働き方改革でおうち時間が長くなった今、スッキリと暮らすコツは物の置き場所を適切に確保することと、プライベート空間をいかにつくるかであるといえます。
実はこのテーマ、平安時代の日本の住宅での納戸の起源にもつながっています。 納戸の本来の目的は、保管する物の劣化を防ぐために、雨風をしのぎ日射に当てないことです。 開放的な平安時代の住宅の中でも、四方を壁に囲まれた納戸は夜になると寝室として使われていたとも言われています。江戸幕府には納戸役と言う役職があり、衣服や家具、お金に関する事務を司っていたそうです。
この記事では、日本の伝統色に納戸色というのがあるように生活に深く根付いた納戸について具体的な活用方法も含めてご紹介します。
記事サマリー
納戸(なんど)とは?サービスルームと違う?
納戸という響きに少し古めかしいイメージがありますが、現在ではサービスルームと同じ意味合いで、住宅で普段使わないものを置いておくための場所です。
最近では、納戸のあり方が少し変わってきています。 家を建てる際の確認申請で、居室としては十分な窓の大きさが取れない部屋を納戸として申請することがあります。
建築基準法では納戸は人が過ごす場所、居室として扱われていません。そのため 採光や換気のための窓がなくても良い部屋となっています。
呼び方も納戸だけでなくウォーク・インクローゼットやDEN、ロフト、パントリーなど収納するものや場所によって様々な呼び方があります。物の保管にとどまらず、 作業スペースと組み合わせることで、様々な使われ方が登場しています。
納戸のメリット
ある程度まとまった広さの納戸があることのメリットはたくさんあります。
四季の気温差の大きい日本では、衣類や家電も季節や目的に合わせて使い分けるため、 1年の半分ほどは使わないものが出てきてしまいます。使わない間保管できる場所があるとすっきりと暮らせます。
家のあちこちに押し入れを作るよりも1カ所にまとめておくことで、探し物が見つからないことを防げたり、スペースの節約になったりします。また、 保管スペースがあると食品などをある程度ストックして置けるため、防災にも役立ちます。
メリット1「大きな荷物を収納できる」
シーズンで使うクリスマスツリーや水着・スキー用品、お雛様や五月人形、その他にも衣類、布団や扇風機、ファンヒーター、自転車や子育てで一時的に購入したものなど、ある時期しか使わないけれど場所を取るものをしまっておくことができます。
またスーツケースやゴルフバックなどの大きな荷物をそのまま入れることができ、 趣味のアイテムの収納にも役立ちます。
メリット2「金額が安くなる場合がある」
小屋裏収納やロフトとして納戸を作ることもあります。天井高を1.4メートル以内に収めると、階としてみなされないため、最上階の屋根裏や1階と2階の間に中間階を設けて、 人が過ごすには低い天井高さの部屋を納戸として使うパターンです。 ワンフロアの床面積の2分の1までが認められるため、かなりの広さが取れます。
住宅の場合、階数が増えるといろいろな制約が変わってくるため、なるべく階数を抑えると節約できることがあります。また、天井高を1.4m以内に抑えた部分は延床面積に含まれないため、固定資産税等も節約できます。
納戸のデメリット
納戸の性質上、日当たりの少ない北側に設けられることが多く、 窓も少なく換気がしにくいため、 家中の湿気が最後にたどりついて逃げられない場所となってしまうことがあります。
きちんとした対策をしないと、カビが生えて せっかく収納したものが台無しになってしまうこともあります。 また、ただ納戸としての部屋を作るだけでは 場所を持て余してしまうこともあります。
使い方をあらかじめ予想して、適度に棚を準備しておかないと、床に荷物を重ねて置くだけになってしまい、使いたい時に取り出せないもったいないスペースになってしまいます。
デメリット1「換気をしにくい」
そもそも窓がない、あるいは小さな窓しか用意されていないため、換気がしにくいのは否めません。窓を少し開けられたとしても、荷物で塞がれていたりするので空気の流れを作りにくい状態です。
隙間から入り込んだ湿気によってカビが生えてしまうのを防ぐため、 ドラッグストアで購入した湿気取りを置いたり、スノコを使ったりして意識的に床や壁と離して物を置く対策をしましょう。そして閉め切りにしておかないで、時々は換気のためにドアを開け放しにしておくなどの気遣いが必要です。
