中古マンション、中古戸建ともに成約件数・成約価格上昇
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が11月10日に発表した2023年10月度首都圏(1都3県)不動産市場の動向によれば、中古マンション、中古戸建ともに前年比で成約価格はプラスとなりました。しかし、中古マンションはすべての都県で上昇したものの、中古戸建については地域差が大きくなっています。
首都圏中古マンション
項目 | 2023年10月成約物件の平均 | 対前年同月 |
---|---|---|
平米単価 | 74.55万円/㎡ | +7.4% |
件数 | 3,287件 | +7.0% |
価格 | 4,765万円 | +8.4% |
専有面積 | 63.91㎡ | +0.9% |
築年数 | 23.56年 | -0.17年 |
在庫件数 | 46,312件 | +14.9% |
(参考:東日本不動産流通機構)
2023年10月に成約した首都圏中古マンションの平均平米単価は、前年同月比+7.4%の「74.55万円/㎡」でした。成約平米単価の上昇は、41ヶ月連続です。成約件数も同+7.0%と大幅増。2023年度に入ってから新規登録数の増加が見られていましたが、ここ2ヶ月ほどは新規登録数の増加が落ち着きを見せており、それに伴って在庫数の増加率も低減しています。
エリア | 2023年10月成約㎡単価前年同月比 | 2023年10月成約件数前年同月比 |
---|---|---|
東京都区部 | +4.1% | +9.1% |
東京都多摩 | +5.9% | -0.7% |
横浜・川崎市 | +14.5% | +10.4% |
上記除く 神奈川県 |
+8.5% | +12.6% |
埼玉県 | +5.9% | +7.5% |
千葉県 | +12.4% | -2.6% |
(参考:東日本不動産流通機構)
成約㎡単価は、すべてのエリアで前年同月比増となりました。とくに横浜・川崎市、千葉県の増加率は非常に高く、10%を超えています。神奈川県は成約件数の増加も著しく、中古マンション市場は好調だといえるでしょう。
首都圏中古戸建
項目 | 2023年10月成約物件の平均 | 対前年同月 |
---|---|---|
価格 | 3,947万円 | +5.9% |
件数 | 1,220件 | +0.7% |
土地面積 | 139.06㎡ | -2.5% |
建物面積 | 104.47㎡ | +0.5% |
築年数 | 22.03年 | +0.81年 |
在庫件数 | 19,443件 | +37.7% |
(参考:東日本不動産流通機構)
中古戸建の成約件数は、わずかですが22ヶ月ぶりに前年同月比プラスとなりました。成約価格も2ヶ月連続の同プラスです。一方、在庫件数は2022年9月から14ヶ月連続で増加。この1年で、1.5倍近くにまで増加しています。
エリア | 2023年10月成約㎡単価前年同月比 | 2023年10月成約件数前年同月比 |
---|---|---|
東京都区部 | +8.8% | +12.2% |
東京都多摩 | -7.3% | +9.5% |
横浜・川崎市 | +14.6% | +15.9% |
上記除く 神奈川県 |
-1.1% | -13.0% |
埼玉県 | -6.5% | -6.2% |
千葉県 | +0.7% | -8.0% |
(参考:東日本不動産流通機構)
1都3県の平均値は成約価格、成約件数ともにプラスとなりましたが、地域差は大きいようです。成約価格については、東京都区部と横浜・川崎市を除いて横ばいからマイナス。成約件数についても、東京都および横浜・川崎市を除いてマイナスです。都市部を中心に成約数、成約価格が伸びているからこそ平均値はプラスになっていますが、埼玉県や千葉県では、ここ数ヶ月、成約件数は横ばいで、成約価格は下落傾向にあります。
“注目”の不動産ニュース
「フラット35」が子育て世帯向け金利引き下げプランを開始
住宅金融支援機構は11月10日、子どもの人数に応じて金利を引き下げる「【フラット35】子育てプラス(仮称)」を開始すると発表しました。同プランは、11月2日に閣議決定した「デフレ完全脱却のための総合経済対策」における令和5年度補正予算を財源とします。
【フラット35】子育てプラスとは
新たに加わる 【フラット35】子育てプラスは、申込年度の4月1日時点で18歳未満の子がいる子育て世帯および夫婦のいずれかの年齢が40歳未満である若年夫婦世帯に対し、全国一律で子どもの人数などに応じて金利を引き下げるプランです。【フラット35】Sなど、その他の金利引き下げメニューとも併用が可能で、最大引き下げ幅は年1%となります。
金利引き下げは「ポイント」に応じる
フラット35では、子育てプラスだけでなく、住宅性能や物件の管理状況などに応じて金利を引き下げるプランを打ち出しています。金利引き下げ幅および引き下げ期間は、これらの項目ごとに付与されたポイントに応じて決まります。たとえば、上記のように若年夫婦または子どもが1人いる家族で、ZEHかつ長期優良住宅を取得する場合は5ポイントとなり、当初5年間の金利は年1%引き下げられ、6~10年目は年0.25%の引き下げとなります。
出典:国土交通省