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2024.12.18

タワマンで火災が発生するとどうなる? 対策・避難方法を解説

タワマン 火災 避難

ざっくり要約!

  • タワーマンションには地域ごとの耐火基準や、防火区画、スプリンクラー、特別避難階段、非常用エレベーターなど、多くの火災対策設備が設けられています。

  • 火災が発生した場合、エレベーターの使用は避け、避難階段を使って脱出します。

タワーマンションは高層建築物として都市部に多く見られ、近代的な住環境を提供していますが、火災が発生した際の対策は特に重要です。タワーマンションは一般の住宅と比べて高度な耐火基準や防火設備を備えていますが、その特徴を把握し、万が一の火災時に正しい行動を取ることが重要です。

本記事では、タワーマンションの火災対策や避難方法について詳しく解説します。また、過去の火災事例を踏まえ、どのように日常的に備えておくべきかも見ていきます。安全な生活を維持するために、ぜひ参考にしてください。

目次

タワーマンションの火災対策

タワーマンションの火災対策としては、主に以下のような基準や設備が設けられています。

  • 耐火基準は地域によって異なる
  • 防火区画
  • 特別避難階段
  • 非常用エレベーター
  • 連結送水管
  • ヘリポート

ひとつずつ見ていきましょう。

耐火基準は地域によって異なる

タワーマンションの耐火基準は地域や建物の高さによって異なります。特に、都心部や地方自治体ごとに設定される建築基準法や消防法に基づく基準は、建物の規模や用途によって細かく規定されています。

たとえば、高さが31mを超える建物には非常用エレベーターやスプリンクラーの設置が義務付けられており、15階以上の建物には特別避難階段が必要です。地域によっては、より厳しい耐火基準を適用しているところもあり、災害時の避難経路や防火区画の配置が異なる場合があります。

防火区画

防火区画は、火災時に火の拡散を防ぐために建物内部を分断する重要な仕組みです。日本のタワーマンションでは、建築基準法に基づき各フロアごとに防火区画が設置され、火や煙が他の階や部屋に広がるのを防ぎます。

また、これに加えて防火戸が設けられており、火災時には自動的に閉鎖されて火の進行を阻止します。これらの基準により、マンション内部での火災被害を最小限に抑えることができます。

スプリンクラー

スプリンクラーは、主に11階以上の建物に設置が義務付けられており、火災が発生した際に自動的に消火活動を行う設備です。ただし、2方向以上の避難経路が確保されている場合は設置が免除されることもあります。

スプリンクラーの設置により、初期の火災を素早く鎮火できるため、住民の安全確保に大きく貢献しています。

特別避難階段

特別避難階段は、15階以上の建物に義務付けられた設備で、防火区画や防火戸によって煙や火の進入を防ぎ、安全に避難できるよう設計されています。

火災時に通常のエレベーターが使用できない状況で、住民が迅速かつ安全に避難するために重要な役割を果たします。

非常用エレベーター

高さ31mを超える建物には、非常用エレベーターの設置が求められます。これは、火災時に消防隊員が迅速に現場へ到達し、消火や救助活動を行うために使用されます。

通常のエレベーターは火災時に停止するため、非常用エレベーターは避難や消防活動を支援する重要な設備です。

連結送水管

連結送水管は、7階以上の建物に設置される設備で、地上のポンプ車から水を供給し、建物内部で消火活動を行うための装置です。

地上からの消火活動が難しい高層階でも、効果的な消火活動が可能となります。

ヘリポート

高さ100mを超える超高層建築物には、ヘリポートの設置が義務付けられています。これは、災害時にヘリコプターを使用した救助活動を行うための設備で、高層階の住民が迅速に避難するために重要な役割を果たします。ヘリポートの設置により、地上からの救助が困難な場合でも、上空からの救助が可能となります。

これらの基準や規制によって、タワーマンションは高い火災対策が施されており、住民の安全を確保しています。

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タワーマンションにいるときに火災が発生したらどうする?

万が一、タワーマンションで火災が発生した際には、以下の点に注意して行動しましょう。

  • エレベーターは使用しない
  • 避難ハッチの使用方法
  • 窓やドアはできる限り閉める

詳しく説明します。

エレベーターは使用しない

タワーマンションで火災が発生した場合、エレベーターの使用は非常に危険です。特に、非常用エレベーターは消防士が消火活動のために使用するものであり、住民の避難に使用することは避けなければなりません。

また、火災時には停電やシステム障害が発生する可能性があり、エレベーターが停止するリスクもあります。避難ができず、閉じ込められる危険が高まります。避難の際は、必ず階段を使用し、事前に避難経路を確認しておくことが大切です。

避難ハッチの使用方法

タワーマンションの一部には、避難ハッチや避難はしごが設置されています。特に各階の端に設置されていることが多く、火災時にはこのハッチを通じて隣接する階へ逃げることが可能です。

日頃から、ハッチの位置や使用方法を確認しておくことが重要で、荷物で塞がないよう注意が必要です。また、ハッチの動作確認を行い、災害時に速やかに使用できる状態に保つことが推奨されます。

窓やドアはできる限り閉める

火災発生時には、窓やドアをできるだけ閉めることが重要です。これにより、火や煙の広がりを最小限に抑えることができ、避難経路の安全性が向上します。

特に、火災現場からの延焼を防ぐためには、火災報知器が作動した際に速やかに窓やドアを閉じて、炎や煙の侵入を防ぐことが大切です。逆に開けたままにしていると、酸素供給が増え、火の勢いが増すリスクがあります。

