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【社員対談】地域の繋がりを育む場所。東急リバブルの「コミュニティプレイス」とは?

東急リバブルでは、一部店舗の一角を「コミュニティプレイス」として、展示やイベント開催を希望する方に無料で貸し出しています。「不動産会社をより身近に感じていただきたい」という思いで提供し始めたコミュニティプレイスですが、今では地域の方々の繋がりを創出し、深める場所としてもご利用いただいています。

アート作品の展示から自治体のイベントまで、多様な用途で利用されているコミュニティプレイスの提供が実現するまでの経緯や役割について、店舗企画に携わる社員3人にお話をうかがいました。

INTERVIEWEE
流通事業本部 営業推進部 店舗企画課 
平井、松本、奥島

東急リバブルの「コミュニティプレイス」とは?

平井:不動産会社に対して「敷居が高い」「入りづらい」といったイメージをお持ちの方も少なからずいらっしゃいます。東急リバブルのコミュニティプレイスは、こうしたイメージを払拭し、不動産会社に親しみを持っていただきたいという弊社の願いから誕生しました。

奥島:弊社の利益は一切考えていないため、コミュニティプレイスの利用は無料です。地元アーティストの皆さんの作品展示や自治体のイベントなど、多種多様な用途でコミュニティプレイスをご利用いただいています。

松本:弊社が最初にコミュニティプレイスを作ったのは、2014年のこと。神奈川県の茅ヶ崎センターが最初です。現在は10店舗ほどにコミュニティプレイスを設けていますが、コミュニティプレイスがない店舗でも、絵画の展示や小規模なイベントの開催は可能なため、ご相談があれば検討させていただいています。また、自治体限定にはなってしまいますが、店頭にデジタルサイネージがある店舗ではこちらもご利用いただけます。

コミュニティプレイスで過去に開催されたイベント

平井:水彩画展、ぬり絵コンテスト、ミシンワークショップ、映画上映会……この10年で、本当にさまざまな展示やイベントにコミュニティプレイスをご利用いただいてきました。主催者も、自治体や保健所、アーティスト、デザイナー、整理整頓アドバイザー、園芸会社などさまざまです。

・コミュニティプレイスで過去に開催されたイベント一覧はこちら

交通安全啓発イベント

2022年12月開催 交通安全啓発イベントの様子

松本:町田センターで2022年に開催された町田市・町田警察署合同の「交通安全啓発イベント」は、元々、店頭のデジタルサイネージで交通安全に関する動画を流したいというご希望だったんですよね。

奥島:そうでしたね。町田センターは、店舗の前や店舗内のフリースペースも広く、啓発動画の放映に合わせてなにかイベントができるようであれば一緒にやりたいということだったので、スペースもご提供しました。当日は、警視庁のマスコットのピーポくんも来て、白バイにまたがる体験などもできたので、非常に多くの方にお越しいただきました。

2022年5月開催 交通安全啓発イベントの様子

令和6年能登半島地震チャリティレッスン

令和6年能登半島地震チャリティレッスンのイメージ

平井:2024年7月に二子玉川センターで開催された「災害アロマ」のレッスンは、受講料のすべてが「WAJIMANOMIRAI 輪島の未来のために」に寄付されました。弊社としても、場所を提供することでチャリティー活動に協力させていただけるのは、非常に嬉しいことです。

松本:ハーブやアロマを使ったレッスンということで、ご興味を持っていただける方に多くいらっしゃっていただけそうな二子玉川センターをご提案したんですよね。できる限り、イベントの内容や必要な広さに合った場所をご提供したいと考えています。

「インテリアグリーン術」講座

インテリアグリーン術の様子

平井:講座形式のイベントは、参加者さんの満足度も高いようです。2023年に町田センターのコミュニティプレイスで開催された「インテリアグリーン術講座」は、ご参加いただいた19名すべてに「満足」とご評価いただきました。講師を務めたthe Farm UNIVERSALの森本さんも、非常に喜んでいらっしゃったのが印象的です。

松本:イベントの満足度が高いことはもちろん、弊社としては「人数がちょうど良く居心地が良かった」「身近なイベントを沢山やって欲しい」といったお声をいただいたことが嬉しかったですね。

その他過去に開催されたイベントの例

・住まいを整える片付け講座

住まいを整える片付け講座(キッチン編)の様子

・食育イベント

親子向け食育イベントの様子

・市民協働フェスティバル「まちカフェ!」

まちカフェ 映画上映会、写真展示の様子

コミュニティプレイスが実現するまで

松本:表立ってコミュニティプレイスの提供を始めたのは2014年ですが、店舗によってはこれ以前から、地元の方々とのつながりで一部のスペースをご提供することもあったようです。たとえば、東戸塚センターでは自治会の方が生けたお花を店舗内で展示していました。それがご縁となって、クリスマスの時期にはクリスマスリース作りワークショップを開催していました。

