが施工・設置されているか

マンション購入者向けのチェックリスト

マンションならではの、内覧会で確認すべきポイントは次の通りです。

  • 下がり天井の位置や天井の高さが図面通りであるか
  • ユニットバスの点検口から天井裏を確認したか(ゴミや施工不良を確認)
  • バルコニーの防水シートの施工不良がないか
  • 共用部分や共用施設の施工状態を確認したか

戸建て購入者向けのチェックリスト

戸建てならではの、内覧会で確認すべきポイントは次の通りです。

  • 境界標や境界石があるか
  • 天井裏や床下を確認したか(ゴミや施工不良の有無を確認)
  • 外構や植栽の施工状態を確認したか
  • 床下や屋根裏にゴミや施工不良の箇所がないか

内覧会当日の流れとポイント

最後に内覧会の当日の流れと、ポイントを紹介します。実際の流れを把握しておくことで、時間が足りなくなることを防げます。また不具合を見逃さないためにも、チェックリストを用意して当日は臨みましょう。

内覧会当日の一般的なスケジュール

内覧会は、通常は売主(デベロッパーや建売業者)が対応しますが、施工会社の担当者や設備メーカーが同行することもあります。

一般的なスケジュールは、以下の通りです。通常2~4時間程度かかりますが、想定よりも長くなることもあります。内覧当日は他の予定を入れないようにし、ある程度時間をかけて建物をチェックするようにしてください。

  1. 約束の場所に集合する
  2. 担当者から内覧会の流れについて説明
  3. 担当者による設備機器の取り扱い説明・作動確認
  4. 修繕予定箇所について説明を受ける
  5. 購入者による竣工検査(傷や汚れなどのチェック)
  6. 必要に応じて採寸や写真撮影
  7. 再度内覧する日程の調整

当日は動きやすい服装でOK

内覧会当日は、なるべく動きやすい服装にしましょう。かがんで床下をのぞき込んだり、狭い通路を歩いたりする可能性もあるため、女性はパンツスタイルがおすすめです。また汚れても、簡単に洗濯できる服を選びましょう。

内覧会は空調が効いていないことを想定し、とくに冬場は防寒対策も考えて服装を選んでおくようにします。また小さい子どもがいる場合は、汚したり汗をかいたりすることがあるため、着替えやタオルを用意しておくと安心でしょう。

専門家による立ち会い・同行してもらう方法も

不具合や施工不良を指摘することが難しいと感じる方には、住宅の専門家が内覧に同行し、建物をチェックしてもらうサービスがあります。

費用は広さや内容によっても異なりますが、5万円前後が相場です。

排水管の水漏れやバルコニーの勾配不足など、専門的な知識がない者にとって、施工不良を見抜くのは容易なことではありません。とくに売主の対応に違和感があるときは、プロに依頼することも視野に入れましょう。

最近では内覧会の同行サービスを行う専門会社も増えているようですが、金額だけでなく実績や口コミも確認して依頼するようにしましょう。

この記事のポイント

内覧会ではどこをどんなふうに確認する?

内覧会で確認すべき基本事項は下記のとおりです。

  • 設計図通り完成しているか
  • ドアや窓、扉などの開閉に問題がないか
  • 床が水平であるかどうか(床鳴りするか)
  • 給湯器やレンジフードなどの設備機器がきちんと作動するか
  • 水圧が弱すぎないか・水漏れしていないか
  • 気になる傷や汚れがないか
  • オプションで依頼したものが施工・設置されているか
  • 大きな家具を搬入・設置できるか(有効間口や寸法を測っておく)

詳しくは「内覧会とは」をご覧ください。

内覧会に行く予定があるけど、専門知識がないので不安な場合はどうしたらいい?

不具合や施工不良を指摘することが難しいと感じる方には、住宅の専門家が内覧に同行し、建物をチェックしてもらうサービスがあります。

費用は広さや内容によっても異なりますが、5万円前後が相場です。

詳しくは「内覧会当日の流れとポイント」をご覧ください。

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