日頃から火災に備えておくことが大切

火災 備え

火災が起きてから動くのではなく、日頃から以下のような点に備えておくことも大切です。

  • 家族で避難経路を把握しておく
  • 火災保険の補償内容を確認しておく
  • カーテンや絨毯は防炎物品のものを使用する

それぞれ見ていきましょう。

家族で避難経路を把握しておく

タワーマンションにおける火災時には、避難経路を事前に把握しておくことが非常に重要です。通常のエレベーターは火災時には使用できず、避難階段や避難ハッチを使用する必要があります。

火災時にはエレベーターが自動停止するリスクもあるため、迅速な避難のために家族全員が非常階段や避難経路を確認しておくべきです。避難経路の確認を怠ると、煙を吸い込んで命の危険にさらされる可能性がありますが、事前に確認することで迅速かつ安全に避難できるメリットがあります。

火災保険の補償内容を確認しておく

火災保険は万が一の際の大きな支えとなるため、その補償内容を事前に確認しておくことが不可欠です。多くのタワーマンションは火災に強い構造ですが、それでも万が一の火災時には、消火活動による水損や煙の被害など、物的損害が発生するリスクがあります。

火災保険の補償内容を確認しておくことで、災害後の経済的な負担を軽減できるため、家族全員が安心して生活を送ることができます。補償範囲の不十分さは、予期せぬ損失を招く可能性があるため、定期的な確認が必要です。

カーテンや絨毯は防炎物品のものを使用する

カーテンや絨毯などの布製品は、火災の際に燃え広がるリスクが高いため、防炎加工されたものを使用することが推奨されます。防炎物品を使用することで、火災が発生した際の延焼を防ぐことができ、被害を最小限に抑えることが可能です。

特にタワーマンションでは、火災が上層階に広がるリスクが低いものの、内部での炎症拡大を抑えるためにこうした対策が重要です。防炎物品を使用しない場合、火災が急速に拡大し、避難の遅れや物的損失が拡大するリスクがあります。

タワーマンションの火災事例

注意をしていても、火災が発生してしまう恐れはあります。ここでは、実際にタワーマンションで起きた3つの火災事例を紹介します。

  • ロンドンのタワーマンション火災
  • 五反田のタワーマンション火災
  • 荒川区のタワーマンション火災

順番に見ていきましょう。

ロンドンのタワーマンション火災

2017年6月14日未明、ロンドン西部に位置する24階建てのタワーマンション「グレンフェルタワー」で火災が発生しました。この火災により、少なくとも17人が死亡し、80人近くが負傷する大惨事となりました。

特に注目されたのは、火の手が驚くほど速く広がり、瞬く間に建物全体を飲み込んだことです。火災発生のきっかけは4階の住民の冷蔵庫の爆発とされています。

五反田のタワーマンション火災

2022年6月13日の早朝、東京都品川区五反田にある44階建てのタワーマンションで火災が発生しました。この火災は18階のベランダで発生し、周辺の電子レンジや自転車などが焼けましたが、比較的小規模なものでした。

約400人が避難し、1時間半ほどで鎮火しましたが、男女4名が煙を吸い込み、病院に搬送されました。

荒川区のタワーマンション火災

2024年1月18日、東京都荒川区南千住にある39階建てタワーマンションで火災が発生しました。この火災は、マンションの5階から出火し、周囲に煙が広がり、一時的に住民が避難を余儀なくされました。消防隊が迅速に対応し、ポンプ車20台を投入して消火活動を行いましたが、鎮火するまでに約2時間を要しました。

出火原因についてはまだ調査が進行中ですが、火災によって約20平方メートルが焼失し、ベランダにいた住民2名が救助されました。そのうちの1名が軽傷を負い、病院へ搬送されました​。

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まとめ

タワーマンションでは、火災発生時に住民の安全を守るため、厳格な耐火基準や多様な防火設備が導入されています。エレベーターは使用せず、避難階段やハッチを使って安全に避難することが基本です。日頃から避難経路や防火設備の確認を行い、万が一に備えておくことが大切です。

また、防炎物品の使用や火災保険の内容を確認することで、火災による被害を最小限に抑えることができます。これらの対策を講じておくことで、安心してタワーマンションでの生活を送ることが可能です。

ワンポイントアドバイス

火災に備えるためには、普段から家族全員で避難経路を確認しておくことが重要です。特に、エレベーターの停止時に備えて非常階段や避難ハッチの場所を把握し、実際に使うシミュレーションをしておくと良いでしょう。

また、避難用具の整備や、防炎カーテンや絨毯などを使うことで、火災時のリスクをさらに減らすことができます。こうした準備を日常的に行い、万が一の時に落ち着いて対応できるようにしておきましょう。

この記事のポイント

Q. タワーマンションの火災対策はどのようになっていますか?

A.タワーマンションの火災対策としては、防火区画やスプリンクラー、特別避難階段といった基準や設備が設けられています。詳しくは「タワーマンションの火災対策」をご覧ください。

Q. 日頃、どのような備えをしておくべきでしょうか?

A. 火災が起きてから動くのではなく、日頃から家族で避難経路を把握しておいたり、火災保険の補償内容を確認しておくことも大切です。詳しくは「日頃から火災に備えておくことが大切」をご覧ください。

Q.実際にタワーマンションで火災はあったのでしょうか?

A. 注意をしていても、火災が発生してしまう恐れはあります。「タワーマンションの火災事例」では、実際にタワーマンションで起きた3つの火災事例を紹介します。

悠木まちゃ ライター名:悠木まちゃ

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。 その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。