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マンションを賃貸に出す方法は?利益や費用、ローンの注意点も解説

執筆者プロフィール

桜木 理恵
資格情報: Webライター、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。その他信託銀行にて不動産事務として勤務経験あり。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。「宅地建物取引士」「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」「管理業務主任者」所持。

ざっくり要約!

  • マンションを貸し出すことにより、資産として所有しながら家賃収入を得られる
  • マンションを貸し出すことで家賃収入を得た場合、その所得に応じて税金がかかる

住まなくなったマンションの活用方法として、賃貸に出すという選択肢があります。マンションを売却せずとも、収入を得られるのがメリットです。しかし注意すべき点もあるため、よく把握したうえで決定するようにしましょう。

この記事では、所有するマンションを賃貸に出すメリット・デメリットと、注意すべきポイントを解説します。

また実際に賃貸に出す流れや、損しないために実践すべき税金対策も紹介します。マンションの貸し出しを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

マンションを賃貸に出すメリットとは?

まずマンションを賃貸に出すことで得られる、4つのメリットを紹介します。

家賃収入を得られる

マンションは売却してしまえば、資産を売却することになります。
しかしマンションを貸し出す場合は、資産として所有しながら家賃収入を得られます。

管理に多少手間はかかるものの、一度入居者が決まれば、安定的な収入を期待できるでしょう。不動産投資は不労所得ともいえ、多くの方が期待するメリットの1つです。

比較的高額で貸し出しできる

一般的な賃貸マンションと比べて、分譲マンションは仕様や設備のグレードが高いため、比較的高額で貸し出すことができます。

もちろんエリアによって相場は異なりますが、想定よりも高く賃貸できたというケースも少なくありません。まずは不動産会社へ相談し、貸し出した場合の家賃について査定してもらいましょう。

物件の維持管理にかかる費用を節約できる

家賃収入は不動産所得であり、家賃を得るためにかかった費用は、経費として計上できます。つまり家賃収入として得た所得から、リフォームや修理にかかった費用などを差し引きことができるのです。

ちなみに不動産会社へ支払う管理費や固定資産税、ローンの金利なども計上することでき、節税できます。

ローンの返済を進められる

毎月家賃収入を得ることができれば、ローンの返済に充てることができます。まとまった資金が必要でないのであれば、急いで売却する必要はないかもしれません。

しかし住宅ローンは、契約者やその家族が住む住宅を購入するためのローンです。金融機関の許可がない場合、原則としてマンションを貸し出す場合は利用できません。

不動産投資ローンに切り替える必要があるため、まずは金融機関に相談し利用可否や切り替え後の金利などをよく確認するようにしましょう。

住宅ローンは他のローンに比べて金利も低く設定されていることもあり、契約違反をした場合は一括返済を求められる可能性があるので注意しましょう。

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マンションを賃貸に出すことにはデメリットもある

マンションを賃貸に出すデメリットは、おもに以下のような点です。あらかじめ対応すべきことを想定しておきましょう。

  • 設備の故障やトラブルが発生時には対応する必要がある
  • 固定資産税や管理費、修繕積立金などがかかる
  • 住宅ローン控除が適用されない
  • 空き家になると家賃収入を得られない

マンションを賃貸に出す方法

マンションを賃貸に出す場合、どのように進めたらよいのでしょうか。実際の流れをイメージできるように、一般的な手順を5つのステップで紹介します。

1.不動産屋や管理会社を探す

個人がマンションを貸し出す場合、不動産会社や管理会社に依頼するのが一般的です。個人が不動産会社などを介さずに貸すこと自体は問題ありませんが、法律や専門的知識が必要になります。

ノウハウがない場合は、不動産会社など専門家に依頼することをおすすめします。

不動産会社によっては賃貸物件を扱っていない場合もあるため、まずは賃貸物件を扱っているか相談してみましょう。

2.貸し出す方法を選ぶ

次にマンションを貸し出す方法を選びます。

普通賃貸借契約と定期借家契約、サブリースの3つの方法がありますが、それぞれ特徴が異なります。

よく理解したうえで、自分に合った貸し出し方法を選ぶようにしましょう。

普通賃貸借契約
普通賃貸借契約とは、入居者が希望すれば更新ができる賃貸借契約です。通常2年に一度更新します。老朽化による建て替えなど、正当な理由がなければ貸主側が更新を拒むことはできません。一般的な賃貸借契約といえますが、一度貸し出すと入居者の立ち退きに苦労する可能性があるため注意が必要です。

定期借家契約
定期借家契約とは、期間を定めて貸し出す賃貸借契約です。契約期間の満了とともに契約は終了しますが、双方の合意があれば再度契約を結ぶことは可能です。あらかじめ期間を限定できるため、将来的に売却や自ら住む可能性がある方に向いています。しかし借りる側にとってはメリットが少ないので、入居者探しに苦労するかもしれません。

サブリース
サブリースとは、貸主が不動産会社にマンションを貸し出し、不動産会社が入居者を募集する方法です。サブリースには家賃の10%~20%程度の手数料がかかりますが、空室保証や滞納保証がついているケースが多く、家賃収入が安定するのがメリットです。ただし契約によって保証内容が異なるため、条件や特約などをよく確認するようにしましょう。