デメリット2「外の光が入りにくい」
納戸の目的が日射を遮ることが目的のため、太陽の光が入りにくく、あらかじめ照明を用意しておかないと物を探すにも一苦労です。もちろん植物を育てるのにも向いていません。
物の収納だけでなく、一時的に作業をする場や書斎として使うことを目的としている場合には、作業スペースに面して小さな窓を設けるなどひと工夫すると良いでしょう。
納戸のおすすめ活用法
照明やエアコンなどの設備を整えておけば、納戸は快適なプライベートスペースにもなります。少し手を加えてあげるとオリジナリティーのある空間に変身します。
例えば壁面を生かして全面に本棚を作って書斎にしたり、趣味の部屋として壁面収納にコレクションをディスプレイにしたりするなど、活用方法は意外にバリエーションがあります。
あらかじめコンセントなどを準備しておくことでさらに使い勝手は良くなります。床にカーペットやマットを敷くと居心地が良くなり、子ども部屋としても活用できます。
おすすめ活用法1「収納スペースとして活用」
物の収納スペースに加えて、何かの機能をプラスすることで納戸の活用法はぐんと広がります。例えばウォーク・インクローゼットとしてパイプハンガーや棚を用意しておくと、1カ所で衣類の管理がしやすく、作業テーブルとコンセントを用意してアイロンがけができるようにしておけば、家事もできるユーティリティスペースとしても活用できます。
キッチンの近くに納戸を準備すればパントリーとして食材のストックや冷蔵庫を置くこともできます。日用品の買い置きや、 新聞紙などゴミの一時保管、道具類、防災用品などもまとめて置いておくと安心です。
物のための場所と人の動線をきちんと確保して使いやすくなるよう工夫することがポイントです。
おすすめ活用法2「趣味スペースとして活用」
リモートワークの普及で、自宅にもオンラインミーティングができる個室が欲しいという要望が増えています。
1〜2畳分のわずかなスペースでも、書斎としてデスクと椅子を置いてPC作業ができるようにコンセントなどを用意しておけば、家族みんなのストレスが軽減されます。また増え続けるコレクションは、納戸の中を 立体的に使えるよう工夫することがポイントです。
見せながら収納する棚を作ることで趣味を楽しむスペースとして活用できます。
おすすめ活用法3「子どもの遊び場所として活用」
子どもがいる場合には、納戸におもちゃやピアノ、コンビカーや絵本など子どもの物を置き、遊び場と兼ねてしまえば、片付けなさいといつもイライラしている必要もなくなります。
小屋裏収納やロフトなどで天井高が低くても、逆に狭く天井が低い秘密基地のようなスペースは子どもにとっては魅力的です。 子どもの遊び場所として快適にするには床を一工夫するのがポイントです。
日当たりが悪いため、座った時にひんやりしてしまうのが気になりますが、EVAマットを敷いたり、明るい色のラグやマットを敷いたりするだけでも、魅力的な場所に早変わりします。
この記事のポイント
- 納戸をつくるメリットはある?
納戸をつくるメリットはいくつかあります。
シーズンで使うクリスマスツリーや水着・スキー用品、お雛様や五月人形、その他にも衣類、布団や扇風機、ファンヒーター、自転車や子育てで一時的に購入したものなど、 ある時期しか使わないけれど場所を取るものをしまっておくことができます。また、住宅の場合、階数が増えるといろいろな制約が変わります。納戸をつくることでなるべく階数を抑えると節約できることがあります。また、天井高を1.4m以内に抑えた部分は延床面積に含まれないため、固定資産税等も節約できます。
詳しくは「納戸のメリット」をご覧ください。
- 納戸を活用する方法は?
照明やエアコンなどの設備を整えることで快適に過ごせるプライベートスペースにもなります。
例えば壁面を生かして全面に本棚を作って書斎にしたり、趣味の部屋として壁面収納にコレクションをディスプレイにしたりするなど、活用方法は意外にバリエーションがあります。床にカーペットやマットを敷けば子ども部屋としても活用でるでしょう。
詳しくは「納戸のおすすめ活用法」をご覧ください。
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