更新日:  

老後にマンション購入は後悔する?メリット・デメリットを詳しく解説

執筆者プロフィール

桜木 理恵
資格情報: Webライター、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。その他信託銀行にて不動産事務として勤務経験あり。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。「宅地建物取引士」「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」「管理業務主任者」所持。

ざっくり要約!

  • 老後にマンションを購入した場合、初期費用が予想以上にかかったなどの理由で後悔することがある
  • マンションはセキュリティがしっかりしている傾向があり、老後は一戸建てよりも安心して暮らせると感じる方が多い

子どもの独立や定年退職などライフスタイルの変化にともなって、マンション購入を検討しているという方は多いのではないでしょうか。

しかし一方で「マンションを購入したことを後悔しないか心配」と、一歩踏み出せないでいるという方も少なくないでしょう。

老後にマンションを購入して後悔しているとすれば、どのようなことが要因になっているのでしょうか。

この記事では、マンションを購入して後悔する理由と、老後にマンションを購入するメリットについて解説します。

老後のマンション購入で後悔する理由とは

老後にマンションを購入して後悔するとしたら、どのようなことが理由として考えられるのでしょうか。とくに後悔の原因となりやすいポイントを5つ紹介します。

初期費用が予想以上にかかった

不動産を購入する場合、物件購入費用以外に諸費用がかかります。たとえば不動産会社へ支払う仲介手数料や売買契約書に貼付する印紙代、所有権移転登記費用などです。

購入する物件によってかかる諸費用は異なりますが、売買代金の7%~10%を目安としましょう。たとえば3,000万円のマンションであれば、総額で3,210万円~3,300万円になります。

資金計画を立てる際に諸費用を含めておけば問題ありませんが、購入にかかる費用を見誤ると、老後の資金として蓄えていた資金から諸費用を捻出しなければならず、家計に大きく影響するかもしれません。

また家の売却にも、仲介手数料や印紙代などがかかります。住み替えする場合は、購入と売却にかかる費用の両方を試算しておきましょう。もし計算が難しい場合は、不動産会社へ相談することをおすすめします。

ローンや管理費等の支払いができるか不安

住宅ローンは80歳で完済することを条件にしている金融機関が多く、年齢によっては借入期間が短くなり、その分月々の返済額が大きくなる傾向があります。

またマンションに住む場合は管理費や修繕積立金、車を所有している場合は駐車場代もかかります。毎月支払いに追われてしまい、マンション購入を後悔するというケースもあるでしょう。

マンションを購入する場合は、住宅ローン以外の支出も考慮して資金計画を立てましょう。

マンションでの生活が合わない

マンションに暮らしたことがない方、もしくは一戸建てでの暮らしが長い方にとっては、マンションでの生活が合わず、転居したことを後悔するかもしれません。

マンションは共同住宅です。一戸建てに比べて隣家との距離が近く、足音など生活音が気になることもあるでしょう。また共用廊下で住人と顔を合わせることも多く、その都度挨拶することを煩わしいと感じてしまう方にとっては、精神的に負担となるかもしれません。

マンション購入前に実際に生活することイメージをし、マンションでの生活が自分に合っているのか考えてみましょう。

住環境の変化がストレスに

住み慣れた街からマンションがある街へ転居することで、住環境が変化します。引っ越し先によっては、日々買い物する商業施設や通院先なども探し直さなければなりません。

またコミュニティや人付き合いも変わるため、人によっては少なからずストレスを感じる可能性があります。

一戸建てからマンションに引っ越す場合は住まい方も変化するため、転居先エリアの選定にも気をつける必要があるでしょう。

災害時にエレベーターが使えない

地震などの災害時は、エレベーターが使えないことを想定しておきましょう。スムーズに避難できず、不安を感じるおそれがあります。また復旧までに数日かかることもあり、足腰に不安を覚える方はとくに注意が必要です。

とくにタワーマンションなどの高層階の場合は、エレベーターが使えないと大変苦労します。
災害時などには、災害物資を持った状態で階段を上がらなくてなりません。

また今は元気で問題はなくても、将来的に困る可能性はあります。購入してから後悔しないためにも、階段を使う可能性も想定しておきましょう。

老後のマンション暮らしは賃貸の方がいい?

老後のマンション暮らしは、賃貸と購入どちらがよいのでしょうか。賃貸のメリットとデメリットについて考えてみましょう。

賃貸マンションに住むメリット

賃貸マンションに住む主なメリットは、以下のとおりです。

  • 相続問題を気にする必要がない
  • 固定資産税や都市計画税がかからない

固定資産税や都市計画税がかからず、相続問題も発生しません。

身軽でいたい方には賃貸マンションが向いているでしょう。

賃貸マンションに住むデメリット

賃貸マンションに住む主なメリットは、以下のとおりです。

  • 子どもに財産として残せない
  • 毎月家賃や管理費を支払わなくてはならない
  • 自由にリフォームできない

賃貸マンションは毎月家賃や管理費を支払い続けることになりますが、資産としては何も残りません。

マンション購入の場合、毎月住宅ローンを支払うことで最終的には自分のものになると考えれば、賃貸は少々もったいないと感じる方もいるでしょう。

老後は一戸建ての購入の方がいい?

