中古マンション、28ヶ月ぶりの在庫件数減少!戸建は価格上昇も地域差が広がる
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は6月10日、2024年5月度首都圏(1都3県)不動産市場の動向を発表しました。中古マンション、中古戸建ともに、前年同月と比べて成約価格の上昇が見られます。中古マンションは成約件数も増え、28ヶ月ぶりに在庫物件が減少しましたが、中古戸建は地域差が見られます。
首都圏中古マンション
項目 | 2024年5月成約物件の平均 | 対前年同月 |
---|---|---|
平米単価 | 76.30万円/㎡ | +7.5% |
件数 | 2,845件 | +3.9% |
価格 | 4,834万円 | +5.8% |
専有面積 | 63.35㎡ | -1.6% |
築年数 | 24.41年 | +0.91年 |
在庫件数 | 45,603件 | -0.4% |
(参考:東日本不動産流通機構)
2024年5月に成約した首都圏中古マンションの平均平米単価は、前年同月比+7.5%の「76.30万円/㎡」でした。成約平米単価の上昇は49ヶ月連続、成約件数の増加は12ヶ月連続です。在庫件数は同-0.4%と微減ですが、22年1月以来28ヶ月ぶりに前年同月を下回りました。
エリア | 2024年5月成約㎡単価前年同月比 | 2024年5月成約件数前年同月比 |
---|---|---|
東京都区部 | +8.6% | +4.0% |
東京都多摩 | +4.7% | +18.3% |
横浜・川崎市 | +4.2% | +3.8% |
上記除く 神奈川県 |
+18.6% | -18.0% |
埼玉県 | +5.3% | +8.9% |
千葉県 | +5.5% | +2.5% |
(参考:東日本不動産流通機構)
成約平米価格は、すべてのエリアで上昇しました。東京都区部の対前年同月日の平米単価の上昇は49ヶ月連続、他のエリアも上昇傾向が継続しています。とくに横浜・川崎市を除く神奈川県の上昇率は同+18.6%と非常に高い一方、同エリアの成約件数は同-18.0%と大きく減少しました。
首都圏中古戸建
項目 | 2024年5月成約物件の平均 | 対前年同月 |
---|---|---|
価格 | 3,864万円 | +3.8% |
件数 | 1,096件 | -1.4% |
土地面積 | 136.90㎡ | -8.7% |
建物面積 | 103.19㎡ | +0.5% |
築年数 | 21.17年 | -0.36年 |
在庫件数 | 21,649件 | +25.0% |
(参考:東日本不動産流通機構)
2024年5月に成約した首都圏中古戸建の平均平米単価は、前年同月比+3.8%の「3,864万円」でした。4ヶ月連続の上昇です。一方、成約件数は同−1.4%の微減。6ヶ月ぶりの減少となりました。中古マンションと異なり、在庫物件は増え続け、最古物件の価格も下落傾向にあります。
エリア | 2024年5月成約㎡単価前年同月比 | 2024年5月成約件数前年同月比 |
---|---|---|
東京都区部 | +1.6% | +18.9% |
東京都多摩 | +2.1% | -3.0% |
横浜・川崎市 | -2.1% | -8.0% |
上記除く 神奈川県 |
-2.8% | -15.7% |
埼玉県 | +1.3% | -3.4% |
千葉県 | +9.0% | -1.3% |
(参考:東日本不動産流通機構)
一都三県で見ると成約件数は微減ですが、エリア別で見ると東京都区部が同+18.9%と大幅に増加した一方、その他すべてのエリアはマイナスとなっています。とくに、横浜・川崎市を除く神奈川県は、マンションと同様に成約件数の減少が顕著に見られます。2024年に入ってから前年同月比で価格が伸び続けているのも、東京都区部のみです。
“注目”の不動産ニュース
不動産の取得や売買にかかる税金の優遇措置が延長
2024年度税制改正により、不動産の売買に課される印紙税や登録免許税、不動産取得税の優遇措置が延長しました。
印紙税
不動産売買契約書は、印紙税の課税文書です。2024年3月31日まで軽減措置がとられていましたが、この措置が3年間延長され、2027年3月31日までに作成される不動産売買契約書は、下記表右の軽減税率が適用となります。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
10万円を超え50万円以下のもの | 400円 | 200円 |
50万円を超え100万円以下のもの | 1,000円 | 500円 |
100万円を超え500万円以下のもの | 2,000円 | 1,000円 |
500万円を超え1,000万円以下のもの | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円を超え5,000万円以下のもの | 2万円 | 1万円 |
5,000万円を超え1億円以下のもの | 6万円 | 3万円 |
1億円を超え5億円以下のもの | 10万円 | 6万円 |
5億円を超え10億円以下のもの | 20万円 | 16万円 |
10億円を超え50億円以下のもの | 40万円 | 32万円 |
50億円を超えるのもの | 60万円 | 48万円 |
不動産取得税
不動産取得税の軽減措置も同じく3年間延長され、2027年3月31日まで土地などの取得にかかる課税標準・税率が以下のように軽減します。
対象 | 本則 | 特例 |
---|---|---|
宅地評価土地の取得に係る 不動産取得税の課税標準の特例 | - | 1/2 |
土地等の取得に係る 不動産取得税の税率の特例 | 4% | 3% |
長期優良住宅の課税標準額の控除額の増額措置(1,200万円→1,300万円)は、2026年3月31日まで延長しました。
登録免許税
登録免許税の軽減措置も同様に3年間延長となり、2027年3月31日まで、それぞれ以下の軽減措置が適用となります。
一般住宅の軽減措置
登記の種類 | 本則 | 軽減措置 |
---|---|---|
土地の売買による所有権移転登記 | 2.0% | 1.5% |
土地の売買による所有権信託登記 | 0.4% | 0.3% |
住宅用家屋の所有権保存登記 | 0.4% | 0.15% |
住宅用家屋の所有権移転登記 | 2.0% | 0.3% |
住宅取得資金貸付け等による抵当権設定登記 | 0.4% | 0.1% |
特定認定長期優良住宅の軽減措置
登記の種類 | 本則 | 軽減措置 | |
---|---|---|---|
所有権保存登記 | 0.4% | 0.1% | |
所有権移転登記 | マンション | 2.0% | 0.1% |
戸建て住宅 | 2.0% | 0.2% |
認定低炭素住宅の軽減措置
登記の種類 | 本則 | 軽減措置 |
---|---|---|
所有権保存登記 | 0.4% | 0.1% |
所有権移転登記 | 2.0% |