門前仲町 住みやすさ
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門前仲町の住みやすさとは?下町の粋と人情が根付く人気の街を、街歩き情報と合わせてご紹介

執筆者プロフィール

橋本岳子
住まいと地域の評論家/福祉住環境コーディネーター

約20年間、不動産情報サービスの会社に在籍。独立後は、売買・賃貸・管理・投資など、不動産のさまざまな分野での執筆を行っている。また、2018年より東京都内の商店街を毎月取材し、地域の抱える問題点などについてもリサーチを続けている。

ざっくり要約!

  • 永代寺の門前町として、江戸時代からたくさんの人たちでにぎわいを見せているエリア。下町の雰囲気や交通の便の良さから、住みたい街として注目されている
  • 歴史的建造物や老舗が多い
  • 都心にアクセスしやすい立地でありながら、緑や水辺がある穏やかな街並みが特徴

門前町として、江戸時代からたくさんの人たちでにぎわいを見せている門前仲町エリア。エリア内には、「富岡八幡宮」や「成田山 東京別院 深川不動堂」があり、古くから地元の人々に愛され続けています。

マンションや一戸建てが並ぶ住宅街、大きな商店街もあるほか、交通の便の良さから、住みたい街としても注目されています。この記事では、エリアの概要、魅力、家賃相場・購入相場、交通アクセス、治安、子育て環境、医療環境をご紹介。最後には、実際に歩いたお散歩コース、おすすめのマンション情報を掲載しています。ぜひ、住まい選びの参考になさってください。

門前仲町のエリア概要

東京都江東区に位置している門前仲町。名前の由来は、江戸時代に創建された「富岡八幡宮」の別当寺「永代寺」です。この寺院の門前町として栄えていましたが、永代寺が1868年の神仏分離令によって廃寺となり、その跡地は現在深川公園や深川不動堂などになっています。ちなみに、現在の「永代寺」(江東区富岡1-15-1)は1896年に吉祥院が名称を引き継ぎ、再興されたものです。

エリア内にある永代通りを挟むように商店が並び、少し入ると「富岡八幡宮」や「成田山 東京別院 深川不動堂」の敷地が広がっています。隅田川と合流する「大横川」の流れも、門前仲町の印象的な風景と言えるでしょう。

門前仲町の魅力

江戸時代から門前町として形成され、東京の下町として発展してきました。下町の魅力は、「粋と人情」。歴史あるお祭りなどを通して、町内会の結束力なども固いようです。「何かあればさっと手を差しのべてくれる」というような風土が息づいています。
ここでは、そんな門前仲町の魅力をいくつか挙げていきましょう。

交通の利便性が高い

門前仲町の駅には、東京メトロ東西線、都営地下鉄大江戸線が乗り入れています。東京メトロ東西線を使えば、「茅場町」駅、「日本橋」駅、「大手町」駅、「九段下」駅へ乗り換えなしでアクセスできます。また、都営地下鉄大江戸線に乗れば、「新宿」駅や「六本木駅」などへは乗り換えなしで行くことができます。

お買い物スポットが充実

永代通り沿いには、江戸時代からの繁華街で、そのにぎわいが今もなお続く「深川仲町通り商店街」があります。こちらには、スーパーマーケットの「赤札堂 深川店」の他、飲食店、ドラッグストア、雑貨店など100店舗以上のお店が元気に営業しています。


ほかにも、永代通りから深川不動堂へと続く150mの参道に延びる「人情深川ご利益通り」などがあり、日常のお買い物に困ることはないでしょう。

緑や水辺がある穏やかな街並み

深川公園や大横川など、緑や水辺がある穏やかな街並みも門前仲町の特徴です。大横川沿いには、約270本のソメイヨシノが植えられており、桜の季節になると「お江戸深川さくらまつり」が開催されます。この時期だけ運行する櫓漕ぎ和船は情緒たっぷりです。

歴史的建造物や老舗が多い

先にも紹介した、「富岡八幡宮」や「成田山 東京別院 深川不動堂」はこのエリアのシンボル的な存在。地域の人たちからは、「八幡様」、「お不動様」として親しまれています。老舗が街の歴史の長さを感じさせてくれます。

