東京23区の中古戸建成約件数が前年同月比1.5倍以上!積み上がる在庫と広がる地域差
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は7月10日、2024年6月度首都圏(一都三県)不動産市場の動向を発表しました。中古マンション、中古戸建ともに、前年同月と比べて成約価格・成約件数の平均値は上昇しました。とくに、東京都区部の中古戸建の成約件数は同+50%以上と急増。一方で、中古戸建は依然として在庫数の増加が続いています。
首都圏中古マンション
項目 | 2024年6月成約物件の平均 | 対前年同月 |
---|---|---|
平米単価 | 77.95万円/㎡ | +7.9% |
件数 | 3,259件 | +4.8% |
価格 | 4,956万円 | +7.5% |
専有面積 | 63.57㎡ | -0.3% |
築年数 | 24.36年 | -0.5年 |
在庫件数 | 44,722件 | -1.9% |
(参考:東日本不動産流通機構)
2024年6月に成約した首都圏中古マンションの平均平米単価は、前年同月比+7.9%の「77.95万円/㎡」でした。成約平米単価の上昇は50ヶ月連続です。在庫件数は、前月と比べて-2.5%。2カ月連続で減少しています。一方で、在庫物件の平米単価は、9ヶ月連続で前年同月を下回っています。
エリア | 2024年6月成約㎡単価前年同月比 | 2024年6月成約件数前年同月比 |
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東京都区部 | +7.3% | +7.3% |
東京都多摩 | +11.0% | +1.8% |
横浜・川崎市 | +7.1% | +0.4% |
上記除く 神奈川県 |
+9.8% | -4.3% |
埼玉県 | -0.9% | +8.5% |
千葉県 | +7.5% | +5.0% |
(参考:東日本不動産流通機構)
2024年に入ってから、一都三県のほとんどのエリアで成約平米単価(前年同月比)は継続的に上昇していますが、6月は埼玉県のみ微減。成約件数は、横浜・川崎市を除く神奈川県のみ減少しています。東京都区部は依然として好調で、成約平米単価、成約件数ともに同+7.3%。都区部の成約平米単価上昇も、一都三県平均と同様に50ヶ月連続です。
首都圏中古戸建
項目 | 2024年6月成約物件の平均 | 対前年同月 |
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価格 | 4,016万円 | +7.1% |
件数 | 1,302件 | +14.4% |
土地面積 | 146.79㎡ | +4.2% |
建物面積 | 104.29㎡ | +0.5% |
築年数 | 22.41年 | +0.51年 |
在庫件数 | 21,623件 | +22.3% |
(参考:東日本不動産流通機構)
2024年6月に成約した首都圏中古戸建の平均平米単価は、前年同月比+7.1%の「4,016万円」でした。成約件数は、同+14.4%の大幅増。東京都区部の成約件数急増が牽引した形です。一方、在庫件数は依然として増加傾向にあります。
エリア | 2024年6月成約㎡単価前年同月比 | 2024年6月成約件数前年同月比 |
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東京都区部 | +6.1% | +50.3% |
東京都多摩 | -0.7% | -1.6% |
横浜・川崎市 | +5.1% | +10.7% |
上記除く 神奈川県 |
+0.6% | +8.8% |
埼玉県 | -10.4% | +10.8% |
千葉県 | +6.9% | +8.7% |
(参考:東日本不動産流通機構)
東京都区部の成約件数は、同+50.3%。2024年以降、都区部では成約件数が大幅に増加しています。一方、東京都多摩は同-1.6%と微減。その他のエリアでは増加していますが、東京都区部の増加が一都三県の増加率を引き上げているようです。成約価格については、東京、横浜・川崎市、千葉県では上昇していますが、埼玉県では同-10.4%の大幅減。中古戸建は、成約価格、成約件数の推移に地域差が見られます。
“注目”の不動産ニュース
2024年「路線価」公表
国税庁は7月1日、2024年分の土地路線価を公表しました。前年比の全国平均は+2.3%と、3年連続の上昇。上昇幅は2010年以降、最大です。
上昇したエリアの特徴は都市部・観光地・再開発・半導体企業誘致
【都道府県別】
上昇率5%以上10%未満 | 北海道・宮城県・東京都・沖縄県 |
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上昇率5%未満 | 岩手県・秋田県・山形県・福島県・茨城県・埼玉県・長野県・神奈川県・石川県・愛知県・三重県・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・岡山県・広島県・山口県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県 |
変動率0.0% | 青森県・静岡県 |
下落率5%未満 | 栃木県・群馬県・新潟県・山梨県・富山県・福井県・岐阜県・奈良県・和歌山県・鳥取県・島根県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・鹿児島県 |
2023年に上昇率が5%以上だった都道府県は、北海道のみ。今年は、東京都に加え、観光需要が回復した沖縄や再開発が進む宮城県も上昇率が5%を超えました。
細かく見ていくと、東京の浅草、大阪の道頓堀などインバウンド需要が回復したエリア、半導体企業の進出が見られる熊本県菊陽町、北海道千歳市などでは、近年の公示地価や基準地価と同様に高い上昇率が見られました。
上昇エリアが目立つ一方で下落し続けるエリアも
都道府県別の状況からも見て取れるように、上昇した都道府県と変動なし、あるいは下落した都道府県はほぼ同数です。全国平均の上昇幅は拡大したものの、群馬県や四国など30年以上にわたって路線価が下がり続けている都道府県もあります。
都市部やインバウンド需要が回復したエリア、再開発エリアなどの上昇が目立つ一方で、郊外エリアはマイナスとなっている都道府県も。平均値が上昇している都道府県においても、地域差は拡大しています。人口減少と高齢化がますます進んでいくと見られる今後は、地価の二極化がより一層大きくなっていくものと推察されます。