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マンション査定は登録不要で受けられる!匿名査定のメリット・デメリットとは

執筆者プロフィール

竹内 英二
不動産鑑定士

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、住宅ローンアドバイザー、中小企業診断士の資格を保有。

ざっくり要約!

  • 匿名査定はAI等の技術が用いられており、瞬時に価格がわかることがメリット
  • 〇個人情報が登録不要の匿名査定は査定結果が必ずしも正確ではない点に注意

不動産の価格を簡単に知る方法として、個人情報の登録不要で利用できる匿名査定があります。
自分のマンションの価格を知りたい方は、とりあえず匿名査定を利用するのも一つです。

一般的にインターネット上の匿名査定はメールアドレス以外の個人情報は登録不要であることから、気軽に利用することができます。
匿名査定とは、どのようなものなのでしょうか。
この記事では、「登録不要のマンション査定」について解説します。

マンション査定を登録不要で受けられる「匿名査定」

マンション査定を登録不要で受けられる「匿名査定」

匿名査定とは、インターネット上で利用できる無料の査定シミュレーターのことです。

査定シミュレーターは、メールアドレスの入力は必要ですが、氏名や住所、電話番号等の個人情報を登録せずに利用でき、匿名性が高いことから「匿名査定」と呼ばれています。

匿名査定はAI等の技術が用いられており、瞬時に価格がわかることがメリットです。
全てコンピューターによって査定が行われ、不動産会社の営業担当者等の人間が一切関与しない点が特徴となっています。

また、システムによっては、マンション名だけを入力すれば価格が表示されるサービスもあり、利用にあたっての入力項目も簡素なものが多いです。

なお、匿名査定はマンション専門のサービスが多いですが、一部に戸建て用の匿名サービスも存在します。

戸建てにも対応している匿名査定の場合には、入力項目として物件の種類や面積、構造、築年数等の指定が必要な場合もあります。

マンションの査定で登録不要の匿名査定を利用するメリット

マンションの査定で登録不要の匿名査定を利用するメリット

マンションの匿名査定には、いくつもメリットが存在します。
この章では、匿名査定の主なメリットについて解説します。

営業をかけられる心配がない

個人情報が登録不要の匿名査定は、営業をかけられる心配がない点がメリットです。

匿名査定以外の簡易査定(机上査定)や訪問査定では、利用するにあたり氏名や住所、電話番号を登録する必要があります。

簡易査定とは、不動産会社の営業担当者が物件を見ずに机上で行う査定のことです。
訪問査定とは、不動産会社の営業担当者が実際に物件を見たうえで行う査定を指します。

簡易査定や訪問査定は、不動産会社が仲介を受注するために行う営業行為の一環であることから無料査定であり、利用すると営業電話がかかってくることが通常です。

そのため、簡易査定や訪問査定は売却する予定がないのに利用することは避けるべきといえます。

一方で、匿名査定は電話番号を知られずに利用できることから、利用後に営業電話などがかかってくることはありません。
そのため、匿名査定なら売却する予定がなくても利用ができます。

