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家を売却する平均期間はどのくらい? 売れないときの対処法も解説

執筆者プロフィール

桜木 理恵
資格情報: Webライター、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。その他信託銀行にて不動産事務として勤務経験あり。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。「宅地建物取引士」「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」「管理業務主任者」所持。

ざっくり要約!

  • 家の売却には平均で3~6か月かかるといわれているが、それ以上長引くことも少なくない
  • 家の売却が長引く理由のひとつとして、売却価格が相場よりも高いことが考えられる

家を売りに出しても、すぐ売却できるとは限りません。「自宅はいつになったら売却できるのだろう」と、実際に不安を感じている方は多いことでしょう。

家の売却にかかる期間は、平均6カ月といわれています。もちろんすぐ売却できることもあれば、それ以上に長引くこともあります。

今回は、家の売却が平均的な期間よりも長引く理由と、早く売却するためにしておきたいことを解説します。

想定以上に長引いてしまったときの対処法も紹介しますので、これから家を売却する方だけでなく、現在売れずに困っている方もぜひ参考にして、早期売却を目指しましょう。

家の売却にかかる平均期間は6カ月

家の売却にかかる平均期間

家の売却には平均で3~6カ月かかるといわれています。マンションの方が比較的早くて3か月、戸建ては6カ月が一般的な目安ですが、それ以上に長引くことも少なくありません。

築年数が古い場合や、需要が少ないエリアについては年単位の時間がかかることもあります。
長期戦になることも、ある程度想定しておきましょう。

一般的にかかる期間の内訳は、次のとおりです。

1.準備期間査定依頼~媒介契約締結まで2週間~1か月
2.売却活動売却活動開始~売買契約締結まで3か月~売れるまで
3.決済・引き渡し売買契約締結後~決済・引き渡しまで1か月~2か月

不動産会社に査定を依頼して、媒介契約を締結するまでに2週間~1カ月、売却活動を始めてから売買契約締結までに3カ月~売れるまで、その後残代金決済・引渡しまでに1カ月~2カ月です。

家の売却が平均期間より長引くおもな理由5つ

家の売却が平均期間より長引くおもな理由5つ

家の売却が平均的な期間よりも長引くときは、何かしら原因があるはずです。この章では、売却期間が長引いてしまうおもな理由を5つ紹介します。

1.不動産会社の営業力が弱い

家がスムーズに売れるかどうかは、不動産会社の営業力次第といわざるをえません。担当者の営業スキルが不足している、もしくはモチベーションが下がっている状態では、買い手が見つかりづらく、早期売却は望めないでしょう。

また不動産売却には知識はもちろんのこと、コミュニケーション力や誠実さも必要です。大手不動産会社で実績が豊富であったとしても、担当者に大きな問題がある場合は、トラブルに発展することもあるでしょう。

家を売却するときは、不動産会社の営業力と担当者のスキルを確認し、信頼できる相手なのかどうかも見極めましょう。

2.家の売却価格が相場より高い

家の売却が長引く理由として、売却価格が相場よりも高いことが考えられます。

売り手としては、少しでも高く売却したいと考えるのが普通です。しかし高すぎる価格設定は、売却までに時間がかかってしまう要因になり、長期化すると売れ残り感が出てしまいます。

家は適正価格で売り出すことが重要です。そして早期売却を目指すことが、結局は高値での売却につながりやすくなります。

かならずしも査定額で売り出す必要はありませんが、売り出し価格は不動産会社とよく相談したうえで設定しましょう。

3.売り出すタイミングが悪い

不動産は、売り出すタイミングが重要です。子どもの新入学や新学期に合わせて3月中の引っ越しを希望する人が多く、需要が低い時期に売り出してしまうと、売却に苦労するかもしれません。

可能であれば家の需要が高まる2月~3月に売却できるように、年末頃から売却準備を始めましょう。

もし時期的に2月~3月頃に合わせるのが難しい場合は、9月~10月もおすすめです。

梅雨どきから夏の暑い時期は、家を探す人が比較的少なくなりますが、秋になると会社の転勤や移動もあり、家を探す人が増える傾向にあります。

季節以外にも、競合となりそうな物件が多く売りに出ているタイミングで売り出してしまうと、値下げ合戦になりかねません。また地域によって売れやすい時期が異なることがあります。売り出すタイミングについては、不動産会社に相談するようにしましょう。

