タワーマンションの最上階「ペントハウス」の特徴は? メリット・デメリットを解説
ざっくり要約!
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タワーマンションの最上階「ペントハウス」のメリットは、眺望や採光の良さ、クオリティとグレードの高い内装・設備、希少価値があること。
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ペントハウスのデメリットは、初期費用や固定費の高さ、災害時の避難経路、エレベーターの待ち時間。
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ペントハウスは、南向きがベストとは限らない。
タワーマンションの最上階にある「ペントハウス」の最大の魅力は、高級感・特別感を味わいながら暮らせることです。しかし、いいことばかりではなく、住むうえで注意すべきこともあります。
そこでこの記事では、タワマンの最上階「ペントハウス」の特徴やメリット・デメリットを紹介します。これから「ペントハウス」を検討しようとしている人は、ぜひチェックしてみてください。
目次
タワーマンションの最上階「ペントハウス」とは?
タワーマンションの最上階にあり、一般的な住戸と差別化された特別感のあるペントハウス。ワンフロアを専有していたり、2階部分のあるメゾネットタイプがあったりと、きらびやかで豪華な住戸なのが特徴です。
天井は総じて一般的なマンションより高く、広々とした空間で戸建てのような感覚が味わえます。グレードの高い設備を使用していることが多く、サウナやジェットバス、ペントハウス専用のエレベーターなどが設置されている物件も見られます。
また、低層階と異なり、タワマンの最上階ということもあってセキュリティが厳重です。オートロックや防犯カメラはもちろん、専用エレベーターがあれば、不審者などに侵入されるリスクも低く安全性が高いでしょう。
ペントハウスのメリット
豪華で特別感の強いペントハウスですが、高級感があることに加え、多くの魅力があります。
眺望が良い
ペントハウスはタワーマンションの最上階にあるため、眺望がとても良く、広大な景色を楽しむことができます。眺望の良さを活かし、窓は大きく取られていることが多いため、特にリビングから絶景が望める物件が多くみられます。
また、同じ高さに住居やビルが少ないため、カーテンをつけずともプライバシーを気にすることなく生活できる点も魅力のひとつです。ただし、物件の立地や高さによって眺望の良さは変わるので注意しましょう。
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採光・通風に優れる
タワマンの最上階は、建物に囲まれることが少ないため、日当たりが良く、採光に優れています。一般的に、マンションは採光面から南向きが良いとされていますが、タワマンの最上階は、南向き以外の部屋であっても、十分な明るさに期待できます。また、風通しも良いため、カビやダニなどの発生する可能性も低い点がメリットです。
上階からの騒音がない
タワマンの最上階は、マンションでトラブルになりがちな上階からの物音や足音に悩まされることはありません。
また、タワマンは気密性や防音性にも配慮されているため、外の音も聞こえにくい特徴があります。プライベートの時間を、静かに過ごせるのは最上階ならではの魅力です。
内装・設備のグレードが高い傾向にある
ペントハウスは、他の住戸と比べてハイクオリティな内装となっていたり、グレードが高い設備が備え付けられていたりすることも少なくありません。ジャグジー付きのバスルームやワイドテラス、ルーフバルコニーなどがついている物件もあり、高級ホテルの雰囲気や特別感が感じられます。
専有面積が広い
ペントハウスは、1フロアに1~数戸ほどしかない住戸のため、一般的なマンションの一室に比べて専有面積が広いのも特徴です。メゾネットタイプで、一戸建てのような感覚で住める物件もあります。
100㎡を超える住戸も多く、200㎡、300㎡の広さを持つペントハウスも存在します。200~300㎡といえば、一般的なコンビニよりも広く、4~6つの部屋数が確保できる広さです。圧迫感を感じさせず、大型の家具家電もおける開放感、部屋だけでなく玄関や廊下もゆとりがある空間が、ペントハウスの魅力です。
資産性・収益性が高い
一般的に、マンションの最上階は人気があり価値が高いとされています。さらにタワマンであれば立地が良く、共有施設の充実などからより希少と言えるでしょう。
もともと数が少ないうえに、利便性やサービス充実などの面から、資産価値が下がりにくく、高い資産性・収益性に期待できます。
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ペントハウスのデメリット
「ペントハウス」にはデメリットがいくつかありますが、すべての住戸に該当するわけではなかったり、適切な対策を取れば軽減できたりします。「ペントハウス」を探すときのポイントとして知っておきましょう。
値段・賃料が高い
ペントハウスは数が少なく、価値や資産性が高いメリットがある反面、値段や賃料が他の住戸と比べて高い傾向にあります。
さらに、タワーマンション自体が立地の良く、人気のエリアにあることも多いため、他の物件と比較しても高価になりやすいでしょう。