査定価格がスムーズにわかる

個人情報が登録不要の匿名査定は、査定価格が瞬時にわかる点がメリットです。
必要事項を入力してクリックすると、瞬時に査定結果が表示されます。

簡易査定や訪問査定は、結果が出るまで数日かかることが一般的です。
簡易査定であれば翌日、訪問査定であれば翌日から1週間程度の時間が必要となります。

また、簡易査定や訪問査定は深夜や休日は対応してくれませんが、匿名査定であれば深夜や休日でも価格を知ることができます。

マンション査定で登録不要の匿名査定を利用するデメリット

マンション査定で登録不要の匿名査定を利用するデメリット

マンションの匿名査定には、デメリットも存在します。
この章では、匿名査定の主なメリットについて解説します。

査定の精度は高くない

個人情報が登録不要の匿名査定は、精度が高くない点がデメリットです。まず、戸建ての匿名査定はかなり精度が低いです。

匿名査定では、戸建ての査定に必要な情報を十分に得られないことから、査定結果が実態とはかけ離れたものとなってしまうことがよくあります。

そのため、戸建ての匿名査定サービスは少なく、ほとんどの匿名査定がマンション専用となっています。

マンションの匿名査定は、戸建てよりは精度は高いです。
ただし、マンションの匿名査定は利用するシステムによって結果にバラつきがあります。

マンションの匿名査定は全てが精度は低いわけではありませんが、一部には精度の低いシステムも存在するため、全体として匿名査定は精度が低いという印象となっています。

価格が算出されないことがある

匿名査定は、システムによっては査定できないマンションも存在します。
マンションの匿名査定は、首都圏や大阪圏等の大都市圏を対象としたシステムが多いため、地方のマンションは査定できないこともよくあります。

また、首都圏を対象としたシステムであっても、小規模なマンションや築浅マンションといった過去の売買事例が少ないマンションは対象外となっていることも多いです。

マンション査定で登録不要の匿名査定を利用する際の注意点

マンション査定で登録不要の匿名査定を利用するデメリット

マンションの匿名査定は便利ですが、いくつか注意点もあります。
ここでは、おもな注意点について解説します。

査定額は必ずしも正確ではない

個人情報が登録不要の匿名査定は、査定結果が必ずしも正確ではない点が注意点となります。

まず、匿名査定は査定結果が幅で表示されるシステムが多いです。
「〇〇万円~〇〇万円」と表示されるため、価格を把握しにくくなっています。

中には価格の幅が1,000万円以上も開いた形で表示されるシステムも存在します。

また、多くの匿名査定は、査定結果が高めに表示されることが多い印象です。

匿名査定は自社の簡易査定や訪問査定に誘導するために提供されているシステムも多く、高めの価格

営業メールが届くことがある

システムによっては匿名査定を利用すると、営業メールが届くことがあります。
営業メールといっても、メルマガであることがほとんどです。
不必要であれば、配信拒否の手続きを行う必要があります。

売却時には改めて不動産会社に査定を依頼する必要がある

匿名査定だけでは不動産会社に本当に売却したいことが伝わらないため、売却時には改めて不動産会社に査定を依頼することが必要です。

不動産会社に依頼する査定には、簡易査定と訪問査定の2種類があります。
簡易査定は、売却する意思がある程度決まっている段階で利用することが適切です。
訪問査定は、売却の意思が固まっている段階で利用することが適切となります。

特に段階を踏んで査定を依頼する必要はないため、時間がない場合には最初から訪問査定を利用しても構いません。

査定の精度は、高い順から並べると訪問査定、簡易査定、匿名査定となります。
マンションを損せず確実に売るには、安過ぎず高過ぎない適正な価格で売り出すことが必要です。

適正な売り出し価格を設定するには、最も精度の高い査定結果を知る必要があり、売却するのであれば訪問査定が必須となります。

マンション査定ができる匿名査定と一括査定の主な違い

マンション査定ができる匿名査定と一括査定の主な違い

インターネットで依頼できる査定には、個人情報が登録不要の匿名査定の他に一括査定もあります。
この章では、匿名査定と一括査定の違いについて解説します。

一括査定とは

一括査定とは、複数の不動産会社に無料で査定を依頼できるサービスのことです。
一括査定は、基本的には訪問査定を一括で申し込めるサービスですが、最近は簡易査定も一括で申し込みができるサービスも増えてきました。

簡易査定も訪問査定も、不動産会社の営業担当者が行う査定であるため、一括査定を利用すれば不動産会社を探す手間を省くことができます。

一括査定はマンションだけでなく、戸建てや土地、アパート等のさまざまな種別の不動産で利用できるサービスが多いです。

いずれの種別であっても、不動産会社の営業担当者が査定を行うため、精度の高い査定結果を得られる点が特徴です。

また、一括査定では、物件の種別や住所、面積、間取り、築年数、氏名、電話番号、メールアドレス等の物件情報や個人情報も入力する必要があります。

一括査定サイトで訪問査定を申し込めば、不動産会社から訪問日の日程調整の電話がかかってきます。
例えば、最大6社に同時に査定依頼ができる一括査定であれば、最大6社から電話がかかってくるということです。

