武蔵小山の住みやすさとは？都会の利便性と下町の庶民的な一面を併せ持った人気の街を、歩いた情報とともにご紹介

執筆者プロフィール

橋本岳子

住まいと地域の評論家/福祉住環境コーディネーター

約20年間、不動産情報サービスの会社に在籍。独立後は、売買・賃貸・管理・投資など、不動産のさまざまな分野での執筆を行っている。また、2018年より東京都内の商店街を毎月取材し、地域の抱える問題点などについてもリサーチを続けている。

東京で一番長いという商店街「武蔵小山商店街パルム」がある武蔵小山。商業施設は駅周辺に集積しており、少し歩くと成熟した住宅街が広がっています。この記事では、エリアの概要、魅力、家賃相場・購入相場、交通アクセス、治安、子育て環境、医療環境をご紹介。最後には、実際に歩いたお散歩コース、おすすめのマンション情報を紹介しています。ぜひ住まい選びの参考になさってください。

武蔵小山のエリア概要

東京都品川区に位置する武蔵小山。東急目黒線「武蔵小山」駅が利用でき、主に駅の東側が品川区、西側が目黒区となっています。周囲の町名表記は、品川区小山、小山台、荏原、目黒区目黒本町、下目黒などとなっており、武蔵小山という町名はありません。関東大震災以降に人口が増えたエリアで、住宅街としては長きにわたり人気がある街。昔ながらの商店街や住宅街が広がる中、近年は再開発によって、商業施設や高層マンションも見られるようになってきました。

武蔵小山の魅力

武蔵小山と言えば、まず頭に浮かぶのが商店街です。駅の周辺には5つの商店街がありますが、その中でも特に有名な商店街が、東急目黒線「武蔵小山」駅の東口を出るとすぐに見える「武蔵小山商店街パルム」です。商店街が誕生したのは、1947年（昭和22年）のことで、現在は全長約800メートルある都内で最も長いアーケード商店街となっています。また、温泉があることも特筆すべき点。銭湯として開業した「清水湯」は、二代目が温泉を掘り当てたことで銭湯から温泉施設へ移行し、住民から愛されているスポットとなっています。
街全体は庶民的な雰囲気で、都内にしては物価が安い街としても知られています。東急目黒線が、相鉄線、都営三田線、東京メトロ南北線、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線と直通運転で繋がっている点も魅力です。

武蔵小山の家賃相場・購入相場

当社ホームページの掲載物件をもとにした情報によると、マンションの家賃は、6万4,000円の1Kから23万9,000円の2LDKまであります。また、マンションの価格帯は、2,980万円～1億4,380万円まで幅広く、中層マンションからタワーマンションまでその種類はさまざまです。一戸建ての平均価格は、1億1,828万円となっています。(2023年10月6日現在)

参考：東急目黒線 武蔵小山駅の不動産相場

武蔵小山の交通アクセス

武蔵小山駅に乗り入れているのは東急目黒線となりますが、相鉄線、都営三田線、東京メトロ南北線、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線に乗り入れていることで、都内だけでなく、神奈川県、埼玉県へもアクセスしやすい環境です。オフィス街が広がる、「飯田橋」駅、「日比谷」駅、「大手町」駅までは乗り換えなしで行けるほか、「東京」駅へは「目黒」駅で乗り換えれば約30分で到着します。また、空の玄関口である羽田空港へは「大井町」駅などを経由した羽田空港と行き来するバスが発着しており、所要時間は約1時間です。

武蔵小山の治安

警視庁が発表している「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」(2023年(令和5年8月)によると、犯罪のほとんどは多くの人が行き来する駅周辺で発生しています。
非侵入強盗の多くは自転車の盗難や万引きなど。自転車の防犯対策はしっかりとしておくことや、ちょっとの間でも路上駐輪をしないようにすると安心でしょう。

武蔵小山の子育て環境

商店街には親子連れの姿が多く見られ、駅から徒歩10分の場所にある「林試の森公園」では、体を思いきり動かして遊ぶ親子連れの姿も。たくさんのファミリーが暮らす、活気ある街という印象でした。

