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玄関ドアリフォームは補助金を活用!対象となる条件や申請方法を解説

執筆者プロフィール

海老原政子
ファイナンシャル・プランナー/住宅ローンアドバイザー

国内の生命保険会社にて生命保険募集人業務に携わるなかでライフプランの重要性に目覚め、生活者視点を活かしたFP業務を開始。千葉で、家計相談や執筆業務、個人・企業向けマネープランセミナーをおこなう。生命保険見直しや住宅ローンの借り換え、貯蓄ができない家計の体質改善アドバイスなど、わかりやすい情報提供が好評。

ざっくり要約!

  • 玄関ドアのリフォームに使える補助金は「長期優良住宅化リフォーム推進事業」と「介護保険の住宅改修費用助成制度」
  • リフォーム業者選びのコツはコミュニケーション・実績確認・見積の細かさ

真冬の冷たい風が頬を撫でるようになると、家の断熱性などが気になりやすいもの。
とは言え、リフォームするには先立つものが必要です。「玄関ドアをいいものと交換したい」と考える方に知っていただきたい補助金があります。

今回記事では、玄関ドア工事に使える補助金の種類や概要、申請の流れなどをまとめています。我が家のリフォームを検討中の方はぜひご一読を。

玄関ドアリフォームで申請できる補助金とは?

2022年12月時点で活用できる補助金の種類は、自治体の独自制度を除いて2つあります。「長期優良住宅化リフォーム推進事業」「介護保険の住宅改修費用助成制度」です。
さっそく、各事業・制度の対象や補助金額、申請の流れについてみていきましょう。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

「長期優良住宅化リフォーム推進事業」とは、既存住宅(戸建て住宅・マンション)の長寿命化や省エネ化を図るための性能向上リフォームや子育て世帯向けの改修工事に対する支援事業です。

こちらの補助金は残念ながら玄関ドア工事だけで申請することはできません。他のリフォーム工事も必要なため、玄関ドア工事にとどめずマイホームの大掛かりな性能向上リフォームを希望する方に向いています。

対象となる工事要件は3つ。

  1. インスペクション(現況調査)の実施
  2. リフォーム後の住宅が一定の性能基準を満たす
    例:柱、床などの腐朽、蟻害の抑制/大地震でも倒壊しないよう耐震性の確保/窓や壁、床、天井などの断熱化/給湯器などの高効率化など
  3. リフォーム履歴と維持保全計画を作成する

2)を満たすため、認められた断熱玄関ドア商品に交換して家全体の断熱化を図る必要があります。

リフォーム工事すべてが補助金の対象とはならず、特定の性能項目を一定の基準まで向上させる工事のみ対象となることに注意してください。

なお子育て世帯支援の工事例としては、キッズスペースの設置や監視カメラの設置があります。

補助金のタイプは2つあり、基準により上限が異なります。
詳細は割愛しますが、認定基準(認定長期優良住宅型)>評価基準(評価基準型)とだけ覚えておくとよいでしょう。

【評価基準型(※1)】
補助金上限は100万円/戸※3

【認定長期優良住宅型(※2)】
補助金上限は200万円/戸※3

※1 認定基準には満たないが一定の性能確保が見込まれる水準
※2 長期優良住宅(増改築)認定を取得するための基準
※3 補助限度額が50万円加算される要件あり

【補助金額の算出方法】

  1. 単価積上方式で算出した額 ※相見積もり不要
  2. 補助率方式で算出した額 ※相見積もりが3者以上必要な場合があります。

上記のうち1つを住宅単位で選択します。

(評価基準型における①の計算例)
契約額が400万円で積み上げた補助額が70万円(単価を積み上げた値はその3倍の210万円)の場合
400万円×0.8(補助対象工事費率)×1/3≒106万円 ≧ 70万円
よって、補助額は70万円となる計算です。

補助金申請方法・流れ

長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助金の申請は、家の持ち主ではなく、工事を請け負った業者が行います。また、どのリフォーム会社でもよいわけではありません。事業者登録を済ませた施工業者と契約する必要があります。

申請から補助金が交付されるまでの大まかな流れは次の通りです。

申請(施工業者)~住宅登録(施工業者)~交付決定(認定機関)~工事・リフォーム履歴作成(施工業者)~完了実績報告(施工業者)~交付額確定通知(認定機関)~補助金の振込(※)

※補助金は、発注者ではなく業者の指定口座に振り込まれるため、施工業者から発注者への現金振込、または、工事代金との相殺によって発注者に還元されます。

長期優良住宅化リフォームをしようと思ったら、インスペクション(現況調査)の実施をして工事内容を決め、事業者登録をした施工業者と工事契約を行います。住宅登録を済ませてからの着工となりますので、工事期間もゆとりをもっておいたほうがいいでしょう。

介護保険の住宅改修費用助成制度

高齢者の住まいをリフォームすると言えば、住宅のバリアフリー化がまず思い浮かぶのではないでしょうか。

介護保険の住宅改修費用助成を使うことで工事金の負担が大幅に軽減されます。
自治体HPなどで制度を調べる(「介護保険 住宅改修 お住いの市町村名」で検索)、担当のケアマネージャーがいる方は、そちらに相談してみましょう。

介護保険の住宅改修費用助成制度とは、対象者の住まいのバリアフリー化工事にかかる費用の一部が償還払い(まず自身が立て替えてリフォーム工事を行い、後日申請して助成金を受け取る)で支給されるというもの。

