不動産買取,デメリット
更新日:  

不動産買取のデメリットとは?よくあるトラブルや対処法まとめ

執筆者プロフィール

竹内 英二
不動産鑑定士

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、住宅ローンアドバイザー、中小企業診断士の資格を保有。

ざっくり要約!

  • 不動産買取とは転売を目的とした買取会社(不動産会社)に不動産を直接売る売却方法
  • 不動産買取は価格が安くなる点がデメリットで、売却価格は仲介の7~9割程度となる

不動産買取の最大のデメリットは、売却価格が安くなるという点です。
不動産は元々の金額が高いことから、価格が2~3割安くなってしまうだけで数百~数千万円の損失をしてしまうことがあります。

100円のものを80円で売るのとは桁が違うため、価格が安くなるというデメリットは慎重に受け入れなければなりません。

不動産の売却は高く売れる仲介を利用することが一般的であり、買取はやむを得ない事情があるときに利用されることがほとんどです。
この記事では、「不動産買取のデメリット」について解説します。

不動産買取とは

不動産買取とは

買取とは、転売を目的とした買取会社(不動産会社)に不動産を直接売る売却方法のことです。

買取会社は、買い取った不動産を転売することで利益を得ます。

買取会社が転売するときの価格は、いわゆる仲介で売却したときの市場価格です。
仲介とは、不動産会社のあっせんを通じて、最終消費者に不動産を市場価格で売る方法のことを指します。

買取会社は転売時に転売益を確保する必要があることから、売主からは下取り価格で物件を購入します。

そのため、買取は売却価格が安くなる点が最大の特徴です。

一般的に買取というと、ほとんどは買取会社が買主となる自社買取のことを指します。
自社買取は買取会社との売買であり、仲介ではないため、不動産会社に対して支払う仲介手数料は発生しません。

一方で、一部の不動産会社の中には、買取会社に仲介することを買取と称している会社も存在します。

買取の仲介を利用してしまうと、買取で安く売るのに仲介手数料が生じてしまう点が注意点です。

仲介手数料を発生させたくない場合には、自社買取を行っている買取会社に買取を依頼する必要があります。

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不動産買取のおもなデメリット3つ

不動産買取のおもなデメリット

不動産買取には、いくつかデメリットや注意すべき点があります。
ここでは、不動産買取のおもなデメリットを紹介します。

1.価格が安くなる

不動産買取は、価格が安くなる点がデメリットです。
買取の売却価格は、仲介の売却価格の7~9割程度となります。

買取会社は、一般的に1割程度の転売益を得ることを目標としているため、リフォーム等をせずにそのまま転売できる物件であれば仲介の9割程度で買い取ることもあります。

また、買い取った後のリフォーム費用に関しては、物件価格の1割程度に抑えることを目標にしている会社も多いです。

そのため、1割のリフォーム費用と1割の転売益を差し引くと、仲介の8割程度の金額が買取金額となることもよくあります。

ただし、リフォーム費用は固定額となることが多いことから、物件価格に対する割合は元々の物件価格の金額によって変化します。

例えば、リフォーム費用が400万円の場合、4,000万円の物件に対しては1割ですが、2,000万円の物件に対しては2割です。

そのため、元々の物件価格が安い物件ほど仲介との価格差が大きくなり、金額の安い物件では買取価格が仲介の6~7割程度になってしまうこともあります。

買取は仲介よりも価格が安くなりますが、その安くなる理由の内訳は売主に示されないことがほとんどです。

仲介の売却価格との差額はブラックボックスであるため、買取の提示額に納得感を得にくい点もデメリットといえます。

2.買取する不動産会社が少ない

買取は実施している会社が少なく、不動産会社を選びにくい点もデメリットです。

仲介であればほとんどの不動産会社が行っていますが、買取は行っているとは限らないため、査定を依頼する際は買取も対応可能かどうかを確認する必要があります。

また、買取は買取会社がその地域の相場を熟知していないと難しいビジネスであるため、買取会社は買い取る地域を限定していることがほとんどです。

そのため、不動産会社が少ない地域では、買取会社が見つからないケースもあります。

3.条件により買取されない可能性がある

買取のデメリットは、条件によっては買い取ってもらえない物件もあるという点です。
買い取ってもらえない可能性がある典型的な物件としては、田舎の古家付物件が挙げられます。