4.物件に問題がある

家の条件によっては、売却までに時間がかかるおそれがあります。

築年数が古い、屋根や外壁の劣化が目立つ、駅から離れている立地、近くにスーパーや商業施設がないなど、一般的に人気があるとは言えない要件が重なっている場合は、売却期間が長引くおそれがあります。

家の魅力をいま一度考えてリストアップし、不動産会社と共有しておくとよいでしょう。内覧の際に購入希望者に対して、また広告でも上手にアピールしてもらうようにします。

5.内覧時の対応がよくない

内覧件数が比較的多いのにもかかわらず、成約に結びつかない場合は、内覧時の対応が悪い可能性があります。対応を見直し、場合によっては改めるべきことがないか、担当者に相談するのもよいでしょう。

内覧に備えて家をできるだけきれいに清掃し、室内の整理整頓も心がけましょう。とくに水回りが汚れていると印象が悪く、部屋が散らかっていると実際よりも狭く感じます。

また購入希望者から質問があったときは快く回答し、購入後の生活がイメージできるように情報を提供します。

このとき、過度にアピールをしすぎないように注意してください。売主の印象が悪いと、購入物件の候補から外されてしまうことがあります。

家を早く売るためにしておきたいこと4つ

家を早く売るためにしておきたいこと

次に家をできるだけスムーズ売るために、売却時に押さえておきたいポイントを4つ紹介します。

1.家の売却タイミングを考える

不動産が売れるかどうかは、需要の有無が大きく影響します。

家をスムーズに売却するためにも、売れやすい2月~3月か、9月~10月に合わせて売り出しましょう。

売却までに時間がかかると売れ残り感が出てしまい、結局売るために値下げをせざるを得なくなることがあります。家の売却は需要が高まるタイミングに合わせるようにし、短期決戦を目指しましょう。

2.適切な価格を設定する

適正価格で売り出すことで、平均的な期間で売却できる可能性が高くなります。

複数の不動産会社に査定依頼して、査定額を算出した根拠も説明してもらいましょう。複数の査定書を比較することで、適正価格を把握できるようになります。

不動産会社の中には、より多くの媒介契約を結ぶために、相場よりも高い査定額を提案することがあります。高すぎる査定額には注意し、査定の過程で信頼できると感じた不動産会社へ売却を依頼しましょう。

3.売却したい物件やエリアに強い不動産会社を選ぶ

家が早期に売れるかどうかは、不動産会社の営業力によるところが大きいため、売却したい物件やエリアに強い不動産会社に依頼しましょう。

実は不動産会社によって、得意な物件やエリアが異なります。たとえばマンションを売却したいときは、マンション売却が得意で、同じエリアで販売実績が多い不動産会社を選びます。たとえばマンションの近くに不動産会社の店舗があるかどうかでも、エリアに強いかどうかは判断できます。

不動産会社のホームページを見ることで、得意とする不動産の種別やエリアが推測できることもありますが、わからないときは担当者に同じマンション内や近隣で売却実績があるのか聞いてみましょう。

4.ハウスクリーニングする

室内の汚れが目立つ場合や、忙しくて清掃が難しいときは、ハウスクリーニングの実施を検討しましょう。ハウスクリーニングとは、掃除のプロが素人には難しいレベルの清掃をしてくれるサービスです。