老後はマンション住まいよりも、一戸建ての方がよいのでしょうか。一戸建て購入のメリットとデメリットを紹介します。

老後に一戸建てに住むメリット

老後に一戸建てに住むメリットを、以下のとおり紹介します。

  • 管理費や修繕積立金がかからない
  • リフォーム改修、解体などを自分の都合でできる
  • 建物が老朽化しても土地が残る

一戸建てを維持するために費用はかかりますが、マンションのように毎月管理費や修繕積立金はかかりません。

マンションは専有部分であってもリフォーム内容が制限される可能性がありますが、一戸建ては好きなようにリフォームや改修、解体もできるのがメリットです。

更地にしてから売却するなど、売却方法もバリエーションが多いのも特徴といえます。

老後に一戸建てに住むデメリット

老後に一戸建てに住むデメリットを、以下のとおり紹介します。

  • 構造的に段差や階段がある
  • 建物内だけでなく敷地内も自分で維持管理する必要がある
  • マンションに比べて交通の利便性が劣る傾向がある

建物の維持や敷地内の管理をすべて自分で行う必要があり、マンションに比べて手間がかかるのがデメリットです。また修理や改修にかかる費用を想定し、貯蓄しておく必要もあります。

さらに、マンションに比べて交通の利便性が劣る傾向があり、エリアによっては日々の買い物や通院に苦労する可能性があります。

老後にマンションを購入するメリットは?

老後にマンションを購入することで後悔する方もいれば、大きなメリットを感じて満足している方もいるのも確かです。

老後にマンションを購入することで得られる、おもなメリットを3つ紹介します。

セキュリティがしっかりしている

マンションはセキュリティがしっかりしている傾向があり、一戸建てよりも安心して暮らせると感じる方が多いでしょう。

たとえばオートロックや監視カメラが設置されているマンションであれば、防犯面も安心です。

また災害時の物資の備蓄や、有事に備えて消防訓練を実施しているマンションもあります。

マンションを購入する際は、セキュリティ対策や管理組合の取り組みなども確認してみましょう。

メンテナンスや掃除が楽

メゾネットタイプのマンション以外は、基本的にはフラットな構造です。室内に段差が少ないこともあり、一戸建てに比べて掃除や洗濯物を干すのも楽だと感じるでしょう。

またマンションは、共用廊下やエントランス部分などは通常清掃員が清掃するため、庭先も掃除しなければならない一戸建てに比べて手間がかかりません。24時間ゴミステーションにゴミを捨てられるマンションも多く、その場合は回収日までゴミを保管する必要もありません。

外装や共用部分の補修や大規模修繕は管理組合が計画するため、メンテナンスについて一人で悩むようなこともありません。

メンテナンスや掃除になるべく手間を掛けたくない方は、一戸建てよりもマンションの方が向いているともいえるでしょう。

立地の利便性が高い

マンションは駅や商業施設の近くにあるケースが多く、一戸建てに比べて利便性が高いのが特徴です。

日々の買い物や通院なども便利なケースが多く、車を利用しなければならないシチュエーションも減る可能性があります。

将来的に免許の返納を検討している方は、利便性が高いマンションの方が安心だと感じるでしょう。

老後のマンション購入で後悔しないためのコツ

マンションを老後に購入しても、後悔しないためのコツを3つ紹介します。直近でマンション購入を検討している方だけでなく、将来的に住み替えを検討している方もぜひ参考にしてください。

資金は余裕を持って確保する

老後のマンション購入は、資金に余裕をもって計画しましょう。

年齢によっては住宅ローンの借入期間が短くなり、月々の返済額が高くなる傾向があります。

購入時にはなるべく自己資金を用意し、無理のない返済を心がけましょう。

支払い計画はライフプランを踏まえて考える

教育資金や老後資金など、将来必要になる資金を想定し、住宅ローンの返済計画を立てましょう。

マンションに住む場合は管理費や修繕積立金がかかり、またマンションの年数に応じて増額する傾向があります。

またマンションが建て替えとなった場合は、一時金が必要になる可能性もあり、ある程度余裕を持っておくことが重要です。

安全性の高い間取りや設備を選ぶ

マンションは一戸建て比べて室内に段差が少ない傾向にありますが、築年数や仕様によっては段差があるタイプもあります。とくに浴室での転倒事故は多いため、浴槽の高さにも注意しましょう。

また中にはホームセキュリティが付いているマンションや、管理人が常駐のマンションもあります。

セキュリティ面が充実しているマンションであれば、老後の暮らしもより安心できるでしょう。

この記事のポイント

老後にマンションを購入するメリットは?

マンションはセキュリティがしっかりしている傾向があり、老後は一戸建てよりも安心して暮らせると感じる方が多いでしょう。

またマンションは駅や商業施設の近くにあるケースが多く、一戸建てに比べて利便性が高いのが特徴です。

詳しくは「老後にマンションを購入するメリットは?」をご覧ください。

老後のマンション購入で後悔しないためのコツは?

老後のマンション購入は、資金に余裕をもって計画しましょう。

年齢によっては住宅ローンの借入期間が短くなり、月々の返済額が高くなる傾向があります。購入時にはなるべく自己資金を用意し、無理のない返済を心がけましょう。

詳しくは「老後のマンション購入で後悔しないためのコツ」をご覧ください。

シニアの住まい選び 専用相談窓口

ご自宅の売却からお住み替え先のご紹介、介護・資金のことまでまるごとお答えいたします。

リバブル シニアの住みかえサロン

logo不動産のプロに
無料で相談してみませんか

初めての不動産購入から売却まで、トータルサポート致します。法務・税務関係の難しい内容についてもお気軽にご相談ください。