古家付物件は、買取会社が買い取った後、古家を取り壊して更地にしてから転売することが通常です。

都市部の古家付物件であれば、更地価格が高いため、買取会社が取り壊し費用を回収することができます。

そのため、都市部の古家付物件であれば買取会社も買い取ることが可能です。

一方で、田舎の古家付物件の場合、更地価格が安いため、更地価格よりも取り壊し費用の方が高くなってしまうこともあります。

取り壊し費用や修繕費用等が転売時に回収できない物件の場合には、買い取ってもらえないことが多いです。

不動産買取のおもなメリット2つ

不動産買取のおもなメリット2つ

不動産買取にもメリットはあります。
この章では、不動産買取のメリットを紹介します。

1.現金化が早い

買取のメリットは、現金化が早いという点が挙げられます。

買取は、借金返済のためにやむを得ず利用する人が多いです。
借金返済は緊急性を要することが多いため、不動産をすぐに現金化できる買取のメリットは大きいといえます。

2.契約不適合責任が免除される

買取は、一般的に契約不適合責任を免除してもらえるケースが多い点がメリットです。

契約不適合責任とは、「契約の目的とは異なるものを売ったときに、売却後、売主が買主から修繕や契約解除、損害賠償等を追及される可能性のある売主責任」を指します。

仲介では、売主が物件の不具合を買主に告げず、売買契約書に不具合と契約不適合責任の免責を記載していない場合には、売却後に売主は買主から契約不適合責任を問われる可能性があります。

そのため、仲介では売主が物件の不具合に注意を払うことが求められます。

一方で、買取では売主の契約不適合責任は全て免責することを条件に、買取会社が物件を購入してくれることが一般的です。

そのため、売主は物件に不具合があったとしても気兼ねなく売却することができ、売却後に責任を問われなくて済むという安心感があります。

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不動産買取で見られるトラブルと対処法

不動産買取で見られるトラブルと対処法

不動産買取では、トラブルが発生するケースがあります。
トラブルに遭遇しないためには、トラブル事例を知っておくことが適切です。

相場よりも極端に安い金額で買い取られた

買取では、相場よりも極端に安い金額で買い取られたというトラブルもあります。

買取の相場は、仲介の価格の8割がストライクゾーンのど真ん中です。
7割だと安め、9割だとかなり良い条件というイメージになります。

そのため、仲介の6割以下の価格が提示された場合は、若干安過ぎる印象が出てきます。
仲介の6割以下の価格が提示された場合、まずは根拠を確認することが必要です。

ただし古家付物件の場合、条件によっては解体費用が高額になるため、仲介の5割であっても妥当な金額となることもあります。

売却価格のトラブルを避けるためには、仲介と買取の両方を行っている会社に対し、仲介と買取の2つの査定を依頼することをおすすめします。

一度に仲介と買取の2つの査定額を取れば、仲介の相場もわかりますし、買取価格が安過ぎないかチェックもできますので一石二鳥です。

できれば、2社以上の不動産会社に仲介と買取の両方の査定を依頼することをおすすめします。

査定時より買取価格を下げられる

買取では、契約の段階になって査定時より買取価格を下げられるというトラブルもあります。

買取では、査定書に提示された金額の条件が記載されていることが多いです。
例えば、「家具等を残置する場合には、別途、家具の処分費用を差し引きます」等の注意書きが記載されていることがよくあります。