家の売却に際して、かならずしもハウスクリーニングは必須ではありませんが、室内を清潔な状態にすることで第一印象がよくなり、売れやすくなる効果を期待できます。

不動産会社によっては媒介契約を結んだ売主に対し、ハウスクリーニングをサービスとして提供、もしくは割引価格で紹介していることがあります。

ハウスクリーニングを検討する場合は、まずは担当者に相談することをおすすめします。

家の売却期間が長引いたときの効果的な対処法3選

家の売却期間が長引いたときの効果的な対処法3選

家の売却が平均期間よりも長引いてしまったときは、何らかの対処が必要です。ここでは、値下げ以外のおもな対処法を3つ紹介します。

1.不動産会社に買い取ってもらう

仲介での売却が難しい場合は、買取による売却を検討しましょう。

買取とは、不動産会社が再販することを目的として家を買い取ることをいいます。仲介による売却よりも安くなりますが、短期間での売却が可能です。

売却したい時期が決まっている場合や、住み替えなどで早く現金化したいときは買取がおすすめです。

不動産会社によって、買取価格や引き渡し条件が異なります。複数の不動産会社に相談し、契約不適合責任を免責にできるかも含めて交渉してみましょう。

契約不適合責任とは、売買契約で定めた状態や数量が異なるときに、売主が買主に対して負う責任のことです。瑕疵の度合いによっては、契約解除や損害賠償請求、代金の減額請求されることがあるので注意が必要です。

2.不動産会社を変える

3カ月程度経っても売却できないときは、不動産会社の変更を検討しましょう。内覧者数が極端に少ない場合は、不動産会社の力不足が考えられます。

これまでの広告活動や内覧者数、今後の見通しなどを確認し、媒介契約が切れるタイミングで決断するようにしてください。

たとえば専任媒介契約存続中に売主の都合で解約し、その後他社で成約に至った場合、状況によってはそれまでにかかった広告費を請求される可能性があります。

3.内覧対応を見直す

内覧件数は多いのにもかかわらず、思うような結果に至らない場合は内覧対応を見直しましょう。たとえば内覧日や時間帯を限定せず、土日や祝日も内覧できるようにしてください。

内覧に備えて室内を掃除し、とくに汚れが目立つ水回りは念入りに清掃しましょう。室内は日頃から整理整頓し、不要なものがあれば早めに処分して、室内が広く感じられるように工夫します。

内覧前にはニオイ対策として窓を開けて換気し、消臭スプレーも活用してみてください。カビがニオイの原因になることもあります。シューズクロークは拭き掃除も含めて掃除しておくとよいでしょう。

内覧時に家のメリットを伝えることは重要ですが、売り込み感が強くならないように注意しましょう。

内覧は、家族全員で迎える必要はありません。人数が多すぎると、内覧希望者が遠慮してしまうことがあります。1人から2人程度で対応するのがおすすめです。

ライターからのワンポイントアドバイス

ライターからのワンポイントアドバイス 家,売却,平均期間

家の売却は長期化すると、家族にとってストレスになることがあります。毎週末内覧の予定が入ってしまうと家族で外出できず、子どもから不満の声が出ることもあるでしょう。

不動産会社の担当者と良好な関係性を築けると、不安を軽減できることがあります。不動産会社の実績やスキルも重要ですが、担当者との相性も含めて依頼先を決定しましょう。

今回紹介した売却が長期化している要因や、売れないときの対処法を参考にして、ぜひ早期成約を目指してください。

この記事のポイント

家の売却が平均期間より長引く理由は?

家がスムーズに売れるかどうかは、不動産会社の営業力次第といわざるをえません。

担当者の営業スキルが不足している、もしくはモチベーションが下がっている状態では、買い手が見つかりづらく、早期売却は望めないでしょう。

また不動産売却には知識はもちろんのこと、コミュニケーション力や誠実さも必要です。

大手不動産会社で実績が豊富であったとしても、担当者に大きな問題がある場合は、トラブルに発展することもあるでしょう。

詳しくは「家の売却が平均期間より長引くおもな理由5つ」をご覧ください。

家の売却期間が長引いたときの効果的な対処法は?

家の売却が平均期間よりも長引いてしまったときは、何らかの対処が必要です。たとえば仲介での売却が難しい場合は、買取による売却を検討しましょう。

買取とは、不動産会社が再販することを目的として家を買い取ることをいいます。仲介による売却よりも安くなりますが、短期間での売却が可能です。

売却したい時期が決まっている場合や、住み替えなどで早く現金化したいときは買取がおすすめです。

詳しくは「家の売却期間が長引いたときの効果的な対処法3選」をご覧ください。

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