地震や台風の被害が大きくなる可能性がある
出典:気象庁
タワマンの最上階は、比較的大規模な地震で発生する「長周期地震動」によって長い時間揺れを感じやすい傾向にあります。長周期地震動とは、周期の長い揺れのことで、特に高層階を大きく揺らします。
また、台風などの強風が原因で揺れを感じることも。タワマンの耐震性は決して低くありませんが、揺れが大きくなりやすいため、家具家電の転倒を防ぐため固定しておきましょう。
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地上に出るのに時間がかかる
タワマンは居住世帯が多いため、共有エレベーターの待ち時間が長いデメリットがあります。高層階であるほど、地上に出るまでに時間がかかります。
特に、通勤通学の時間帯は混みやすく、毎日のこととなればより不便だと感じることもあるでしょう。利用するエレベーターのほかにも台数が確保されているか、各階に止まるのかなど、日常的に使うものなので必ずチェックしておくことをおすすめします。
なお、ペントハウス専用のエレベーターがあれば、そこまで影響は受けにくいでしょう。
管理費・修繕積立金が高額になりがち
充実した共有施設やサービスを提供していたり、グレードの高い設備があったりするため、タワマンの管理費や修繕積立金は高くなりがちです。
最上階のペントハウスは、専有面積が他の住戸より広いため、さらに高額になる傾向にあります。将来的に値上がりする可能性も見込んで、月々の固定費として家計に影響が出ないか検討しておく必要があるでしょう。
下層階と比べると暑い・寒い可能性がある
ペントハウスは、周囲に遮るものが少ない分、採光・通風に優れますが、夏場は直接日が入り部屋が暑くなりすぎるおそれがあります。
また、冬はコンクリートが冷えて寒さを感じやすい可能性も。なかなか部屋が暖まらず、光熱費の高騰に繋がってしまうケースも考えられるでしょう。
携帯の電波が入りにくいことも
タワマンの最上階や高層ビルなどは、携帯の電波が届きにくいというデメリットがあります。これは、基地局は地上40〜50m程度にあることが多く、電波は主に下向きに発信されているためです。
また、地上から高い場所は遮るものがないため、電波が干渉し合い電波が入りにくくなるケースもあります。内覧する際は、携帯の電波が繋がりやすいかどうかのチェックを忘れずに行いましょう。
タワーマンションの最上階に住むうえでの注意点
タワーマンションの最上階「ペントハウス」のメリット・デメリットを踏まえ、住む場合に注意するポイントを知っておきましょう。それぞれ詳しく解説していきます。
「南向き」がベストとは限らない
人気の高い南向きは、日当たりが良く、日中は明るさや暖かさがキープできるメリットがあります。一方、強い日差しにさらされるため夏は暑くなりすぎるデメリットも。
暑さが苦手な方や、ペットを飼っている方などは、北向きや東向きも検討してみましょう。周辺環境によって、南向きではなくても快適に過ごせる可能性があります。眺望についても、必ずしも南向きがベストとは限りません。
大規模災害に備える
大規模災害により停電が起きると、日常生活への影響はもちろん、エレベーターが利用できなくなるため、避難にかなりの時間がかかってしまいます。事前に避難経路を確認して、どこからどのようにして避難できるのかチェックしておくと安心です。
また、停電が長引けば地上との往復を階段で行うことになります。外に出られない、もしくは家に戻れなくなるケースも考えられるでしょう。地震の災害による停電や断水などに備え、水や非常食、簡易トイレといった防災備蓄をしておくことをおすすめします。
まとめ
タワーマンション最上階には、一般住戸にはない特別感が感じられる「ペントハウス」を用意していることがあります。高級ホテルのような雰囲気を味わえ、日々の生活のランクが上がる感覚を体験できるでしょう。
しかし、デメリットも十分考慮して検討しなければいけません。物件選びに困ったら、不動産会社へ一度相談してみるとよいでしょう。
ワンポイントアドバイス
ペントハウスならではのメリットは、眺望・採光の良さやグレードの高い内装設備が備え付けられているところです。周囲の音を気にすることなく、開放的な暮らしを実現できるでしょう。
しかし、初期費用やランニングコストが高い点や、季節によって室内の温度の調整がしにくいこと、災害対策がより大切になることには十分気をつけなければなりません。
Q. ペントハウスのメリットはなんですか?
A.豪華で特別感の強いペントハウスですが、高級感があることの他にも「眺望が良い」「採光・通風に優れる」等の多くの魅力があります。詳しくは「ペントハウスのメリット」をご覧ください。
Q. ペントハウスのデメリットはなんですか?
A. 「ペントハウス」にはデメリットがいくつかありますが、すべての住戸に該当するわけではなかったり、適切な対策を取れば軽減できたりします。詳しくは「ペントハウスのデメリット」をご覧ください。
Q.最上階であるペントハウスに住む際の注意点はなんですか?
A. タワーマンションの最上階「ペントハウス」のメリット・デメリットを踏まえ、住む場合に注意するポイントを知っておきましょう。詳しくは「タワーマンションの最上階に住むうえでの注意点」をご覧ください。