査定額が3,000万円だとしても家具の処分費用に100万円かかる場合には、実際の売却金額は2,900万円になるということです。

対策としては、まずは査定書に記載されている条件をしっかりチェックすることが必要となります。

価格が減額される条件があれば、いくらくらい減額される可能性があるのかを確認することも重要です。

追加費用を請求された

買取では、追加費用を請求されるというトラブルもあります。

例えば、自社買取ではなく買取の仲介を依頼してしまった場合には、仲介手数料を請求されます。

自社買取であれば、基本的に買取会社から費用が請求されることはありません。

仲介手数料を発生させたくない場合には、自社買取の買取会社に買取を依頼することが対策です。

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不動産買取のトラブルを避けるコツ3選

不動産買取のトラブルを避けるコツ

買取のトラブルは、ある程度避けることができます。
この章では、買取でトラブルを避けるコツについて解説します。

1.売却価格の相場を把握しておく

価格のトラブルに関しては、仲介の相場を把握しておくことが対策です。

マンションや更地であれば、物件の広告サイトで類似の物件の売り出し価格を見ることで相場をある程度把握できます。

一方で、戸建ては、相場の把握が難しいことも多いです。

相場が把握しにくい物件の場合には、仲介と買取の両方を行っている会社に対し、仲介と買取の2つの査定を依頼するのが効果的な対策となります。

2.複数の業者に相談し信頼できるところを選ぶ

買取のトラブルを避けるためには、複数の業者に相談し信頼できるところを選ぶことが適切です。

例えば、社歴が長く実績が豊富な会社や大手の会社、担当者が誠実で丁寧な会社、査定額の根拠をわかりやすく説明してくれる会社等が信頼できる会社といえます。

また、複数の会社に査定を依頼することで、買取価格の相場も把握できるため、価格のトラブルも避けやすくなります。

3.不動産買取業者に任せきりにしない

トラブルを避けるには、買取会社の任せきりにしないことも重要となります。
まずは疑問点があれば、些細なことでも質問して解消することが望ましいです。

買取では、引っ越し時期を調整できるかも重要なポイントです。

すぐにお金が欲しいけれどもすぐに引っ越せない場合には、引っ越し時期の調整が可能かどうかも確認し、自分が求める条件を満たせる会社を選ぶべきといえます。

・「マンション売却の仲介と買取」に関する記事はこちら
マンション売却時は仲介と買取どちらを選ぶ?物件の向き・不向きも紹介
・「不動産売却の仲介と買取」に関する記事はこちら
不動産売却の仲介と買取の違いは?物件ごとの向き・不向きも解説

この記事のポイント

不動産買取のデメリットは?

不動産買取は、価格が安くなる点がデメリットです。買取の売却価格は、仲介の売却価格の7~9割程度となります。
買取は仲介よりも価格が安くなりますが、その安くなる理由の内訳は売主に示されないことがほとんどです。仲介の売却価格との差額はブラックボックスであるため、買取の提示額に納得感を得にくい点もデメリットといえます。

詳しくは「不動産買取のおもなデメリット3つ」をご覧ください。

不動産買取で見られるトラブルは?

買取では、相場よりも極端に安い金額で買い取られたというトラブルが起こることがあります。買取の相場は、仲介の価格の8割がストライクゾーンのど真ん中です。7割だと安め、9割だとかなり良い条件というイメージになります。
そのため、仲介の6割以下の価格が提示された場合は、若干安過ぎる印象が出てきます。仲介の6割以下の価格が提示された場合、まずは根拠を確認することが必要です。

詳しくは「不動産買取で見られるトラブルと対処法」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

買取の主なデメリットは価格が安くなることですが、その感じ方は相対的です。元々の金額が1億円もするような物件であれば感じるデメリットは強いですが、元々の金額が1,000万円を下回るような物件であれば感じるデメリットは弱まります。そのため、元々の金額が安い物件の方が買取を選択しやすいです。例えば事故物件のように金額が安く、売却が極めて困難な物件であれば買取のメリットを感じやすいといえます。

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