ざっくり要約!
- マンションの査定額には立地や築年数、間取りなどが影響する
- 査定額を上げるためには、マンションの利点を不動産会社にアピールする
中古マンションを売るにあたり、まず行うのが査定です。中古マンションは新築マンションとは異なり、最初から値段が設定されているわけではありません。新築の分譲時点から価格が変化していますので、現時点で「今売ったらいくらなのか」を把握するのが売却の第一歩となります。
マンションの査定額は、物件の諸条件によって「受動的に価値が決まってしまう部分」と、リフォーム等によって「能動的に価値を上げられる部分」の2つが存在しますが、査定額を上げるにはどうしたらいいのでしょうか。
この記事ではマンションの査定について解説し、査定額を上げるためのポイントも紹介します。
記事サマリー
マンションの査定額を上げるポイントとは?
はじめに、マンションの査定額を上げるポイントについて解説します。
マンションの立地
マンションの価値を決める要素の一つに立地があります。例えば、駅から近い物件や、商業施設が目の前にある物件等、利便性の面で優れている場合は価値が高いので、査定額が上がりやすいです。
中古物件の場合、立地に関してはすでに決まっていることから、改善することができない部分といえます。
ただし、同じ立地の物件でも、売却時期によってマンションの価格は異なります。近年のように中古マンション市場が活況な時期は、以前に比べてマンション価格が高くなっています。査定額を上げるには、中古マンション市場が上昇トレンドにあるときに査定を依頼することがポイントです。
ベランダや窓など開口部の方角
マンションはバルコニーの向きも査定額に影響します。南向きの場合、査定額が一番高く、次は東向き、その次は西向き、一番低いのは北向きとなります。ただし、開口部の方角もすでに決まっている条件であるため、変えることは難しいでしょう。
しかし、物件によっては条件の悪いバルコニーの向きでもアピールポイントになる場合があります。例えば、東側が大きな道路に面しており、東側住戸の方が騒音や排ガスがひどい物件であれば、西側の方が条件は良いと言えます。
例え北向きだとしても、騒音がない、眺望が良い等、日照条件以外に利点がある場合は、不動産会社にアピールすることをおすすめします。
マンションの築年数や構造
築年数や構造も査定額に影響します。マンションは築20~25年以内の物件に需要が集中するため、築25年を超えると売却しにくくなる傾向があります。
基本的には築年数が浅い方が高く売れますので、査定額をアップさせるという意味では築年数が浅いうちに売ることが対策です。
ただし、築年数が浅すぎるうちは住宅ローンの返済が進んでいないことから、売却額が高くても返済後の手取りが少ないといった現象が起こることがあります。そのため、築年数に関しては、必ずしも浅いうちに売ることだけが正解ではありません。
また、構造に関しては「免震構造」のマンションは価値が高いです。免震構造のマンションである場合には、忘れずに不動産会社にアピールすることをおすすめします。
マンションの共有部分
マンションの共有部分も査定ポイントとなります。基本的には、共用施設は充実している方が評価は高いです。共用施設もすでに決まっていますので、売主が自ら価値を向上させるのは難しい部分といえます。
ただし、共用施設が充実していなくても、逆にアピールできる部分はあります。それは「管理費の安さ」です。
近年の新築マンションは共用施設がかなり充実していることから、築年数の浅いマンションほど管理費が割高な傾向があります。
一方で、古いマンションの中には共用施設がほとんどなく、管理費が割安となっている物件も多いです。特徴として、築年数が古く、戸数の多いマンションは管理費が安い傾向があります。
管理費はチラシ等に明記されることから、管理費の安さはアピールポイントになります。国土交通省のデータによれば、マンションの管理費の平均額は1万円程度です。なので、毎月の管理費が1万円を下回っているようであれば、不動産会社にアピールすることをおすすめします。
また、マンションの場合、共有部分の大規模修繕の実施状況もアピールポイントです。直近の過去5年くらいの間に実施されたものであれば、価値を上げる可能性があります。例えば、2年前に外壁塗装が行われたような場合には、その旨を伝えることが望ましいです。
マンションの間取りや広さ
マンションの間取りや広さも査定額に影響します。広さに関しては、総額は広いほど高くなりますが、単価は狭いほど高くなるという傾向があります。
例えば、総額は1LDKよりも4LDKの方が高いですが、単価は4LDKよりも1LDKの方が高いことが一般的です。
間取りに関しては、2LDKや3LDKあたりが売却しやすい傾向にあります。昨今は、リモートワークによって部屋数に対するニーズが増えているため、3LDKや4LDKも需要が多いです。ただ、広さに関してはすでに決まっているため、アピールしにくい部分と言えます。
一方で、間取りに関しては、狭かったリビングを広くするようなリフォームを行っていればアピールポイントになります。例えば、2DKの間取りを1LDKや2LDKに変更している場合、価値が上がることもあります。
・「マンション売却 相場」に関する記事はこちら
マンションの売却相場ってどのくらい?地域別の相場と調べ方を解説
マンション査定の準備や流れとは?
