新駅の開業、新たな商業施設のオープン、公共施設のリニューアルなど、行政や民間が手掛ける、暮らしに関係する再開発情報をお届けします。今回は、湾岸エリアから2点、商店街や隅田川沿いの地域の活性化を目指す、月島三丁目エリアの市街地再開発事業、JR東日本が手掛ける品川開発プロジェクト「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」をご紹介します。
記事サマリー
月島三丁目北地区第一種市街地再開発事業
「月島もんじゃストリート」など、多くの人が訪れ賑わう“西仲通り商店街”を含む、月島ならではの特性を活かした魅力的な複合市街地の再開発
住まいと暮らしに豊かさを。東京の湾岸エリアの再開発情報から、「月島もんじゃストリート」で有名な、月島周辺の商店街を中心とした再開発事業「月島三丁目北地区第一種市街地再開発事業」をご紹介します。人々で賑わう商店街、隅田川に面した水辺など、さまざまな環境を活かし、地域の活性化を目指します。
月島三丁目北地区市街地再開発組合は、「東京都中央区月島三丁目他で事業を推進する「月島三丁目北地区第一種市街地再開発事業」において、2020年8月7日に東京都知事より市街地再開発組合の設立認可を受け、同年9月5日に設立」と発表しました。
月島三丁目北地区市街地再開発組合からは、
当該地区は、「月島もんじゃストリート」として知名度高く、多くの人が訪れ賑わう“西仲通り商店街”に面した約 1.5haもの施行区域に位置しています。地区内は、築年数の経過した木造家屋が多く立ち並ぶなか、建物の更新が進まないなど防災上の課題を抱えていました。また、隅田川に面した立地環境を活かし水辺と調和した空間や
人々が集い・交流できる公共施設、災害時にも活用できる広場など都市機能の更新が求められておりましたが、個別建て替えでは対応が困難な状況にありました。
この状況を踏まえ、本事業では土地の合理的かつ健全な高度利用を図った新たなランドマークともなるタワーマン ションを中核に、地域の更なる活性化、防災性の向上を図りつつ、月島ならではの特性を活かした安心安全で快適な生活環境と多様で魅力的な複合市街地の形成を図ります。
なお、2017年より住友不動産株式会社、東京建物株式会社、大和ハウス工業株式会社、一般財団法人首都圏不燃建築公社が事業推進に協力して参りましたが、この度正式に参加組合員として本再開発事業に参画致します。
と、2020年9月7日に公表されています。
<月島三丁目北地区第一種市街地再開発事業の特徴>
- 月島地区で最高高さ約199m、最大戸数約1,380戸を誇る新たなランドマークタワーによる新たな人口誘致。
- 木造住宅密集地の解消、建物共同化かつ高度利用、広場整備などによる地域防災機能の充実。
- 商店街と隅田川をつなぐ広場や歩行者動線を創出した“月島ならではの趣ある路地空間”など街並み整備。
- 公益施設の再編による機能(保育所、デイサービス等)の拡充、新設など都市型居住環境の向上。
高輪ゲートウェイシティ(仮称)のまちづくりについて
「Global Gateway」の実現に向けて、「100年先の心豊かなくらしのための実験場」を構築します
JR東日本は、品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)として、「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」のまちづくりを推進しています。江戸への玄関口としての役割を担った歴史的背景および国内初の鉄道が走った地のイノベーションの記憶を継承し、さらに東京国際空港にも好アクセスな地域の特性から、開発コンセプトに「Global Gateway」を掲げ、「100年先の心豊かなくらしのための実験場」となる街を目指します。また、国史跡指定された高輪築堤を現地にて保存したうえで、まちづくりの中で活かしてまいります。
文化創造棟の運営準備組織として、「一般財団法人 JR東日本文化創造財団」を設立し、準備室長に内田まほろ氏を迎えました。また、ラグジュアリーホテルブランド「JWマリオット」(マリオット・インターナショナル)の首都圏初進出が決定したほか、学校法人 東京インターナショナルスクール(インターナショナルスクール)、株式会社コングレ(コンベンション・カンファレンス)等をパートナーに迎え、開業に向けて準備を進めます。