手すりの取り付け、段差の解消、床材の変更、引き戸等への扉の取り替え、和式便器を洋式便器に交換、階段昇降機の設置等の工事が対象です。

玄関ドアを引き戸タイプ等に変える、ドアノブの取り替えをするなどの工事に使えます。

【助成対象】
65歳以上の要介護(要支援)認定者

【支給上限額】
支給限度基準額(20万円)の9割(18万円)※自己負担が1割の場合

出典:福祉用具・住宅改修の概要|厚生労働省

補助金申請方法・流れ

工事をする前に申請書等を提出~工事完成後、領収書等の費用発生の事実がわかる書類等を提出~助成金の振込

【申請に必要な書類】

  • 支給申請書
  • 住宅改修が必要な理由書
  • 工事費見積もり書
  • 住宅改修後の完成予定の状態がわかるもの(写真または簡単な図を用いたもの)

【完成後に必要な書類】

  • 住宅改修に要した費用に係る領収書
  • 工事費内訳書
  • 住宅改修の完成後の状態を確認できる書類(便所、浴室、廊下等の箇所ごとの改修前及び改修後それぞれの写真とし、原則として撮影日がわかるもの)
  • 住宅の所有者の承諾書(住宅改修を行った住宅の所有者が当該利用者でない場合)

※やむを得ない事情がある場合、事後申請を受け付けるケースもあるようです。「玄関ドアを変えてしまった」方は、時間を置かずケアマネージャーに相談してください。

こどもエコすまい支援事業(令和5年度実施予定)

「こどもみらい住宅支援事業」の受付は終わってしまいましたが、今後はじまる制度に「こどもエコすまい支援事業」があります。

こどもエコすまい支援事業とは、高水準の省エネ性能を満たす新築住宅や省エネ化を含む幅広いリフォームを対象にした事業で、子育て世帯や若年夫婦世帯が対象です。事業サイトはまだ立ち上がったばかりですが、Q&Aなどは随時更新されていくようです。

これから家を新築したい方や中古住宅を買ってリフォームをする予定の方などはサイトをときどきチェックしてみましょう。

こどもエコすまい支援事業

各地方自治体の補助金

ここまで国の制度などをご紹介してきましたが、住まいの自治体によっては上乗せでさらなる助成を受けられる制度があるかもしれません。

「住宅リフォーム支援 お住いの市町村名」や「住宅改修 お住いの市町村名」でネット検索する、あるいは、下記のサイトの検索機能(工事の種類や市町村をキーに検索できます)を使って全国縦断的に調べてみるのも一案です。

地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和4年度版)(住宅リフォーム推進協議会)

目的別の玄関ドアリフォーム補助金の選び方

では、目的ごとに玄関ドアのリフォームにつかえる補助金の選び方を紹介していきます。

断熱・省エネ、性能アップが目的の場合

前述「長期優良住宅化リフォーム推進事業」や省エネ効果が見込まれる高性能建材(断熱材、ガラス、窓、玄関ドア)を用いた住宅の断熱リフォームを支援する「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」、自治体の独自制度を探してみましょう。

介護・バリアフリーが目的の場合

前述「介護保険の住宅改修費用助成制度」や自治体の独自制度を探してみましょう。

玄関ドアのリフォーム業者選びのコツとは?

補助金を目当てにリフォーム工事をするのではなく、やはりどのような家に住みたいかを考えたうえでリフォームをすることが大切です。

そのためにも、まずはリフォームの目的や内容がしっかりと伝わる業者を選ぶためにも、見積もりを依頼する前段階からしっかりコミュニケーションをとることが大切です。
担当との相性も大事ですが、見積もりするまでのやり取りの中で、要望に対する提案があなたの希望に沿ったものか、工事の内容が納得できるかはさらに重要です。わからない工事内容は臆せず質問して理解するようにしてください。

実績もしっかりチェックしましょう。
餅は餅屋といいます。左官屋さんを例に出すまでもなく工事内容により職人の種類が変わります。本業がドアやサッシ工事である業者のほうがきちんとした施工となる確率が高いです。
工事実績が豊富にあれば、施工したお宅の見学が可能な場合もあるでしょう。見学して施主さんに直接お話がきければなお安心です。

複数の業者に絞ったら、なるべく同じ工事内容となるよう工事の相見積もりを取ってみましょう。
一般的には、しっかりした業者ほど「○○工事(一式)」といった大雑把な見積もりは出しません。工事金額・値引き額に目が行きがちですが、見積もり中に使用建材の型番まで記載があるかなど情報の違いにも着目しましょう。そこから掛け値を推し量ることができますので、提示された見積もり金額の妥当性も判断しやすくなるのではないでしょうか。

しっかりと工事した家であっても経年劣化が起きます。工事後のことを考え、なるべく近場の業者にお願いすることも、地味ですが大事なことです。

この記事のポイント

玄関のドアをリフォームする際につかえる補助金はある?

各自治体の独自制度を除くと、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」「介護保険の住宅改修費用助成制度」の2つがあります。

詳しくは「玄関ドアリフォームで申請できる補助金とは?」をご覧ください。

玄関ドアのリフォームを依頼する業者の選び方のコツは?

まず、リフォームの内容や意図が正確に伝わる業者を選ぶためにも、見積もりを依頼する前段階からしっかりコミュニケーションをとることが大切です。
見積もりするまでのやり取りの中で、要望に対する提案があなたの希望に沿ったものか、工事の内容が納得できるかはさらに重要です。
工事実績が豊富にあれば、施工したお宅の見学が可能な場合もあるでしょう。見学して施主さんに直接お話がきければなお安心です。

詳しくは「玄関ドアのリフォーム業者選びのコツとは?」をご覧ください。

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