平井:冒頭で「不動産会社に対して敷居が高いといったイメージをお持ちの方も多い」と申し上げましたが、逆に親近感を感じてくださっている方もいらっしゃいます。不動産は、暮らしと切っても切り離せない存在です。営業担当者は日々、地域を駆け回っていますし、役所に行くことも多いですから、かねてから地域とは密接に関わらせていただいているんですよね。

奥島:ただ、いざ「無料で貸し出します」「利用してください」とスペースを解放しても、すぐには人が集まらなかったです。今でこそ多くの方にご利用いただいている弊社のコミュニティプレイスですが、当初はイベントを開催してくださる方、参加してくださる方を集めるのに苦労しました。

松本:営利目的でやっているわけではないので、お金をかけて人を集めることはしませんでした。SNSを使ってみたり、物件チラシの裏面を使わせてもらったりして、地道に呼びかけていましたね。

平井:実際にコミュニティプレイスを利用された方にご紹介いただけるようになってからは、人集めの面では楽になりました。展示していただいた作家の先生が別の先生に声をかけてくださったり、参加してくださった方が別のイベントにも参加してくれたり。リピートしてくださる方も見られるようになりました。今ではありがたいことに、展示会やイベントを開催したいとおっしゃっていただく方が非常に多くいらっしゃいます。

コミュニティプレイスの役割

平井:「不動産会社をもっと身近に感じていただきたい」という理由で始めたコミュニティプレイスのご提供ですが、茅ヶ崎センターにコミュニティプレイスを作ってから10年。現在は、地域コミュニティの再生や活性化にも役立てていただいています。

地域の「繋がり」を創出し、深める

松本:一昔前と比べて地域の関わりが希薄になっている一方で、自然災害が多発化・激甚化していることから「共助」の重要性は増しています。コロナ禍を通して、あらためて地域コミュニティの重要性が再認識されたということもあると思います。弊社のコミュニティプレイスは、自治会の方々にご利用いただくこともあります。無料で気軽に集まれる場所というのは、実はすごく貴重なのかもしれません。

奥島:絵画や作品を展示いただくアーティストさんは、基本的には地元の方です。「地元にこんな素敵な作品を作る方がいるんだ」ということが新たな発見となり、街の良さを再発見したり、興味を持ったりするきっかけになることもあると思うんです。イベントをする方も参加してくださる方もご紹介者さんが多いので、コミュニティスペースが地域の方々の繋がりを深める起点にもなっているのではないでしょうか。

地域の情報の発信・啓発

奥島:町田センターの店頭に大型のサイネージを導入したのは、この場所を街のシンボル的な存在にしたいと考えたからです。駅前で人通りも多いため、コロナ禍では町田市からのご依頼でワクチン接種の啓発をすることもありました。今でも、地域の方々に役立つ情報を流しています。こうした情報はもちろんホームページやSNSで触れることもできますが、やはり人通りが多い場所で「リアル」で見てもらうことの意義って大きいと思うんですよ。日常的にホームページやSNSに触れていらっしゃらない方もいますしね。

平井:弊社の店舗は、総じて駅前の好立地にあります。人が集まりやすく、人の目にも触れやすいことから、店舗のインフラを活かせば地域に貢献することもできます。これは10年前の構想にはなかったこと。実際に10年間、コミュニティプレイスや店頭のサイネージを地域の方々にご提供し続けたからこそ得られた気付きです。

社会貢献

平井:2024年2月には、町田センターのコミュニティプレイスの取り組みが“社会を明るくする運動”に積極的な貢献があったとして、東京都保護観察所長から感謝状を授与していただきました。

奥島:町田センターの店頭サイネージで、地域の方々に役立つ情報を流していることが評価されたようです。町田センターは、駅と市役所のちょうど中間あたりに位置しています。これまで市役所に行かなければ目に入らなかった情報が駅前の大型サイネージで掲示されたことで、例年より多くの反響があったと聞いています。

デジタル時代だからこそ「リアル」で繋がれる場所が求められる

平井:昨今では、どのようなことでも大抵はオンラインでできます。不動産取引においても、IT重説や電子契約が可能になりました。このような中でも、東急リバブルは店舗を増やしているんですよ。弊社が実店舗にこだわるのは、人との接点を持ちたいからです。いくらデジタル化が進んでも、対面してコミュニケーションを取るからこそ、新たなアイデアや出会い、繋がりが生まれます。

東急リバブルのコミュニティプレイスは、人との出会いや繋がりを創出し、深めるために幅広くご利用いただける場所です。今後は自治体との連携も強め、町田センターのような事例を他の店舗でも展開していきたいですね。どうしてもスペースに限りがあったり、立地的に情報発信やイベントの開催に適さなかったりする店舗もあるのですが、なんらかの形で地域に貢献させていただくことができるはずです。

・コミュニティプレイスに関するお問合せはこちら

取材・文

亀梨奈美

株式会社realwave代表取締役。大手不動産会社退社後、不動産ジャーナリストとして独立。
2020年には「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、不動産を“伝える”ことに特化した株式会社realwaveを設立。
住宅専門全国紙の記者として活動しながら、不動産会社や銀行、出版社メディアへ多数寄稿。不動産ジャンル書籍の執筆協力なども行う。

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