まちづくりのスケジュールについて、複合棟Ⅰおよび高輪ゲートウェイ駅周辺エリアを2024年度末(2025年3月)に開業し、その他の棟(複合棟Ⅱ・文化創造棟・住宅棟)および各棟周辺エリアを2025年度中に開業します。
街概要
■ビジョン
JR東日本は、「Global Gateway」を開発コンセプトに品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)のまちづくりを推進しています。このエリアは、江戸時代に高輪大木戸として江戸への「玄関口」の役割を担ってきた歴史を有し、明治期に日本で初めて鉄道が走った際に日本技術と西洋技術との融合で高輪築堤というイノベーションを生み出した場所です。東京国際空港にも好アクセスな立地特性を活かし、地域の歴史を継承しつつ、世界に新たなイノベーションを発信する場として「Global Gateway」というコンセプトを掲げました。
分散型のあたらしい働き方・くらし方をつくるため、街を「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置づけ、多様なパートナー、周辺地域の方々との共創によるまちづくりを進めます。さらにJR東日本のネットワークを活かし、日本中・世界中をつなぐ拠点として、新たなビジネス・文化が生まれ続ける街を目指します。
■社会課題解決に向けた施策
「100年先の心豊かなくらしのための実験場」に資するまちづくりのため、街全体でSDGsをはじめとした社会課題の解決、環境面での貢献施策を推進します。また、ICT(情報通信技術)等、街の利便性向上に資するデジタルツインの活用を検討し、スマートシティ構築に向けた取組みを推進していきます。
・JR東日本グループが取り組む環境長期目標「ゼロカーボン・チャレンジ2050」の先導プロジェクトとして、CO2排出実質ゼロの先進的でサステナブルな環境都市づくりを推進します。またエネルギー多様化の観点から水素利活用の取組みを推進し、モビリティや燃料電池での活用を行うことを検討します。
・街の様々な情報を統合する都市OSを整備し、運営の効率化や新サービス導入への活用を検討します。それらのデータインフラの整備に向けて、国土交通省が推進する3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化のリーディングプロジェクトである「Project PLATEAU」に応募し、2022年度のユースケースとして採択されました。
http://www.mlit.go.jp/plateau
■文化創造棟 運営準備組織の設立
文化創造棟におけるプログラムを企画・運営するための組織として、準備室長に国内外で活躍する内田まほろ氏を迎え、「一般財団法人 JR東日本文化創造財団」を設立しました。全館をJR東日本関連組織の直営として企画・運営することで、世界中に新しい文化フォーマットを提示し、「100年先に文化をつなぐ」施設を目指します。
■スケジュール
・複合棟Ⅰ・高輪ゲートウェイ駅周辺エリアを2024年度末(2025年3月)に開業します。
国際交流拠点としての主要な機能であるMICE施設(コンベンション、カンファレンス、ビジネス支援施設)、オフィス、商業等を整備する複合棟Ⅰおよび駅周辺の広場・歩行者デッキ等を開業するとともに、高輪ゲートウェイ駅を全面開業します。
・その他の棟・エリアは2025年度中に開業します。
高輪築堤の現地保存に伴う計画変更に関して、具体的な施工計画が確定したため、複合棟Ⅱ、文化創造棟、住宅棟および各棟周辺エリアは、2025年度中に開業します。
まとめ
本記事では、湾岸エリアの月島と品川に関する、街の再開発情報をご案内しました。月島エリアにできる新たなランドマークの誕生によって、より商店街の活気も増すことになり、2024年(令和6年)度に、駅前の高層ビル群とともに本開業予定が予定されているJR東日本の「高輪ゲートウェイ」駅を中心とした、品川エリアのあらたな将来像に周辺住民の期待が寄せられています。