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市況・マーケット

~東急リバブル不動産鑑定士が見る~「平成28年 都道府県地価調査」-2

2016年10月21日

~東急リバブル不動産鑑定士が見る~「平成28年 都道府県地価調査」

II.トピックス

訪日外国人旅行者の急増による地価上昇

訪日外国人旅行者数は、円安の恩恵も受けて2013年に初めて1,000万人を超え、2014年(約1,341万人)、2015年(約1,973万人)と順調に増加しました。そして、2016年は8月時点で約1,600万人(前年同期比24.7%増)と、年間2,000万人突破がほぼ確実といえる状況です。
この訪日外国人旅行者数の増加により、店舗やホテルの需要は高まっており、商業地の地価上昇を加速させています。

サミットの効果は?

5月に開催された主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の影響もあり、伊勢神宮内宮門前の「おかげ横丁」近くにある商業地は7年連続で上昇しました。しかし、その他の地点では目立った上昇は見られず、今のところその影響は限定的です。ただし、地価調査は7月1日時点の価格であり、今後のポストサミット効果(観光客の増加など)次第では、商業地を中心に地価が上昇する可能性があります。

上昇率トップ

今回の調査で、上昇率が1位となったのは、名古屋駅付近に位置する名古屋市中村区椿町です。大幅上昇の理由は、周辺での大規模再開発でビルの竣工が相次いだことで、労働人口の増加を見込んだ店舗やオフィス向けの土地需要の高まったことや、2027年に開業予定のリニア中央新幹線への期待感などがあげられます。

都心部でのコンパクトマンションの増加

ここ数年、地価上昇が顕著な都心部では、建築費の高騰もあって、新築マンションの分譲価格が高額化し、購入できる需要者が限られる傾向があります。それを受けて、最近は、一部屋当たりの専有面積を小さくすることで総額を抑えたコンパクトマンションの販売が増加傾向にあります。

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