江戸三大祭りのひとつ「深川八幡祭り」が毎年8月に開催

「富岡八幡宮」では、江戸三大祭のひとつである「深川八幡祭り」が毎年8月に開催されるなど、下町情緒あふれる粋な一面も持ち合わせています。「わっしょい、わっしょい」の掛け声とともに、神輿が街中を回遊するほか、沿道の人々からは清めの水が浴びせられることから「水かけまつり」とも言われています。

門前仲町の家賃相場・購入相場

当社ホームページの掲載物件をもとにした情報によると、賃貸のマンションの家賃は、月額 8万6,000円の1Kから19万8,000円の1LDKまであります。また、マンションの販売価格は、1,580万円〜8,990万円まで、幅広い価格帯となっています。(2023年11月19日現在)

参考:東京メトロ東西線 門前仲町駅の不動産相場

門前仲町の交通アクセス

東京メトロ東西線を使えば、「茅場町」駅(1駅2分)、「日本橋」駅(2駅4分)、「大手町」駅(3駅5分)、「九段下」駅(5駅10分)と各オフィス街へ乗り換えなしでアクセスできるのが大きなポイント。「東京」駅へは「大手町」駅から徒歩でアクセスすることが可能です。また、空の玄関口である羽田空港までは、都営大江戸線で「大門」駅まで行き、都営浅草線エアポート快特に乗り換えれば、約33分で到着します。


統一料金で利用できる、都営のバス路線が充実しているのも門前仲町の特徴です。茅場町、兜町、日本橋を経由して東京駅丸の内北口へ到着する路線、錦糸町、両国、森下、清澄白河、越中島、月島などにアクセスできる路線など様々です。

門前仲町の治安

警視庁が発表している「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」(2023年(令和5年9月)によると、門前仲町、永代、佐賀、深川、富岡、牡丹のエリアでは合計151件の犯罪が発生しています。どの犯罪も商業エリアである門前仲町1・2丁目に集中しており、最も多いのは自転車の窃盗(28件)です。なお、住宅への空き巣被害は1件にとどまっています。

ご近所は顔なじみという下町らしさがあることから、見かけない人が住宅街を歩いていると、違和感を覚える住民も多そうです。

門前仲町の子育て環境

門前仲町がある江東区の子育て支援としては、下記のようなものがあります。

子ども医療費助成

江東区では、高校生相当年齢までが助成の対象です。発行には申請が必要になりますが、「マル乳医療証」、「マル子医療証」、「マル青医療証」のいずれかを持って受診すると、保険診療の自己負担分が助成されます。

江東きっずクラブ

学校の空き教室などを、子どもたちが安心して過ごせる場所として提供しています。登録をすれば、放課後や夏休みなどに利用できます。

江東区こども食堂

こども食堂とは、子どもが低額、もしくは無料で利用できる食堂のことです。門前仲町の周辺にも開設されています。

・チア食堂すた〜でぃあむ☆ 門前仲町1-13-12HYPERMIX門前仲町
・佐賀町パパスこども食堂 佐賀1-16-6(レストランパパス)
・ぼたんこども食堂 牡丹3-6-5(牡丹町商店街会館2階)
など

こうとう家事・育児サポート支援事業(江東区家事育児支援事業)ひとり親家庭訪問支援

江東区内に住んでいるひとり親家庭が対象の支援事業。3歳未満の子どもをひとりで養育している家庭に対して、申請があれば家事育児支援サポーターが派遣されます。

門前仲町の医療環境

総合病院や救急病院はありませんが、内科、小児科、歯科、心療内科など様々な病院が開院しています。電車や車での移動となりますが、隣接エリアの木場には「医療法人社団 修世会 木場病院」、豊洲には「学校法人昭和大学 昭和大学江東豊洲病院」があります。また、中央区にはなりますが、東京都救命救急センターなどに指定されている「聖路加国際病院」へは、車を使えば10分程度でアクセスが可能です。

門前仲町周辺を街歩き(門前仲町駅〜富岡八幡宮~クレド清澄庭園)