品川区は、「子ども・子育て支援新制度は、『量』と『質』の両面から子育てを社会全体で支えます」と掲げ、幼保一体施設や子育ての専門相談窓口を設けています。ライフスタイルに応じた子育てプラン作成を支援する「しながわっ子・子育てかんがるープラン」や小学校の全児童が対象の「すまいるスクール」など、多様な支援施策に取り組んでいるのも特徴です。

仕事・子育て両立支援

従業員が働きながら子育てしやすいように環境を整備し、離職の防止、就労の継続、女性の活躍等を推進する企業を支援しています。

ニーズに合わせた、様々な子育て支援

放課後児童クラブ、一時預かり、病児保育、ファミリーサポートセンターなど、利用者のニーズに応えられる子育てプランを用意しています。

しながわパパママ応援アプリ

スマートフォン世代の子育てに対する不安解消や孤立防止を目的に、2016年（平成28年）4月）よりサービスを開始。妊娠、出産、子育てまで、品川区の子育てに関するコンテンツを配信しています。

子どもすこやか医療費助成

18歳になって、最初の3月31日までの子どもが医療機関等で診療を受けた際に、保険診療の自己負担分を品川区が助成する制度です。

武蔵小山の医療環境

駅の周辺には、個人経営の内科や小児科、歯科などが揃っています。総合病院としては、「学校法人昭和大学 昭和大学病院」(品川区旗の台)、「東日本電信電話株式会社 NTT東日本関東病院」（品川区東五反田）、「地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立荏原病院」(大田区東雪谷)など、近隣にたくさんあるため、お子さまの急な発熱なども安心でしょう。

なお、「一般社団法人　品川区医師会」が医療機関の検索サイトを開設しているので参考にしてみてください。

武蔵小山周辺を街歩き（武蔵小山駅〜武蔵小山温泉「清水湯」）

今回は休日の武蔵小山駅周辺を歩いてみました。活気ある商店街や広々とした公園、再開発エリアなどを紹介していきます。

再開発されたおしゃれで活気のある駅前

東急目黒線「武蔵小山」駅武蔵小山駅の地下化により、複数の街区で再開発が進んでいます。東急目黒線「武蔵小山」駅の東口を出ると「武蔵小山商店街パルム」の北側に2020年1月に竣工した地上41階のタワーマンション「パークシティ武蔵小山ザタワー」があります。続いて、総戸数506戸のタワーマンション「シティタワー武蔵小山」が2021年4月竣工しました。今後計画されている開発エリアもあり、街の様子が変わっていくことが予想されます。

近くのマンション情報　「パークシティ武蔵小山ザタワー」

再開発によって完成した41階建てのタワーマンション。東急目黒線「武蔵小山」駅からエントランスまで徒歩1分という立地の良さは見逃せません。キッズルーム、フィットネスルーム、ゲストルームなど共用施設が充実しているのも特徴。周辺環境含め、便利がつまったマンションです。

近くのマンション情報「シティタワー武蔵小山」

「パークシティ武蔵小山ザタワー」同様、駅前という好立地に竣工した「シティタワー武蔵小山」。東急目黒線 「武蔵小山」駅からエントランスまで徒歩1分の場所に立地しており、レジデンス棟とタワー棟の2棟で構成されています。41階建てのタワーマンションのため、ランドマークのような存在。「武蔵小山商店街パルム」も至近にあります。

何でも揃う商店街「武蔵小山商店街パルム」

東急目黒線「武蔵小山」駅の東口を出るとすぐに見えてくるのが、「武蔵小山商店街パルム」。ゲートをくぐると、ずっと先まで商店が並び、多くの買い物客で賑わっていました。飲食店や服飾店など、多種多様なお店が約250軒立ち並んでいるそうですが、中には創業100年を超える老舗もあるとのことです。