3.リフォームやハウスクリーニングを行う

マンションを貸し出す前に、通常リフォームやハウスクリーニングが必要になります。また故障している設備があれば、修理や交換が必要です。

リフォームが必要な箇所やかかる費用については不動産会社や管理会社に相談し、可能であれば工務店やリフォーム会社を紹介してもらいましょう。

4.入居者の募集

マンションのリフォームやハウスクリーニングが完了したら、賃料や条件を設定し、入居者を募集します。

実際には不動産会社や管理会社が募集をするため、貸主が内覧に立ち会うことはありません。

いつでも内覧してもらえるように、依頼する会社へ鍵を1本貸し出すのが一般的です。

5.入居者が決まったら手数料を支払う

入居者が決まったら入居審査を行い、問題がなければ賃貸借契約を締結します。

基本的には、不動産会社が賃貸借契約書の準備から部屋の引き渡しまで行います。

契約が無事に成立したら、不動産会社へ所定の手数料を支払います。

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マンションを賃貸に出す際の契約の注意点

入居者の住まい方によって、部屋の汚れ方は異なります。想定していなかった使い方をされないためにも、賃貸借契約書に禁止事項として特記することをおすすめします。たとえばペット飼育不可や喫煙禁止などとするのが一般的です。

借主の故意や過失による汚れや毀損は、借主の費用負担で原状回復するのが一般的ですが、責任の所在をはっきりするために貸し出す前の写真を残しておくとよいでしょう。

ほかにも騒音問題を起こさないように楽器の演奏禁止や、火災になることを防ぐために石油ストーブの使用を禁止することもあります。トラブルを軽減するためにも不動産会社に相談し、契約書に禁止事項を盛り込んでもらいましょう。

マンションを賃貸に出す際の費用

マンションを貸し出す場合、費用や税金がかかります。どのような費用や税金がかかるのか把握し、ある程度試算しておきましょう。

管理委託料

不動産会社などへマンションの管理を依頼する場合は、管理委託料がかかります。

家賃の5%~10%が相場ですが、依頼先や契約内容によって異なります。

確定申告時に経費として計上できるため、事前に試算しておきましょう。

ハウスクリーニング・リフォーム費用

マンションを貸し出す前に、ある程度きれいな状態にするのが一般的です。
フルリフォームをする必要はありませんが、汚れや劣化具合で費用が多額になることもあります。どの程度ハウスクリーニングやリフォームをすればよいのか、不動産会社に相談しましょう。

所得税

家賃収入や給与以外の収入の合計金額が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要です。

なお所得から経費を差し引くことができるため、かかった経費はわかるようにしておきましょう。

不動産所得=家賃収入-かかった経費

不動産所得と給与所得を合算した額に対して所得税がかかりますが、所得が高ければ高いほど税率も高くなる累進課税方式です。課税対象となる所得金額に対する所得税額は、以下の速算表を使用することで求められます。

課税される所得金額税率控除額
1,000円 から 1,949,000円まで5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円

住民税

所得が増えることで、住民税も課税されます。

課税所得に対して税率10%が課税されます。マンションの家賃収入を得ることで翌年の住民税も増えるので、翌年の納税に備えておきましょう。

固定資産税・都市計画税

固定資産税と都市計画税は、1月1日の所有者が納税義務者です。

つまりマンションを貸し出しても、納税義務者に変わりはありません。

管理費・修繕積立金

マンションを貸し出しても、管理費と修繕積立金の支払いは続きます。なお駐車場や駐輪場を入居者が借りた場合は、通常入居者が支払うことになります。

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マンションを賃貸に出す際の税金対策

マンションを貸し出すことで家賃収入を得た場合、その所得に応じて税金がかかります。マンションの貸し出しにかかった経費は収入から差し引くことができるため、経費はもれなく計上することで節税できます。

たとえば以下のような経費を計上できます。

  • ハウスクリーニング代・リフォーム代
  • 設備の修繕費
  • 不動産会社へ支払った手数料(管理委託費や仲介手数料)
  • 税理士へ支払った報酬
  • ローンの利子
  • 固定資産税等
  • 火災保険などの保険料
  • 減価償却費
  • 水道光熱費
  • 不動産会社や税理士との打ち合わせにかかった交通費や通信費

不動産所得は翌年に確定申告をして申告・納税することになりますが、青色申告を行うことで10万円~65万円の青色申告特別控除を受けることができます。

その場合は「所得税の青色申告承認申請書」と「開業届」を税務署に提出する必要があるため、なるべく早めに手続きをしましょう。

なお65万円の控除を受けるためには、事業的な規模であると認められる必要があり、マンションを1室貸し出す場合は原則10万円の控除になります。

この記事のポイント

マンションを賃貸に出すメリットとは?

一般的な賃貸マンションと比べて、分譲マンションは仕様や設備のグレードが高いため、比較的高額で貸し出すことができます。

もちろんエリアによって相場は異なりますが、想定よりも高く賃貸できたというケースも少なくありません。

詳しくは「マンションを賃貸に出すメリットとは?」をご覧ください。

マンションを賃貸に出すことのデメリットは?

設備の故障やトラブルが発生時には対応する必要がある、固定資産税や管理費、修繕積立金などがかかるなどのデメリットがあります。

詳しくは「マンションを賃貸に出すことにはデメリットもある」をご覧ください。

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