マンション査定時の準備や流れについて解説します。
マンションの売却相場をリサーチ
査定を依頼する際は、事前に売却相場をリサーチしておくことが望ましいです。相場を把握しておくと、査定結果が安過ぎる、または高過ぎるといった判断をすることができます。
マンションの相場を調べる主な方法としては、以下の3つが挙げられます。
【マンションの相場を調べる方法】
- 同じマンションの売り物件情報を調べる
- レインズマーケットインフォメーションを利用する
- 土地総合情報システムを利用する
一番おすすめなのは「同じマンションの売り物件情報を調べる」という方法です。チラシの投函が許されているマンションであれば、同じマンション内の他の部屋の売り物件のチラシが入っていることがあるでしょう。チラシは重要な参考資料になるため、保管しておくことが望ましいです。
チラシの投函が認められていないマンションでも、インターネット広告で調べることができます。他の部屋が売りに出されているのを見つけたら、その広告をスクリーンショットまたはプリントアウトしておくことをおすすめします。
チラシやインターネット広告で、同じマンション内の売り出し中の物件価格がわかった場合、その価格を専有面積で割って単価を求めておきましょう。単価に自分のマンションの面積を乗じることで、物件のおよその金額を知ることができます。
なお、不動産会社が行うマンション査定でも、過去に取引された同じマンションの事例を重視して査定額を決定しています。そのため、現在売りに出されているマンションの価格は、不動産会社の査定結果を反映したものであり、最も参考になる情報です。
一方で、相場を調べようとしても、タイミングによっては同じマンション内の他の部屋が売りに出されていないこともあります。
そのような場合には国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している不動産流通標準情報システム「レインズマーケットインフォメーション」や国土交通省のWEBサイト「土地総合情報システム」を使って相場を調べる方法もあります。
両者とも、マンションまで特定できるわけではありませんが、ある程度の価格を推測することはできます。
出典:
REINS Market Information|全国指定流通機構連絡協議会
土地総合情報システム|国土交通省
マンション査定の必要書類を用意
マンションの査定時には、最低限、以下の書類が必要です。
- 登記済証(権利証)または登記識別情報
- 間取りがわかる資料(分譲時のパンフレット等)
査定時は、依頼者が本当の所有者であるかを把握する「真の所有者の確認」が行われることが一般的です。
不動産の場合、依頼者が賃借人であるといったことも考えられるため、不動産会社は念のため所有者であることを確認します。
登記済証(権利証)または登記識別情報は、所有者本人しか持っていない書類であることから、提示が求められます。併せて分譲時のパンフレット等の間取りがわかる資料も必要です。
以下の資料がある場合はこちらも用意しておきましょう。
- リフォームの履歴がわかる資料
- 建設住宅性能評価書
- 建物状況調査(インスペクション)の結果報告書
建設住宅性能評価書やインスペクションの結果報告書は、建物の価値を客観的に証明できる書類です。もし事前に取得している場合には、提示してアピールすることをおすすめします。
故障箇所のチェック・修繕
マンションの故障箇所があれば、把握しておきます。修繕できる余力があれば、故障箇所は事前に修繕しておくことが望ましいです。
ただし、中古マンションは故障個所をすべて修繕しなければ売れないわけではありません。中古物件では何らかの故障箇所が存在することが当然であり、故障箇所は買主に正直に告知して売るという方法を取ることが基本です。
最低限の清掃や片付けを実施
査定額にはあまり影響はしませんが、清掃や片付けをしておいた方が印象は良いといえます。
掃除では簡単に落ちない大きなカビや汚れがあれば減価されることはありますが、「玄関に靴が散乱していた」などの程度では減価はしませんので、清掃や片付けは最低限で問題ありません。
・「不動産 査定」に関する記事はこちら
不動産査定の流れや査定方法、事前に用意しておく必要書類をまとめて解説!
マンションの査定は不動産会社選びも重要?
マンション査定時には不動産会社の選び方も重要です。実際に選ぶ場合のポイントについて解説します。
一括査定サービスの利用を検討
マンションの査定では、一括査定サービスの利用を検討するのも一つです。一括査定サービスとは、無料で複数の不動産会社に査定を依頼できるサービスになります。
複数社の比較は必須
マンションの相場は、同じマンション内に売り出し中の物件がないと、把握しにくいです。ただし、同じマンション内に売り出し中の物件がない場合には、相場調査はほどほどにして、複数の不動産会社に査定を依頼して適正額を見抜くという考えもあります。
複数の査定結果を比較すれば自ずと相場が把握できますし、高過ぎる査定額や安過ぎる査定額というのもわかりやすいです。適正な査定額を見抜けば「高過ぎて売れない」または「安過ぎて損をした」といった失敗を防ぐことができます。
提示された査定額のエビデンス(根拠)を確認
査定結果を受領する場合は、根拠を確認することをおすすめします。特に高い査定結果を出してきた会社に対しては、根拠をしっかり確認すべきです。
例えば、すでに見込み客を抱えている不動産会社は、強気の値段設定をする場合があります。マンションの場合、同じマンション内の他の部屋の住民が、親の介護等のためにもう一部屋買うことを強く希望しているようなケースが存在するためです。
見込み客がいる場合には、どういう人がどのような目的で購入しようとしているのを具体的に確認し、信頼できる内容であれば依頼してみてもいいでしょう。
・「不動産売却 どこがいい」に関する記事はこちら
不動産売却や査定はどこがいい?迷ったときの選び方
この記事のポイント
- マンションの査定額を上げるポイントは何ですか?
マンションの価値を決める要素としては、立地、バルコニーの向き、築年数や構造、共有部分、間取りや広さがあります。
それぞれ査定額に影響するので、価値が上がるポイントがある場合は不動産会社にアピールしましょう。
詳しくは「マンションの査定額を上げるポイントとは?」をご覧ください。
- マンション査定の準備や流れを教えてください。
まずは売却相場をリサーチしておき、査定に必要な書類を準備しましょう。
その上で、マンションの故障箇所があれば把握しておきます。
詳しくは「マンション査定の準備や流れとは?」をご覧ください。
査定は手間がかかりそう。そんな人にはAI査定!
ご所有不動産(マンション・一戸建て・土地)を登録するだけでAIが査定価格を瞬時に算出いたします
スピードAI査定をしてみる
東急リバブルが買主となり、
ご所有不動産を直接購入いたします
リフォームいらず、最短7日間で現金化!
リバブル不動産買取はこちら