今回は、初冬の門前仲町を歩いてみました。商店街や歴史がある寺院など、魅力あるスポットを紹介していきます。

門前仲町 永代通り

活気ある買い物スポット「深川仲町通り商店街」

深川仲町通り商店街

駅を降りて見えてくるのが、永代通りと清澄通りの交差点を中心に広がる深川仲町通り商店街。老舗やナショナルチェーンが並ぶ活気ある商店街です。深川縁日の日(毎月1日、15日、28日)には、さらに多くの人でにぎわいを見せています。アーケード付きなので、雨の日でも濡れずに買い物できるのがうれしいポイントです。

門前仲町 みなとや

商店街を歩くと、「煎餅・豆・菓子処 みなとや」がありました。不定期ですが、店頭で手焼きせんべいの実演も見られます。こちらでは、猫をかたどったせんべいが人気で、オリジナルのせんべいも作ってくれるようです。

昭和時代へタイムスリップ? 飲み屋が並ぶ「辰巳新道」

 辰巳新道

来た道を信号まで戻り、渡ってから右へ。2本目を左折し、すぐに見えてくる左側の路地が、主に飲み屋街が軒を連ねている「辰巳新道」です。昭和レトロな建物が立ち並ぶ、ノスタルジックな街並みで、50メートルほどの路地に約30店舗が営業しています。

「深川公園」は地元民の憩いの場所

深川公園

「辰巳新道」を過ぎ、右折してまっすぐ行くと、永代寺の跡地に造られた「深川公園」があります。遊具、多目的広場、テニスコートなどが備わっていて、園内にある「石造燈明台」は、日清戦争の戦勝を記念して竣工したもの。2007年度に区指定有形文化財に指定されています。

地元民のよりどころ「成田山 東京別院 深川不動堂」

成田山 東京別院 深川不動堂

「深川公園」の隣にある「成田山 東京別院 深川不動堂」は、千葉県成田市にある大本山成田山新勝寺の東京別院。梵字が壁一面に書かれた本堂は、開創310年記念事業として建立されたもので、旧本堂は江東区の指定登録文化財となっています。取材当日は、七五三やお宮参りに訪れている家族連れの姿が多く見られました。

江戸時代に創建された「富岡八幡宮」

富岡八幡宮
富岡八幡宮 伊能忠敬像

深川不動尊の先にあるのが、「富岡八幡宮」。存在感のある鳥居と赤と緑の御本殿が印象的なこの神社は、1627年に創建されました。江戸時代後期の測量家・伊能忠敬が旅に出る前に必ず参拝していたことから、銅像や功績が記された碑が大鳥居の横にあります。

日本最古の鉄橋「八幡橋」

最古の鉄橋 八幡橋

「富岡八幡宮」の裏手にある日本製の鉄を使って初めて作られたアーチ型の鉄橋。当初は京橋区(現中央区)の楓川に架けられていたそうですが、1929年にこの場所に移設されました。日本最古の鉄橋で国の重要文化財に指定されていますが、今でも渡ることができます。

緑豊かな「八幡堀遊歩道」

八幡堀遊歩道

運河を埋め立ててできた遊歩道で、富岡八幡宮の東側に位置しています。両側には木々が生い茂り、緑を感じられる場所。八幡橋はこの遊歩道の上に架かっています。

「首都高9号深川線の高架下」は突如現れる広々空間

首都高9号深川線 高架下

「八幡堀遊歩道」を抜けると、首都高9号深川線の高架下にある広々としたスペースが見えてきます。余暇を楽しめるように整備されており、テニスをする人や散歩をする人などが多く見られました。

※こちらのデータ及び情報は、2023年11月19日現在によるものです。実際の相場状況、制度、その他街の情報とは異なる場合がございますので、ご注意ください。

この記事のポイント

門前仲町の名前の由来はなんですか?

江戸時代に創建された、富岡八幡宮の別当寺「永代寺」の門前町として町が形成されたことが名前の由来です。

詳しくは「門前仲町のエリア概要」をご覧ください。

門前仲町の魅力を教えてください

門前仲町の魅力は、 交通や買い物などの利便性が高い一方で、緑や水辺がある穏やかな街並みを感じられる点です。また、周りには有名な神社や寺院、江戸時代から続く商店街などがあります。そのため、門前仲町は下町の風情が残っており、人情に触れながら便利で快適な生活を送ることができます。

詳しくは「門前仲町の魅力」をご覧ください。

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