匿名査定との違い

一括査定と匿名査定の違いは、一括査定は電話番号等の個人情報の登録が必要である点であるのに対し、匿名査定は電話番号等の個人情報の登録は不要であるという点です。

それに伴い、一括査定では営業電話がかかってきますが、匿名査定では営業電話はかかってきません。

また、一括査定は査定結果を得るまで一定の時間がかかりますが、匿名査定は瞬時に査定結果を知ることができます。

一方で、一括査定は簡易査定と訪問査定を依頼できることから精度の高い結果を得ることができますが、匿名査定は精度の高い結果は得にくいです。

一括査定のメリット・デメリット

一括査定のメリットは、不動産会社を探す手間や依頼する手間が省けるという点です。
その結果、簡単に査定結果を比較検証することができます。

一方で、一括査定のデメリットは、どのような不動産会社に依頼できるのかわからないサービスが多いという点です。

一括査定を利用すると、サービスが不十分な不動産会社に査定が依頼されてしまうこともあるため、どんな会社なのかを事前に調べるべきだったと後悔してしまうこともあります。

近年の不動産会社は、仲介を依頼するとさまざまな無料サービスを提供している会社が増えています。

そのため、一括査定を利用せずに不動産会社の提供しているサービスを調べた上で査定を依頼した方が、自分に合ったサービスを受けられることも多いです。

マンション査定で登録不要の匿名査定がおすすめの人

マンション査定で登録不要の匿名査定がおすすめの人

匿名査定がおすすめの人は、以下のような人たちです。

  • 概算で構わないのですぐに価格が知りたい人
  • 営業電話を避けたい人
  • 周囲に知られず査定を受けたい人
  • すぐ売却したいわけではない人

匿名査定は、簡易査定や訪問査定に至る前のサービスですので、特に今すぐ売却する意思はなくても、とりあえず価格を知りたいだけの人に適したサービスです。

・「不動産査定」に関する記事はこちら
不動産査定は匿名でできる?匿名査定に向いているケース3つ
・「マンションの査定額」に関する記事はこちら
マンションの査定額を上げるには?査定額アップのポイントを徹底解説

この記事のポイント

マンションの査定で登録不要の匿名査定を利用するメリットは?

個人情報が登録不要の匿名査定は、営業をかけられる心配がない点がメリットです。匿名査定以外の簡易査定(机上査定)や訪問査定では、利用するにあたり氏名や住所、電話番号を登録する必要があります。
また、査定価格が瞬時にわかる点もメリットといえます。

詳しくは「マンションの査定で登録不要の匿名査定を利用するメリット」をご覧ください。

マンション査定で登録不要の匿名査定を利用するデメリットは?

個人情報が登録不要の匿名査定は、精度が高くない点がデメリットです。まず、戸建ての匿名査定はかなり精度が低いです。匿名査定では、戸建ての査定に必要な情報を十分に得られないことから、査定結果が実態とはかけ離れたものとなってしまうことがよくあります。
そのため、戸建ての匿名査定サービスは少なく、ほとんどの匿名査定がマンション専用となっています。

詳しくは「マンション査定で登録不要の匿名査定を利用するデメリット」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

匿名査定は、戸建ての場合は信頼性が低いですが、マンションであれば信頼性の高いシステムも存在します。匿名査定を利用するには、信頼性の高いシステムを選んでから利用することが適切です。例えば、価格を幅ではなくピンポイントで表示するサービスの中には、一部に信頼性の高いシステムがあります。また、査定結果は安易に信用せず、参考程度に留めておくことが望ましいといえます。売却の意思がある程度固まったら、簡易査定や訪問査定を利用することをおすすめします。

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