近くのマンション情報「ルジェンテ武蔵小山」

「武蔵小山商店街パルム」を進み、3つ目の信号を右折すると見えてくるのが「ルジェンテ武蔵小山」です。2018年10月に竣工した、14階建て、総戸数59戸のマンションで、グレーを基調とした外観は落ち着いた雰囲気。共用廊下は内廊下を採用しているので、セキュリティ面やプライバシー面も安心です。

西口にも複数の商店街が集積

東急目黒線「武蔵小山」駅に戻り、駅の反対側である西口側に進みます。「武蔵小山商店街パルム」ほどの規模ではありませんが、西口側にもいくつかの商店街があり、主に個人経営の飲食店などが営業しています。下町のような雰囲気があるほっとする空間です。

近くのマンション情報「ザパークハウス目黒本町」

駅を背に都道420号を進み、「目黒区中央体育館」の交差点を左へ。一つ目の角を右、次を右、そしてその次を左に曲がると見えてくるのが「ザパークハウス目黒本町」です。白とグレーが印象的でスタイリッシュな雰囲気で、7階建てではありますが、高さとは関係なく存在感のあるマンション。住戸の専有面積は36.97～68.80㎡となっており、シングルからファミリーまで幅広い層をターゲットとしています。「目黒区中央体育館」の交差点を環状6号方面に進むと桜並木で有名な「かむろ坂通り」があるのもおすすめポイントです。

思い思いに過ごせる「林試の森公園」

「目黒区中央体育館」の交差点を環状6方面に進んでいきます。「小山台小学校前」の交差点を左折ししばらく行くと見えてくるのが、「林試の森公園」です。1900年（明治33年）農商務省林野整理局(当時)が「目黒試験苗圃」としてスタートしたのが始まりで、1989年（平成元年）6月1日に「都立林試の森公園」となり、多くの住民の憩いの場として利用されています。クス、アカガシ、ケヤキ、プラタナス、ラクウショウ、アベマキ、ホウチャクソウ、カントウタンポポが生息する緑が多い公園となっており、ジャブジャブ池、冒険広場などがあります。遊歩道ではマラソンをする人の姿も見られました。

「かむろ坂通り」で春にはお花見を

来た道を戻り、環状6号方面に歩いていくと両サイドに桜並木が広がる「かむろ坂通り」が見えてきます。春にはピンクの桜並木が美しく、品川百景の一つにもなっているというこの通り。名称の由来は、遊女小紫の使っていた禿(かむろ）が近くの池に身を投げたこと。地域住民から通りの名称として呼ばれるようになり、今なおその名称で呼ばれ続けています。

近くのマンション情報「ドレッセ武蔵小山プレヴィ」

「小山台小学校前」の交差点に戻り、駅方面へ向かうと右手に見えてくるのが「ドレッセ武蔵小山プレヴィ」です。東急目黒線 「武蔵小山」駅からエントランスまで徒歩3分。東急建設の施工で2015年に竣工した落ち着いた街並みに佇むマンションで、電気自動車の充電用コンセント、宅配ボックスなど生活をより便利にする施設が整っています。

近くのマンション情報「パークホームズ武蔵小山」

駅方面へ進み、線路を超えた二つ目の十字路を右に曲がると「パークホームズ武蔵小山」があります。2008年8月竣工した19階建てのマンションで、2か所にオートロックが設置されているのでセキュリティ面への配慮がうれしいポイント。オレンジ色の外観が印象的でした。

ゆっくりくつろぎたいときには、武蔵小山温泉「清水湯」へどうぞ

来た道に戻り、T字路を右へ。少し進んで「後地」の交差点を右折すると右手にあるのが武蔵小山温泉「清水湯」です。1994年（平成6年）に第一源泉の天然黒湯温泉が湧出し、銭湯から温泉施設へと生まれ変わった武蔵小山温泉「清水湯」。さらに平成19年には、都内屈指の療養泉である、第二源泉の黄金の湯も湧出し、異なる地層から湧き出る、ふたつの天然温泉を楽しめる場所となっています。

強力なジェットバスや露天風呂に加え、サウナや女性専用の岩盤浴、横になって休める休憩スペースなどの設備も充実。子どもから大人までたくさんの利用客の姿がありました。

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